二日目。
天気予報では午前中は少し晴れ間も見える、ということだったが、朝から一面ガスで何も見えず。ガッカリ。
同室の二人組は唐松岳に登ってから五竜へ向かうと言う。
娘に唐松へ行く気はなく、我々は一足先に五竜へ向かう。
霧雨っぽく、雨具をつけて出発。
『牛首』の下りが要注意である。
娘は登る前には
『私はすでにアルプスデビューは果している。槍ケ岳も恐くなかった。』と言っていたが・・・。

『牛首』を下り始めると『コワイよ~ 』と時々呟いている。
足場を確かめてからねとか、三点確保でねとか、始終声をかけながら慎重に下る。
ガスって下が見えなかったからまだ良かったものの、これで晴れていたら恐くて動けなくなっていたかも知れない。
慎重過ぎるぐらい慎重に下ったので、下り切るのにたっぷり一時間かかってしまった。
あとは緩やかな稜線をのんびりと行く。
が、ガスは一向に晴れる様子はなく、全く景色は見えない。今これではこの先晴れ間はあるのだろうか?

「こういう天気の悪い日は雷鳥に遭えるんだよ」
そんなことを話していたら、本当に雷鳥が!
親鳥の姿は見えずひなだけのお散歩だったらしい。
我々の目の前をちょこちょこと可愛らしく歩いて草むらの中に見えなくなった。
稜線の花
  
五竜山荘に着いて、さてどうしたものか?
娘はやはり景色が見えないなら行ってもしょうがないと言う。
本当ならここに泊まり五竜岳を往復するはずだったが、今10時、これから一日ここにいるのはイヤだと言う。
遠見尾根の下りは4時間。我々の足でも5時間あれば下れるだろう。
何とかゴンドラにも間に合いそう。
ということで、このまま下山を決定。
が~、
無事下山できたものの、やはり無謀な選択だった・・・。
山荘を発って30分ほど下った時、さぁ~っとガスが消え、少し五竜岳が見えた。
今からまた戻ろうか、と聞くと、
今更戻れない、と言う。
後ろ髪を引かれる思いで下って行ったが、すぐまたガスって何も見えなくなった。
ほんの15分ぐらいのものだった。

晴れ間が! 五竜山荘と五竜岳

これから下る 遠見尾根
 
さぁ!あとは下るだけ。
しかし、この『遠見尾根』は『大遠見山』『中遠見山』『小遠見山』とアップダウンを繰り返しながら下らなくてはならない。
特に大遠見までは鎖場も何ヶ所かあり、娘は恐がって思ったより時間をくってしまった。
そして岩場で普段使わない筋肉を使ったその疲れがだんだん出てきて、中遠見を過ぎた頃から疲労はピークに。
だんだん標高が下がるに従い蒸し暑く、休憩の回数も増え、ようやく『地蔵の頭』に着いた時にはよれよれになってしまった。
この遠見尾根は初めて下ったのだが、晴れていれば展望のよい尾根らしいが、今回は全く見えず、ただ辛いだけの尾根だった。
下る途中、遠くで雷鳴が鳴ってびくびくしたが、何とかカミナリには遭わず、下山してタクシーで温泉に直行。
お風呂に入っている間に激しい雷雨となり、もう少し下山が遅れたらと思うとホントに間一髪だった。
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