ロシア国立ボリショイ・バレーの最高傑作といわれる
『スパルタクス』を見てきました。
http://www.japanarts.co.jp/html/2012/ballet/bolshoi/spartacus.htm
スパルタクスは一昨年ロシアに行った時に、
ほかの劇団の上演でみましたし、
DVDでも何度も見ています。
今夜の『スパルタクス」はすごい出来です。
一番ねわかりやすいのは、だれが見ても有無を言わせない
ダンサーの踊りのすごさ!!
このパンフを見てもうかがい知れるでしょう!
ダンスのために肉体が作られている。
バレーといえば「白鳥の湖」などに代表される
優雅な、雅な踊りを想い浮かべます。
『スパルタクス」はローマに対して反乱を起こした(第三次奴隷戦争)ことで知られる奴隷たちの指導者・スパルタクスの偉業を題材とした作品です。
すなわち主人公は死ぬまで戦う剣闘士の奴隷、
(映画「グラジュエイタ―』ででもご存知ですね。)
スパルタクスが反乱をおこし、
ローマ軍の司令官クラスス(富も権力も持つ)を打ち破り、
最後はローマ軍の圧倒的な勢力と権力に制圧される、というストーリーです。
奴隷とローマ軍の富裕司令官の対比。
すべてをあわせもつエリートー司令官が、
剣闘士の奴隷のリ―ダに敗れる、その屈辱感
再起を、励ます娼婦愛人エギナ、その陰謀。
スパルタクスの妻フリーギアのとの対比
エギナの娼婦を使って、戦意を落させる陰謀に落ちる反乱の奴隷たち
このシーンはすごいエロティック
これは映画ならさしずめ18禁か?
いっておきますが、バレーですので、音楽と、踊りのみです。
エギナ役のエカテリーナ・シュプーリーナ
なんとまあ色っぽいバレーなんでしょう、ブラボー!!!
ふうってため息が・・・
戦闘シーンがもう圧巻です。
群舞のダイナミックさ、戦闘を表しているのに優雅さを併せ持つ。
スパルタクスを演じるイワン・ワシーリーフの
戦闘シーンのバレ~
~飛んで飛んで飛んで~!!!~
ゆうに1メートル以上の高さの連続で舞台の端から端まで、
何度も飛ぶ。
ダンサーは誰もですが、下りる時は猫のように軽やかに音もしない。
(ほい!我が家のデブにゃん!どたどたとび降りてると、恥ずかしいよ!)
この技術の難しさから。めったに上演されないんですね。
ですから、このバレーすごく男性美の魅力あふれるバレーなんです。
優雅で洗練されていて、上品でダイナミック。
もうひとつ、バレーですから、無言の表現なのに。
スパルタクスやその妻との愛情、クラッススの復讐への怨念などなど。
心理描写もたっぷり!
言葉がなくても、十分に伝わるすごい演技力です。
以前パリにいるときパリで歌舞伎(たぶん猿之助さんだったとおもう)が上映されました。
その時の演目「俊寛」
隠岐の島に流人として、ながされて、俊寛だけはゆるされず、ほかの仲間が都に帰る、
取り残されて慟哭するんですね。
上映が終わった後、見知らぬフランス人の年配の女性が
「私は言葉は理解できない。でも彼の悲しみが伝わってきて感激をした!!」
と興奮して話しかけてきました。
フランス人の年配のスノッブな人たちは気取り屋で、
感情をあらわにすることはたしなみないと思ってるんですね。
ですから、ものすごく感動して、話さずには居られなかったんだと思いました。
私もこのボリショイバレー団の『スパルタクス」を見て
彼女と同じ心境になったんです
言葉を超える芸術なんですね~
今までで、一番感動しました。
まだ東京でも公演があるようです、
チャンスがありましたら是非どうぞ~
読んでくださってありがとう