Il film del sogno

現実逃避の夢日記

TAR/ター

2023-05-13 21:24:32 | 映画
5/13(土)曇り時々雨
終日降ったり止んだりの天候。7:30起床。散歩、ファミレスでブランチ、併設するシネコンで昨日から公開されている洋画を鑑賞。場内中高年中心に9割近い入りと盛況。トッド・フィールド、16年ぶりの監督作。未開民族による呪詛のコーラスを伴った冒頭クレジットから傑作の予感。堅牢な構図とカメラワークに支えられた映像と情報量の多い衒学的な科白の応酬。傲岸不遜な ベルリンフィル初の女性首席指揮者(しかもレズビアン)を演じたケイト・ブランシェットはベストアクト。ジェンダーやアカハラなどスキャンダラスな業界裏話を織り込み孤高の指揮者の苦悩は続く。音楽モノとしての主題より、重厚なサスペンスとサイコスリラーの要素も加わり、ラストの不気味なヒロインの迷走・零落まで158分の長尺が全く気にならなかった。欧州各国の俳優陣のキャスティングにも感心。気品と美学、そして狂気を兼ね備えた、文句無しの年度ベストの1本。大満足で劇場をあとにする。帰宅して夜はひたすら読書。

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