今日はお金がかかった、おバカ映画。何も考えず、大迫力画面で観るのに、調度良い映画だ。
コロナ禍前は、ワーナー・ブラザース配給映画の試写状が手に入った関係で、“モンスター・ヴァース”シリーズの前4作品観ちゃってるし。今回で5作品目だ。もう、日本人俳優(今までは渡辺謙や小栗旬)は出てなくて、ゴジラは力加減が分からない馬鹿だけど強くて、巨大怪獣をやっつけてくれる、モナーク社のための諸刃の刃的存在。もう、円安の、日本のゴジラではない。
キングコングやモスラと意思疎通が図れる地下空洞のイーウィス族の女王様は中国人。レジェンダリー・ピクチャーズ製作だからなあ。映画の商売相手は、アメリカと中国だ。
話はサクサク進むし、ローマやリオデジャネイロやエジプトのギザのピラミッドは容赦なく壊されるし、「家族が一番!」というコンセプトも明確だ。ラストのジアのセリフ“You are my home”では、観客のすすり泣きも聞こえたぞ。
キングコングは、直前に流れた「猿の惑星/キングダム」のせいで、頭の良い従順な猿にしか見えない。敵方の設定も猿の惑星っぽい。
しかも短時間で、カッコつけた獣医の兄ちゃんに差し歯にされたり、大リーグ養成ギブス(違うか)を取り付けられたり。都合良すぎ。でも、いいや。娯楽作品だから。ついにミニゴジラのような息子や仲間と幸せに地下空洞で暮らせるみたいだし。
ゴジラは、なぜあそこまでイーウィス族の救助要請に忠実なのか? その割にはせっかく迎えに来たキングコングの意図もくみ取れず暴れ回って、本能のみで行動してて、知恵はない。
モスラはきれいだ。
4匹で地下空洞の世界で戦うのかと思ったら、ちゃんと地上のリオデジャネイロで戦って、お金のかかったVFXを魅せてくれてありがとう!
KISSの曲が流れたのはうれしかった。
次回作はなさそうだが、あったら、猿の惑星になってしまいそうだ。ゴジラはあのまま、ローマのコロッセオをお気に入りの寝床として眠り続けるんだろうか? リオデジャネイロで戦って、その後わざわざローマままでもどったんだから、よほど気に入ったんだろう。