信州スロウライフ12ヵ月

野菜や草花と暮らす生活

認知症予備軍 その2

2010年04月05日 21時49分39秒 | Weblog




昨日、御柱見物を目的に、中学時代の同級生達が福島からマイクロバスに乗ってやって来た。

宿泊は蓼科にある滝の湯という大手の旅館で、夜は勿論宴会となった。
乾杯の音頭の後はてんでんばらばらに飛び散り、記憶を取り戻すべくあちらこちらの輪の中で
昔話で盛り上がった。

それは賑やかで、昔の憧れや秘かに想いを募らせた人・・・・などというロマンチックな場面もなく、
再会と淡いロマンスの復活もあり得なく、爺さん婆さんは笑い転げ、カラオケが始まっても
聞いている人もおらず、歌っている者だけが感動している仕様がない集団だ。

泊る部屋は鍵をかけ、鍵の責任者は大抵、しっかり者が、私が預かる、と保管者となってくれる。
それに甘んじ、くっついて移動していると、何階の、何号室、という概念が頭から消え去り
ゆっくり風呂に入り、さあ、部屋へ一人で戻るとなるとその先が認知症になる。

エレベーターで、上下3階くらいの部屋に続く廊下を行ったり来たり。
何号室だったか?
覚えていない・・・・。

エレベーターで目星をつけた階で降り、廊下を歩くが壁にかけてある絵がどうも違う。
確か竹久ゆめじの絵だったな、と今度は別な階に行って見る。
これも違った雰囲気で廊下を歩くものもいないから聞くに聞けず、いよいよ真剣に考えてみる。

大人の迷子など話しの種にされるから、これは秘かにばれないうちに解決せねばならない。

ふと外を見ると中庭の目線からの高さが違うのに気が付き、丁度目の前に中庭があり、
その景色を思い出し、不安ながら戻ってみたら、ご一行様のお部屋がちゃんとあったではないか。

ばれなくて良かった。

朝になり、お部屋がわかりにくいわなどと話していたら、昨夜お風呂で自分の脱いだ物を入れた脱衣籠がわからなくなり、一つ一つ聞いてあらためているおばさんがいたとの話が披露された。

すっかりわからなくなり困り果てている裸のその女性が気の毒になり、友人は一緒にその籠探しを手伝ったという。

あら、私も似たようなものだ。
危なかった。

旅行に出るとまかせっきりでぞろぞろくっついて動いていると、頭の記憶装置にスイッチが入らないから、自分の部屋も、バスも、座席も、わからなくなるのだ。

人任せにしていると楽ではあるが、危ない。

チョットは寂しいが一人で出かけて、脳の働きを活性化せねば、案外早く、記憶力の
分野と判断能力の分野が衰えてしまう可能性がある。

くわばらくわばら。