監督: クリント・イーストウッド 主演:アンジェリーナ・ジョニー
映画館、カップルで結構混んでた。1時間前に券を買いに行ったのに、前の方の席だった。暗い映画なのに。監督で選ばれてるのか?主演で選ばれているのか?
1928年に起こった事件がベースで、息子を思い続け戦う母と猟奇殺人事件とロサンゼルスの市長・警察の腐敗がまとめて描かれているので、ちょっとお腹一杯な内容。どれかに焦点を絞ればいいんだろうけど、どれも絞れないなあ。実話だし。
ロサンゼルス警察って、この事件で市長・警察署長が失脚してもその後「L.A.コンフィデンシャル」を経てずっと腐敗してるんだ。
アンジェリーナ演じるクリスティン・コリンズは、息子・ウォーターを妊娠中に旦那が失踪し、その後電話の交換手のリーダークラスの仕事をしながら息子を育ててる、“デキル”人。偽物の子供が「No.」というと「No.Thank you」と言い直しを命じる。クラスも上で、精神的にも強く、経済的にも自立してる。警察もたかが女一人だからどうにでもなると舐めてたら、上層部の首のすげ替えまで追い込まれる。
それに、マルコヴィッチ演じる力強い立派な牧師がバックアップしてくれる。警察組織と戦い精神病院に収容されてる女性を助けるために、弁護士と共にクリスティンの家を訪れ、弁護士を紹介するシーンはジーンときた。
で、そのクリスティン働く電話局がすごい!元々、クリスティンが管理などの仕事ができるので、上司が(女だけど)支局長に推薦してくれたりはしてたけど、子供が失踪したり、精神病院に無理やり入院させられたり(当然無断欠勤)、生きてると信じ続け電話局から各州の失踪人捜索所のような所に電話しまくったり、その後も裁判でしょっちゅう休んでるはずなのに、事件の5年後に個室を持つまでに出世している。寛大な職場だ。
猟奇殺人事件の犯人役もそれを追い詰める刑事役もいい味だしてた。あと精神病院で味方になってくるれる売春婦役の人とか。あっ、みんないい味出してるって事は、やっぱり監督がうまく引き出してるって事かあ。アンジェリーナ・ジョニーもこれでアカデミー賞の主演女優賞にノミネートされたけど、役柄的には「マイティ・ハート/愛と絆」に似てるなあ。
あとはCG技術がすごかった。1928年から5年間が描かれるんだけど、ロサンゼルスの町並みが本当にあるみたいだった。5年後にはビルの数も増えてるし。
アカデミー賞のラジオ放送も効果的。
子供が失踪した母親って、ずっと待ってるものなんだなあ。男連中は、クリスティンが5年後に事件にけじめを付けて、新しく踏み出すと思っていたら、かえって一縷の望みを持って待ち続けることに決めてしまう。「X-ファイル」のテレビシリーズに、猟奇殺人事件の犠牲になった息子を待ち続ける母親のエピソードがあったけど、それを思い出した。別のもん、思い出せよ。
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