『蓮華岳は足の踏み場もないほどコマクサが咲いていた』・・・
ずいぶん昔、若いころに蓮華岳に行った夫からこう聞かされていて、
一度は蓮華岳のコマクサを見てみたいとずっと思っていたが、ようやく行ってきました。
現在ではきっちりと登山道が整備されていて、足の踏み場もないほど・・・と言う訳にはいかないが
蓮華岳の砂礫地全体に散りばめられた、たくさんのコマクサに出会うことができました。
扇沢までの夜行バスさわやか信州号は平日なのにすでに満員と断られ、さてどうしたものか?
今年は諦めて来年にしようかと思ったが、白馬新宿間の高速バスが夏の間、
扇沢着の夜行便があるということがわかり、電話を入れてみるとまだ空席があると言う。
しかも、女性専用席が設けられているという嬉しい配慮。
お値段も安く(4700円)これからはこの高速バス利用が絶対いい。
コース 扇沢~針ノ木峠~蓮華岳往復~針ノ木小屋(泊)
~針ノ木岳~スパリ岳~赤沢岳~鳴沢岳~新越山荘(泊)
~岩小屋沢岳~種池山荘~扇沢
終点扇沢で降りたのは女性二人だけ。
もう一人の若い人はアルペンルートに行くようでした。
軽く朝食と身支度を整え、針ノ木雪渓に向かいます。
登山口の入り口にはテントが張られ監視(?)のお兄さんがいて、登山届の受け付けや相談に乗っています。
「熊は出ますか~?」と聞くと『出るけど前にも歩いているから大丈夫でしょう。』
最初はいかにも熊が出そうな草ぼうぼうの登山道です。
何回か林道と交差しながら大沢小屋に向かいます。
針ノ木雪渓、針ノ木岳が見えてきました。
左側の窪みが針ノ木峠です。
サンカヨウもキヌガサソウも変身です。
1時間半かからずに大沢小屋に着きました。
小屋には『休憩無料』と書かれていて気兼ねなく休ませていただきます。
タテヤマウツボグサ エゾシオガマ
アキノキリンソウ オオバギボウシ
大沢小屋から30分ほどで針ノ木雪渓末端に到着。
何人か前方に登って行く人がいます。
アイゼンを着け登り始めます。雪は汚いです~。
けっこう急な斜面もあり、振り返っても下が見えません。
アイゼンは割と効いているのでそれほど怖くないけれど、下りはどうでしょうか。
下りの人もけっこういました。
途中から雪渓も途切れ、夏道を歩くようになります。
雪の消えたところから花が咲き始めています。
イワカガミ アオノツガザクラ
急な斜面をジグザグと登り、ようやく峠に着きました~。
きつかった~。
明日歩く稜線も見えています。
いくつかの山を登り下りしながら行くコース。
バテずに歩くことができるのか?ちょっと心配。
針ノ木小屋に宿泊手続きをして、必要な荷物だけ持って蓮華岳を往復します。
針ノ木小屋と針ノ木岳。(右、スパリ岳)
イワツメクサ
あれが山頂~?と間違えること3~4回。
そのたびにガッカリ~。
蓮華岳ってけっこう大きい山。
ポツポツとコマクサが現れ始めました~。
途中のハイマツ帯。
山頂は奥の丸み?
チングルマとミネズオウ。
ミヤマダイコンソウもたくさん咲いていました。
ツガザクラ。
お馴染の花は撮るのをやめようと思うのだけれど・・・。
そしていよいよコマクサの群生です~!
タカネスミレも~。
ようやく蓮華岳山頂。
北葛岳方面、蓮華の大下りの斜面の方がコマクサがいっぱい咲いていました。
大下りを2分ほど下ったところに白いコマクサがあると聞き、下ってみると
ありました~!
たった1株・・・。
タカネツメクサ、タカネスミレ、チシマギキョウ
ふと見ると、雷鳥の親子!
母鳥と、ヒナ4羽いました。
コマクサもたっぷり楽しんだのでそろそろ戻ります。
突然『キャーギャー』と鳴き声が聞こえ、びっくりしてよく見ると、さっきとは違う雷鳥の親子が。
ヒナは二羽でした。ヒナはほんとに可愛いいです。
タカネシオガマ
一日目はすっきりと晴れとはいかなかったけれど、夕方になって少し晴れてきました。
明日こそ期待できそうです。
期待した通り、すっきり晴れてくれました。
槍ヶ岳、穂高もくっきりと見えます.
白馬岳、鹿島槍もきれいに見えます。
二日目はこの稜線を真ん中あたりにある新越山荘まで歩きます。
針ノ木岳まで一時間ほど。
山頂到着~。360度の眺望です。
黒部湖を挟んで立山、剱岳。
後立山方面。鹿島槍の向こうに火打山、妙高山。
少し大きく。
高瀬ダムの向こうに槍穂高。
野口五郎、鷲羽、水晶、赤牛、黒部五郎、そして大きいのが薬師岳。
蓮華岳。
そして富士山、南アルプス、八ヶ岳まで~。
充分景色を堪能したら先に進みます。
ミヤマオダマキ シコタンソウ
針ノ木岳を振り返る。
針ノ木岳直下で石に乗っかり、思いっ切り尻もちを着いてしまいました。
このコースはざれた砂礫の道でとても歩きにくいです。
二度と転ばないようにと慎重に歩きます。
スパリ岳への登り。
スパリ岳山頂。
赤沢岳への登り。
この登りが一番厳しいかな~と思ったけれど、それほどでもなかった。
赤沢岳。
赤沢岳山頂より、蓮華岳、針ノ木岳。
少し雲が出てきました。
薬師岳 五色ヶ原
鳴沢岳到着。
赤沢岳と鳴沢岳のあいだにトロリーバスの関電トンネルが通っています。
今夜の宿、新越山荘が見えてきました。
が、近いようでなかなか着かない。一時間ぐらいかかりました~。
この縦走路は、徐々に標高を下げていくので、逆コースより楽だと思います。
そして鳴沢岳を過ぎると草原も多くなり植生が変わってきます。
道も歩きやすくなりました。
お馴染さんは撮らないと思ったけれど、群生しているとつい撮ってしまいます。
シナノキンバイ。
ハクサンシャクナゲ
ミヤマキンポウゲも咲き乱れ。
やっと新越山荘に到着しました。
蓮華岳 針ノ木岳
夕焼けがきれいでした。
三日目。
立山剱が朝日に染まります。(山荘の談話室から)
雲も取れ、今日もすっきり晴れ上がりました~。
こちらから見る剱岳はカニみたいな形をしていたのですね~。
だから『カニのタテバイ』『カニのヨコバイ』『カニのハサミ』と言うのだ~と納得。
あれがきっとカニのハサミ。
ミヤマコゴメグサ コメバツガザクラ
今日も富士山見えていました~。
岩小屋沢岳到着。
ハクサンチドリ イブキジャコウソウ
クルマユリ
剱もそろそろ見納め。
ハクサンフウロ
樹林の中ではサンカヨウがまだきれいに咲いていました~。
種池山荘からは針ノ木岳が正面です。
立山も少し見えています。
お名残り惜しいけれど下山です。
歩いてきた稜線を何度も見上げながら、柏原新道を下りました。
| Trackback ( 0 )
|