ようやく手に入れました。
長年探していた、角川文庫のマイ・ディア・ストーリーの一冊。
ルイザ・メイ・オルコット 著
村岡花子・佐川和子 訳
『花ざかりのローズ』(角川文庫)
佐川和子というのは四人の翻訳家によるペンネームです。
サンライズの「矢立肇」とか、プリキュアシリーズの「東堂いづみ」とか、東映の「八手三郎」みたいですけど。
オルコットといえば有名な作品は『若草物語』ですが、この『花ざかりのローズ』は、『八人のいとこ』の続編として書かれました。
幼い時に母親を亡くし、そして最大の理解者であった父親も亡くした少女、主人公のローズは、父方の親戚たちに引き取られますが、そこは年配の女性が多く、ローズについて言いたい放題。
そこに現れたのが四十男のアレック叔父さん。
独身のこの叔父さんは、ローズを一年間引き取り、相変わらず病弱で今より良い状態になっていなかったら、その時はローズを他の人にまかせると大見得を切り、ローズの後見人に名乗り出ます。
そして始まる、男の子ばかりの七人のいとこと、小間使いの少女フェーブを巻き込んでの、ローズの新しい生活!
『八人のいとこ』では、すっかり元気になったローズの姿が描かれましたが、この続編『花ざかりのローズ』では、アレック叔父さんとフェーブと共に、2年間のヨーロッパ旅行ですっかりレディーとして成長したローズが、いとこたちの待つ故郷に帰ってくる場面から始まります。
美しく成長したローズ。
こちらも身長も伸び、それぞれに成長したいとこ達。
実はたいへんな財産の相続人でもあるローズ。その財産を一族の外に出したくないいとこの母親たち、ローズにとってのおばさん達は、何とかローズと一族の男をくっつけようとします(笑)
果たしてローズは誰を選ぶのか?
この結末がずっと知りたかったのですが、ようやく、ようやくそれを知ることができました!
そうきたか! 予想できなかった! さすがオルコット!
『若草物語』があまりに有名なので、オルコットの他の作品がなかなか注目されないんですよね。
こんなに面白いのに。
長年探していた本が手に入り感無量です。
角川文庫でまた復刊して欲しい。
たくさんの人に読んでもらいたから。
いい読書ができました。