この連休を使って、私は「大漁」の詩を読んで以来気になっていた、金子みすず関連の本を数冊読んでみました。
大漁
朝焼小焼だ 大漁だ
大羽鰯の 大漁だ。
浜は祭りの ようだけど
海の中では 何万の
鰯のとむらい するだろう。
夫に創作を禁じられ離婚し、26歳で自殺したみすず。どうして子供を残して死んだのか、と疑問に思っていましたが、夫の浮気による病気が彼女を蝕んで、育児にも支障をきたしていたこと等、よく事情がわかりました。
そして、みすずの娘・上村ふさえさんのインタビュー記事(別冊太陽の「生誕100年記念金子みすず」) 「みなさんいろいろ言いますけど、きっと父だけが悪いのではなかったと思うんです。・・・・父もまたかわいそうな人なんですよ。小さい頃に母親と死に別れていますから」と語られるのを読んで、
鈴と、小鳥と、それから私、
みんなちがって、みんないい。 (「私と小鳥と鈴と」から)
と詠ったみすずの心は、娘にしっかり引継がれていたのだなぁ、と感じました。
しかし、みんないい、と分かりながら、実生活では家族がばらばらとなり幸せをつかめなかったみすず。みすずの死後、祖母に育てられながら、母には愛されていなかったとずっと思ってきたという娘。
「いますごく、(母の)愛情をいっぱい感じられるんです。めずらしいことですよね、自分が70歳を過ぎて、はじめて母と娘になるってことは、ちょっとないでしょう」と今語る娘の言葉を聞いて、みすずはやっと天国で少し安堵できたでしょうか。
今回みつけた素敵な詩です。
ばあやのお話
ばあやはあれきり話さない、
あのおはなしは、好きだのに、
「もうきいたよ」といったとき、
ずいぶんさびしい顔してた。
ばあやの瞳には、草山の、
野茨のはなが映ってた。
あのおはなしがなつかしい、
もしも話してくれるなら、
五度も、十度も、おとなしく、
だまって聞いていようもの。
「みんなちがって、みんないい」人達の声にしっかり耳を傾け、寄り添っていける生き方ができたら、わたし達には幸せがつかめるでしょうか。そんなことをみすずの詩から考えた連休でした。
大漁
朝焼小焼だ 大漁だ
大羽鰯の 大漁だ。
浜は祭りの ようだけど
海の中では 何万の
鰯のとむらい するだろう。
夫に創作を禁じられ離婚し、26歳で自殺したみすず。どうして子供を残して死んだのか、と疑問に思っていましたが、夫の浮気による病気が彼女を蝕んで、育児にも支障をきたしていたこと等、よく事情がわかりました。
そして、みすずの娘・上村ふさえさんのインタビュー記事(別冊太陽の「生誕100年記念金子みすず」) 「みなさんいろいろ言いますけど、きっと父だけが悪いのではなかったと思うんです。・・・・父もまたかわいそうな人なんですよ。小さい頃に母親と死に別れていますから」と語られるのを読んで、
鈴と、小鳥と、それから私、
みんなちがって、みんないい。 (「私と小鳥と鈴と」から)
と詠ったみすずの心は、娘にしっかり引継がれていたのだなぁ、と感じました。
しかし、みんないい、と分かりながら、実生活では家族がばらばらとなり幸せをつかめなかったみすず。みすずの死後、祖母に育てられながら、母には愛されていなかったとずっと思ってきたという娘。
「いますごく、(母の)愛情をいっぱい感じられるんです。めずらしいことですよね、自分が70歳を過ぎて、はじめて母と娘になるってことは、ちょっとないでしょう」と今語る娘の言葉を聞いて、みすずはやっと天国で少し安堵できたでしょうか。
今回みつけた素敵な詩です。
ばあやのお話
ばあやはあれきり話さない、
あのおはなしは、好きだのに、
「もうきいたよ」といったとき、
ずいぶんさびしい顔してた。
ばあやの瞳には、草山の、
野茨のはなが映ってた。
あのおはなしがなつかしい、
もしも話してくれるなら、
五度も、十度も、おとなしく、
だまって聞いていようもの。
「みんなちがって、みんないい」人達の声にしっかり耳を傾け、寄り添っていける生き方ができたら、わたし達には幸せがつかめるでしょうか。そんなことをみすずの詩から考えた連休でした。