活版印刷紀行

いまはほとんど姿を消した「活版印刷」ゆかりの地をゆっくり探訪したり、印刷がらみの話題を提供します。

だれか「印刷業」にかわる呼び名を

2012-02-24 10:24:58 | 活版印刷のふるさと紀行
 印刷図書館クラブの例会でチョットダケ「印刷産業の今日と未来展望」に
ついて勉強して来ました。

 昨年9月に大々的に発表された『SMATRIX2020-スマート社会に貢献する印
刷産業』という(社)日本印刷産業連合会が策定した「これからどうなる・
これからどうする印刷産業」という内容の刊行物を底本にしてのことですか
ら、私の印象としては憂うべき現状を踏まえて将来をどう切り拓くかという
いささか厳しい印刷産業のビジョンを突きつけられた観があります。

 かつて印刷産業は日本経済の発展と歩みをともにして、GDPを上回る伸
びを示す地味ながら優等生産業でした。ある時期まで事業所数が3万を超え、
年間の出荷額も15兆円をめざす景気のイイ時がありました。
 それが2010年度では出荷額6兆44億円(2000年比-23.3%)事業所に至っ
ては13,914社(同-37.6%)と右肩下がりもさがり、GDPの伸びを下回
っているのが現状です。

 ただ、この出荷統計を鵜呑みにすると間違います。極端にいいますと、これは
紙に印刷するものが主体でエレクトロニクス関連だとか、建材や包材の一部、
ITやソフトビジネスなどのように、印刷会社が手がけていても統計には入って
いないものがあるからです。

 それに、印刷産業のなかでも上場している企業だけを選び出して数字を出して
みると2000年に比して15パーセント近くプラスになっています。
 たしかに印刷業の出荷額・事業者数・従業員数は工業統計を見る限り減少して
いることは事実ですが、私は工業統計の「印刷業」というくくりが問題だと思い
ます。もっというのならば、従来概念の「印刷」の枠をひろげるか、「印刷」に
代わる業種でくくるべきだと考えます。

 SUMATORIXは造語でしょうが、印刷産業連合会が、いま、印刷の枠を超えて印刷
業が手掛けている新分野、これから手掛けるであろう分野を含めて「印刷」よりも
幅の広い業種名を提案すべきではないでしょうか。公募してもいいと思います。





コメント
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