会場となる偕楽園と弘道館の梅林は、例年より約10日位早く、2月25日にほぼ満開の公式発表が出されました。新型コロナウイルスの影響で観光客はかなり減っていますが、いつものように春にさきがけた清楚な花が咲き誇っています。
「満月」は、明治23年(1890)、昭憲皇太后御行啓の際に造られた御成門(現在は閉門中)の両脇に植えられた由緒ある老木です。
櫟門坂上の「紅加賀」です。開設当時の斉昭公は水戸城のお堀から千波湖を経て南門近くの船着き場で下船、この櫟門をくぐって庭から好文亭に入られたといわれています。
比高20m程度の洪積層台地上にある偕楽園の南側は崖になっており、正岡子規の「崖急に梅ことごとく斜めなり」の句碑が建っています。
「鹿児島紅」は紅梅の中でも特に紅い種のひとつ、雄蕊の花糸まで赤くなっています。
水戸の6名木「柳川枝垂」です。図鑑では花弁の先が尖がった桔梗咲ですが、この個体にはその特徴はありません。
梅とは思えない豪華で優雅な「白牡丹」、花の大きさも4㎝くらいある杏系の名花です。
陰の世界…竹林近くで色香を放つ「大湊」は、野梅系の結実品種です。
南面の「道知辺」も満開になりました。姿も香りもよく他花を凌ぐので、道しるべになるほどだという命名説もあります。
南崖にあるねじれ梅の極め付きの一本、残った皮だけで今年も元気に花を咲かせています。
梅桜橋近くの池のほとりの「八重唐梅」は、花弁の先が白くなる「覆輪」のきれいな花です。
「一流」は名前負けせずに、格調高い花を咲かせています。盆栽、植木の人気種だそうです。
開いた花の底のほうが紅い、「底紅」という種類を3種ご紹介、「鈴鹿の関」です。
「関守」は底紅に赤い筋が入ります。
「東雲」も赤い筋入りの底紅です。底紅のこの3種は、野梅系の結実品種です。
偕楽園創設の水戸藩9代藩主、徳川斉昭公の諡号の付いた「烈公梅」は、さすがに良果の生る「花果兼用種」で、水戸の代表品種です。
梅は開花時期が長く、100種以上ある中で遅咲きのまだ蕾の梅もありますので、いろんな変わった花を園内に探しながら春を味わっていただきたいと思います。
いつもより早い開花になって今が一番いい時ですが、新型コロナウイルスの影響でせっかく咲いた花を見てくれるお客さんが少ないので残念です。
いろんなイベントも中止になり、本日より観光ボランティアも中止になり、お客様を案内できなくなってしまいました。
ただ、いつものような混雑はないので、ゆっくりと花を観賞できます。
ぜひお出かけください。
毎年訪れる観梅です。南側の斜面は日当たりも良く好きな場所の一つです。
私は人混みが苦手なので、偕楽園を敬遠し
田鶴公園や弘道館わきの梅園で過ごすことが多く、静かな場所で手作りのおにぎりを食べるのも一つの楽しみになっています。
いつも、茨城の情報をありがとうございます。