日曜日はシカゴから戻ったムスコとアフリカから一時帰国しているムスメと一緒に北杜市、大泉に住んでいる会社の先輩の家に
ご挨拶に行った。
3人一緒に顔を合わせて伺う機会が出来ないから今回はまたとないチャンスだった。
ご夫婦には家族ぐるみでお付き合いさせて頂き、私が5年前に大泉に土地を買ったのも大いに影響を受けてのことである。
我が家の家族もそれぞれ海外で苦労をしたし、先輩ご夫婦も病気をされて療養中であり、人生山あり谷ありだが
いつも歓待を受けおいしいお食事をご馳走になって帰る。
住まいは大泉の駅から近くで林の中にユニークな造りで庭には山野草が工夫された配置で木漏れ日の中で咲いている。
一度はこういう森の中で木々に囲まれて暮らしたいという理想的な暮らしをされている。
ご夫婦揃って芸大出身の芸術家だからセンスが際立っているのは当然かもしれない。
奥様から家の周りが変わったから驚かないでねと言われたが、いつものように上り坂の道路をゆっくり登っていったら
あららら・・・・。
片側の林が消失しすっかり明るくなった跡地に植林された木がひょろひょろとありまるで別世界に来たようだ。
あの数ヶ月前までの林に囲まれたお家はどこへ行ってしまったの?
もう驚きながら、なぜなの?を繰り返えすしかなかった。
道路脇は県有林であるので林はこの先も手を付けられることなく、静かな林に囲まれ暮らしていく筈であったのに
1ヶ月前にいきなりブルトーザーが来て伐採が始まり、その丸坊主になった跡地に
昨日100人もの公募した人々が集まり植林をしたそうである。
近隣に断ることもなく行われたので、山梨県に抗議の電話をしたら、広報に載せましたので・・・としか返事がなかったと怒っていた。
これまでにもその県有林は道路際まで木々が生い茂り電線に引っかかるので、山梨県に電話すると
その土地は道路に接する部分は東京電力の管理責任ですと言われ、東京電力に電話すると、
それは山梨県の管理ですと言われ責任のなすりあいで返事にもならなかったそうである。
その後いきなり林を伐採し公園にして遊歩道を造り、植林計画をしてその日はお昼にご夫婦の庭に人々が入ってきて
お昼ごはんを食べていたそうである。
山野草が植えてあるのに歩き回り、踏まれてしまい非常識もいいところでとひどい話を聞いてしまった。
お役所仕事の実話である。
木漏れ日の中で暮らしていた家はすっかり林はなくなり明るくからりとした空が入れ替わり、景色は一変した。
私の土地も同じような景色で道路を隔てた向こうは林が続いている。
窓から絵の代わりに木々が見えるという狙いがもしかしたら林が伐採されたら夢も消えてしまうではないか。
最近出かけるたびに大泉は移住者が増え、家がどんどん建ち始めている。
震災があったから都会から移住して来る人々も増えてきたという。
静かであった林は伐採され宅地に変わり始めているのが目立ってきた。
食事の後近くの林を散歩し、芽吹いた木々の緑にパワーをもらい三つ葉や山椒の葉を摘んで怒りはどこかへ
飛んでしまい、やっぱり山の中に住みたい気持ちは持ち越しとなったのである。
帰りに庭の山野草を頂き後生大事に持ち帰り、早速庭に移植したが元気に育つか心配でもある。
羅生門かずらと梅花イカリ草