顎鬚仙人残日録

日残りて昏るるに未だ遠し…

ギンナン(銀杏)拾い

2015年11月05日 | 日記

近くの公園で銀杏拾い…、今はほとんど拾う人はいないので、絨毯を敷いたように落ちています。きれいな半透明の緑色の実は、茶碗蒸しの定番ですが、やはり封筒に入れて電子レンジチンでのおつまみが簡単レシピ。しかし、なんともその臭いと手間の煩わしさがひと苦労です。
さて、銀杏は裸子植物門イチョウ綱イチョウ目イチョウ科イチョウ属と、長い分類名です。大昔から地球上で繁茂したものが氷河期にほぼ絶滅し、今では現存する唯一のイチョウ綱となってしまい、生きた化石としてレッドリストの絶滅危惧IB類に指定されている植物とか、いくらでも見かけられるのに…。

銀杏の木は、雌雄異株ですので、この公園でもほんの数本が実を付けているだけです。雌雄の見分けは難しく、街路樹などの場合は、実がなると厄介なので、接木した雄の木だけを植えているということです。


やっとこの状態になりました。手袋をして作業しましたが、体中が臭いですし、かぶれも心配です。というのは、銀杏の実や葉は、漆などのようにかぶれなどの皮膚炎を引き起こします。小学生のときに手や顔が膨れ上がった記憶があります。イチョウの乾葉が防虫剤として用いられるのは、こうした成分が葉にも含まれているからだそうです。
弘道館所蔵の古書の虫干し「曝書」の説明で、学芸員の方も古文書を調べていると「銀杏の葉」がはさまれていることがありますが、これは偶然でも、「しおり」にしたのでもなく、防虫材にしたのではないか?と思われますと話していたと聞きました。

なお、銀杏(ぎんなん)、いちょうもみじ(銀杏黄葉)、銀杏散るなどは秋の季語ですが、いちょう(銀杏、公孫樹)自体は季語ではありません。

銀杏散るまつただ中に法科あり  山口青邨
戦災を耐えた銀杏や実はならず  顎鬚仙人