昨日2月26日、久しぶりに天候と私の空き時間が一致したのでカレンダーでは春を目前にしたとはいえまだまだ雪深い山里、金沢市南部丘陵までカメラを持って2時間ほど愛車の軽自動車で行ってきました。
林道は人が暮らしている集落とその奥のダムまでは除雪されていますが、さすがに枝道は車は入ることが出来ない状態です。両側の斜面のあちらこちらには写真のような餅を撞く臼のような雪の塊が見えます。雪解けが近くなり積雪が弛んで崩れてきた雪です。この季節になると少し雨が降ったり晴天が続くと「なだれ注意報」がよく発表されますが、私はこの雪の塊を「雪崩の赤ちゃん」と呼んでいます。もう少し急斜面で条件が揃うとこの塊が基点となって雪崩となります。
春になって車が入れるようになった林道を走ると沢山の雪崩の跡に出会います。時には林道が雪と共に落ちてきた土砂に閉ざされていて道路の補修完成が夏を越すことも珍しくありません。
それでも確実に春は近づいているのでしょうね、日の当たる斜面をよく見るとそれまでモノクロの世界だった地表の雪の隙間からフキノトウが顔を出していて萌黄色の輝きを見せてくれました。
雪に覆われた棚田の用水など雪のないところに立ち寄るのかその場所を中心に点々と動物達の足跡が放射状に続いています。
こんな美しく豊かな自然を守って厳しい冬もこの山里で暮らしている人たちを応援することが政治の役割だと思いますが、前回の総選挙で政権に返り咲いた自民党、安倍政権は日本の農林業を根こそぎ壊してしまおうというTPP条約交渉への参加というパンドラの箱のふたを開けようとしています。私は限界集落と呼ばれそうになっている山里を訪れる度にそんなことを考えさせられています。
それにしても今年初めて訪れた南部丘陵は春の訪れを息を殺してじっと待っているかのように静かな山里でした。