顎鬚仙人残日録

日残りて昏るるに未だ遠し…

秋色の水戸城三の丸

2015年11月18日 | 水戸の観光
ボランティアの研修会、終わってから水戸城の秋の色を探しました。


まず、三の丸西側の空堀、石垣や天守閣はなくてもやはり御三家にふさわしい規模です。
ギンナン拾いの方も、最近では見かけられなくなりましたが、この土塁と空堀は原形をとどめる形で残っており、石垣がなく,土塁の空堀側法面に小段状の犬走りがあることから,全国的にも珍しい城郭史跡だそうです。
この犬走り部分に植えられた樹齢およそ90年と推測される銀杏の根が張りすぎて,地表面に大きく露出したり、400年という長い年月の中での崩落が進んでいたため,平成18年に修復工事が行われました。


空堀の東側、三の丸旧県庁の土塁上の木々も紅葉が始まっています。三の丸は9代藩主の斉昭公が弘道館を作るまでは、12の重臣屋敷があったところ、すべて立ち退かせて日本一の規模(178,400㎡、54,000坪)を持つ藩校、弘道館を建てました。当時の敷地図を見ると、土塁の内側のこのあたりには馬場があったとあり、百拾四間全幅三間五尺と載っていますので、205.2mもの長さがあったようです。


大手橋付近も、すっかり秋の装いです。
奥行き5.5mもあった大手門の北側で、先日瓦塀が発掘されましたが、その部分はいまシートがかかっています。千枚以上の瓦を使った重厚なつくりで、徳川家の威信を高めようと装飾性を高めたのではないかと言われています。大手門復元に向かっての明るい話題になりました。


二の丸との間の20m以上の深さのある空堀を挟んだ弘道館側にある空き地は、もと法務省官舎跡と聞きましたが、二季桜が見る人もないまま見事に咲いていました。このあたりも、大手門復元のときには統一景観をつくるプランがあるのでしょうか。