皆さん、箱根大湧谷の黒たまごってご存知ですか?箱根大湧谷は約3000年前に箱根火山で水蒸気爆発による山崩れが発生し堆積物が地表を覆い、更に約2900年前にも小規模な火砕流が発生し冠ヶ岳がでて、また火山砕屑物も積もりました。この2つの火山砕屑物と山崩れによる堆積物の間が現在大涌谷と呼ばれています。黒たまごはこの大湧谷の地熱と火山ガスの化学反応を利用して作られます。卵を温泉池でゆでると気孔の多い殻に温泉池の成分である鉄分が付着し、これに硫化水素が反応して硫化鉄(黒色)となり黒い殻のゆでたまごができあがるのです。難しい事はこのくらいにして、実はこの黒たまごですが1個食べれば寿命が7年も伸びるとされています。これは鎌倉時代に作られた「延命地蔵尊」と言うお地蔵さんが大湧谷に在るからが理由とされます。今回は駐車場に自動車を停め大湧谷に続く道を7~8分登り、黒たまごを製造(?)している現場を見学しました。そこには若いお兄さんが金属の籠に卵を沢山入れ温泉に浸けています。1時間ほどすると白い卵が見事に黒いたまごに変身して出来上がりです。隣接された黒たまごの販売所では5個500円でこの黒たまごを売っていますが我先にと列をなして黒たまごを求めています。傍らではその場で黒たまごを食べようと皆殻を剥いています。凄まじい光景に「日本人てこんなにたまごが好きなんだ!」と思っていると、たまごを食べている人の言葉は中国語、韓国語がほとんどです。東日本大震災と原発事故で日本から外国人が居なくなり、旅行者も来日しなくなりましたが、6ヶ月が過ぎ確実に外国人(中国、韓国)が戻ってきているのだと大湧谷で感じました。因にこの黒たまごですが光熱費無しの自然の力で製造し、原価を想像すると、とんでもない利益だと想像します。羨ましい限りと思うのは私だけでしょうか?