にんじんみたいな赤い髪をした痩せっぽっちの女の子が、美しいカナダのプリンスエドワード島に住む老兄妹のもとに引き取られ、家族を得て成長していく物語。
今では日本でも有名な、カナダの作家、ルーシー・モード・モンゴメリが書いたこの小説が翻訳され、日本に初めて紹介されたのは1952年。
終戦から7年が経とうとする昭和27年のことでした。(三笠書房刊)
当初、翻訳者の村岡花子さんは『窓辺に倚る少女』という題名を考えていたそうです。
その題名に決まり、明日は印刷所に回すという夜、出版社の社長から電話が入り、一人の編集者から『赤毛のアン』という案が出ているがどうだろう、と訊かれます。
しかし村岡花子さんは『赤毛のアン』なんて全然ロマンティックではない、という理由ではっきり「嫌です」と断ってしまいます。
ところが、その話を夕食の後で家族にしたところ、村岡花子さんのお嬢さん(当時20才)が『窓辺に倚る少女』なんかより『赤毛のアン』のほうが素敵じゃない、と母親に強くすすめたことで、村岡花子さんは考え直し、急きょ題名を『赤毛のアン』に変更することが決まりました。
危なかった~
村岡花子さんのお嬢さんに感謝です♪
『赤毛のアン』だからこそ、学校でギルバート・ブライスに”にんじん”とからかわれたアンが、彼の頭に石盤をたたきつけるシーンが面白いのだし、髪を染めようと大騒動を巻き起こすエピソードが生きてくるんですよね。
そんなこともないかな?
ともかく、今となっては『赤毛のアン』という題名以外の『赤毛のアン』は想像できません。
というわけで、今回はルーシー・モード・モンゴメリの
*(キラキラ)*『赤毛のアン』*(キラキラ)*をご紹介しましょう☆
主人公アン・シャーリーは11才の女の子です。
早くに両親を亡くしたアンは、子供を欲しがる人がいるということで、スペンサー夫人に連れられて、カナダの大西洋岸にあるプリンスエドワード島にやって来ます。
目の前に広がる赤い土の道。
白い花が咲き乱れるリンゴ並木。
輝く湖水を過ぎると見えてくる緑の切妻屋根の家、グリンゲイブルズ。
家につくまで、アンは馬車の上でしゃべり続けます。
普段見慣れた住民にとっては何でもない景色も、彼女の目を通すと特別なものに映ります。
アンにとって、プリンスエドワード島の自然はとても美しいものでした。
それまでの孤独だった生活にようやく別れを告げ、これから始まる新しい生活に、胸をときめかすアン。
しかし、その家に住むマシュウ・クスバートとマリラ・クスバートが必要としていたのは、農場を手伝うことのできる男の子で、女の子ではありませんでした…
アンのおしゃべり。
そしてその突飛な(周りの大人たちにとっては)発想と想像力には不思議で強力な魅力があります!
大人って、この世界に慣れすぎだと思うんですよね。
大人にとっては何でもないことでも、子供にとっては世界の終わりを意味することだってあると思うんです。
例えば、楽しみにしていたピクニックに行くこととか☆
ある日、マリラの大切にしていた紫水晶のブローチが行方不明になります。
最後に触っていたのがアンだったため、マリラはてっきりアンが失くしたものだと思い込み、アンを問い詰めますが、アンは決して自分がやったのではないと言い張ります。
ついには、白状するまで部屋から出てはいけないと宣言するマリラ。
明日は友達とピクニックに行く日。
アンは一度も食べたことのないアイスクリームをとても楽しみにしていました。
このままではピクニックにいけない。
マリラやマシュウに対して、一度もウソをついたことのなかったアンでしたが、思い詰めたアンはついに自分がブローチをとったのだと告白し、ブローチが湖の底に沈んでしまうまでの顛末を語ります。
これでピクニックに行けると思ったアンでしたが、しかしマリラはその罰として、ピクニックに行くことを禁止してしまいます。
ところが、湖に沈んだはずのブローチが思わぬところから見つかり、アンの無実が証明され…
アンと接するうちに、古風で堅実でどちらかというと面白みのなかったマリラが、しだいに心を許していく様子に心打たれます。
そして何といってもマシュウ!!
この優しい人物は、いつでもどんな時でもアンの味方で、果てしなく続くアンのおしゃべりにいつまでも耳を傾けてくれるのです♪
「そうさな…」
で始まる彼の言葉が大好き☆
この他にも、他人のウワサ話が大好きなリンド夫人や、アンの腹心の友となるダイアナ。
このダイアナとアンの友情は生涯続きます。
アンが巻き起こす可笑しな事件♪
それは、世界にとっては何でもないことなのか知れません。
でも、アンと、その家族、友人にとっては何度も思い出しては笑い合うことのできる大事件。
マリラとマシュウというかけがえのない家族を得たアンの物語は、世界中の読者を魅了し、次々と続編が書かれました。
成長したアン。
大学生となり、恋をして、結婚するアン。
そしてアンの子供たち☆
アンの末娘は、マリラと同じ名前を与えられ、愛称でリラと呼ばれます。
リラ・マイ・リラ(リラ、私のリラ)
アンにとって、マリラとマシュウから受け取った愛情は、終生忘れることのできない、大切なものとなります。
翻訳者の村岡花子さんは、戦時下で連日空襲の続く中、翻訳した『赤毛のアン』の原稿を包んだ風呂敷をかかえて、焼夷弾をやりすごしたそうです。
当時、敵性文学だったカナダの小説が出版される見込みはありませんでしたが、村岡花子さんにとって、それはすでに仕事ではなく、生きた証のようなものだったと、村岡花子さんのお孫さんが書いた本で読みました。
モンゴメリもまた、二度に渡る世界大戦の中を生きました。
『赤毛のアン』の最終巻、『アンの娘リラ』では、第一次世界大戦に出兵していくアンの子供たちの姿が描かれます。
どこかの国の遠いお話しではなく、喜び、悲しみ、心配したり、人を愛したり、アンは私たちのすぐ隣にいる友人。
『赤毛のアン』の魅力は、そんなところにあるのかも知れません。
にんじんみたいな赤い髪をした痩せっぽっちの女の子の物語。
あなたもアンの腹心の友になってみたいと思いませんか?
条件は簡単です。
それは、どこにいても、どんな時でも、「想像の余地」を見つけるってこと♪
どうぞ、アンのおしゃべりをお楽しみ下さい☆
ルーシー・モード・モンゴメリ 著
村岡 花子 訳
新潮文庫
今では日本でも有名な、カナダの作家、ルーシー・モード・モンゴメリが書いたこの小説が翻訳され、日本に初めて紹介されたのは1952年。
終戦から7年が経とうとする昭和27年のことでした。(三笠書房刊)
当初、翻訳者の村岡花子さんは『窓辺に倚る少女』という題名を考えていたそうです。
その題名に決まり、明日は印刷所に回すという夜、出版社の社長から電話が入り、一人の編集者から『赤毛のアン』という案が出ているがどうだろう、と訊かれます。
しかし村岡花子さんは『赤毛のアン』なんて全然ロマンティックではない、という理由ではっきり「嫌です」と断ってしまいます。
ところが、その話を夕食の後で家族にしたところ、村岡花子さんのお嬢さん(当時20才)が『窓辺に倚る少女』なんかより『赤毛のアン』のほうが素敵じゃない、と母親に強くすすめたことで、村岡花子さんは考え直し、急きょ題名を『赤毛のアン』に変更することが決まりました。
危なかった~
村岡花子さんのお嬢さんに感謝です♪
『赤毛のアン』だからこそ、学校でギルバート・ブライスに”にんじん”とからかわれたアンが、彼の頭に石盤をたたきつけるシーンが面白いのだし、髪を染めようと大騒動を巻き起こすエピソードが生きてくるんですよね。
そんなこともないかな?
ともかく、今となっては『赤毛のアン』という題名以外の『赤毛のアン』は想像できません。
というわけで、今回はルーシー・モード・モンゴメリの
*(キラキラ)*『赤毛のアン』*(キラキラ)*をご紹介しましょう☆
主人公アン・シャーリーは11才の女の子です。
早くに両親を亡くしたアンは、子供を欲しがる人がいるということで、スペンサー夫人に連れられて、カナダの大西洋岸にあるプリンスエドワード島にやって来ます。
目の前に広がる赤い土の道。
白い花が咲き乱れるリンゴ並木。
輝く湖水を過ぎると見えてくる緑の切妻屋根の家、グリンゲイブルズ。
家につくまで、アンは馬車の上でしゃべり続けます。
普段見慣れた住民にとっては何でもない景色も、彼女の目を通すと特別なものに映ります。
アンにとって、プリンスエドワード島の自然はとても美しいものでした。
それまでの孤独だった生活にようやく別れを告げ、これから始まる新しい生活に、胸をときめかすアン。
しかし、その家に住むマシュウ・クスバートとマリラ・クスバートが必要としていたのは、農場を手伝うことのできる男の子で、女の子ではありませんでした…
アンのおしゃべり。
そしてその突飛な(周りの大人たちにとっては)発想と想像力には不思議で強力な魅力があります!
大人って、この世界に慣れすぎだと思うんですよね。
大人にとっては何でもないことでも、子供にとっては世界の終わりを意味することだってあると思うんです。
例えば、楽しみにしていたピクニックに行くこととか☆
ある日、マリラの大切にしていた紫水晶のブローチが行方不明になります。
最後に触っていたのがアンだったため、マリラはてっきりアンが失くしたものだと思い込み、アンを問い詰めますが、アンは決して自分がやったのではないと言い張ります。
ついには、白状するまで部屋から出てはいけないと宣言するマリラ。
明日は友達とピクニックに行く日。
アンは一度も食べたことのないアイスクリームをとても楽しみにしていました。
このままではピクニックにいけない。
マリラやマシュウに対して、一度もウソをついたことのなかったアンでしたが、思い詰めたアンはついに自分がブローチをとったのだと告白し、ブローチが湖の底に沈んでしまうまでの顛末を語ります。
これでピクニックに行けると思ったアンでしたが、しかしマリラはその罰として、ピクニックに行くことを禁止してしまいます。
ところが、湖に沈んだはずのブローチが思わぬところから見つかり、アンの無実が証明され…
アンと接するうちに、古風で堅実でどちらかというと面白みのなかったマリラが、しだいに心を許していく様子に心打たれます。
そして何といってもマシュウ!!
この優しい人物は、いつでもどんな時でもアンの味方で、果てしなく続くアンのおしゃべりにいつまでも耳を傾けてくれるのです♪
「そうさな…」
で始まる彼の言葉が大好き☆
この他にも、他人のウワサ話が大好きなリンド夫人や、アンの腹心の友となるダイアナ。
このダイアナとアンの友情は生涯続きます。
アンが巻き起こす可笑しな事件♪
それは、世界にとっては何でもないことなのか知れません。
でも、アンと、その家族、友人にとっては何度も思い出しては笑い合うことのできる大事件。
マリラとマシュウというかけがえのない家族を得たアンの物語は、世界中の読者を魅了し、次々と続編が書かれました。
成長したアン。
大学生となり、恋をして、結婚するアン。
そしてアンの子供たち☆
アンの末娘は、マリラと同じ名前を与えられ、愛称でリラと呼ばれます。
リラ・マイ・リラ(リラ、私のリラ)
アンにとって、マリラとマシュウから受け取った愛情は、終生忘れることのできない、大切なものとなります。
翻訳者の村岡花子さんは、戦時下で連日空襲の続く中、翻訳した『赤毛のアン』の原稿を包んだ風呂敷をかかえて、焼夷弾をやりすごしたそうです。
当時、敵性文学だったカナダの小説が出版される見込みはありませんでしたが、村岡花子さんにとって、それはすでに仕事ではなく、生きた証のようなものだったと、村岡花子さんのお孫さんが書いた本で読みました。
モンゴメリもまた、二度に渡る世界大戦の中を生きました。
『赤毛のアン』の最終巻、『アンの娘リラ』では、第一次世界大戦に出兵していくアンの子供たちの姿が描かれます。
どこかの国の遠いお話しではなく、喜び、悲しみ、心配したり、人を愛したり、アンは私たちのすぐ隣にいる友人。
『赤毛のアン』の魅力は、そんなところにあるのかも知れません。
にんじんみたいな赤い髪をした痩せっぽっちの女の子の物語。
あなたもアンの腹心の友になってみたいと思いませんか?
条件は簡単です。
それは、どこにいても、どんな時でも、「想像の余地」を見つけるってこと♪
どうぞ、アンのおしゃべりをお楽しみ下さい☆
ルーシー・モード・モンゴメリ 著
村岡 花子 訳
新潮文庫