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2020.10.11 『御園北』(みそのきた・195m)  原風景の中で思うこと

 日曜の朝は私の原風景の中で目覚めた。

心配した雨が落ちずに助かった。

そしてこの朝の外気温が12℃。

前日は3℃、前々日は6℃の中で朝を迎えたので、

3日ぶりに暖かい中でゆっくり休むことができた。

また何よりも原風景の中ということが、

心身を休ませてくれた。

 ここは栗山町の東端、御園地区。

私は幼少の頃、特にもの心がついて就学前まで、

この御薗からすぐ近くの南学田に住んでいた。

そしてもの心がついた頃から山に目が向いており、

この辺りの緩やかな低山地帯を眺めて、

「いつかあの風景の中に行ってみたい」と思っていた、

それから60年を経た今、

自由にその風景にとけ込んでいる。

幼心につちかった思いというのは、

決して忘れえぬもので、

その風景の中を歩くことが実に楽しい。

また、その中を歩きながら色々なことを考える。

 私は昨年まで無積雪期はほとんど登山道を歩いてきた。

ところがここ1年は藪漕ぎばかり。

きっかけは夕張の低山だった。

積雪期に夕張の市街地に隣接する800m超峰を全て登り、

同時に700m超峰も登り終えた。

では次に何をしようかと考えたとき、

「じゃあ夕張市の三角点を求めて歩いてみるか」、

という結論に達した。

それまでは三角点なぞ全く興味がなく、

名のない山でも登りたいと思う山に登っていた。

私には何かをやり遂げたいという目標がない。

しいて言うならば「5,000回登山」くらいか。

とにかく山が好きで、

山に身を預けていることがここち良い。

そんな私であるから、

いざ三角点を有する山を求め出すと、

その等級(1~4等)にもこだわらない。

とにかく登って三角点標石と、

そこから目にするものを楽しみたい、

ということだけだ。

それでこの1年どれくらいの三角点標石を、

実際に登って目にしてきたことか。

私は登る回数が人と比べて極端に多い。

トレーニングも山登りと決めて登っている。

そんな1年だったが、

気付いてみると膝の痛みが消えていた。

私の膝はここまで4,000回近く登り続けた影響で、

軟骨がすり減り少々痛みが出始めていた。

それが藪漕ぎばかりで、

常に柔らかいところを登下降してきたことがよかったと思われる。

であるならば、尚更藪漕ぎはやめられない。

決して好きなわけではないのだが。

このように昨年65歳の高齢者となって転機が訪れたのだが、

Hiromiには申し訳ない面がある。

私はHiromiと知り合った7年前より以前に、

登山道のある山々にずいぶん登り歩き、

正直もう登りたいと思うところがない。

しかしHiromiにはまだまだメジャーな未踏峰が残っている。

従ってそういう山にも連れて行かなければ、

と思うのだが、とにかく足が向かなくなってしまった。

今では山で人と出会うことすら、

おっくうになってしまっている。

そんな私に期待できなくなり、

Hiromiは最近女子会を結成し、

メジャーな山に登りだした。

それは自由にして欲しいと思う。

 この日ひとりで原風景の中を歩き、

思うところを綴ってみた。

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