平成から令和へ10連休のゴールデンウイークもいつもの通り、どこも混雑するし車でウロウロすると交通の邪魔にもなるので、近くの公園などを徘徊します。
27年前に造成された大規模団地の中、そのまま自然を残した公園には、外来種と従来の植物がいまのところ仲良く雑居しています。
枝に巻き付いて高所に咲くことの多い藤の花が、手頃な高さで咲いていました。
万葉集で藤の歌は26首、房になって咲く様子から藤浪とも詠われています。
藤波の花は盛りになりにけり奈良の都を思ほすや君 大伴四綱
恋しけば形見にせむと我がやどに植ゑし藤波今咲きにけり 山部赤人
恋しけば形見にせむと我がやどに植ゑし藤波今咲きにけり 山部赤人
めっきり数が減ってきた絶滅危惧種のキンラン(金蘭)、ギンラン(銀蘭)を見つけ嬉しくなりました。
この日本の野生ランは、自然界の「菌根菌」という菌類と共生する独特の生育形態のため、持ち帰って移植しても育てるのは不可能ということが知られていないため、開発の他に乱掘による絶滅が危惧されています。
道端や荒れ地で見かけるカラスノエンドウ(烏野豌豆)は、古来より食用とされてきた時代もあったようですが、ネットでは食べ方と駆除の仕方の両方が出ていました。同じ仲間でさらに花の小さいスズメノエンドウ(雀野豌豆)があります。
ムラサキケマン(紫華鬘)は木陰などによく見られるケシ科の越年草、華鬘とは仏教の装飾具のことです。季語集に載っているケマンソウ(華鬘草)はタイツリソウ(鯛釣り草)のことで、こちらの方が仏具によく似ていますが…。
なお、この種は同じ仲間のキケマン(黄華鬘)同様、毒性植物で知られています。
よく見るときれいですがマツバウンラン(松葉海蘭)は、北米原産で侵入生物データベースによると西日本から北関東まで侵入分布が確認されています。
キツネアザミ(狐薊)、秋からロゼット状で越冬し翌年初夏に開花する一年草です。
アザミに似ているけどトゲもない別種で、キツネに騙されたみたいというのが名の由来とも言われています。
ニシキギ(錦木)の花、枝に翼のようなコルク質の突起があるため、カミソリギともいいます。錦と名付けられた紅葉の美しさと可愛い赤い実から、庭の脇役として使われます。
明るい林床にチゴユリ(稚児百合)の群生がありました。どこでも見られる花ですが、アップにするとややうつむき加減のかわいい表情をしています。
ヤマツツジ(山躑躅)は山野でいたって普通に見られる代表的なツツジです。暖地では常緑性、寒地では落葉性ですが、この辺はどちらも見られるような気がします。
山つつじ照る只中に田を墾く 飯田龍太
偕老の歩幅をゆるせ山つつじ 斎藤梅子
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