八幡平から南に延びる稜線上の山々を結ぶコースを裏岩手縦走路と言います。
今まで八幡平は他の山のついでに寄るだけで、山頂を中心とした周辺のコースしか歩いたことがない。
その裏岩手縦走路はなだらかな稜線が続き、とても気持ちよく歩けそうだけど
途中にある小屋は全部避難小屋。
岩手山に登る時に是非一緒に歩きたいと思っていましたが、私の体力では一度にはとても無理。
それなら、夏には網張から岩手山、秋に裏岩手から網張へと繋げようと考えました。
中でも三ツ石山は紅葉で名高く是非一度は登ってみたいものと思っていました。
何日も前からお天気のチェック。
9月に入ってから雨続きで2日と晴れが続きません。
三ツ石山の紅葉は割と早く、先週から続々とレポが上がっていました。
散々振り回され、この日しかないと藤七温泉を予約。
最初の予定では1日前が晴れ予報でその日は満室だったのが、お天気がずれて幸いしました。
ところが、お天気は更にずれて、行った27日は夕方には雨が止むはずでしたが・・・。
盛岡駅から宿泊者用の無料送迎バスに乗り、さくら公園で宿からの迎えの車に乗り換えます。
(バスにはあちこちの宿に泊まる人たちが10数名乗りました。)
お天気よければ少し早めに来て八幡平の散策などできたんですけどね。
私一人のために申し訳ない。
『山に登るの~?明日は雨だよ~』と東北訛りのおじさん。
明日は晴れる予定で来たんですぅ~。
藤七温泉は初めて泊ったのですが、すごく気持ちのいい温泉。
食事は朝夕バイキングで山菜たっぷり種類もたっぷり、とても美味しかった。
宿の方々もとても感じよく、部屋にはテレビなどないのですが清潔で気持ちよかったです。
夕食にはツキノワグマの味噌煮も出て、これは宿のちょっとこだわりの一品となっているようです。
食べてみましたが・・・?
夕食 熊肉(ゴボウと)
朝食
ほんの少しずつ取り分けていただいたけれど、これだけでお腹いっぱいになってしまいました。
まだこれ以外にもメニューはあったのです。
雨は次の日の朝になっても止みません。
予報では濃霧、昼頃から晴れ、明日は曇り。
朝食を頂き支度をして、ほんとうなら早めに出発したいところだけど、中々出掛ける決心がつかない。
何時までもグズグズしていてもしょうがない
どうやら雨も止んだみたいと雨具を着けて8時20分ごろ部屋を出る。
そしたら8時半には通行規制(山頂まで夜間通行止め)が取れて登山口まで車で送ってくれると言う。
30分ほど上り坂を歩かねばと思っていたのでこれは有り難かった~。
『贅沢な山小屋のつもりでまた来てください』『無理をしないで気を付けて』
温かい言葉を掛けていただいて出発。また是非泊まりたいです。
コース 裏岩手縦走路登山口~畚岳~諸桧岳~瞼祖森~大深山荘(泊)
大深山荘~大深岳~小畚山~三ツ石山~大松倉山~犬倉山分岐~網張温泉リフト乗り場
ちょうど私が出発する時に一人の男性が登山道に入って行きました。
こんなお天気の時は誰かがいると心強い。
どうせ離されてしまうだろうけれど・・・。
20分ほど歩くと畚岳(もっこだけ)分岐でその男性が休んでいました。
地元の方でこんなお天気だからもう帰ろうかと思っているとのこと。
私が大深山荘に泊り網張に下ると言うと、
『ここはお散歩コースで途中には日本庭園のようにきれいな所がいっぱいあるからゆっくり楽しんで。
でもお天気崩れるとこの時期雪になることもあるから、その時は松川温泉に下るといい』とのアドバイス。
ありがとうございました。
山に入ると誰彼別なく気軽に話ができるのが嬉しい。
畚岳はお天気よければ見晴らしのいい山だそうだけれどガスで何も見えずパス。
ここまでなら八幡平から一時間もかからず来られるから、またの機会でも良し(平らだし)
結局一人旅となりました・・・。
次の山は諸桧岳(もろびだけ)っていうからこの木々は檜?
立ち枯れの木々が何だか物語の風景。
登山道はこんなに平坦でここはまだよかったけれど、
雨が散々降ったから?道がだんだんぬかるんできます。
水溜まりもできて足をどこに置こうか?という所も。
もうテンションだだ下がり。
どうしよう。取りあえず諸桧岳まで行ってみようか・・・。
時には池もあり。ちょっと幻想的。
諸桧岳に到着しました。
どうしよう。もうこんなお天気に歩くの嫌。
ここで行ったり来たりしながら散々迷い、5分ぐらい戻りかけると向こうから男性3人組。
聞くと大深山荘から松川温泉に下ると。
その人たちを見送り、こんなお天気でもやっぱり歩く人はいるんだ~。
それなら私も頑張ろう。
大深山荘に泊れる支度はしてある。午後から回復するっていうから期待しよう。
30分ほど歩くと少し明るくなってきた!
シラタマノキ ナナカマド
石沼
風雪に耐えたダケカンバ
前諸桧に到着
前諸桧から少し歩くと左側が突然開け、思わず声が出ました。
ここまで笹やハイマツの林の中を歩いてきたので眺望は全くなかったのです。
まだ稜線はガスっているけど、あれは鏡沼?
雲も少しずつ取れ、山腹の道路は樹海ライン?
こちらの道路はたまに車が走ります。やはりアスピーテラインが人気。
赤はないけれど、これはこれですてき。
少しずつガスが上がってきてる。
稜線が見えてきました。
晴れていれば岩手山までの稜線がずっと眺められるらしい。
次のピーク瞼祖森(けんそもり)
歩いている時は気がつかなかったけど振り返れば斜面が結構紅葉していたのが分かる。
紅葉
瞼祖森到着
瞼祖森を振り返る
正面に大深岳?
少し左寄り林の中に大深山荘も見えました。
今夜の宿、大深山荘。
まだ早いのですが、次の三ツ石山荘まで行く時間と体力がないのでここに泊ります。
一番乗りでした。
こんなお天気だし、平日だしもしかして貸し切りかな~?と思っていたらすぐに3人組の男子。
場所を確保して先ずは水汲み。
昼を食べ、明日のお天気が分からないので大深岳まで行ってみることにします。
小屋から往復10分ぐらい。松川温泉に下るコースの湿原に水場はありました。
水はじゃかじゃか出ていました。
大深岳までは30分ほどの道程。
ここもやっぱり見晴らし良くないので、少し先まで行ってみることにしました。
雲が多いけど晴れてきた!
乳頭山?
岩手山も。
明日のコース、小畚山と三ツ石山。
途中で何人かに出会い、今夜は何人ぐらいの泊りになるんだろう?と気にしながら戻る。
結構な人たちが小屋に到着していた。
それ以降も続々到着し、20人収容の小屋は超満員に。
この時期は平日でもやはり混み合うみたいです。
早めに到着してよかった。
翌日(29日)、曇りの予報だったけれどお天気悪かったら松川温泉に下る。
曇り程度だったら思い切って縦走を続けるつもりでいました。
そしたら思いがけず晴れ!
水場の湿原から朝日。下は雲海。
岩手山もスッキリ。
手前の小畚山に向け、大きく下ります。
やっぱり空は白っぽく青空とはいかない。
それに向きが悪く紅葉も冴えない。西日の方がきれいなんだろうな。
エゾリンドウ
振り返るとジグザグと下ってきた道が見えました。
模様のような山肌。
小畚山の紅葉
小畚山到着
次のピークを目指して、気持ちの良い縦走路。
小畚山を振り返る
ピーカンとはいかないけれど、これだけ紅葉が見られれば十分。
あと少し
振り返ってばかり。真ん中の山は源田ヶ岳?
三ツ石覘標の台というピーク
そして三ツ石山へ。
三ツ沼
あれが三ツ石山の山頂?
だんだん雲が湧き上がって・・・
小畚山と覘標の台を振り返る。
すてきなお散歩コース
もうすぐ
三ツ石山山頂。
岩手山
傍にいた男性が、ピークは過ぎたかな?と言っていましたがこれだけの紅葉が見られれば十分。
山頂では風が出てきて寒かった~。
紅葉と眺望を楽しんで岩の山頂を後にする。
山頂はこんな風になっていました。
三ツ石山荘が見えました。
こちらの斜面も紅葉が見事。
下から沢山の人が続々と登ってきます。
松川温泉から登り松川温泉に下るという人が多いみたい。
下りは結構急な階段とドロドロのひどい道。
滑らないように気を付けて歩いてけっこう時間がかかってしまいました。
人も多いからすれ違いも大変。
三ツ石山荘。
三ツ石山荘から三ツ石山。
いい感じに晴れてきたけどもう下山。
もう少し山頂にいたら紅葉もきれいに見えたかもしれない~。残念。
大松倉山への登りの途中から三ツ石山を振り返る。
登山道が山頂直下は直登の階段、山腹の道は泥濘・・・。
大松倉山はこれまた平坦な尾根の先。
こちらも紅葉きれいでした。
一旦下って最後の登り返しで犬倉山分岐へ。
これがまたまたひどい泥濘。
このコースは半分ぐらい泥んこと格闘していた気がする。
雨が散々降った後だったからだと思うけど、せっかくのお散歩コースなのにほんとに残念。
後は少し下って網張温泉に下るリフトに乗り継ぎ、温泉に入ってさっぱりして帰りました。
最初はほんとに憂鬱な歩きだったけれど途中で帰らなくてよかった。
最後まで歩き通せてよかった。
お天気が何とか持ってよかった~。
日差しが少ない分、鮮やかな紅葉とはいかなかったけれど十分楽しめました。
泥濘さえなければまた歩きたいコースです。次は日帰りで。
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