茨城県立歴史館ではいま「安部朱美創作人形展 昭和の家族 -伝えるこころ-」が開催されています。(9月16日まで)
猛暑の午後、懐かしい昭和の時代を思い出させてくれる人形たちに会ってきました。
作家の安部朱美さんは1950年鳥取県の生まれ、30歳を過ぎて3人の子どもに読み聞かせる本を探しに図書館通いをしていた頃、ふと手にとった「紙粘土人形の本」がきっかけだったそうです。
技法や材料も分からない手探り状態から始めましたが、模索を重ね独自の創作粘土人形の技法を編み出してきました。
石粉粘土人形で表現された昭和30年代の家族の姿はほのぼのとした温かさがあり、子供の歓声や当時の匂いまでするような気がしました。今ほど文明が進んでなく家庭に車やエアコンが無くても、ずっと豊かな気分だった……暫し昭和のノスタルジーに浸りました。
最初の作品「かあちゃん読んで」は、人形の寺として知られる京都の宝鏡寺門跡主催の創作人形公募展で大賞を受賞し、国民読書年ポスターにも起用されたため世に知られるようになったそうです。
「おうまさん」
「床屋はかあさん」
「夕焼け小焼けで日が暮れて」
「いろり端」
「背伸びたかな」
「こたつでカルタ」
「アイスキャンデー」
「紙芝居」
「カミナリおやじ」
「たき火」
「おいしいうどん」
「しょうぎ」
「ベーゴマ」
「駄菓子屋」
「魚屋さん」
「肩たたき」
「唄声は浜辺に」 『二十四の瞳』より
「この子らに報復の銃は持たせたくない」
「祈り」「萌し」
おばあちゃんのいつもの祈りとそれを真似て手を合わせる孫…明るい萌しに向かって進んでいこうというコメントで展示が締められていました。
顔の表情やしぐさがいかにも自然で、さらに衣装や小道具などのきめ細かい仕上がりが素晴らしく、昭和30年代の世界につい引き込まれてしまいました。撮影、SNS可でしたので、暑気払いに71点の展示から20点を紹介させていただきました。
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