4/20(水)晴れ
午前と午後に会議がひとつずつ。昼にワンコインカレー。案件調書をアップして定刻退社。池袋・新文芸坐にて橋本忍特集、近松門左衛門原作ものを梯子鑑賞。場内1割程度と閑散。夜~は5年ほど前に再見して甚く感激している。日記から引用≫≫≫名匠・今井正監督作品。これは再見せねばなるまい。チラシには1958年製作、脚本:橋本忍、新藤兼人、原作は近松門左衛門・・・とある。脇役陣などを眺めると改めて豪華キャスティングである。初見から30年は経ってると思ふ。一言で云えば不義密通がテーマのサスペンス時代劇。陶酔致しましたなぁ。端正な森雅之に。むせかえるような有馬稲子の色香に。憎々しい金子信雄に。長い長い役者稼業でベスト10を選べと云われた三國連太郎が『飢餓海峡』や『復讐するは我にあり』と併せて選んだ1本とのこと。さもありなん。これほどの役者同士の眼力芝居はそうそうあるまい。演出も人間の業や愛憎を描いて容赦なく、シナリオの伏線の張り巡らし方は神業である。屈折した横恋慕や邪悪な身内の嫉妬を脇役の表情一つで観客に解らせている。あっぱれ黄金時代の邦画スタッフ。半世紀前の現場での熱い息遣いが聞こえてきそうな傑作。≫≫≫女殺し~も再見であったが、これは人形浄瑠璃の独参湯で映画・TVで繰り返し取り上げられている世話物。カラー作品だったことに少し驚き。ニュープリントだったのか綺麗な画面でありました。雁治郎が巧いですな。新珠三千代も年増の味があってよろしい。堀川弘通はもっと評価されて良い監督だと思ふ。幸福な4時間を過ごして劇場を跡にする。