ゆきんこブログ

月刊ガソリンスタンド誌
『変化と試練が、人と企業を強くする』
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石油業界の相場対応・経営監理

2007年08月18日 08時14分58秒 | Weblog
今朝は雲が多くて久しぶりに涼しい陽気になりそうです。
テレビのニュースでは昨日の株価下落と円高の話題ばかり。

アメリカのFRBが急遽公定歩合を下げたということで、ニューヨークの株価はようやく持ち直しているらしい。来週は押したり引いたり、激しい乱高下を繰り返すことになるのでしょう。

国内の石油製品市況の先物は若干安くなっているようですが、あくまでも「相場」ですからその時期にその価格だという事が確定されているわけではありません。あくまでも現時点における見通しなのです。

しかも、その時点における需給状況により、業転市況などは大きく変動しますから実質二重価格的な様相を呈することにもなりかねません。

一般業者のほとんどはSS在庫程度のところが多い訳ですから、実質的にはその時点における市況に合わせての販売ということになります。ですから、上げても下げても成り行き商売ということになります。販売価格に関してはその時点における場当たり的な価格対応を強いられるところが辛いところです。

SS店頭での販売価格先物なんてものは存在しません。
近隣に安値販売があれば、対抗価格もありますからその時点における販売価格は未確定です。

元売りなどでは輸送中のものも含め在庫量が多いため、在庫評価額により決算はかなり変動しますから難しい局面です。

株などでは手持ちの評価額が直接変動します、先物があれば対応は追証などでさらに大変です。その時点で価格が確定するわけですから、損も得もその時点で清算する事を求められます。

石油製品は安く仕入れても、価格競争で安く売れば収益メリットはないわけですから収益が確定できないわけです。難しい商売ですね。

もちろん、安く仕入れて、高く売れれば、収益は上がります。しかし、こんな事は子供でも分かることです。単純なのですが難しい商売です。

鮮度や不良在庫が発生しない分だけ、利も薄いということでしょうか。

ですから、大手の先進的な企業では「流通コスト」や「流通データ処理」などのコストダウンを図ることで競合他社と「格差」をつける事がポイントとなっています。

これからの時代は、本社管理費や流通管理システムを駆使して相対的な経営監理費の大幅なコストダウンをはかる事が求められています。
そんな中で、どんな業種でも内部統制の必要性が叫ばれています。

大企業でも零細業者でも管理コストが一定であれば、当然、合併や企業統合によるビジネスとしてのスケールメリットを享受できるということになります。

この事が、元売りや大手企業などによる企業統合や合併が増えている要因ともなっているのです。

汗を流すか、知恵を絞るか、経営者としての英断も求められています。何らかの選択を求められる厳しい時代に突入です。