原作の「そりゃあり得ないだろ!」を、バッサリと切り捨てて、スッキリまとめた作品になってた。
「インディー・ジョーンズじゃないんだから、これは無理」「これもあり得ないから、こう変えよう!」「これはなかった事にしよう」という、脚本家達の声が聞こえてきそうだ。
なので、父親とたった二人っきりで反物質を生み出し、バチカンの中を短パンで駆け抜け、ヨガの達人で関節を自由に外せて、暗殺者さえもとりこにしたセクシーな美女で科学者のヴィットリアは、研究所で働くちょっときれいな普通の地味なお姉さんになっていた。
そして、あまりにも後手後手に回ってばかりいた役立たずのラングレン教授も、少しは役に立って、まさかの不死身なシーンはなし。
あと、どう考えても収拾がつかない程の大事件にしなかったのも、映画の方が正解!
ただ、「暗殺者」の迫力・凄味が全くなくなってしまったのが残念。「ダ・ヴィンチコード」も「天使と悪魔」も、原作では執拗に「暗殺者」をじっくり描いているから、結構感情移入してたのになあ。
でも、やっぱり犯人一人じゃ無理でしょ。あんな忙しい状態で。
原作読んでなくても、配役で誰が犯人か分かるし。逆に原作読んでないと、なんで「イルミナティ」があんな面倒な謎を残してるのかよく分からないし。う~ん、サスペンス映画としては並みなのかな。