6/8(金)晴れ
休暇取得して午前中は特殊ミッション敢行。池袋で巫女の宣託を聞きに行く。午後から豊島園のシネコンで本日封切の邦画を梯子鑑賞。両作とも3割程度の入り。河瀨直美の新作は、原点回帰を思わせる奈良・吉野が舞台。良くも悪くも監督の作家性が前面に出た作品。幻想的で美しい圧倒的なビジュアルに対してストーリー(語り)は未整理なテーマが混在されて、敢えて不親切な造りにしている節もある。これは賛否あろう。但しこの監督は常に扱うテーマと格闘しており、本作でもそのこだわりはヒシヒシと感じられる。羊~は本屋大賞を獲った原作は読了。小説に忠実な映像化である。真摯な青年の職業を通じた成長譚。調律師が主人公ゆえにピアノとそれを奏でる演者も重要な役回りで登場する。数年前に世界的な名門ピアノメーカーのカリスマ調律師に密着取材をしたドキュメンタリー映画«ピアノマニア»を観た。ピアニストと調律師、天才同士の掛け合いが凄まじくもありユーモラスでもあった。演奏家と調律師のこうした関係は何に例えたらよいのだろう。ボクサーと老練なトレーナーかな。本作でもピアノに魅せられた市井の人々が登場するが、原作通り姉妹のエピソードに尺も比重も置いて清涼感良し。自分の仕事に誇りを持てることの素晴らしさも。しっとりとした良き映画でありました。早目に帰宅して愛犬と散歩。夜は同居人が持ち帰った豪華松花堂弁当を馳走になる。