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私的図書館

本好き人の365日

私の世界

2004-02-01 08:56:00 | 日々の出来事
僕は窓から外を見ている。

何も言わず。

その目は憧れを抱き、好奇の輝きを放っているのだろうか…

否。

そうではない。

口元に薄笑いを浮かべ、嘲笑しようというのか?

世間を? 自分を? 周りの人々を?

否。

そうではない。

僕は静かに外を見ているように見える。

が、実際には少し高い中空にいて、外から、窓辺に立つ自分の姿を見ているのだ。

窓から外を眺めている者は虚像なのだろうか?

あれも僕の一部なのだろうか?

鏡にうつる姿が本当に自分の姿だとどうしてわかるのだろう?

鏡と人間の眼球には不思議な相互作用があって、本当の姿を見せないのかも知れない。

人の目は実はすごく複雑で、色んなことを知っていて、それぞれ本物とは少し違う姿をその人の知覚に送り込んでいるのかも。

人の体には宇宙がある。

細胞の中に。

涙の中に。

それぞれの中に宇宙があって、星があって、人が住んでいる星なんかもあって、こっちの世界とは時間の流れが違ってて、むこうでは一秒が100万年くらいの重さがある。

だから涙が落ちるほんの一瞬で、その宇宙は生まれて死んでしまう。

もちろん、僕らの生きているこの宇宙も「何か」の中にあって、そことは時間の流れが違うから、僕らが何年も何年もず~と長い時間だと思っていたものは、実は涙の落ちる、ほんの一瞬なのかも知れない。


         1996.08.28.

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