嵐の中、恐怖のドライブを経て家にたどり着き、ホッとしたのもつかの間。あー、晩ごはんつくらなあかん。
その前におだいどころには朝のお茶碗がそのままだ。まずはこれを片付けなくちゃ(泣)。
もちろん買い物に行く気力はなし、ありあわせで何か作ろうと冷蔵庫をごそごそ。うーん、何もかも中途半端な感じ。
シンクの中は空になったけど、また大量の洗いものはしたくない。・・・こんなときは丼かカレー・・・よね。
牛肉冷凍してあったし、野菜も・・・う、じゃがいもがない。普通のカレーが作りたいのに。
ブツブツ言ってると、娘が「今日の晩ごはん何?」「カレーにしようと思ったんやけど、じゃがいもないし・・・里いもならあるけど・・・」
「里いも、いいじゃん。冬野菜カレー、なつかしい。里いもがいい!!」と、たたみかけられる。
おー、冬野菜カレー覚えてたのね。ちょっと心が温かくなる。
それは、彼女の小学校の時の給食。調理員さんたちの学校オリジナルメニュー。
当時、レシピが給食だよりに載ってたから、何度か作ってみたの。そうだね。里いもで作ってみようか。
材料は、牛肉、玉ねぎ、人参、ピーマン、そして里いも。これだけでシンプルに。疲れているときに欲張るのは御法度。
肩の力を抜いて・・・そう、ちょっと生き方を変えてみたい(^^)v
カレー如きで大げさな(笑)。
牛肉を炒めて、玉ねぎを炒めて、人参と里いもを入れて、軽く炒める。
里いもは炒めたり煮えすぎるとぐちゃぐちゃになるイメージがない?
そんなことないの。小さく切りすぎなければ、グツグツ煮込んでも原型のまま、しかもやわらかく火を通すことができる。
水を入れてアクを取りながらしばし煮込む。ふつう・・・だけど、少し気持ちはていねいにアクを取る。
アク取りの作業が好きなの。お鍋の中がどんどんきれいになっていくのを見るのが好き。
煮えたら火を止めてカレールーを入れる。ごく普通に作る。
カレールーの基本装備は「奄美カレー」。本当においしい。
奄美大島産のウコンを生のまますり潰したものを使って作られてる、無添加のルー。もうかれこれ20年使っています。
カレールーを使うなら2種類は混ぜて作ったほうが絶対おいしい。甘口と中辛を半分ずつ使おう。それに私はプルーンエキスを大さじ1杯くらい加える。
そのままでは少し私にはしょっぱく思えるから、プルーンの甘みを加える。するとまろやかな味に変わるの。
あまり時間がなくてもこのルーは味がまとまりやすい。もちろんカレーだから、少し置いたり、何度か火を入れるとおいしくなるけど。
さて、普通にしばらくコトコト煮込む。そうそう、ピーマンを入れよう。さっと加熱できたら火を止める。
ピーマン入りカレーも懐しい味。長男がお腹にいた頃、数ヶ月働いていた保育園の給食の味。
よく煮込まれたカレーは少しほろ苦かったけど、3歳児クラスの子どもたちはひとり残さず食べていた気がする。もう遡れないほど昔の話。でも、舌の記憶は今でもふっとよみがえるのよね。
できた!!と思った途端、にぎやかな声がする。
剣道の稽古から子どもたちが帰ってきた。日中も部活の稽古や試合をして、嵐の中帰ってきて、また稽古に行ってきた下2人。
タフやなあ。
ちょっと遅い晩ごはん。
遅い時間のカレーは少し胃に重たかったりするけど里いものおかげでやさしい味に仕上がりました。
ほら、やっぱり煮崩れたりしていない。ねっとりほくほくのおいしさは主張しすぎず、ふつうにカレーの中に収まってる。
今日はこのカレーと、かぶのあっさり漬け風。昨日作って冷蔵庫に入れておいたから、さっと出すだけ。程よい塩味とひんやりした美味しさがごちそう。
おかわりして戻ってきて、ひと口食べた娘が言う。「さっきよりおいしくなってるよ。」
ほんとやね。ふしぎふしぎ。こんなにも味が違う。まろやかになってとってもおいしい。
里いものおかげで疲れた体と心が少しほぐれた気がするなあ。
うーん、こんなにおいしいんだもの、これからしばらくはじゃがいもがあってもわざわざ里いもを買って作ってしまいそうです(^^)