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アフガン・イラク・北朝鮮と日本

黙って野垂れ死ぬな やられたらやり返せ 万国のプレカリアート団結せよ!

当ブログへようこそ

 アフガン・イラク戦争も金正日もNO!!搾取・抑圧のない世界を目指して、万国のプレカリアート団結せよ!

 これが、当ブログの主張です。
 詳しくは→こちらを参照の事。
 「プレカリアート」という言葉の意味は→こちらを参照。
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パラサイト 釜ヶ崎のプレカリアート

2020年02月12日 23時35分37秒 | 当ブログと私の生い立ち

今、話題の韓国映画「パラサイト 半地下の家族」を観て来た。韓国には北朝鮮から飛来するミサイルに備え、半地下の防空壕が各地に点在する。その防空壕に貧困家庭が住み着き、下町のスラム街を形成している。窓は半分地中に埋もれ、部屋の中は日中でも薄暗い。窓には酔客の立小便が降り注ぎ、室内には散布中の消毒液の煙が充満する。雨が降れば室内は大洪水となる。

他方で高台には金持ちが豪邸を構え、家政婦を雇って何不自由ない暮らしを続けている。韓国は北朝鮮と今もにらみ合っている。軍事政権こそ打倒されたが、今も財閥が政治の実権を握り、左翼や労働組合の運動は抑えつけられている。そんな中では格差も広がる一方だ。韓国は日本以上の格差社会なのだ。

その韓国の半地下の防空壕に住むキム一家の元に、高台に住むIT企業社長パク一家の家庭教師の仕事が舞い込む。浪人生のキム・ギウが、友人の留学期間中だけ、高校生の娘パク・ダヘの家庭教師をする事になったのだ。最初は浪人生だから無理と尻込みしていたギウだったが、高額の報酬に釣られて、経歴を偽り名門大学の学生としてダヘの家庭教師をする事になった。

ギウからその話を聞いたキム一家の他の家族も、絵画の先生や家政婦、送迎ドライバーとして、まるで寄生虫(パラサイト)のように、赤の他人を装い次々とパク一家に群がるようになる。パク一家に長年仕えた前家政婦ムングァンも計略を使って追い出し、見事パク一家乗っ取りに成功したかのように思えたキム一家。パク家全員がキャンプ旅行に出かけると、羽目を外して飲むや食うやのどんちゃん騒ぎを繰り広げる。しかし、雨の日の夜に忘れ物を取りに戻ってきたムングァンを家の中に招き入れた事で、事態はあらぬ方向に進んでいく。

登場人物が一杯出てくるので、頭の中がこんがらがらないように、一旦、箇条書きにまとめると下記のようになる。

・キム・ギテク(父親):パク社長の専属ドライバー。
・キム・ギウ(息子):高校生の娘パク・ダヘの家庭教師。
・キム・ギジョン(娘):多動性障害を抱える息子パク・ダソンの絵画の先生。
・チュンスク(ギテクの妻):パク家の前家政婦ムングァンを追い出し家政婦に収まる。

実は、このムングァンという前の家政婦も、パク家の地下室に夫のグンゼをかくまい、食料をくすねてグンゼに分け与えていたのだ。パク家の豪邸は、昔は別の建築家が所有していて、そこに秘密の地下室があったのだ。その地下室の存在はパク社長も知らない。建築家がいた頃からこの家に仕えていたムングァンだけが、この家に秘密の地下室がある事を知っていて、夫のグンゼをかくまい養っていたのだ。

ムングァンは最初、夫をかくまっていた事をキム一家に知られ、追い詰められるが、キム一家も、赤の他人を装いパク家に寄生していた事を知られ、逆にムングァン夫婦に脅される羽目に。しかし、ムングァン夫婦2人に対しキム一家4人では、多勢に無勢で、とうとう夫婦は捕らわれの身に。そこに、大雨でキャンプ旅行を早めに切り上げて戻ってきたパク一家が加わり、とてつもない修羅場に。

これ以上はネタバレになるので書けない。しかし、ここまで書いただけでも、波乱万丈の筋書きである事が分かるだろう。物語の筋書きそのものは、是枝監督の映画「万引き家族」に似ているが、テンポの速さはとてもその非ではない。しかも、あらすじが込み入っているにも関わらず、ぐいぐい観客を引き付けて飽きさせない。それがこの映画の最大の魅力だ。

人さらいを生業としてきた偽装家族が、次第に家族の絆を深めていって、本当の家族に近づいていく。その「家族の絆」が「万引き家族」の主題だったように思う。では、この「半地下の家族」の主題は一体何なのだろうか?色々考えた末に、「家族のしたたかさ」ではないかと思うようになった。キム一家もムングァン夫婦も、ともに金持ちのパク一家に寄生する貧乏人だ。その貧乏人同士が、金持ちの一家を騙し、寄生しながら、獲物を自分達だけで独占しようと、血を血で洗う争いを繰り広げている。最後には本当に殺し合いの場面も出て来る。ムングァンもギジョンもパク社長も亡くなり、生き残ったギウが父親のギテクを救い出そうと誓う場面で終わる。

この終わり方では、お世辞にもハッピーエンドとは言えない。しかしバッドエンドでもない。少なくとも、忠臣蔵や「永遠の0(ゼロ)」みたいに「皆、華々しく散って逝きました」という終わり方ではないのだから。恐らく「どんなに惨めで無様であろうとも、とにかく生き抜け」と言うのが、監督が最も言いたかった事ではないだろうか。

この映画は同時に、韓国における壮絶なまでの格差社会の実態を暴き出している。金持ちのパク一家にとってはキャンプ旅行を早めに切り上げるだけで済んだ大雨も、貧乏なキム一家にとっては、半地下の部屋が水に浸かり、溺れかけた末に、体育館での雑魚寝の避難生活を余儀なくされるほどの水害になった。最後の殺し合いの場面で、ギテクがパク社長を殺してしまったのも、パク社長がギテクの事を「臭い」と言ったのに激高したからだ。これなぞも、昨年の台風・水害被災者に対する政府の冷淡な仕打ちや釜ヶ崎の野宿者排除の動きと、一体どこが違うのか?

先日、大阪・西成のあいりん地区(釜ヶ崎)で、民家と旅館が焼ける火事があった。どちらも空き家だったので死傷者は出なかったが、消防車が何台も出動する騒ぎだったのに、ニュースでは一切報道されなかった。それほどの火事であったにも関わらず、火元となった民家のすぐ隣にある賃貸マンションは無傷だった。間にある非常階段が防火壁となり延焼を食い止めたからだ。一枚の壁の有無が生死を分かつ境となる。それでも防火壁のないドヤに住まなければならない現実がある。釜ヶ崎自体も上町台地の崖下にあり、天王寺の高台にある文教地区から見たら「半地下」と同じだ。たとえ、そんな中でも「黙って野垂れ死ぬな やられたらやり返せ」というのが、この映画の最も言いたかった事ではないだろうか。

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新生活スタート!

2020年02月09日 22時15分00秒 | 当ブログと私の生い立ち
 
長年住み慣れた西成のホテルを出て、近くに洋間5畳のワンルームを借りました。エレベーターもない5階部屋への引越しも、職場の同僚が手伝ってくれたお陰でスムーズに移る事が出来ました。そして、新居に冷蔵庫も入り、テレビと電子レンジも買い揃え、ようやく部屋の中が落ち着いて来ました。部屋の中にはコンセントが2ヶ所に2つずつしかない為、最初は足らない分は延長コードやタコ足配線でしのいでいました。困っていたら、別の同僚が5連タップをプレゼントしてくれました。今はコンセントが5つもあるので余裕で家電を使う事ができます。お二人の同僚には感謝しかありません。
 
また、電子レンジを買ったものの、アース線を繋げる端子がありません。電子レンジや冷蔵庫、洗濯機などの水回り家電製品には、漏電防止の為のアース線が付いていて、コンセントのアース端子に繋げなければなりません。そのアース端子がどこを探しても見当たらないのです。仕方なく、サトウのご飯を湯煎して炊こうとしましたが、湯煎では時間がかかって仕方ありません。生煮えのご飯を食べてお腹を下したりした末に、もう居直ってアース線未接続で電子レンジを使う事にしました。別にアース線を繋がなくても、部屋のブレーカーが代わりに作動するので、感電する事はありません。こちらも何の問題もなく使用できています。
 
電気周りの次は水周りの問題です。お風呂がユニットバスで、溢れ出し防止の排水口が浴槽の側面に付いているので、七分ぐらいしかお湯を貯める事が出来ません。これでは半身浴が精々なので、いつもは身体を洗う為だけお湯に入っています。そして休日に銭湯に入って身体をほぐすようにしています。室内に洗濯機も置けないので、銭湯に通う間に途中のコインランドリーで衣類を洗濯し、屋上の物干し場で干すようにしています。乾燥機は節約の為に使いません。幸い、あいりん地区には銭湯もコインランドリーも一杯あります。
 
建物全体も、いびつな構造になっている為に、思うようにレイアウトが組めません。前の道路が斜めに走っている関係で、建物全体が台形状になっているのです。部屋も当然台形です。しかも、ただ台形になっているだけでなく、道路(出窓)側が少し折れ曲っているのです。その為、非常に使い勝手が悪い部屋の配置になっています。布団の下に敷くカーペットも、部屋の角で折り曲げなければなりません。「台形の部屋でもソファーを斜めに配置すれば窓から外の景色を堪能できる」と、ネットには工夫のアドバイスが書かれています。しかし、それらの工夫も、ある程度の広さがあってこそ初めて出来る事です。
 
以上、ツラツラと苦情ばかり書きましたが、それでもホテル住まいと賃貸のワンルームでは天と地ほどの差があります。ホテルだと家電を買い揃える事が出来ません。トイレや風呂も塞がっていたら待たなければなりませんでした。それと比べたら、今は自由に生活設計する事が出来ます。不自由なレイアウトも工夫次第で何とでもなります。何よりもまず賃料が安い。月額たった1万9千円です。共益費や水道代も含めた総家賃で見ても月2万7千円ほどです。今までの月4万5千円から1万8千円も安いのです。これでユニットバスもIHコンロも冷蔵庫も付いているのですから、家賃に関しては言う事ありません。確かに細かい事を言えば、色々不満はありますが。
 
更に今日、発熱毛布が届きました。私の引越し祝いのプレゼントとして兄貴が私に送ってくれた物です。ヒートテックの毛布なので電気代が節約できます。それでいて暖かく、毛布としてだけでなく、ポンチョみたいに身体に巻けばドテラとしても使えます。冬は暖房費がバカにならないので、それを節約出来るのは有難いです。兄貴にも感謝です。出来れば電気代も数千円のレベルに抑えて、何とか収支トントンに持っていきたいところです。
 
建物管理会社としても、将来的には全室エアコン完備に持って行きたいようなのですが、建物自体が特殊な構造になっている為に、エアコンの室外機が取り付けられる部屋と取り付けられない部屋があるそうです。その為に、IHコンロやオートロックまで備わっていながら、私の部屋のように、いまだにウィンドファンしかない物件があるのだとか。次の冬までには何としてもエアコンを付けて欲しいです。
 
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事故物件の不具合を是正させた!

2020年02月04日 14時34分00秒 | 当ブログと私の生い立ち
御社が管理されている賃貸物件の不具合について
 
はじめまして。御社〇〇事業部が管理されている下記の賃貸物件に2月1日から入居した者です。
 
大阪市西成区〇〇×丁目××番地××号 〇〇マンション××号室

交通至便の好立地に格安家賃で気に入っています。しかし不具合も下記の如く色々あり困っています。早急に改善をお願いします。
 


(1)募集広告にはエアコン完備とあるのに実際は冷房専用の窓用エアコンだけでした。重要事項説明書の訂正で済まされましたが、やはり冬は寒くて困ります。指定伝染病の新型肺炎に罹患してしまったらもはや私だけの問題では済まなくなります。早急に冷暖房完備のエアコンに取り換えていただくようお願いします。
 


(2)ユニットバスの底面だけでなく側面にも排水コックがある為に、お湯を貯める事が出来ません。これでは風邪を引いてしまいます。浴槽も底にだけ排水コックがあるタイプに変えていただくようお願いします。
 


(3)募集広告には冷蔵庫備え付けとあるのに実際は撤去されてしまっています。賃貸ショップの担当者も冷蔵庫を備え付けると言っていました。早急に備え付けをお願いします。
 


(4)ユニットバスの壁に空いていた穴を銀紙のシール貼り付けで塞いでいるだけでした。前入居者が改造の為に空けた穴だと思われますが、結露の発生源にもなりかねません。早急に塞いでいただくようお願いします。
 


(5)クローゼットも下見の時にはあったハンガー掛けのバーがリニューアル工事で撤去されてしまっていました。収納棚だけでは衣類を掛ける事が出来ません。クローゼットも完備すると募集広告には書かれていました。
 


(6)5階廊下の壁紙も剥がれたままです。下見の際に張り替えてもらうよう賃貸ショップの担当者に口頭で依頼しましたがそのままです。美観上好ましくないので早急に貼り直していただくようお願いします。(注:左が5階廊下の写真。右の3階廊下とは大違い。上の階は家賃が安い分メンテナンスも後回しになるのだろうか?)

※建物管理会社の問い合わせフォームには上記の本文をそのまま送信しましたが、添付写真については容量の関係で一部のみの送信に留めました。
 
※このメールを送信した数時間後に早速、当該建物管理会社から返事が来ました。後はトントン拍子に話が進み、午後には早速、新しい冷蔵庫がキッチンの下に据え付けられました。ユニットバスの壁に空いた穴も、後日工事業者が修繕に来るそうです。但し、それ以外の件については、エアコンは賃貸仲介会社のミスリードで、実際は重要事項説明書の通り冷房のみで、新たに暖房設備を付ける場合は追加出費になるとの事でした。ユニットバス浴槽側面の排水コックも、お湯があふれ出るのを防止する為のもので、ユニットバス本来の使い方(洗身専用)をしてもらうしかないそうです。クローゼットの件も後でそれなりの対応をされるものと思われます。それにしても、こんなに早く話が進むとは思ってもみませんでした。
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釜ヶ崎人民共和国独立宣言w

2020年02月04日 14時18分00秒 | 当ブログと私の生い立ち
 
今までのホテル住まいからワンルームの賃貸に移り、生活環境が激変した。一番変わったのは、今まで室外にあった水道・トイレ・風呂などの水回りが、全て室内で用を足せる事になった事だ。

この差は大きい。今まで他に依存していた生活が自己完結で済むようになった。これは言わば、今まで植民地だった国が独立を勝ち取ったような物だ。ここに釜ヶ崎人民共和国の独立を宣言する!w

釜ヶ崎人民共和国の強みは、何てったって交通の便の良さと格安家賃だ。これにより、固定費の大幅圧縮が可能となった。

確かに、一口コンロのミニキッチンでは、レトルトやインスタント食品の調理しか出来ない。しかし、それならそれで、もう割り切ってパン食とレトルトカレーの夕食を基本とし、これを機にホテル時代からの弁当屋依存と手を切るろうと思う。これで食費と調理・片付けのコスト削減を図る事が出来る。

但し、釜ヶ崎人民共和国には弱みもある。何てったって元は事故物件なんだから。格安家賃なのも、事故物件でエレベーター無しの5階部屋だからだ。冷暖房完備の筈が冷房専用のファンクーラーのみで、クローゼット・冷蔵庫完備の筈が実際は収納棚だけだった。

ユニットバスも浴槽側面に付いている溢れ出し防止の排水口のせいで、お湯が少ししか貯まらない。これでは暖房もないので風邪を引いてしまう。レトルト基本の夕食なので冷蔵庫なんか要らないし、クローゼットも改良次第で何とでもなるが、暖房だけは絶対に必要だ。電気ストーブでは身体が暖まらない。今日の昼休みに暖房設置について建物管理会社と交渉する事にする。
 
 
上記の「独立宣言」に対して「レトルトばかりでは栄養が偏る」という意見を、ライン仲間からいただきましたが、大丈夫!栄養は社員食堂の昼食で摂るようにします。朝食のコーヒー&胡桃パン、休憩時間の野菜ジュースも、最初は飽きが来るかと思いましたが、今は普通に毎日摂取出来ています。

この食生活のメリットは、食費の節約よりもゴミの減量です。弁当も自炊も毎日かなりのゴミが出ます。ご飯粒や野菜の切れ端など。それらを一々1階のゴミ捨て場まで、階段で捨てに行くのは大変です。

それがパンとレトルトなら、パンでお皿のカレーをすくいながら食べれば、パンをキッチンペーパーの代用にする事が出来ます。レトルトの袋ならゴミになっても嵩張らずに済みます。調理を簡素化すれば食器や電子レンジの購入も控えられます。

それに精神的なメリットも。自炊と言ってもカツカツの食生活では食べた後も惨めな気持ちに陥るだけですが、パン食で高級感を演出する事である程度それを緩和する事も出来ます。
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古くからのブログ友達がやって来た。

2020年01月04日 19時33分00秒 | 当ブログと私の生い立ち

 

1月2日の夜にブログ友達が私の住む西成のホテルにやって来ました。その方は私の古くからのブログ仲間です。私のブログがまだ掲示板だった頃からの付き合いです。今はある大都市の派遣会社で人事・総務の仕事をしておられます。その一方で、立憲民主党のサポーターもやられている方です。

その方から「久しぶりに会いたい」と連絡があり、ホテルのロビーで落ち合う事にしました。当初はどこか近くの居酒屋で二人で飲むつもりでしたが、正月で閉まっていたり、開いていても先客で一杯だったりしたので、もう諦めて、コンビニで買ったアテを酒の肴に、ホテルのロビーで飲む事にしました。

その方とは久しぶりに会えて会話が弾みました。その会話の中から、ひときわ盛り上がった話題について二つ、ここで紹介したいと思います。一つは「ソフト闇金」、もう一つは「立憲パートナーズ」の話題です。

その方は派遣会社に勤めているので、派遣業界の裏事情にも精通しています。会社の守秘義務があるので、その全てを公開する事は出来ませんが、もし「派遣社員あるある」というタイトルで本を出版出来たら、「ベストセラーになる事間違い無しなのだがなあw」と言って笑っていました。

その「派遣社員あるある」の中でも、私が特に興味を引いたのが「ソフト闇金」の話題です。派遣社員の中にはサラ金に手を出す人も多いのですが、最近ではサラ金の審査も厳しくなり、簡単に金を貸してくれなくなりました。その為、闇金に手を出す人も増えて来ました。それに対し、闇金の方でも、ソフトイメージで顧客を囲い込む為に、敢えて「ソフト闇金」を名乗ってホームページを公開する業者も出てきたのだそうです。

私は最初、その話を聞いて、にわかには信じられませんでした。幾ら「ソフト」でも所詮は闇金。そんな闇金のホームページを見て融資を申し込む派遣社員なんているのだろうか?そこで、その方から教えられた通り「ソフト闇金」でネット検索してみました。すると、次から次へと闇金のホームページが出て来ました。

でも、そこはやはり闇金。幾らソフトイメージを演出しても、違法金利である事には変わりありません。何せ、1万円融資を申し込んでも、週に(!)2~3割の利息と3千円の手数料を先に引っこ抜かれ、客が実際にもらえるのは、たった4〜5千円なのですから。

1万円の融資を申し込んでも、実際に客が手にする事が出来るのはその約半額。それなのに1万円分の利息を払わなければならない。その利息も「週に2割」「2週間に3割」の違法な高金利。月利では6〜8割、年利では720〜960%にもなる暴利です。何と借金が1年間で7.2~9.6倍にも膨れ上がる計算になります。もう「トイチ」どころの騒ぎではありません。その上、利息よりも高い手数料を別に先に払わなければならないのです。(上記の利息計算表=右上の写真参照)

こんな借金、返せる訳ないじゃないですか。まともな人なら、こんな所で金を借りようとは思いません。しかし、派遣社員の中には、その程度の計算も出来ない人が少なくないので、ソフトイメージや「甘い審査」の口車に乗せられ、ソフト闇金に手を出す人が後を絶たないのだそうです。

その方の派遣会社にも、ソフト闇金業者から取り立ての電話が掛かって来ます。幾らソフトイメージを装っても、取り立てる時は「ハードな闇金」と何ら変わりません。「おいコラ!金返さんかいワレ!今からそっちに取り立てに行くぞコラ!」…そんな電話に対し、その方も答えます。「じゃあ、どうぞこちらに来て下さい。しかし、貴方がたは元々、金融登録もせず、違法な暴利で営業なさっているので、こちらが借金を返済しなければならない義務はありません。来てもお引き取り願うだけです。それでもお引き取り願わなければ、強要罪や不退去罪で警察を呼ぶ事になります。それでも宜しいでしょうか?」と。そうすれば、大抵の闇金は黙りこくってしまうそうです。実際に会社に取り立てに来た事は一度もありませんでした。

そして、借金した派遣社員にも自己破産を勧めるそうです。そして弁護士事務所に連れて行くそうです。しかし、幾ら自社の派遣社員が仕出かした不始末とは言え、あくまでも個人の借金なのに、何故、会社がそこまで面倒を見なければならないのか?それは、派遣社員の借金をそのままにしていると、会社の金を横領したり、顧客の個人情報を名簿屋に売ったりしかねないからです。そうなると、もう会社の信用問題に関わります。だから、そうなる前に、派遣社員と一緒に弁護士事務所に付き添ったり、サラ金の利息を立て替え払いしなければならないのです。その上で、その派遣社員をクビにして、立て替え払いした金があれば、それを社員に請求する事になります。

しかし、貸金業者もピンキリなら弁護士事務所もピンキリです。弁護士事務所の中には、法律事務所を名乗っていながら、受付や業者対応は司法書士資格も持たないパートのオバちゃんに丸投げして、最後の報酬支払いの時にやっと弁護士が出てくる所もあるそうです。

もちろん、一番悪いのは、利息の計算も出来ないのに、安易に闇金に金を借りる派遣社員です。でも、その派遣社員も、普通に働いたら誰でもまともに暮らせるだけの給料さえもらっていたら、闇金やサラ金に借金なぞしなくても済むのです。いい加減な法律事務所のカモにされなくても済むのです。しかし、給料の大半が家賃や光熱費、日々の食費に消えていき、税金や社会保険料も滞納しなければならなくなったら、今の日本では、もう闇金やサラ金にでもすがるしかないじゃないですか。生活保護も今は審査が厳しくなっていますから。

 

続いて話は立憲パートナーズの話題に及びます。「立憲パートナーズ」とは立憲民主党の支持者の集まりです。立憲民主党の党員として議決権を行使出来るのは国会議員だけなので、一般の支持者で党を応援したい人は「立憲パートナーズ」という組織に入って、そこでポスター貼りやビラ配り、選挙応援等の活動に参加する事になります。

しかし、実際は党から方針がなかなか降りて来ず、何やって良いのやらサッパリ分からないのだそうです。そして、サポーターの間には、党員や幹部に対する不満が渦巻いているのだとか。

一例を挙げると、サポーターの間では「消費税は5%に戻せ」という人が大半で、それを前面に掲げた山本太郎の「れいわ新撰組」に親近感を覚える人も少なくありません。しかし、立憲民主党の公約はあくまでも「消費税は8%に戻せ」です。それは国民民主党も同じで、「安倍政権の消費税10%は論外だが、消費税の税収減少で社会保障予算が削減されても困る」という人が、党員・幹部や支持者の中には少なくありません。それに、国民民主党の母体である民主党が、野田政権の時に自民党・公明党と、「将来は消費税を10%にする」三党合意を結んでしまった事もあるでしょう。

私は、毎日買う弁当すら、消費税が10%になってからは、買える弁当が少なくなってしまったので、「消費税なんて5%どころか全廃しても良い」と思っている口です。幾ら消費税が上がっても、福祉予算には回らず全て法人税減税に消えてしまう事も知っています。そんな私からすれば、「消費税値下げの目標を8%までにするか、5%まで踏み込むか」なんて及び腰の議論に時間を費やしている事自体が、「もはや許されない」「本当に安倍政権を倒す気があるのか?」という事にしかならないです。

しかし、立憲民主党や国民民主党の有力な支持層は、あくまでも大企業正社員や官公庁の労働組合員なので、幾ら反安倍であっても、そこは自ずと限界があるのでしょう。特に国民民主党に至っては、原発大賛成の電力会社の労働組合がバックに控えてますから。

だから、安倍政権には反対で、ホームページには「公平で格差のない社会を目指す」と、似た様な公約を掲げていながら、同じ民主党から別れた立憲民主党と国民民主党との合流すら、なかなか話が進まないのでしょう。

しかし、では立憲民主党が消費税5%への値下げを掲げて選挙を戦っても、それで勝てるかどうかとなると、また別問題です。この党は、国政選挙になれば一千万前後の得票を得る事が出来る野党第一党ですが、裏に回れば「金も組織もない頭でっかちの党」「風頼みの党」でしかないのです。
 
じゃあ反対に、国民民主党が政権を取れるかどうか聞かれると、こちらは立憲民主党以上にお寒い状態です。確かに金や組織はある程度持ってはいますが、肝心の人気が社民党と同レベルか、それ以下では…。(上の写真は立憲民主党、国民民主党のホームページ)
 
  
 
同じ事は「れいわ新撰組」についても言えます。確かに、山本太郎の行く所全て黒山の人だかりで、山本太郎が「消費税は5%に、奨学金はチャラに、自殺者の出ない社会に」と叫ぶ度に、聴衆から拍手や大歓声が飛びます。ブースにはカンパに応じる人の列が並びます。そのカリスマ性たるや、他の野党の比ではありません。しかし、この党も、台所事情は火の車です。カンパの大半は選挙資金に、政党助成金は党事務所の運営費に消え、とても衆院選に百名からの候補を立てられるとは思えません。

そうなると、やはり頼りになるのは、今でも数百万票の固い支持層を持ち、地方議員も多数抱える共産党です。各種の集会でも、実際にある程度の動員力を持っているのは、野党の中では「れいわ新撰組」と共産党だけです。しかし、共産党も、ソ連崩壊以降は、共産主義の悪いイメージがあるからか、党勢はジリ貧です。かつて300万の部数を誇った機関紙の「しんぶん赤旗」も、今や100万部を割り込むまでになってしまいました。党員も高齢化し、人気については、すっかり「れいわ新撰組」にお株を奪われてしまいました。(上の写真は左から順に、れいわ新選組、日本共産党、社民党のホームページ)

要するに、どの野党も「帯に短しタスキに長し」なのです。じゃあ、「野党が全て合流して一つの党になれば良いか?」と言うと、そう言う訳にも行かない。立憲民主党と国民民主党の合流話すら、なかなか前には進まないのですから。だから、これだけ安倍政権がムチャクチャな事をしても、一向に支持率が下がらないのです。国民は決して安倍首相なんか支持してません。まだまだ野党が沖縄のように一丸となって戦う所まで行かずに、内輪もめばかりしているから、仕方なしに自民党を支持するか、政治そのものに愛想をつかして選挙の投票にも行かなくなってしまったのです。

野党で他に残っている主要な党は、「維新の会」と「希望の党」ですが、両党とも実際は安倍応援団の「隠れ与党」に過ぎません。憲法改正にもカジノ誘致にも原発再稼働にも賛成で、「桜を見る会」疑惑追及にも後ろ向き。本当は公明党を押しのけて与党の座に収まりたいのだが、火の粉を被るのは嫌なので今は野党に収まっている…そんな党を野党とはとても見なせないので、ここでは野党には含めませんでした。

その方の住む大都市の中でも、所得水準の比較的高い地域の立憲パートナーズの会合に参加した時の話も聞きました。そこには日本を代表する大企業の本社があります。デフレ不況の日本でも、そこだけはまだ総中流時代の日本の雰囲気が残っています。そういう地域の立憲パートナーズの会合でも、「れいわ新撰組」の「消費税5%」や「奨学金チャラ」の公約に親しみを感じる人が多かったと、その方が仰っていたのが印象に残りました。
 
その後も話は盛り上がり、気が付いたらもう夜10時を回っていました。私は明日も仕事です。その方も、今夜はこのホテルに泊まった後、朝一番に帰らなければなりません。早々にお開きとなりました。
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新年明けましておめでとうございます。

2020年01月01日 22時41分30秒 | 当ブログと私の生い立ち
 
 
2020年(令和2年、皇紀2680年w)、新年明けましておめでとうございます。本年も宜しくお願い申し上げます。

私も元旦は休みですが、これは別に正月だからではありません。単に勤務シフトの関係で、今年は元旦が固定公休日の水曜日に当たったから、休みになっただけです。明日からまた通常通り仕事です。私にとっては普段と何も変わりません。むしろ、年末年始は普段以上に忙しく、なかなか休めないので有難迷惑なぐらいです。それに、今年は新年早々、引越しの予定もあるので、年賀状は出しませんでした。代わりに、この投稿を以って新年の挨拶とさせて貰います。

とは言っても、そこは折角の元旦正月休みなので、近くの住吉大社に初詣に出かける事にしました。住吉大社へは阪堺線で行く事にしました。

どうせ今日もガラガラに空いているだろうと駅に行ったら、いつもと違い大勢の客がホームにたむろしていました。やがて電車が来て乗ろうとしたら更にビックリ。南海やJR以上の大混雑で、下手すれば積み残しになる恐れも。

帰りは阪堺線で帰るのは諦め、上町線で天王寺まで出て、そこから地下鉄御堂筋線で帰る事にしました。それで正解でした。上町線は立ち客がチラホラいる程度で、座って帰る事が出来ました。

それも当然。上町線と阪堺線(住吉以北)では、電車の運転間隔が天地ほども違うのですから。上町線が6分間隔なのに対し、阪堺線の方は20〜40分間隔にもなるのです。夜9時台ともなると、もう1時間間隔です。せめて正月三が日の間ぐらいは、普段はガラガラの阪堺線でも10分間隔ぐらいで走らせなければ、あふれる乗客をさばく事は出来ません。
 
  
左:安倍退陣の絵馬、中央:小吉のおみくじ、右:ショウガたっぷりの甘酒。

初詣の絵馬には「今年こそ安倍退陣!」と書いてやりましたw。ついでにおみくじも引きました。引いたおみくじは「小吉」でした。やはり「小吉」だけあって、ささやかな「ご利益」を手に入れる事が出来ました。まず帰りの境内で、ショウガのたっぷり入った甘酒をいただきました。風邪気味の体には、これが一番です。

そして、ホテルに帰ったら、元旦という事で、ホテルでささやかなプレゼントを用意してくれていました。お酒やジュース、お茶をアテのお菓子と一緒に、ビニール袋に入れて配っていました。

その後、あいりん地区の通称・三角公園(正式名称:萩之茶屋南公園)で毎年冬に行われている越冬闘争を観に行きました。「越冬闘争」と言うのは、毎年、年末から年始にかけて、大阪・西成あいりん地区(旧称:釜ヶ崎)で行われる野宿者支援のイベントです。行き倒れ防止の見回り活動や炊き出し、ライブコンサート等が主な内容です。盆の夏祭りと並ぶ二大イベントです。なぜ「越冬闘争」と呼ぶかと言うと、野宿者にとっては、行政窓口や夜営用のシェルターも閉まる年末年始を路上で生き抜く事自体が、一つの「闘争」だからです。
 
 
左:ホテルのプレゼント、右:ココルーム。

その三角公園に行く途中にある「ココルーム」というカフェ兼リサイクルショップで、産経新聞の今年のミニカレンダーをわずか100円で手に入れる事が出来ました。他のカレンダーにはない「皇紀」入りのレア物カレンダーです。

「皇紀」と言うのは、初代の神武天皇が橿原神宮で即位した年を元年とする数え方です。それで数えると今年は2680年になるそうです。邪馬台国の時代(大体3世紀頃)でも今から1800年前です。それより更に880年もさかのぼるのですから、日本ではまだ石器時代です。そんな時代に天皇が橿原神宮で即位やなんて…w。どんな「神話」を信仰しようと個人の自由ですが、そんなものを何故、国民が無条件に受け入れなければならないのか?それを神社の暦ではなく一般のカレンダーにも載せるという事は、将来の強制使用に向けた下慣らしではないでしょうか。「野党百害」等のナチスばりの見出しを掲げた安倍御用雑誌の最近の増長ぶりからも、その可能性は充分あると思います。

それでなくても、私の嫌いな右寄りの産経新聞。しかも「皇紀」まで入ったカレンダーに、最初は買おうかどうか迷いました。でも、他に手頃なサイズのカレンダーが他になかったので、仕方なく買う事にしました。

カレンダーは棚に吊るして使うので、「皇紀」入りの表紙はどのみち隠れてしまって目に入る事はありません。それでも、やはり気になるので、「皇紀」の部分は「第50回釜ヶ崎越冬闘争」にちなんで「釜ヶ崎解放50年」に書き換えて使う事にしました。
 
左:「野党百害」等のナチスばりの見出しを掲げた安倍御用雑誌、右:産経新聞の皇紀2680年カレンダー。

その「釜ヶ崎越冬闘争」も、看板ラッパーのSHINGO★西成が出なくなってからは、少し盛り上がりに欠けるようになってしまいました。

「越冬闘争」を後にする頃には、もうすっかり辺りは暗くなっていました。もうそろそろ夕飯の時間ですが、今日は元旦なので、営業している店なんてありません。いつも買いに行く弁当屋も正月3日まで休みです。

それでも、正月ぐらいはコンビニ飯なんかではなく、あったかいご飯を食べたいです。思案していたら…ありました!すぐ近くに開いている定食屋が。そこで650円の塩サバ定食を注文しました。安い値段の割には美味しかったです。やはり「小吉」だけの事はありました。
 
左:第50回釜ヶ崎越冬闘争ライブコンサート、右:塩サバ定食。
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対症療法や自己責任で誤魔化すな

2019年12月18日 20時57分03秒 | 当ブログと私の生い立ち
 
昨日の昼休みに、会社が加入している健保組合の担当者から、私の携帯に電話がありました。「腰痛・頸肩腕症の原因・治療内容の質問に答えて数ヶ月前に会社に提出した問診票の回答に疑問があるので色々聞きたい」という電話でした。

担当者は「何故、寝違いやギックリ腰等の似た様な症状で、同じ整骨院にずっと通っているのか?」と聞いて来ました。その質問の仕方が余りにもしつこかったので、「問診票で回答した通りです。ずっと通っている、症状が慢性化しているのではないか、という事ですが、治療経過や回答内容はそれぞれ異なる筈です。他にも同じ様な患者さんが大勢いるのに、何故、私にだけ一々携帯に電話して聞いて来るのか?」と、最後には少々喧嘩腰になってしまいました。

それに対し、健保の人は「整骨院は医療機関ではないので骨折・脱臼の治療にしか保険適用出来ない。このままでは保険が適用されなくなるかも知れない。もし症状が慢性化してしまっているなら、保険が効かない整骨院なんかではなく、正式な医療機関である整形外科で治療を受けて欲しい」と話されました。

しかし、整形外科で受診しても、ギックリ腰ならレントゲンも撮ってくれるものの、それ以外は電気治療と牽引治療だけで、後は湿布薬を処方して貰うだけです。対症療法にしかならない点では、整骨院とも大差ありません。同じ対症療法なら、整形外科よりも近くにあり、治療費も安い整骨院の方がまだマシです。

健保組合の担当者はお為ごかしに治療効果が云々と仰いましたが、治療効果という点でも、全然症状が回復しない整形外科よりも、治療後は多少は症状が緩和される整骨院の方が、遥かにマシです。

くだんの担当者は、さもお為ごかしに「貴方の健康の為にアドバイスしてあげている」みたいな言い方していましたが、実際は医療費抑制の為に、なるべく整骨院に通わせない様にしているだけなのです。本当に私の身体の心配をしてくれるなら、ただ「整形外科に通え」と言うだけでなく、もっと実効性ある治療を行う様、整形外科も指導してくれる筈です。
この問題については、既に2011年に「腰痛になれば逮捕される国」というタイトルで、ブログに記事を書いていますが、その頃から事態は全然変わっていません。もうウンザリです。
 
 
ちなみに腰痛・頸肩腕症について、自分の現在の症状をまとめて書けば、おおよそ下記の通りになります。以下、上記の図に沿って説明して行きます。

①首の後ろ左側の第2・第3頸椎付近にコブ状のグリグリがあり、そこから左下に僧帽筋の強張りがある。このグリグリは多分、幼少期にプールサイドで転倒した時に出来たものだと思う。

②左肩の三角筋が強張り、押されたら痛みを感じる。肩も以前よりは上がりにくくなった。医者に診てもらったら四十肩・五十肩の典型的な症状だと言われた。

③同じく左肩の上腕三頭筋も、②程ではないが強張り、強く押されたら痛みを感じる。いずれも身体の左側に強く症状が現れ、右側にはほとんど現れない。

④左側の広背筋(横腹の後ろ辺り)が強張り、強く押されたら痛みを感じる。右側にも同じ様な症状が見られるが、程度は左側よりはるかに軽微。

⑤後ろの脊柱起立筋(尻の上全体)が常時強張る。強張りは左右両方に広がるが、程度は左側の方が右側よりも強い。

⑥胃の後ろ、⑦腎臓の後ろ辺りが常に強張る。これについては左右差は余り感じない。それでも強いて言えば左側の方が若干症状が強い様に思う。

腰や腕の筋肉の強張り、痛みの原因は、長年に渡る冷蔵倉庫での肉体労働にあると思います。寒い所で同じ姿勢で作業せざるを得ない為、身体の筋肉が固まり、血流が阻害され、疲労物質が溜まった為です。

一方、首や肩の筋肉の強張りについては、倉庫での肉体労働だけでなく、パソコンやスマホでインターネットやブログを見たり書いたりする事で、スマホ首や猫背の姿勢になってしまう所に、原因があるのでしょう。

その中で、特に身体の左側に症状がよく出るのは、幼少期のプールサイドでの転倒事故が影響しているのでしょう。プールサイドで転んだ時は幼稚園時分で、転んだ事も親には黙っていました。何故黙っていたか、今となっては思い出せませんが、多分、言えば叱られると思ったのでしょう。

それがいわば後遺症となって、腰痛・頸肩腕症の悪化に一役買ってしまったのでしょう。こんなもの、今さら治療した所で、完治する訳ないじゃないですか。もう何十年も前の幼少期の怪我によって発症し、その後の職業生活の中で長年培われてきた持病なのですから。

どんな人にも、程度の差はあれ、この様な症状が出るのは、仕方のない事です。逆に、肉体労働で生計を立てて来た事で、頭脳労働ほどにはストレスを感じずに済んでいるのですから、そういう意味では「不幸中の幸い」であるとも言えます。

勤務時間も朝が早い分、夕方には仕事が終わり、食事と入浴を済ませば、翌朝早くからの仕事に備え早めに就寝出来ます。酒も煙草もやらないので、この歳になっても生活習慣病とは無縁です。その代わりに腰痛・頸肩腕症になったと思えば、まだ諦めも尽きます。

勿論、私も持病に手をこまねいているばかりではありませんでした。過去には産業医の勧めに従って、スポーツクラブに入会した事もありました。しかし、個人会員が一人でスポーツクラブに入会した所で、誰が相手にしてくれますか?スポーツクラブの上得意は、あくまで法人契約の「太い客」です。それ以外の零細会員は、入会しても放ったらかしにされるだけだったので、少し行っただけで退会しました。

昔の怪我が原因で発症し、長年の職業生活で慢性化した腰痛・頸肩腕症に対し、自己責任だけで片付け、健康保険の適用外にされたのでは、堪ったものではありません。確かに、整骨院への通院は対症療法にしかなりませんが、それを言うなら整形外科も同じです。本当に腰痛・頸肩腕症を完治させるには、長時間労働等の過重労働を無くすのが筋です。最低賃金も引き上げ、ダブルワークなんかしなくても、非正規雇用の給与でも食べていける様にするのが、本当の治療です。それをサボって来た国の方こそ、私から言わせば、よっぽど対症療法です。
 
「では、スマホ首や猫背による肩こりはどうなんだ?ネットのし過ぎでそうなったなら自己責任だろう」という人も中にはいるかも知れませんね。確かに、趣味のブログは仕事とは違い、幾らでも自分で制御出来るのだから、そういう意味では自己責任です。

しかし、これについても、私には言い分があります。今の三畳一間のドヤ(西成の簡易宿泊所)住まいの中で、一体どこに事務用の机や椅子を置くスペースがありますか?無いじゃないですか。確かに、ホテル1階のロビーまで降りれば、そこには机も椅子も充電用コンセントもあるので、パソコンやスマホに繋げばブログ更新は可能です。しかし、不特定多数の宿泊客が出入りする慌ただしいロビーで、落ち着いてブログ更新なぞ出来る訳ないでしょう。

更に言えば、私が実家を飛び出して西成のドヤに住まざるを得なくなったのも、競争至上主義の毒親とそりが合わなくなったからです。別に独身や非正規雇用だからと言って、それで人間の値打ちが決まる訳ではないのに、まるで落伍者みたいに言われるのに耐えられなくなったからです。
 


では、親父は何故そんな毒親になってしまったのか?WHO(世界保健機関)の自殺率統計を見れば、その原因が浮かび上がって来ます。上記の世界地図で、濃い茶色の国が自殺大国です。それを見ると、ロシア・東欧諸国やインド、韓国・北朝鮮、日本が濃い茶色になっています。北欧諸国も比較的色が濃いです。逆に、アラブ諸国やインドネシア、マレーシア等のイスラム諸国は色が薄いです。

イスラム諸国の色が薄いのは、イスラム教で自殺が禁じられているからだと言われています。それに対して、北欧諸国で自殺が多いのは、白夜で日照時間が短いので、陰鬱な気分になりがちだからと言われています。ロシア・東欧で自殺率が高いのは、社会主義から資本主義への価値観の転換に、国民が付いて行けなかったからだと言われています。

では、日本と韓国・北朝鮮で自殺率が高いのは何故か?それは儒教文化のせいだと言われています。日本も韓国・北朝鮮も、典型的な儒教社会で、落伍者に対して非常に冷たい社会です。インドにおける自殺率の高さも、ヒンズー教によるカースト制で、身分差別が厳しいからだと言われています。

日本、韓国・北朝鮮、インドに共通して言えるのは、4ヶ国とも厳しい身分制社会である事です。インド・北朝鮮はともかく、日本や韓国は今や立派な先進国なのに、何故今だに身分制社会なのか?それは、経済的には先進国でも、社会はまだまだ後進国だからです。

日本で言うと、江戸時代まで封建社会だった上に、明治以降も、天皇・華族・士族・平民・その下に被差別や朝鮮人・中国人、という形で、封建的身分制が温存されました。四民平等も、平民同士が平等になっただけで、天皇等の前では決して平等ではありませんでした。

封建的身分差別が温存される中で、一方では富国強兵政策の下で、国民は「欧米に追いつけ追い越せ」と、立身出世競争に追い立てられる事になりました。それで、世界でも稀に見る、落伍者に冷たい競争社会が出来上がってしまったのです。

これら4ヶ国の中でも、日本が最も落伍者に冷淡であると言われています。それが証拠に、「貧乏人なんて救わなくて良い」という人の割合が、世界中の国の中で、断トツで多いのが日本なのですから。他はどんな国でも(インドや韓国も含めて)1割ぐらいしかいないのに、日本では6割を超えています。もっと競争が激しい米国ですら、3割しかいないのに。

これは何故か?ここからは私の推測ですが、日本では革命が起こらなかったからだと思います。インドも韓国も、独立運動で植民地から抜け出しました。韓国ではその後、軍事独裁政権を倒して民主化も勝ち取りました。それに引き換え、日本では、明治維新と戦後の民主化で、支配階級が入れ替わりこそしましたが(武士→天皇・財閥→米国・独占資本)、国民自身が革命を起こして自ら権力を手に入れた経験はありません。

だから、いつまで経っても「長い者に巻かれろ」「下見て暮らせ傘の下」の社畜・奴隷根性から抜け出せないのです。世間体ばかり気にして、「差別されまい」とするばかりで、「差別を無くそう」という方向には、なかなか意識が向かわないのです。

農水省の元事務次官が引きこもりの息子を殺害した事件の判決が、この前出ました。この事件も、高官が引きこもりの息子を「世間の恥」と見なして殺害に至ったものでした。出世競争の中で、息子を落伍者としか見なせない毒親が、自身の体面保持の為に息子を殺めてしまったのです。21世紀のこの世の中に、こんな江戸時代みたいな事が現在もまかり通っているのです。

勿論、自己責任の部分はあります。「私がスマホ首や猫背になったのは、私がストレッチ体操しなかったからだ」と言うのも、あながち間違ってはいません。それに対しては、私も今後はストレッチ体操を取り入れる等、自分でも努力しようと思います。しかし、「それが全てだ」と言うのは、私は違うと思います。スマホ首や猫背の背景には、机や椅子も置けない劣悪な住宅事情や、封建的身分制の下で、差別と闘わずに、むしろ体面保持の為に、差別者・権力者に迎合しようとする毒親の存在があります。それ抜きに、全てを自己責任だけで片付けられては堪まりません。
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事故物件なぞ信じない!

2019年12月15日 20時32分18秒 | 当ブログと私の生い立ち
 
 
「瓢箪(ひょうたん)から駒」とは、この事を言うのでしょうか。ひょんな事から、格安の賃貸物件を見つける事が出来ました。
今住んでいる所は、大阪・西成のあいりん地区にある三畳一間のホテルです。元は日雇い労働者向けのドヤ(簡易宿泊所)だったのを、外国人観光客向けに改装した部屋に住んでいます。敷金も保証金も不要で、月額4万5千円の賃料さえ払えば、その日から暮らす事が出来ます。但し、部屋にあるのは座卓、エアコン、テレビだけで、冷蔵庫もありません。風呂もトイレも共同です。
 
その為、今までも折りを見つけて、もっと住みやすい物件を探していました。しかし、いずれも「帯に短し襷(たすき)に長し」で、なかなか良い物件に巡り合う事が出来ませんでした。賃料はたとえ格安でも、共益費やその他諸々の費用も含めると、決して安いとは言えない、そんな物件ばかりでした。
 
そこで、最近はもう物件探しは諦め、ランニングコストの安いホテルで我慢しようと思っていました。そんなある日の事、ツイッターの書き込みを眺めていると、私の住むホテルのすぐ近くで、賃料1万9千円の物件が売りに出されている事が分かりました。賃料の安さから、「さすがは西成クオリティw」「もしや事故物件では?」と話題になっていました。
 
そこで私は、ツイッターに掲載されていた賃貸広告を基に、広告主の不動産屋に出向いて、噂の真偽を確かめてみました。すると、賃料が安いのは、エレベーターの無いビルの5階部屋であるのと、洋間5畳の広さしかない為でした。5畳では確かに狭いですが、それでも今の3畳よりは広いです。それで、駅近でしかも近所にあり、ユニットバスにエアコン、冷蔵庫にIHのキッチンまで付いて賃料わずか1万9千円。それ以外の共益費や損害保険料を入れても月額2万6千円ほどの支払いで済みます。1年間の最低契約年数の縛りはありますが、他の物件では最低でも2年間の縛りがある所も多い中では、比較的縛りは緩いほうです。
 
ただ、それでもやはり、エレベーター無しの5階では、毎日の上り下りが大変です。何よりもまず引越しが一苦労です。エレベーター無しの物件に引越すとなると、それだけで引越し代がかさんでしまいます。その為、なかなか踏ん切りが付きませんでした。
 
そして悩んだ末に…やっぱり入居する事にしました。幾らエレベーター無しの5階部屋と言えども、駅近でユニットバス・エアコン・冷蔵庫・IHキッチンも付いて賃料僅か1万9千円の物件なんて、そうザラには無いですから。現住所のすぐ近くにあり、今まで利用していた弁当屋もそのまま使えて、近所のリサイクルショップで生活用品も調達可能。その点も考慮すると、たとえエレベーター無しでも格安です。
それで今日、不動産屋に出向いて部屋を押さえました。手付金も、持ち合わせがないという事で、たった千円で済みました。

そして更に朗報!当初の予定では、現在まだ入居者がいて、その方が退去される大晦日以降に下見やら契約取り交わしが行われる筈だったのが…。
先程、不動産会社から電話がかかって来て、実は半年前に入居者が亡くなっている事が判明しました。大晦日になるまで退去出来なかったのも、親族が荷物を引き取るのが遅くなってしまったからだそうです。

つまり、事故物件です。入居者の死因は、殺人や自殺ではなく、自然死に因るものなので、事件性はありませんが。
普通の契約者なら、そこで尻込みするものですが、あいにく私は無神論者です。事故物件や心霊現象なぞハナから信じません。もし、そんな霊頼み、神頼みで万事うまく行くなら、もっと競馬も的中しているはずです!(キリッ)

もし本当に霊魂なぞと言う物が存在するなら、日本中が事故物件や心霊スポットだらけになっていなければならない筈です。何故なら、私の兄貴の家も、元は祖父母宅で、祖母もその家で亡くなっています。ペットで飼っていた3匹の猫もそこで亡くなっています。事故物件の定義に照らせば、私の兄貴宅も立派な事故物件という事になります。でも、今に至るまで何事もありません。

もし本当に霊魂とやらが存在するなら、今頃、安倍晋三は、森友問題で嘘の証言を強要された挙句に自殺に追い込まれた近畿財務局職員の呪いに、とっくに祟られていなければならない筈です。ところが実際はどうか?安倍は今も相変わらずピンピンしていて、「桜を見る会」疑惑でもシラを切り通しているじゃないですか。

私にとっては、むしろ事故物件であると判明した事で、家賃値下げ交渉のチャンスを手に入れる事が出来たと思っています。契約者は私みたいな無神論者ばかりではありません。事故物件と聞いただけで尻込みする契約者も少なくありません。私は、それに対して、先に入居する事で、事故履歴をチャラにする事が出来るのですから。不動産業者にとって、これ程、有難い客はありません。もし、霊魂とやらが出てきたら出てきたで、ブログのネタにするまでですw。「何故いつまで経っても安倍政権一つ倒せないのか?この役立たずの霊め!」と、どやしつけてやりましょうw。

早速、業者に電話して、格安の賃料を更にまけてもらうように依頼しましたv。賃料1万5千円を目標に値下げ交渉してみますw。既に入居者も亡くなっているとの事ですが、これから年末の繁忙期に入るので、実際の引越しは来年1月末か2月頭ぐらいになると思います。引越しは宅急便を使う事にします。それと同時に、引越しを手伝ってくれる方も、職場や知人関係中心に募ってみたいと思います。もし手伝ってくれるなら、昼飯ぐらいはおごりますよw。

 
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拙ブログの原点を改めて振り返る

2019年12月07日 22時29分48秒 | 当ブログと私の生い立ち

   

■ ブログ開設宣言

 911テロと北朝鮮・拉致問題によって、日本も世界も変わりました。
 「テロとの戦い」という事で、アメリカは一方的にアフガニスタンやイラクに攻め込み、民間軍事会社を使って多数の市民を令状もなしに拘束・虐待しています。
 日本でも、「北朝鮮のテロと戦う」という口実の下で、改憲・有事法制や海外派兵が声高に唱えられ、「過去の戦争・植民地支配は正しかった」「日の丸・君が代を尊重するのは当たり前」という風潮が広まっています。
 その右傾化の風潮の陰で、労働者の権利は切り縮められ、正社員は派遣・請負などのアウトソーシングに置き換えられ、失業・過労死・自殺が増えています。弱肉強食の格差社会の下で、「失業者はイラクへ行け」で最後には徴兵制など、真っ平ゴメンです。

 その一方、北朝鮮では、金正日体制の下で人権侵害や食糧飢餓が広まり、多くの人々が中国・韓国に脱北を図っています。中国でも、「世界の工場」の美名の下で、低賃金労働者が外資系の「スウェット・ショップ」でこき使われています。
 拉致問題にもイラク戦争やリストラ問題にも心を寄せる事の出来る感性を磨く事、日本・北朝鮮・中国・アフガン・イラク民衆の、「どれかを生かすために他方を切り捨てる」のではなく、共に人権を享受出来る道を探る事こそが、今求められているのではないでしょうか。

 アフガン・イラク戦争も金正日もNO!
 搾取・抑圧のない世界を目指して、万国のプレカリアート団結せよ!
 アフガン・イラク戦争や米国の一国覇権主義に反対し、北朝鮮や中国の人権抑圧を終わらせ、『平和・民主・人権の東北アジア』を実現するにはどうすれば良いか、一緒に考えていきたい―これが、当ブログが追求しているテーマです。

https://blog.goo.ne.jp/afghan_iraq_nk/e/ccd4fd5039a5023fc98f80dc53d55b2a

アフガニスタンで、長年に渡り、医療・農業支援を行って来られたペシャワール会の中村哲医師が、先日テロの犠牲になりました。中村先生は、最初は医師として当地に赴任され、難民救援に尽力されました。その体験から、患者を本当に救うには、病気だけでなく戦争や貧困も無くさなければならないと、自費で用水路を建設されました。砂漠を沃野に変え、アフガニスタンに大きな足跡を残された先生のご冥福をお祈り申し上げます。

私のブログ「アフガン・イラク・北朝鮮と日本」も、今でこそ身辺雑記が中心の内容になってしまいましたが、元々はアフガン・イラク戦争反対を訴えるべく、2003年に最初のサイトを立ち上げ、2006年に今のブログに移行しました。2001年の世界同時多発テロに衝撃を受け、日本政府が米国のアフガン・イラク介入を支持する中で、テロにも戦争にも反対の声を上げ続けました。

中村先生が亡くなられた今、改めて上記の一番最初のブログ記事を読み返し、今後の糧にしたいと思います。合掌。

(注)今の北朝鮮の指導者は金正恩で、金正日ではありませんが、上記のブログ記事を書いた当時は後者でしたので、そのまま転載しました。

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橋下と安倍の類似性

2019年11月20日 18時44分44秒 | 当ブログと私の生い立ち
 
 
なるほど安倍や親父のキャラはよく分かった。しかし、維新の橋下や松井、吉村も何故、安倍や親父と同じだと批判するのか?簡単に説明する。(今度は前回とは違い、すっきりまとめる事が出来た。我ながら分かりやすく説明できたと思うw)

橋下徹は、被差別に生まれたが、頑張って進学校から一流国立大学に進学し、弁護士になった。その努力は買う。しかし、弁護士といっても弱者の人権を守るのではなく、サラ金の顧問弁護士として、多重債務者を追い詰めるのを生業(なりわい)とするようになってしまった。「野望実現こそが政治家の仕事だ」と当時の自著の中でも書いている。そして松井一郎たちと一緒になって、大阪府知事や大阪市長に当選した。
 
橋下や松井、吉村など維新の会の政治家の主張は、公務員削減と民営化だ。安倍も同じ考え方に立っている。「規制緩和で企業活動の自由をもっと認めよ」という主張だ。この主張の事を「新自由主義」という。「新自由主義」と言うと、「国民の自由や人権をもっと拡充しよう」と、プラスイメージで捉える人がいるかも知れない。ところが実際は違う。新自由主義の推進する自由とは、あくまで「企業活動の自由」に過ぎない。「金儲けの自由」だけだ。言論の自由、組合結成の自由や、国民・労働者の権利なぞは、むしろ抑えようとする。安倍自民や橋下維新が、規制緩和を推進しながら、政治的には憲法改正、軍備拡充、国家主義に走るのはその為だ。

社会のIT化やグローバル化(経済の国際化)で、世界を股にかけた企業活動が広がるにつれ、企業は先進国の労働運動や、開発途上国の民族解放運動を、疎ましく思うようになる。そこで、TPPやFTAなどの貿易協定をテコに、各国の労働運動や環境保護運動を抑え込もうとする。例えば、ある国が狂牛病牛肉の輸入を規制しようとしたとする。今ではそれで各国の国民生活を守る事が出来るが、TPPやFTAに加盟、批准してしまったら、それに抵抗できなくなってしまう。TPPやFTAの基準は、あくまで企業活動の保護にあるからだ(詳しくはISD条項を参照)。狂牛病牛肉の輸入を規制しようとした国は、輸出国の国や企業から損害賠償を求められる事になる。おまけに、一旦基準が決められたら、それを見直す事も出来なくなってしまうのだ(同じくラチェット条項を参照)。

これでは国民生活は守れない。しかし、企業の金儲けしか眼中にない安倍や橋下は、日本の自動車産業が米国に自動車を輸出できるようになりさえすれば、それで良いと思っている。その代わりに、安かろう悪かろうで、狂牛病牛肉や遺伝子組み換え作物が輸入され、国内農業が壊滅し、食料自給率が低下しても構わないと思っている。国内の農地や山林が荒廃して、自然災害が多発するようになっても構わないと思っている。

今、日本で自然災害が多発しているだろう。それは地球温暖化による台風の巨大化だけが原因ではない。行き過ぎた市町村合併や公務員リストラで、地方の自治体が災害に対応できなくなってしまったからだ。地方に行けば、市町村の範囲が想像以上に広まってしまっているのが分かる。今や静岡市の範囲は南アルプスの麓まで広がってしまった。和歌山県田辺市の範囲も、山向こうの熊野本宮のあたりにまで広まってしまった。過疎化による人口減少で、そこまで市町村合併しなければ、自治体を維持できなくなってしまったからだ。

何でも公務員を減らせば良いと言うものではない。国会議員の数も何でも減らせば良いと言うものではない。余り減らしすぎると、災害に対応できなくなるし、国民の声も政治に反映されなくなってしまう。ところが、新自由主義者の考え方は、儲かれば良いと言うだけだ。民間で出来る事は民間で。公務員なんて、労働運動や住民運動を弾圧する為の警察と自衛隊さえあれば良い。企業活動の自由を邪魔する労働基準法も、出来れば無い方が良いと、ますます骨抜きに。福祉産業も金儲けの道具に。国民の生存権なぞ知ったこっちゃない。

だから維新は大阪市を解体して、大阪市の財源は全て大阪府に吸収し、大阪市内の区役所も4つ程度に削減し、全てカジノ開発に回そうとするのだ。大阪都なんて出来ない。今の大阪市の住之江区や大正区、西淀川区が大阪府湾岸区に変わるだけだ。幾ら区議会が設置されるようになっても、財源が無ければ何も出来ない。
 
こんな物で住民生活が守れる訳ないだろう。市民自治が広がる訳ないだろう。住民にとっては踏んだり蹴ったりだ。だから、安倍自民は橋下維新と一緒になって大阪都構想を推進しようとしても、地元の自民党大阪市議や府議はそれに抵抗しようとするのだ。元・大阪府議の柳本あきらのように。でも、所詮は自民党なので、いつかは折れる。それが、この前の自民党大阪府連新会長による大阪都構想容認発言だ。
 
 

勿論、安倍自民と橋下維新の間にも細かな違いはある。安倍自民は右翼の権威主義。「ブラック企業の命令にも黙って従え、消費税増税や年金削減にも我慢しろ」という考え方だ。しかし、橋下はそこまで右翼的ではない。余り国家統制を強め過ぎると、企業活動にも差し障りが出るからだ。「ブラック企業なんて辞めちまって、株トレードや個人年金で食っていけば良いやん」。それが橋下の考え方だ。

一見、両者は異なるようで、社会的弱者の人権なんて一顧だにしない点では、両者は全く同じだ。どちらも弱肉強食の拝金資本主義に過ぎないのだから。私はそのどちらでもない。労働基準監督官の活躍を描いた「ダンダリン」というドラマの中で、主人公の女性監督官がブラック企業の社員に奮起を促す場面がある。「ブラック企業の言いなりになる」のでもなく、「尻尾を巻いて辞める」のでもなく、「ブラック企業を中から変えていかなければならない」と。誰でも普通に働けば普通の生活が送れるようにする。そうすればブラック企業や個人年金、株トレードになんか頼らなくても良くなる。それは「のんべんだらり」なんかとは違う。それこそが人権尊重の考え方だ。それを実現するのが政治家の仕事だろう。
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