顎鬚仙人残日録

日残りて昏るるに未だ遠し…

鮎四尾

2018年06月24日 | 釣り
知り合いから久慈川で釣ったばかりの鮎をいただきました。
あまりにもきれいな魚体なので、外に出して雨にうたれる姿を撮りました。
日本書紀にも登場し日本人の生活と文化に深く関わってきた鮎は、なぜか魚編に占うと書きます。諸説あるなかで、神武天皇が高倉山で敵に包囲されたとき、「酒を入れた瓶を丹生川に沈め、魚が浮いてくれば大和国を治めることができる」という占いに従ったところ、本当に魚が浮かんできて、その魚がアユであったという話もあります。

柳の葉のような姿と上品な香りと味わい、内臓のほろ苦さが好まれ、万葉集でも鮎の歌が詠まれ、食通で名高い北大路魯山人は「はらわたを抜かず、塩焼きにして、火傷するほど熱いものに蓼酢を絞ってかぶりつくこと」といい残しているそうです。
我が家でもそれしか知らない調理法、塩焼きにて美味しくいただきました。
季語は夏ですが、若鮎は春、落鮎は秋になります。

またたぐひ長良の川の鮎鱠   芭蕉
鮎くれて よらで過ぎ行く夜半の門  蕪村
姿よく焼かれし鮎に膝ただす  吉屋信子