黄櫨染御袍(こうろぜん)
天皇が大儀の際に着た袍(ほう)の服色。平安前期に纏められた『延喜式』によると、黄櫨染は蘇芳(すほう)と櫨(はぜ)、または紫根(しこん)で染めるとあって濃い黄褐色(かっしょく)の色彩です。
夏の土用(どよう)に南中する太陽の燃え盛る色彩だといわれ、古代中国の五行思想の中軸をなす色彩でもあります。隋朝で登用された制度ですが、平安前期の『西宮記』に我が国ですでに用いられていたのが記されています。天皇以外は禁色(きんじき)でした。
帝専用の特殊な色と文様を具えたこの袍は、帝位の象徴と見做され、譲位の際には前帝が内侍をして新帝に黄櫨染御袍と御笏を奉らせるという儀式もありました。
ただし、袍の形状や衣裳の構成自体は、公卿が着用する縫腋袍の束帯装束と同じだったようです。
◆写真と参考:風俗博物館
天皇が大儀の際に着た袍(ほう)の服色。平安前期に纏められた『延喜式』によると、黄櫨染は蘇芳(すほう)と櫨(はぜ)、または紫根(しこん)で染めるとあって濃い黄褐色(かっしょく)の色彩です。
夏の土用(どよう)に南中する太陽の燃え盛る色彩だといわれ、古代中国の五行思想の中軸をなす色彩でもあります。隋朝で登用された制度ですが、平安前期の『西宮記』に我が国ですでに用いられていたのが記されています。天皇以外は禁色(きんじき)でした。
帝専用の特殊な色と文様を具えたこの袍は、帝位の象徴と見做され、譲位の際には前帝が内侍をして新帝に黄櫨染御袍と御笏を奉らせるという儀式もありました。
ただし、袍の形状や衣裳の構成自体は、公卿が着用する縫腋袍の束帯装束と同じだったようです。
◆写真と参考:風俗博物館