私的図書館

本好き人の365日

『遠い朝の本たち』

2009-04-30 23:57:00 | 本と日常
須賀敦子さんの*(キラキラ)*『遠い朝の本たち』*(キラキラ)*を読み終えました。

1929年生まれで、翻訳家、エッセイストとして活躍された須賀敦子さん。

幼い時の思い出と共に、その時々で夢中になった本たちについて書かれています。

本好きにはたまらない内容でしたが、文章も素晴らしく、須賀さんの目を通して見た昭和の風景が浮かんでくるようでした。

サン・テグジュペリに夢中になったり。

アン・リンドバーグの文章に感化されたり。

自分も読んでいた本が出てきたりすると嬉しくて、勝手に親近感を感じたりしていました。

サン・テグジュペリの『人間の土地』*(キラキラ)*

アン・リンドバーグの『海からの贈り物』*(キラキラ)*

ジョルジュ・サンドの『愛の妖精』*(キラキラ)*

特にアン・リンドバーグの『海からの贈り物』というエッセイは大好きで、たくさんのことを教えてもらった本だったので、須賀さんの感想にすごく共感してしまいました。

アン・リンドバーグは大西洋単独横断飛行を成し遂げた、チャールズ・リンドバーグと結婚した、自身も飛行機を操縦する女性飛行士で、夫婦で日本にも訪れています。

興味を持った本もたくさん出てきました。

例えば森鷗外の『澀江抽斎』や翻訳した『即興詩人』なんて、読んだことがなかったので、とても読んでみたくなりました。

とてもたくさん本を持っている友達が、なかなかその本を見せてくれないので、思わず「ケチ」と思ってしまうところとか、子どもの頃から本に魅せられていた須賀さんの気持ちがすごくわかる☆

いい読書ができました。



「さようなら、とこの国の人々が別れにさいして口にのぼらせる言葉は、もともと「そうならねばならぬのなら」という意味だとそのとき私は教えられた。「そうならねばならぬのなら」。なんという美しいあきらめの表現だろう…」

      ―アン・リンドバーグ―