私は1976年の「オーメン」世代だ。初日・平日の第1回だけあって、周りの観客もシニア料金の同世代。
「オーメン」はホラー映画なのに、グレゴリー・ペックとリー・レミックが主演で、当時のホラー映画の地位をグッと底上げてくれた作品だ。666って数字も流行った。「悪魔」ってキリスト教徒にとっては本当に存在するんだと、当時遠かった欧米の宗教の勉強にもなった。
で、「オーメン:ザ・ファースト」。出だしはオーメンを彷彿とさせる。ガラス!これはガラスで首スパっの再現かあ?と思ってたら、おおっ、そっかあ!そっちかあ!と、とっても懐かしいオープニング。
その後、主役のアメリカ人のマーガレットが修道女になるべくローマに着いて、車窓から街並みを眺めるシーンも1971年当時の再現が上手でワクワク~。
が、この後の展開が面倒くさい。
何か秘密を抱えた修道院の中で働く、アメリカの田舎から出て来てちょっと浮かれてるマーガレット。物々しい幻想ばかりが続く。人はそんなには死なない。
で、守ろうとした少女でなくて、実はマーガレットが・・・っていうのが、ポイントなんだろうが、もう前半で察しがつくので全然驚かない。
まあ、ダミアンが生まれるという結果は分かってるからなあ。
マーガレットが見る幻像で、別の女性の出産シーンがあるんだが、ここにモザイクがかかる。目を細めても見えない、大きいモザイク。精巧に作り過ぎてしまったのだろうか? 多分、スタッフさんが一番頑張ったグロイシーンが全く見えない。
ビル・ナイも仕事選ばないなあ。レディ・ガガ似の女優さんは良かった。
ただ、どういう経緯でダミアンが生まれたかはとっても良く分かった。
以下、ネタバレ
ダミアンを作り出した理由が、キリスト教の信者を増やそう!という目的の、悪い教会派閥の一大プロモーション! なるほどね! 悪魔なんて関係ないじゃん。悪い教会派閥の存在が悪魔そのものだったのか。第二次世界大戦終了後の物欲いっぱいの時代、宗教界はその存続が大変だったんだなあ。日本も「水子供養商法」が始まった時代だ。
山犬と人間の子供が悪魔になるのかあ。山犬、どうもジャッカルらしいが、こんな簡単に(あっ、当事者は大変だけど)悪魔が造れるとは。
ラストは続編ができそうな雰囲気で終わる。続編は、21世紀製作らしく、母と異母姉妹の妹が娘を守って、暗黒面に落ちた教会派閥と戦うアクション映画になりそうだ。公開しても、観には行かないけど。配信ドラマかな?