活版印刷紀行

いまはほとんど姿を消した「活版印刷」ゆかりの地をゆっくり探訪したり、印刷がらみの話題を提供します。

Tanoshikuという日本語?

2012-02-07 21:55:39 | 活版印刷のふるさと紀行
 まったくの独り言として。
 最近の若い人の「楽しく」というのはどういう意味なのか、ちょっと理解
しがたいのですが、どなたかに解説していただきたい気持です。
 
 と、いいますのは、テレビでやたら「楽しかったです」とか「楽しみました」
あるいは「楽しんで来たい」という表現にぶつかるからです。

 いちばんそういう発言の多いのがスポーツ選手、たしか、なでしこの何人かも
いいましたし、甲子園球児も、お相撲さんまで。
 次ぎが俳優さんなどの芸術畑の人、国際コンクールで金賞を射止めた音楽家の
口からも「楽しめました」ということばが出ます。

 楽しみながらゲームができるものでしょうか。みずから演奏しながら楽しむ
ことができるのでしょうか。
 「いゃあ、厳しかった」とか「苦しかったです」というのなら、私も理解できる
のですが。

 多用されている「がんばれ」や「がんばります」も嫌いですが、まだ、状況との
違和感はあまりありません。しかし、「たのしく」だけは、納得できません。
「ヤバイ」がいつのまにか昔の「やばい」の意味とは反対語になったように、
「楽しく」も変わってしまったのでしょうか。 


 
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

神田川大曲塾と印刷インキの話

2012-02-05 11:48:13 | 活版印刷のふるさと紀行
 先週末、神田川大曲塾の「番頭(ばんがしら)会議」がありました。

 神田川大曲塾はおもしろいところで、樺山紘一先生の「塾長」というネーミングは
当たり前ですが、塾活動の内容を企画したり、実行してゆく運営委員役をユニークな
「番頭」のネーミングで呼んでいます。そのほか塾の会計は「勘定方」だったりしま
すが、これは脇道の話。

 その会議で今年度の研究課題の一つに東洋インキ川口工場で最近の多様化する印刷
インクについて勉強する提案がありました。
「近頃、用途がますますひろがっているシルク印刷に限ってもスゴイんだ」という説
明が付け加えられると、なるほど、さもあらんと思えました。

 いつものことですが、会議が終わってみんなで一杯やっての帰り道、私が思ったこと
は、私自身が印刷インキにはあまりにもウトイことでした。東洋インキやDICやザ・
インクテックの色見本の短冊カードにはさんざんお世話になってきたのに、ほとんど、
印刷インキについての知識の持ち合わせはありません。

 しかし、情緒的になりすぎですが、活版印刷の美しさをきわだたせるのがインクだと
私は思っています。もちろん、活版印刷の出来を左右する要素には、活字の良さや版の
出来を左右する紙型やいろいろあるはずですが、私はインクむらがなく、それでいて一
字一字の活字に艶のある活版印刷本に出会うと「これだ」と思いますし、オフセットや
グラビアやフレキソインキより活版インキに関心があります。

 たしか活版印刷のインクは主原料が植物油でした。、オフセット印刷のようにインク
の油と水の反撥作用をつかってインクを転写するのと違い活版印刷の場合は油性のイン
クをそのまま使うので艶が出ます。香りも残ります。印刷面の手触りを楽しみ、インク
クの艶や匂いを感じる出来立てホヤホヤの活版本にはもう出会えないのは残念です。
 それに、かつて枚葉インキの調合に携わった人やムラとりの名人だった人の話も聞き
たいものです。こんど、番方会議で提案してみようかしらん。



コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

印刷会社のカレンダー

2012-02-02 13:43:02 | 活版印刷のふるさと紀行
 2012年1月も各地の大雪のニュースのうちにはやくも終わってしまいました。
今朝もFace Bookで知友の写真でわがふるさと岡崎の積雪を知りました。そんなに
雪を見ない土地柄だけに、今年の寒波の停滞は異常です。

 さて、発行企業はもちろんのこと、制作や印刷にしのぎを削った印刷各社も
すでに全国カレンダー展も終わって、2013年のカレンダー企画にとりかかる
時期かと思います。

 そこで、今年の印刷会社のカレンダーとして大日本印刷と凸版印刷両社のカレ
ンダーを並べて見てみました。

 大日本印刷、ひだり肩にDNPとありますからDNPで話を進めます。DNP
は昨年から世界の都市の美術をテーマにした「ARTCITY(芸術都市)シリーズ」を
始め、昨年はニューヨーク、今年はパリがテーマです。12枚物で1月はマルク・
シャガールの「日曜日」、戦後のパリで描かれた明るい絵。2月はバレロワイヤル
にあるビュレンヌの柱を描いたダニュエル・ビュレンヌの作品「2つの台地」と
いった具合に12月までパリゆかりの作品が絵柄です。

 各月の絵柄の解説もしかりですが、前づけ3葉を使ったアートシティパリの解
説がうれしい。カレンダーにエディトリアル感覚を盛り込んだ新味をかいます。

 凸版印刷の方は例年通り、一貫して日本絵画をテーマにした大判で堂々とした
風格が特色のカレンダーです。6枚物で今年のテーマは小野竹喬の秀作7点
(表紙込)で構成されています。題して「現代の芸術:日本絵画-小野竹喬」とあ
ります。1-2月は「宿雪」3-4月は「山桜」といぅた具合に続きます。
 おもてには出ませんが東京国立近代博物館はじめ竹喬作品の所蔵先との交渉を
含めて制作には時間を要しています。

 なんといっても凸版のカレンダーは作品を別刷りにして、玉(カレンダー部分
の数字)のあるカレンダー台紙に貼ってある手数のかかった入念なつくりにあり
ます。おそらく、美術色を強めて多くの愛用者のアフターユーズも意識してのこ
とでしょう。

 洋と和、2社のカレンダーそれぞれに強烈な個性があって楽しい見るだけでも
楽しいし、年が変わっても捨てられない作品です。なお、DNPには製版や印刷
データ、使用タイプフェース、用紙など詳細なデータが付されていますが、凸版
にもほしい気がします。





コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする