アフガン・イラク・北朝鮮と日本

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定着率の悪いポスト

2008年09月02日 22時03分58秒 | 福田第2次投げ出し政権
福田首相が職務放棄『あなたとは違うんです』辞任会見


・福田内閣総理大臣記者会見(首相官邸)
 http://www.kantei.go.jp/jp/hukudaspeech/2008/09/01kaiken.html
・福田首相「あなたとは違う」発言 「流行語大賞候補」とネットで注目(J-CASTニュース、上記TouYube動画参照)
 http://www.j-cast.com/2008/09/02026134.html
・二度も連続した政権放り投げは、政党政治の自爆崩壊 <次は麻生かと無責任に書くマスメディアに危機感はあるのか>(JANJAN)
 http://www.news.janjan.jp/government/0809/0809026063/1.php

 福田首相辞任のニュースは、今朝の新聞で初めて知りました。いつも晩は殆どテレビは見ないし、昨晩もブログのコメント返信をするのが精一杯でした。それで、本日9月2日の朝も、天気予報だけ見て、出勤間際に新聞の見出しを見ると、何と「福田首相辞任」の見出しが躍っていたので、驚いたの何の。

 出勤して何人かのバイト仲間に確認した所、辞任表明は昨夜21時半過ぎに、それまでの通常番組から、いきなり首相辞任のニュースに切り替わり、緊急記者会見の様子が流れ出した―との事でした。とりあえず2人のバイトに、首相辞任についてどう思うか聞いた所、麻生首相誕生への期待を仄めかす意見と、麻生も含め「誰がなっても同じ」という意見の、2つの感想を聞きだす事が出来ました。今日の休憩時間に見た限りでは、テレビ番組もほぼ通常編成に戻り、相も変わらず、いつもの無内容なお笑いを垂れ流していました。

 そして、今日仕事が終わり帰宅してから、改めて新聞やネットで首相辞任のニュースを一通り確認しました。それで曰く、要は「自分の思い通りにならない」という事で、安倍内閣の時と全く同様に、政権を放り出した―それだけの事でした。
 ネジレ国会で、一向に自分の思い通りにはならない。民主党や公明党の都合に振り回されるばかりで。その一方で、起死回生のつもりで仕掛けた大連立や民主党分裂工作(新党「改革クラブ」結成)も不発に終わり、サミット・オリンピック後も一向に内閣支持率は回復しない、と。それで、何もかも嫌になって首相を辞めた、と。やれ「客観的に考えた結果」「政治の道筋は付けた、無責任ではない」だの、「民主党に振り回された」だの、言い訳たらたらの言葉だけを後に残して。

 翻って私の方はと言うと、今日の仕事もメチャメチャ忙しかった。その所為か、最近また少し腰がダルくなってきた。でも、カツカツの人数で回しているので、そう簡単には休めない。
 そんな私から見たら、「いつでも自分の都合で嫌になったら放り出せる仕事って、一体何よ」と思ってしまう訳で。そう言うと「首相職を単純労働のバイトなんかと比較するな」という声が飛んで来そうですが、しかし、精神的にしんどい仕事なのは最初から分かっていた事で、それ以上の見返りがあるからこそ、自ら総裁選に立候補して当選したのでしょうが。
 
 それを、今頃になって「嫌になったから辞めたい」って。そんなモン、ちょっと仕事がエライからと言って数日で辞めていくバイトと、一体何処が違うのかw。前首相の安倍と言い、今回の福田と言い、大連立騒動直後に一旦は辞任表明に至った民主党党首の小沢と言い、「偉い人」はいずれも、揃いも揃って定着率が悪い。そんなに誰でも気軽に辞められる、定着率の悪いポストなら、一層の事、日払い派遣ワーカーや期間工に、1年間の有期雇用契約で、首相の求人募集をしてみたら。
 但し、そうは言っても激務には違いない首相職を、「時給800円、保険・交通費無し」の待遇では幾ら何でもアンマリなので、とりあえずは、かつてのテレビ・ドラマ「ハケンの品格」ヒロインと同じ「お時給3000円」で尚且つ「保険・交通費在り」辺りからスタートして、ダメモトで募集を掛けて見ればw。これぞ究極の民営化・リストラ行革w。

 日頃から二言目には「憂国」とか「国家・国民の為に」とかの大言壮語を振りまいている人の、その言葉がどの程度のものかを試す、絶好の機会だと思うのですが。多分、そんな「美味しくない」求人には誰も見向きもしないと思いますが。
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麻生なんかで逃げ果せると思ったら大間違い

2008年08月04日 22時55分58秒 | 福田第2次投げ出し政権
 福田マルコスが、やっとこさ内閣改造に踏み切ったそうで。発表前から、やれ「総理の決断」がどうだの、誰それがこう言ったのと、マスコミを総動員して、何とかご祝儀人気を醸し出そうとする、政府の涙ぐましい努力が目に付いたこの数日でしたが、蓋を開ければ何の事は無い、官房(町村)・総務(増田)・外務(高村)などの主要閣僚は全て留任で、与謝野(経財)・伊吹(財務)・谷垣(国交)と名うての消費税増税論者を、野田(消費者行政)・中山(少子化・拉致問題)起用については、「田舎芝居の客寄せパンダ」を適当に配置して煙に巻く為という、まあ、これまでと同じ、変わり映えのしない悪政推進内閣が誕生しただけでした。

 マスコミによっては、内閣改造と同時に行われた自民党執行部人事の方に、より注目したものもありました。それが、言わずと知れた麻生太郎の幹事長起用です。「親中派」の福田が何故「タカ派」の麻生を起用したのか。それは、「このままの調子では、遅かれ早かれ自民党が野党に転落するのは確実だ」「それを少しでも遅らせる為に、国民の一部の間に根強い人気がある麻生を、弾除けに起用したのだ」、という事だそうですが。
 しかし私に言わせると、麻生(ネオコン)も福田(ネオリベ=新自由主義)も、所詮は「同じ穴の狢」で、共に「改憲・海外派兵」と「格差・貧困拡大」の二大悪政を推進する「車の両輪」でしかない、つまり国民にとっては、どちらも敵でしかない。それは、福田系列の小泉による靖国参拝や、麻生系列の安倍による競争教育肯定論からも明らかなのですが。まあ、それはここでは置いといて。

 ただ、そのマスコミの中には、自民党をそこまで追い込んだのは、共産党の選挙戦術の変更も絡んでいる、という捉え方をしているものもあります。例えば、8月2日放送の毎日・TBS系列ニュース番組「報道特集NEXT」での取り上げ方などがそうです。この特集番組(台湾の北京五輪参加の方ではなく、もう片方の)は、私も当日夕方からの掛け持ちバイトの合間に偶々見ていたのですが、福田内閣改造・麻生幹事長起用と共産党という、一見すると何の関係もなさそうな両者の関係を取り上げていたのが、私の目に留まりました。当初はハナから無視するつもりだった内閣改造の話題を、今回取り上げる気になったのも、偏にその為です。

 ご存知の通り、共産党は昨年9月の5中総(第5回中央委員会総会)で、それまでの小選挙区全区擁立方針を見直して、得票率8%以下の小選挙区での候補擁立は見送る事にしました。その理由は、供託金の負担を減じるという、あくまで財政上からのものだそうですが、民主党サイドではこれを政権交代への奇貨と受け止め、自民党サイドでは逆に脅威と受け止めている様です。
 民・共両党間で実際にどんなやり取りがあったかは、私には分かりません。最近の共産党の民主党批判ぶりからすると、それが果たしてどこまで本当なのかな、という気もします。しかし客観的に見ると、そういう事も確かにあるのは事実です。

 例えば、今年4月の衆院山口2区補選で民主党の平岡氏が自民党の福田氏に大差で勝ったのは、候補者を擁立せず自主投票となった共産党票の大半が、護憲リベラル・民主左派の平岡候補に流れた為と言われています。斯く言う私も、昨年あたりから、(小)選挙区に限っては、それまで投票してきた共産党候補にではなく、民主党候補に投票する様になりましたから(その他の衆参比例区などは従来どおり共産党に投票)。
 長年それなりに慣れ親しんできた支持政党の候補にではなく、それ以外の党の候補に最初に投票しようと決めた時は、流石に投票所で少し考えました。しかし、客観的に考えれば、それが自民党を確実に政権から叩き落す為の、一番手っ取り早い方法だという結論に、最終的に行き当たりました。

 勿論、民主党が、その本質においては自民党と「同じ穴の狢」である事も、元より百も承知の上です。自民党と民主党の立場が本質的に同じであるのは、互いの安保政策・改憲・消費税増税方針が、ほぼ瓜二つである事や、財界・大資本がこぞって両党を資金援助している事からも、自ずと明らかです。今の民主党が俄かに野党色を強めているのは、あくまで現党首の小沢が総理就任の野望に燃えているからにしか過ぎません。
 しかしその一方で、今の民主党が90年代の細川非自民連立政権の時とは同列には論じられない事も、また事実です。それは、細川政権誕生時の最後の切り札が「自民党と同じなので安心して政権をお任せを」だったのに引き換え、今の小沢民主党が当時よりも遥かに「国民生活を守る、その為に自民党政治を変える」という方向にシフトしつつある(或いは、不本意ながらもそうせざるを得なくなっている)事からも、明らかです。その結果は、先の参院選での改憲派議席の退潮という形で実際に現れました。

 それは取りも直さず、中産階級の解体・格差拡大によって、国民生活の困窮度が当時とは比べ物にならないほど深刻化しているからに、他なりません。民主党の本質が依然として「第二自民・第二保守」である事は変わらないものの、国民が民主党に求めるものが確実に変わってきているのです。国民は何も民主党の個々の政策を支持しているのではありません。小選挙区制下で「反自民」の意思表示をするには、民主党に投票するのが一番手っ取り早いから、「仕方なく」同党を支持しているのに過ぎないのです。民主党が野党第一党として政権獲得を意識する限り、その国民の声を無視する事は出来ません。
 但し、これは、民主党(或いは反自民)でさえあれば、誰かれ構わず「仕方なく」支持するという事ではありません。若し民主党の小選挙区候補が、前原誠司・長島昭久・(後に離党したが)西村真悟といった改憲右派の場合は、私は迷う事無く共産党の小選挙区候補に投票します。

 そして勿論、こんな「第二保守」の日和見・寄せ集め政党に全幅の信頼を置く訳には行きません。だから私も、比例区・参院・その他の選挙では、依然として共産党を支持し、選挙のビラ撒きも手伝ったりしているのです。
 それは自民党とて同様で、出来るだけ政権を渡さない様に、また仮に政権を明け渡す事があったとしても、「改憲・海外派兵」と「格差・貧困拡大」の二大悪政推進の立場は絶対に揺るぎない様に、更に民主党に揺さぶりをかけて来るでしょう。先の大連立騒動がその好い例ですが、それ以外にも、例えば民主右派の前原グループを自民党に取り込もうと画策してくるのは確実です。

 しかし私に言わすと、それならそれで一向に構わないのですが。政界再編で、「改憲・海外派兵」のネオコン・靖国右翼と、「格差・貧困拡大」のネオリベ・新自由主義とが合体して、吐き溜めの様な「悪の枢軸」与党が出来れば、国民にとって誰が敵がはっきりして、こちらも闘いやすくなる。かつての小泉がそうであったように、今は似非改革者ポーズで一部の国民から人気を掠め取っている橋下や東国原といった人士も、自分たちが一体どちら側につくのか、早晩態度表明を迫られる事になります。但し、この敵は下手すると、今までの戦後民主主義の擬態をかなぐり捨てて、一気に共謀罪法案上程の暴挙に出てくるかもしれないので、気は抜けませんが。

 ちなみに、福田改造内閣・自民党新執行部人事の一覧も、ついでに下記に控えておきます。どうせスキャンダル噴出で、また面子がコロコロ入れ替わるでしょうが。元がガタガタの欠陥住宅(福田内閣・自民党政権)を、欠陥(二大悪政)を放置したままで、いくらリフォーム(内閣改造)で取り繕ってもムダです。欠陥住宅は解体するしかありません。それを自民党は、たかが麻生の自民党幹事長起用なんかで逃げ果(おお)せると、本気で思っているのでしょうか。若しそうであるならば、それは大間違いという他ありません。

<福田改造内閣・閣僚名簿>
・総理 福田康夫(無派閥)
・総務 増田寛也(非議員、留任)地方分権改革、地方再生、道州制担当
・法務 保岡興治(山崎派)
・外務 高村正彦(高村派、留任)
・財務 伊吹文明(伊吹派)
・文部科学 鈴木恒夫(麻生派、初入閣)
・厚生労働 舛添要一(無派閥、留任)
・農林水産 太田誠一(古賀派、初入閣)
・経済産業 二階俊博(二階派)
・国土交通 谷垣禎一(古賀派)観光立国、海洋政策担当
・環境 斉藤鉄夫(公明党、初入閣)
・防衛 林 芳正(古賀派、初入閣)
・官房 町村信孝(町村派、留任)
・国家公安 林 幹雄(山崎派、初入閣)沖縄・北方対策、防災担当
・金融行革 茂木敏充(津島派)公務員制度改革担当 
・経済財政 与謝野 馨(無派閥)規制改革担当
・消費者行政 野田聖子(無派閥)科学技術政策、食品安全、宇宙開発担当
・少子化・拉致問題 中山恭子(町村派、初入閣)男女共同参画、公文書管理担当

<自民党新執行部役員名簿>
・幹事長 麻生太郎(麻生派)
・政調会長 保利耕輔(無派閥)
・総務会長 笹川 尭(津島派)
・選対委員長 古賀 誠(古賀派、留任)
 http://www.nikkei.co.jp/topic/sokaku/
 http://www.nikkei.co.jp/topic/sanyaku/

 ところで、前から思っていた事なのだが、「経済産業」「金融行革」「経済財政」は、それぞれどう違うのか?「総務」「官房」「国家公安」も、区別がイマイチよく分からない。国民生活に直結する「厚生」「労働」をわざわざ合体させる位なら、そちらの方こそリストラされて然るべきだろうに。
 それに、何で大臣の下に副大臣なんてわざわざ置くのか。それこそ税金の無駄遣いではないのか。
 また、「少子化・拉致問題」が、何故「厚生」「労働」よりも格上の、単独の特命相なのか。これらも確かに重要な問題には違いないが、バランス的に少しオカシクないか?これでは、余りにも治安部門偏重の、人気取り人事と思われても、仕方ないのでは?
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規制緩和で逆に特権がのさばるという皮肉

2008年07月30日 22時06分36秒 | 福田第2次投げ出し政権
 もう既に少し前の話になってしまいましたが、下記のニュースについて感じていた事を少し。

・公用車でジム通い 橋下知事が釈明(産経新聞)
 http://sankei.jp.msn.com/politics/local/080719/lcl0807191105000-n1.htm
・ジム通いで釈明「特別職は時間に拘束されて働く立場でなく、問題ない」 橋下・大阪府知事(同上)
 http://sankei.jp.msn.com/politics/local/080716/lcl0807162359003-n1.htm
・橋下大阪府知事は勤務時間中にジム通いしても許されるのか?(アッテンボローの雑記帳)
 http://rounin40.cocolog-nifty.com/attenborow/2008/07/post_ffcc.html
・橋下知事が「暗殺を避けるために公用車を利用」と説明(JANJAN)
 http://www.news.janjan.jp/government/0807/0807242764/1.php
・橋下知事公用車でジム通い(天翔龍聖)
 http://www.geocities.jp/amagake2006/index.html

 橋下徹・大阪府知事が勤務時間中に職場を抜け出して、公用車でフィットネス・ジムに通っていた、というニュースについて。知事曰く、「公用車使用は安全上の配慮から」「知事は24時間365日勤務の特別職なので、一般サラリーマンの様な勤務時間の拘束は無い」という事だそうですが。
 前者の「安全上の配慮」云々の言い訳に対しても、「では何故、ジムに着いた途端に公用車を返して、帰りは一人だけでタクシーで帰ったのか?」と思うのですが、それはまあ、ここでは敢えて言わないでおきましょう。私としては、それよりも後者の「知事は特別職」云々の言い訳の方にこそ、少々カチンと来るものがあったのですが。

 何か、如何にも「自分は特別な人間だから忙しいのだ」と言いたげな物言いですが。しかし、「24時間365日勤務」なのは別に特別職の知事だけではありません。他にも「24時間365日勤務」で頑張っている人はいくらでも居ます。例えば、学校の教師。確かにデモシカ先生も居ますが、生徒が事件を起こす度に街中を駆けずり回っている金八先生や「夜回り先生」も居られます。そういう先生にとっては、「公私の別」や「勤務時間」の概念はありません。或いは、救命救急医や一部のシステム・エンジニアの方なども、そうでしょう。そういう人たちも、急患が出たり機械トラブルがある度に、叩き起こされ職場に急行しなければならないのです。しかし、そういう人たちは、何処かの知事みたいに、それを殊更ひけらかしたりする様な事も無く、黙々と仕事をこなしているのです。 

 ただ、私としては、余りこの話題を取り上げるのも、どうかなという気がしないでもありませんでした。橋下ヨイショに余念が無い産経新聞が、この話題についても、「抵抗勢力と闘う遠山の金さん」の格好のネタとして、取り上げようとしているのが、余りにも見え見えなので。
 橋下なんて、所詮は「時期遅れで出てきた小泉チルドレン」にしか過ぎないのに。こんな「二番煎じ」政治家の、低次元の話題に、わざわざ時間を割かれるのも癪に障るので。しかし、同じ事を北朝鮮の金正日がやったら、格好のブーイングのネタになるのに、同じ事を橋下がやったら、何故「遠山の金さん」になるのだろう。

 この件に関しては、「さとうしゅういち」さんが、ミクシィの中で書いておられた事が、そのまま当てはまるのでは、と思います。曰く「小泉や橋下が言う所の改革とは、官僚主義を打破する振りをして、その実、公共性を破壊するものでしか無かった」と。つまり、「特権官僚打破」とか「自民党をぶっ壊す」と言いながら、実は特権官僚も自民党政治もそっくりそのまま温存・延命させて、福祉や庶民の暮らしをぶっ壊しただけだった。何のことは無い、「規制緩和で逆に特権がのさばってしまっただけではないか」と。
 同じ様な事は既に他の人も言っているので、読んだ当初は別に目新しくも感じなかったのですが、考えれば考えるほど、正しくその通りだな、と。「財政非常事態」だ何だと言って、元はと言えば全て己たちが散々今までこしらえて来た借金であるにも関わらず、下っ端や府民にその責任を一方的に擦り付けて、当人は何食わぬ顔でジム通い、とは。まるでグッドウィル会長の折口と同じじゃないか。

 あの「居酒屋タクシー」の話題にしても、そうでしょう。タクシー・ドライバーが、大口顧客として囲い込んでおく為に、公務員の乗客に、車内でビールや金券を振舞ってきたのが発覚した、という例のニュースです。乗客の立場からすれば「ネットカフェやホテルの割引券と同じ様なものだろう」という軽い気持ちだったのかも知れませんが、流石に許認可を受ける側(業者)とする側(官庁)との関係もなれば、そこはきっちり一線を引いておかなければなりませんね。
 しかし、これもとどのつもりは、タクシー業界の無理な規制緩和が、その背景にあるのでしょう。規制緩和で業界への新規参入が増え、ダンピングが横行する。その中で、収入減に見舞われた経営基盤の弱い個人タクシーが、国交省のお役人を囲い込もうとした。これも「規制緩和で逆に特権がのさばる」好例ですね。

 あの大分県教委を舞台にした教員採用汚職も、多分、基本的な構造は前記の例と同じでしょう。金は出さないが口は出す。教育予算や私学助成は出し渋るくせに、教育内容だけはガチガチに国家統制しようとする。上がそうだからこそ下も、教職を単に出世コースのステップとしか考えられない人が、どんどん増えて来て。それで、あんな「猟官行為」がのさばる事になってしまったのでしょう。それもこれも、偏に「規制緩和で逆に特権がのさばる」からでしょう。
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全国一斉漁民ストの過去・現在・未来

2008年07月18日 22時57分59秒 | 福田第2次投げ出し政権
・全国一斉休漁にご理解をお願いします(全漁連)
 http://www.zengyoren.or.jp/oshirase/pdf/kyuryo.pdf
・一斉休漁 漁師悲鳴…5年で燃料費3倍「出漁すれば赤字」(毎日新聞)
 http://mainichi.jp/select/wadai/news/20080715k0000e040040000c.html
・「燃料高もう限界」20万隻休漁へ 東京でデモも(朝日新聞)
 http://mfeed.asahi.com/business/update/0714/TKY200807140239.html
・15日に一斉休漁  燃料費高騰の窮状を訴え(中日新聞)
 http://www.chunichi.co.jp/article/national/news/CK2008071302000060.html?ref=related

 この7月15日に、全国の漁協が一斉休漁し、東京や各地域で決起集会を開いて、燃費高騰に抗議しました。魚価が全然上がらないのに、投機マネーなどの影響で燃料費が以前の3倍に値上がりし、「これではもう食べていけない」と、全国で20万隻以上の漁船が出漁を取り止めました。
 第一次産業従事者は、サラリーマンなどとは違い、一旦収穫期や漁期を逃したら、次の収穫期・漁期まで無収入となるのです。しかも燃費高騰なんて、漁民には何の責任もない事ではないですか。中央の決起集会には閣僚級の与党政治家も多数参加したそうですが、「中国・四川や宮城・岩手の大地震と同様に、激甚災害の指定を」という漁民の声を、それらの政治家はどう受け止めたのでしょうか。
 主催者団体の全漁連や大手マスコミは、世間の目もあるので「一斉休漁」などと遠慮がちに書いていますが、もうこれはどう見ても「漁民スト」でしょう。ならば一層の事、はっきりそう書けば良いのに。事態の緊急性・重大性から言っても、決してそれは言い過ぎでも何でもないでしょう。若しそこで下手に「言い過ぎだ」なんて言おうものなら、もうその政治家にとっては、次の選挙は無いも同然でしょう。

 このニュースを見てもつくづく思うのは、「食い物の恨みは恐ろしい」という事です。過去の歴史を紐解いてみても、「食い物の恨み」が暴動や革命に至った例が幾多もあります。ロシア革命然り、終戦直後の食糧メーデー然り。
 思えば大正時代の米騒動も、発端は富山の漁師婦人たちによる抗議運動から火がついたのでした。第一次大戦・シベリア出兵に伴う米価高騰に怒った婦人たちが米穀商を襲い、その動きが瞬く間に全国に広まり、時の寺内軍閥内閣を打倒するまでに至りました。この事件は、形としては自然発生的な騒動で終わりましたが、その後に続く大正デモクラシー高揚のキッカケともなった事件でした。しかし、民衆運動はその後、治安維持法によって次第に押さえ込まれ、ファシズムの台頭に取って代わられる様になりましたが。
 そのファシズム台頭の時期に書かれたのが、プロレタリア作家・片岡鉄平による「綾里村快挙録」という小説です。確かこの小説も、網元の封建的支配と闘う漁師たちの話だった筈。謂わば「蟹工船」の漁師バージョンともいうべき作品ですが、残念ながら詳しい資料が見つかりません(誰か詳しい人がおられたらコメント願います)。

・地元誌「月刊グリ」で紹介された名古屋米騒動の記述
 http://www2n.biglobe.ne.jp/~midori/back_numbers/91/imamukashi.html
・再考横山源之助と米騒動(立花雄一・大原社会問題研究所)
 http://oohara.mt.tama.hosei.ac.jp/oz/499/499-3.pdf#search='越中女房一揆'
・食糧メーデーと天皇プラカード事件(大原社会問題研究所)
 http://oohara.mt.tama.hosei.ac.jp/oz/534/534-4.pdf#search='食糧メーデー'

 その中で見たのが、先日の16日放送のTBS「緊急報道スペシャル!~食糧危機~あなたは生き残れますか」。ここでもまず前述の全国一斉休漁と漁民決起集会の話題がまず冒頭で取り上げられ、日本の第一次産業全体が存亡の危機に立たされている事が、分かりやすく紹介されていました。
 一斉休漁の次に紹介された棚田崩壊の実態も凄まじいものでした。ほんの30年ほど前までは美田で鳴らした山口県の棚田が、次々に耕作を放棄され雑草が生い茂る荒地にまで変貌し、その隣の集落も全員移住で廃村と化した様は、もう見ているだけでも痛々しかったです。

 戦後1950年代ぐらいまではほぼ100%近かった日本の食糧自給率が、何故今の39%に至るまで下落してきたのか。この番組はそこにもきちんと焦点を当てていました。それが言わずと知れた米国の小麦戦略です。米国は自国の余剰農産物を世界支配の武器に使ってきました。貧しい第三世界の国々に自由競争を押し付けて、余剰農産物をダンピング輸出し、当該国の胃袋を支配してきたのです。戦後米国に支配された日本は、その格好のモデルケースとなりました。学校給食に積極的にパン食が導入されたのも、まず次世代の子供に狙いを定めて、偏に国民の食生活を米国好みのものに改造する為でした。そして日本農民には減反や機械化が押し付けられ、重化学工業主導の高度経済成長と相まって、日本の食料自給率はどんどん低下していきました。

 「日本に農業などいらない、日本はひたすら工業製品を輸出して、食料は米国や豪州から買えば良い」というのが、日米財界の教えでした。そうして米国は軍事力や食糧で、日本は工業力で、世界を支配したのです。「国益」というのは、そういう資本家の私益を誤魔化す為の、レトリックに他なりません。とにかく自分たちの私益を守る事が最優先で、日本国民の食の安全性や安定確保など、本当は二の次、三の次だったのです。
 しかし、それが曲がりなりにも機能していたのは、世界の食糧供給にまだ余裕があったからです。やがて地球温暖化の影響で、異常気象や大干ばつ、大洪水が世界各地で頻発するようになります。農産物輸出国は、ますます自国民の食糧確保を優先するようになります。或いは米国の様に、更に食糧を世界支配の道具にする国も出てきます。これらの大きな食糧輸出国は、自国の農業は高関税や補助金で守りながら、貧しい第三世界や日本のような国々には、WTOを通して関税撤廃や補助金削減を迫っているのです。正にダブル・スタンダード(二重基準)、エコヒイキの最たる姿です。

 この様な、大規模な環境破壊を伴う米国流の「安かろう悪かろう」農業・食生活ではダメだ。家族経営を母体としたヨーロッパ型の小規模・高付加価値農業の発展で、国土保全や食の安全性、食文化保持を図ろう。大量消費ではなく、フード・マイレージ(地産地消)やスロー・フードな食生活を。――これが、先述のTBS「食糧危機」特番の結論でした。
 当該番組は、食糧危機の問題を、単に漁船の燃料費高騰の現象面だけでなく、その背景にある食糧自給率の低下や、農業荒廃、米国の食糧戦略の実態まで踏み込んで分かりやすく解説した、稀に見る良い番組でした。昨今の視聴率稼ぎが見え見えの三流バラエティ番組の氾濫の中で、大手資本がスポンサーの民放が、よくぞここまで踏み込んだ番組を作れたものだと、感心しました。

 しかし、その上で敢えて注文を付けるならば、更にもう一捻りが必要なのでは、という感じも同時に持ちました。更に求められる一捻りとは、【この結論では、下手すれば、単なる一国ユートピア的な地産地消・「ロハス」・「国産品愛用」運動のレベルに止まってしまうだけではないか?】という懸念に、どう答えるかという事です。
 自然破壊の大量消費でジャンクフード漬けの生活ではなく、地産地消や環境に優しい農業・食生活の方が、そりゃあ良いのに決まっています。しかし世界の現実は、記事添付の「遺伝子組み換え作物の国別栽培状況」図が示す通りであるのも、また冷厳な事実なのです。多分、米国産牛肉の輸入自由化の次には、遺伝子組み換え作物の輸入自由化が俎上に上ってくる可能性が大です。それに対抗するには、狭い一国ユートピア的な「ロハス」・「国産品愛用」運動のレベルでは、不十分ではないでしょうか。

 以前でしたか、東京都内のお蕎麦屋さんで拉致問題の取り組みをした団体がありました。当該団体のイベントを紹介する掲示板投稿の中に、「グローバル化なんて糞食らえだ、我々はあくまで日本古来の伝統を守るのだ、だから拉致問題のイベントもお蕎麦屋さんで行うのだ」というものがありました。
 しかし私に言わせると、「蕎麦も大半が外国産なのに、今頃何を言っているのかなw」という感じでしかありませんでした。更に言うならば、先の7月15日に行われた燃費高騰抗議の漁民決起集会には、靖国派右翼議員の稲田朋美も参加していましたが、彼女こそ小泉チルドレンの一員として、今まで散々「新自由主義の手先」として振舞ってきたくせに、何を自分の都合の良い時だけ「愛国者気取り」でいるのか、と。

 但し、これは別に右翼だけに限った話ではなく、左翼・リベラルにも同じ様な事が言えるのです。日本生協連が、先の中国産冷凍餃子事件に続いて、ハーフ・カシミヤ・セーターの件でもお詫びの広告を出していますが、こういうのを見ると、「生協よ、お前もか」「所詮は生協もモンサント社と似たようなものじゃないか」と思ってしまいます。いくら一国単位で地産地消を追及しても、それだけでは、単なる一国ユートピア主義的な「国産品愛好」運動でしかない。
 本当にグローバリゼーションの矛盾を乗り越えようとするならば、こんな「国産品愛好」運動の枠なぞ超えて、「ダーウィンの悪夢」「おいしいコーヒーの真実」などの映画の題材ともなった国際間の搾取・貧困・格差体制そのものの止揚・廃絶を目指すべきです。そういうフェアトレードや反帝国主義の視点を欠いた、単なる「ロハス」・「国産品愛好」レベルの反・新自由主義、反グローバリズム運動では、結局は「ミイラ取りがミイラになってしまう」結果にしかならないのではないでしょうか。

・シリーズ日本の食2008 Vol.4 日本から魚が消える日(朝日放送・素敵な宇宙船地球号)
 米国の後を追う飽食中国、しかし同一モデルの日本がそれを笑えるか?
 http://www.tv-asahi.co.jp/earth/midokoro/2008/20080413/index.html
・〈格差の現場:1〉農業 高齢化、山間地耕作阻む(朝日新聞)
 番組でも取り上げられた山口県中山間地に広がる耕作放棄の惨状。
 http://www2.asahi.com/senkyo2007/localnews/yamaguchi/SEB200706200013.html
・「アメリカ小麦戦略」と日本人の食生活(鈴木猛夫)
 「食糧自給出来ない国は他国の言いなりになる」とブッシュ自ら白状しているのに・・・。
 http://www.fujiwara-shoten.co.jp/book/book423.htm
・ソバの収穫高と輸入量・及びソバの自給率(大阪・上方の蕎麦)
 蕎麦ですら自給率21%の現状抜きに、「国産品愛好」を唱えても無駄。
 http://www10.ocn.ne.jp/~sobakiri/soba-jikyuu.html
・モンサント社7つの大罪(グリーンピース・ジャパン)
 http://greenpeace.or.jp/docs/gm/monsanto.pdf
・遺伝子組み換え作物の国別栽培状況(日本モンサント)
 上記7つの大罪を他所に、栽培地は世界に広がる。
 http://www.monsanto.co.jp/data/countries/index.shtml
・巨大魚めぐる負のグローバル化~映画「ダーウィンの悪夢」(JANJAN)
 我々が大量消費する冷凍魚がアフリカの生態系を破壊し貧困を拡大する。
 http://www.news.janjan.jp/culture/0609/0609240680/1.php
・映画「おいしいコーヒーの真実」公式HP
 300円コーヒーのうちで原産国農民の取り分は僅か数円。
 http://www.uplink.co.jp/oishiicoffee/
・「ハーフカシミヤセーター・シリーズ」についてのお詫び(日生協)
 生協も、所詮はモンサント社と五十歩百歩だったのか・・・?
 http://jccu.coop/info/announcement/2008/07/post_318.html
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「原発でエコ」のウソがまかり通る異常

2008年07月13日 08時41分42秒 | 福田第2次投げ出し政権
 先日閉幕した洞爺湖サミットでは、鳴り物入りの「環境サミット」の宣伝とは裏腹に、何も成果が出ませんでした。最も焦眉の課題である地球温暖化防止についても、独・英2国が確実にCO2削減で成果を挙げているのとは対照的に、日本や米国は常にその足を引っ張ってきました。食糧・エネルギー価格高騰の一因ともなっている投機マネーの規制や、南北問題・途上国の累積債務問題についても、何ら解決の道筋を示す事が出来ませんでした。それどころか、あろうことか、地球温暖化防止の名目で、何と原発推進を謳うという醜態まで曝け出してしまいました。今回の洞爺湖サミットには何ら得る所が無かった事が、各種世論調査の結果にも如実に現れている事も、既に私がコメント等で明らかにした通りです。

 しかしそれでも、「政府はよくやった」とか「地球温暖化よりも経済成長や国益が大事」という人も、まだまだ少なくありません。実際に私の周囲にも、「温暖化の主因は中国・インドであるのに日本は悪く言われすぎている」とか、「原発こそ温暖化防止の切り札だ」という人が少なからず居ます。それに電力会社も悪乗りして、下記の関電HPに見られるが如く、盛んに原発推進を煽っています。

 確かに、その次のJCCCA資料(上記画像)で、現時点での各国別CO2排出量を見る限りでは、米国22%に次いで中国19%や、インド一国で既に4%を占めるなど、EU16%、ロシア6%、日本5%と肩を並べる水準にまで至っているのは事実です。しかし、それを国民一人当たりの排出量で引き直すと、主要排出国はやはり日・米・欧州などのG8諸国という事になってしまいます。
 G8諸国は、産業革命以来の数百年に渡ってCO2を排出してきたという意味で、中国・インドその他の途上国とはまた別の、特別に重い責任があるのです。歴代の排出に責任を負う意味から率先して範を示さなけばならないと同時に、途上国の排出削減をも技術的に支援しなければならないという、2つの意味において。
 
 その中で、EU諸国はまだしも、曲がりなりにも一定の責任を果たしつつあると言えます。それに対して日米サイドがよく言い訳に持ち出してくるのが、「90年という基準年そのものが、最初からEUに有利なものであった」という理屈です。つまり、90年代EUのCO2削減は、「ベルリンの壁」崩壊に伴う経済後退に因るものでしかなく、必ずしもEUの自助努力によるものではない、と。

 しかし、それは事実に反しています。EUがCO2削減で成果を出しつつあるのは、別に「ベルリンの壁」崩壊に伴う経済活動の停滞だけが、その要因ではありません。ドイツや英国などは、一国単位で見ても確実にCO2を削減しているのです。何故それが出来たのか。それは、これらの国々には市民社会が根付き、「環境は人権」との合意が産業界をも含めて、広範囲に存在しているからに他なりません。そこが、公的保険制度もロクスッポ存在しない米国や、戦後になってやっと建前だけでも主権在民や生存権を謳う憲法を持つ事が出来た日本などの、社会的人権の観念が希薄な「新自由主義」諸国との決定的な違いです。

 この様に、EUがまだ曲がりなりにも、国や産業界も含めて「環境権」保障の立場に立っているのに引き換え、もう一方の「新自由主義」諸国はというと、京都議定書や気候変動枠組条約の取り組みから勝手に離脱するわ、バイオ燃料買占めで食糧需給の逼迫をもたらすわ、原発推進を公言するわと、もう足を引っ張りまくっているのです。そして、「環境人権」諸国からその事を指摘されると、自分たちのそれまでの行状は棚に上げて、やれ「EUは最初から下駄を履かせて貰っている」だの「途上国に甘く自分たちに厳しいルール」だのと、他者に罪を擦り付ける事ばかりに汲々として。

 その挙句に、「温暖化防止」の対案が「原発推進」とは・・・マジで呆れました。斯く言う私も、環境問題に特に造詣が深いという訳ではないのですが、それでも昔少しは取った杵柄、現行の原発がエコの代替とはとても成らない事ぐらいは、少し考えただけでも分かります。
 そもそも、核燃料の再処理技術が未確立のままで、平然と操業し続けている原発が、地球環境に優しい筈など在る訳ないじゃないですか。自分の出した放射能糞の始末も出来ないで、分解も中和もせずにそのまま野壷に溜め込むしか能が無い、そんな状態のままで。一時期は再処理の切り札として盛んに喧伝されたプルサーマルや高速増殖炉にしても、それが何の役にも立たない代物である事は、「もんじゅ」の事故を見れば一目瞭然です。

 それに加えて、安全性に疑問符が付きます。何も知らないくせに、ただ何となく「日本の原発はロシアや中国とは違って安全だ」と思い込んでいる人をよく見かけますが、それが何の根拠も無いマヤカシである事は、少しでも原発の実態を知れば直ぐに分かります。
 ご存知の通り原発は、核反応の熱で高温・高圧の一次・二次「冷却水」を循環させ、その力でタービンを回して発電しています。特に一次冷却水の段階では、何と300℃程もある熱湯が、高圧を掛けられて液体のまま原子炉配管内を循環しているのです。施設の経年劣化たるや凄まじいもので、常時点検や補修が必要です。しかし、その度に原発を停止していたら膨大なコストが掛かります。勢い原発を稼動したままで、5分や10分、放射能濃度の高い場所では僅か数十秒の間に、所定の点検・補修作業を終えなければなりません。配管のネジ一つ締め直すのにも数人から十数人掛りの作業なのです。そんな状況下では、ネジを締め間違えたり工具を置き忘れたりという事は日常茶飯事で、表沙汰にならない事故も決して少なくはない筈です。

 原発が喧伝する安全教育も、結構いい加減な代物です。そうまでしてコストを切り詰める電力会社が、どこの馬の骨とも分からない原発ジプシーの為に、宇宙服や酸素マスクなど用意する筈がありませんし、そもそも、そんな物を着ていては作業になりません。作業員の着用する防護服は、実は放射能謀議機能も何も無い只の作業服なのです。それを作業終了後は使い回しせずに廃棄する事で、放射能を管理区域外に持ち出さない様にしているだけなのです。会社の安全教育は、その実態を隠す為の、単なる洗脳教育にしか過ぎません。

 そもそも、そんなに安全に留意しているのなら、何故、あいりん地区からコソコソと原発ジプシーを連れて来るのか。何故、堂々とハローワークで募集を掛けないのか。また何故、電力消費地の京阪神から遠く、送電コストも掛かる福井県や和歌山県に(計画中のものも含めて)、渋る市町村には無理やり飴玉しゃぶらせる様な真似をして、原発を立地させるのか。何故、大阪の南港に原発を作らないのか。本当は、原発が安全だとはとても言えない事を、自分たちも実はとっくに知っていて、それを如何にも安全であるかの様に、言い繕っているだけではないのか。

 原発にはその他に、核兵器や劣化ウラン弾の開発・製造にも結びつく軍事転用の問題があります。だから米国も、自国やイスラエルにおけるこれらの問題には目を瞑りながら、シリアやイランの原子力開発には一々難癖を付けるのです。原発は、たとえ米国のものであれイランのものであれ、環境破壊の元凶である事には変わりないので、どちらも廃棄するのが望ましいですが、自分の所はお咎めなしで他人の所にばかり言い掛かりを付ける姿勢では、誰も耳を貸しません。

 以上、殆ど素人の私が少し調べてもこれだけの矛盾があるのに、それをいとも簡単に「原発は火力発電よりもCO2排出量が少ないからエコだ」「かくして洞爺湖サミットは成功裏に終わった」なんて言ってのける心理が、私には理解出来ません。
 それもこれも、「地球温暖化を食い止める為に如何に行動すべきか」という本質を見ないで、只ひたすらCO2削減の「数合わせ」だけに汲々としているから、そうなるのです。そうして私利私欲に汲々としているのを、「国益」という曖昧な言葉で誤魔化しているだけなのです。もう、国民をバカにしている、舐め切っているとしか思えません。しかし、国民もそこまでバカではありません。それが証拠に、先のネット世論調査でも、「幾ら笛吹けど殆ど誰も耳を貸さず」という結果となって現れているではありませんか。こんな「裸の王様」政府など、もはや一刻も早く退陣在るのみ。

(参考資料)
・エネルギー安全保障と気候変動に関する主要経済国首脳会合宣言(仮訳)(北海道洞爺湖サミット公式HP)
 http://www.g8summit.go.jp/doc/doc080709_10_ka.html
・CO2の少ない電気(関電HP)
 http://www.kepco.co.jp/kankyou/co2/reduction.html
・世界の二酸化炭素排出量に占める主要国の排出割合と各国の一人当たりの排出量の比較(2005年)(JCCCA)
 http://www.jccca.org/content/view/1041/781/
・地球温暖化対策に関する基本方針に「原発推進」を明記することについて(WWF)
 http://www.wwf.or.jp/news/press/1999/p99031501.htm
・原発がどんなものか知ってほしい(平井憲夫)
 http://www.iam-t.jp/HIRAI/pageall.html
・世界が直面する地球温暖化問題(平田仁子)
 http://www.dear.or.jp/world/warming/index_com01.html
・WWF・EU ETSに関する評価報告書の概要(WWFジャパン)
 これを見ると、ドイツや英国が一国単位でも確実に90年比でCO2を削減しているのが分かります。その両国とて必ずしも手放しで賞賛出来るものではありませんが、少なくともその取り組み姿勢においては、凡そ日米とは比較になりません。
 http://www.wwf.or.jp/activity/climate/japan/torihiki/2006euets.pdf

(関連記事)
・新自由主義G8談合粉砕! 人民の対抗サミット万歳!
 http://blog.goo.ne.jp/afghan_iraq_nk/e/7ada42dc277a9bb09ef965394c444ca9
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新自由主義G8談合粉砕! 人民の対抗サミット万歳!

2008年07月05日 23時43分18秒 | 福田第2次投げ出し政権
 業突く張り(G)が集い、ハッタリ(8)の言い合いで終わるサミット。強盗資本主義(G)擁護の本質はひた隠し、恥さらし(8)な嘘で塗り固めただけのサミット。世界の軍事支出の70%、武器輸出の90%、これまでの数百年間に渡るCO2排出量の62%を占める8つの軍事大国=G8の集まり。

 来日するのは、イラク戦争の張本人・ブッシュ(米)に、そのポチ・ブラウン(英)、札付きのファシスト・ベルルスコーニ(伊)、人種差別主義者・サルコジ(仏)、ロシアの金正日・プーチンの傀儡(露)、等々といった面々。190余の国連加盟国のうちの、ホンの一握りの「勝ち組」だけ。こんな奴等の為に国民の税金が使われ、至るところ交通検問だらけで、駅のロッカーも全面禁止。

 食料・燃料価格高騰、飢餓拡大・食糧暴動を尻目に、投機資本主義の跳梁跋扈を指をくわえて放置。それどころかバイオ燃料買占めで、貧しい第三世界諸国を更に窮地に追い込む。
 その一方で、「財界にとって旨味が少ないから」という理由だけで、幾らでも米が作れるにも関わらず、無理やり減反して外国から米を輸入。そうして、国内農業を潰し、途上国から農産物を安く買い叩き。その結果、幾ら途上国の農業が輸出依存の農薬漬けになり、そこの農民が借金漬けになろうが、日本の食生活が食品添加物まみれのジャンクフードだらけになろうが、そんな事は知ったこっちゃない。あとは野となれ山となれ、てか。

 地球温暖化の問題でも、四の五の言うばかり、手をこまねくばかりで。京都議定書のホスト国として、90年比でCO2排出量6%削減を約束した日本が、逆に6%も増やして。それを欧州から批判されると、やにわに逆切れし、「欧州の日本叩き」とまで言い出す始末で。その挙句に、「地球温暖化防止より石油メジャー権益擁護」の米国と一緒になって、中国やインドに責任転嫁。
 最近になって言い始めた「2050年までにCO2半減」というのも、「第二約束期間での中期目標達成」のやる気がないのを、先延ばしで誤魔化しているだけ。日米がそんな体たらくだから、中国・インドも付いて来ないのに、その事には全然気付かず。

 その挙句に、地球温暖化防止を単に「低炭素社会の実現」と言い換えて、あろうことか、「核のゴミ」プルトニウムや放射能を垂れ流す原発推進の口実にするとは。そのくせ、太陽光・地熱・風力発電などの自然エネルギーの開発・利用促進はまったく企業任せにして、自らは全然リーダーシップを取ろうとせず。
 こんなの、誰が考えてもオカシイじゃないか。「欧州の日本叩き」?そんな事を言っている間にも、ヒマラヤの氷河や北極海の氷がどんどん溶け出し、南太平洋の島々が海面に沈んでいくというのに。地球滅亡を前にして、国益もヘッタクレも無いだろう(呆)。何のことは無い、G8サミットって、ただの「裸の王様」たちの集まりじゃないか。

 もう沢山だ。こんな、ホリエモンやグッドウィル折口の守護神たちによる、新自由主義「勝ち組」サミットなどナンセンス! 全世界の先住民・被抑圧人民・プレカリアートたちによる対抗サミットで、真に自由・公正で民主的な「もう一つの世界」をつくろう!

-------------------------------
(以下転載)
「貧困」と「不安定雇用」と「社会的排除」はもうたくさんだ!!反G8札幌行動

G8サミットは、「先進8カ国首脳」の勝手な談合であるにもかかわらず、弱肉強食の新自由主義=市場原理絶対主義を各国に押し付け、世界の政治・経済を牛耳ってきました。労働・福祉問題では、特に94年の労働大臣会合の開催以降、「労働市場の改革」=雇用の流動化・不安定化と「社会保障の適正化」=失業保険や生活保護などのセーフティーネット・所得再配分策の削減を、毎年繰り返し主張してきました。その結果、雇用は一層不安定化し、格差と貧困が深刻化し、福祉施策は切り捨てられ、社会的弱者は排除され、基本的人権が脅かされています。働いても生活保護以下の収入しか得られず社会の底辺で苦しむ私たち・仲間たちも、新自由主義政策の犠牲者です。一部の特権的な者たちのためにこの政策を推進してきたのが、G8サミットです。様々な生活現場から、そして国内外の各地から、サミットが開催される北海道の地へ抗議の意思表明に仲間たちが訪れます。これらの人々と情報を交換し、連帯して、ともにG8サミットに反対の声を上げましょう。

(参考資料)
・反G8札幌行動のチラシ
 http://www.jca.apc.org/alt-g8/files/saporo_bira_0627_02.pdf
・G8サミットを問う連絡会
 http://www.jca.apc.org/alt-g8/ja/poverty-labor
・G8サミットQ&A
 http://www.jca.apc.org/alt-g8/ja/node/33
・集会決議:日本政府による海外の友人、仲間の入国妨害と不当逮捕に抗議します
 http://www.jca.apc.org/alt-g8/ja/node/429

・WATCH (サミット人権監視弁護士ネットワーク
 http://blog.goo.ne.jp/watch-summit/
・反G8サミット北海道(アイヌモシリ)連絡会
 http://renrakukai.blogspot.com/
・G8市民メディアセンター札幌実行委員会
 http://imc-sapporo.blogspot.com/
・北海道洞爺湖サミット(日本政府の公式HP)
 http://www.g8summit.go.jp/index.html

(関連記事)
・「原発でエコ」のウソがまかり通る異常
 http://blog.goo.ne.jp/afghan_iraq_nk/e/c76b7dc13523c2f1e92306f6c3913d13
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産経新聞によるセカンドレイプを許すな!

2008年02月18日 00時49分41秒 | 福田第2次投げ出し政権
 アッテンボローさんの送ってくれたTBを辿っていったら、はなゆーさんのブログに、「ある沖縄在住者の呼びかけ」という下記の文章が掲載されているのを見つけました。この「呼びかけ」の内容は、去る2月10日夜に沖縄県北谷(ちゃたん)町で起きた米兵による女子中学生暴行事件を巡って、産経新聞がセカンドレイプ紛いの報道を行っている事に対して、抗議の為のボイコットを呼びかけたものです。転載歓迎という事なので、こちらでも遅まきながら急遽紹介させて貰う事にします。

 その「沖縄在住者」さんが問題にされている産経新聞の当該記事についても読ませて貰いましたが、確かに聞きしに勝る醜い内容でした。「暴行事件への抗議はいかがわしい反基地勢力が政治闘争の具に利用するためのもの」「暴行されたのは被害者が無防備で躾が出来ていなかったから」なんて事を、臆面もなく書き連ねているのですから。そこには最低限の人間性の欠片もありません。これはもう右とか左とかいう以前の問題です。
 しかも、これが三面記事なんかではなく論説記事だというに当たっては、もうその新聞社の社風が疑われるというものです(実際にもその通りなのですが)。若し我が子が同じ被害を蒙っても、この論説記者は同じ言葉を吐けるのでしょうか?

 産経新聞は以前にも、集団自決軍命削除の教科書検定意見に抗議した沖縄県民集会に対して、当初は殆ど無視を決め込んでおきながら、突然中傷記事を掲載するという暴挙をやってのけました(拙ブログ関連記事参考)。この一例を以ってしても、産経新聞の政府御用、強者・権力への阿諛追従、弱者・少数派への蔑視・排除の姿勢は際立っています。
 凡そメディアというものは、権力の暴走をチェックする所にこそ、その存在意義があるのです。それがもっぱら時の権力や時流への迎合のみというのでは、それでは政府広報と何ら変りません。

 また、これは単に沖縄や米軍基地の問題だけに限った事ではありません。この問題だけに限らず、「小悪叩きに矛先を逸らし真の巨悪を隠蔽・免罪」した挙句に「”下見て暮らせ傘の下”で溜飲を下げさせてそれで終わり」という毎度お馴染みの産経新聞の基本スタイルは、もうかれこれ60年代ぐらいからずっと続いている話ですが、それでも上記の様なセカンドレイプ紛いの報道姿勢を一旦黙認してしまったら、次はどんなヘイトスピーチを垂れ流されるか分かったものではありません。次はワーキングプアや失業者・ホームレスなどが、分断支配の為の格好のターゲットにされる事でしょう。
 メディアに求められる役割はあくまで「社会の木鐸」であって、肥大化した「第4権力」なぞではありません。産経新聞に対する購読ボイコットの下記「呼びかけ」に私も賛同します。

(転載開始)
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《ある沖縄在住者の呼びかけ》

沖縄米兵、少女暴行事件について、右派の、「騒ぎすぎ」という妄言が、いかに歴史的事実を知らず、本土の人間の傲慢な態度として沖縄の人に映っているかに、知性のない右派にはわからないのでしょう。

沖縄は、琉球王国時代に、江戸幕府公認のもとで、薩摩藩により侵略、支配され、琉球を通しての、大陸との貿易のため、体裁は王国は残されましたが、実際には薩摩藩から重い税をかけられて、民は塗炭の苦しみに喘いでいました。

明治維新の薩摩藩の資金源は、こうした琉球支配からもたらせたものでした。

そして、明治になってから、「琉球処分」というものが行われ、琉球王国は廃止され、王は最初は男爵として列せられたものの、島民にとっては、貧しさだけが残っていました。

そして、琉球処分後も、日本人(本土人)の琉球人差別は続き、従軍慰安婦にも、沖縄の女性が多く連れて行かれました。

とどめは沖縄戦です。本土防衛の捨て石とされた、沖縄では、太平洋戦争中最大の地上戦が行われたとされています。

しかし、それは被害の大きさからはそうですが、実際には米国による、途方もない物量作戦と、穴があれば、見境なしに焼き払うという殲滅戦の挙句、沖縄島民は、三分の一が死亡しました。

本土人によって、差別され、捨て石にされ、さらに米軍に殺されて(日本軍による自決の強要や、スパイ容疑での処刑などがありました)、生き残った沖縄県民たちは、米軍が作った収容所に入れられました。

その後、何年か経ってから、収容所を出た沖縄県民が驚いたのは、今の嘉手納基地など、広大な土地が、所有者に断りも補償もなく、接収されて、米軍基地になっていたのです。その状態は今も続いています。

サンフランシスコ講和会議で、日本は独立を果たしたと歴史では教えますが、沖縄はこれに含まれず、アメリカによる領有が続きました。

この間、誤射、事故だけでなく、意図的な銃撃、車で引き殺す、など、今、米軍がイラクで行っているのと同じことが行われました。

1954年以降、確認されているだけで、日本全体で、米軍の事故、事件で死んだ日本人は1000人以上。これに、米軍領有時の数字は入っていません。

1970年には、米軍のあまりの横暴と、その犯罪が、米軍内部での処分で、軽微または無罪に終わることに怒った、市民が、交通事故を起こした米兵を取り囲み、米軍のMPと衝突して、車に火を放つという、「コザ暴動」という事件も起きています。

それだけ、米兵の犯罪に、沖縄県民は、怒りを膨らませていたのです。

そして1974年の沖縄返還。沖縄は日本のものとなりましたが、本来、沖縄県民が望んだのは、「基地撤去、本土並み」でしたが、これは、「核抜き、本土並み」にすり替えられ、基地は存続しました。

その後も、「日米地位協定」により、米兵の起こす事件は、領有されていた時と同様に、米軍側で処理され、ほとんどは本国送還でごまかされてきました。今回の事件で、犯人の逮捕に成功したのは、13年前の事件以降の、地位協定の、運用の見直しの一環として、現行犯は、沖縄県警察が逮捕拘留できるということになったからで、基地内に逃げ込まれていたら手出しはできませんでしたし、今でも、米軍が身柄の引き渡しを要求してきたら、日本は応じなければならないのです。

以上のような、迫害と差別の歴史の中で、土地を接収されて、一族の誰かは、米軍に殺されたという記憶がある中で、依然、沖縄での米兵の犯罪は、続いているのです。

この、積年の苦しみと怨念を知らずして、「騒げば補償金が入る」という、根拠のないデマを使って、沖縄人を愚弄する、右派メディア、右翼どもは、依然として、沖縄人を差別しているのです。この悪質な連中こそ、米軍基地の隣に住まわせるべきです。

先日のプリンスホテルに限らず、産経新聞、サンケイスポーツの、不買運動を始めましょう。夕刊フジも同じ、扶桑社の書籍も買うのはやめましょう。

そして、奴らの言うことが、いかに不条理で、売国的であるかを、上記の文を転載して、広めてください。

本土人は、沖縄に、おおきな負い目をおっているのです。

それなのに、さらに傷つける言葉を吐く、下劣な奴らを糾弾しましょう。
--------------------------------------------------
(転載終了)

(関連記事)
・米兵が中学生暴行/沖縄署、容疑で逮捕(沖縄タイムス)
 http://www.okinawatimes.co.jp/day/200802121700_01.html
・携帯越し「助けて」/安保の影 犠牲また(同上)
 http://www.okinawatimes.co.jp/day/200802121700_02.html
・沖縄 中学生強姦事件に関する報道(アッテンボローの雑記帳)
 http://rounin40.cocolog-nifty.com/attenborow/2008/02/post_3ba6.html
・【政論探求】「反基地」勢力が叫ぶいかがわしさ。(産経新聞)
 http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/080212/plc0802122007008-n1.htm
 http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/080212/plc0802122007008-n2.htm
・鬼畜への手紙(なごなぐ雑記)
 http://miyagi.no-blog.jp/nago/2008/02/post_cadf.html
・GO HOME!MOTHER FUCKER!(きっこのブログ)
 http://kikko.cocolog-nifty.com/kikko/2008/02/go_homemother_f_f93a.html
・沖縄在住者が産経新聞系列企業製品のボイコット運動を提唱(低気温のエクスタシーbyはなゆー)
 http://alcyone.seesaa.net/article/84013090.html
・連合によるプリンスホテル系列ボイコットと、米兵による強姦事件の報道を巡る産経新聞不買運動(アッテンボローの雑記帳)
 http://rounin40.cocolog-nifty.com/attenborow/2008/02/post_e182.html 
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愚民政策―正月はテレビでニュースを報じない?

2008年01月04日 09時50分28秒 | 福田第2次投げ出し政権
 私は生憎正月三が日は通常勤務で、帰宅してからもテレビは殆ど見ないので気付かなかったのですが。昨日、仕事中にバイトの同僚が、「正月はテレビでニュースを報じないので、道路の渋滞状況なども全然分からない」と、ぼやいていたのを思い出しました。

 彼はこうも言っていました。「パキスタンのブットさんが殺されたニュースにしても、銃撃で殺されたのか、自爆テロの爆風の衝撃で頭をサンルーフにぶつけて死んだのか、だけでなく、テロの容疑者の事とか、もっと色んな事が既に判っている筈なのに、全然テレビには流れない」と。
 最初こそ「道路の渋滞状況なんて、カーナビを見たら分かるじゃないか」と、横で聞き流していた私でしたが、「なかなか鋭い所を突いてくるな」と思い、昨日改めて少し調べてみました。
 正月三が日の新聞のテレビ番組欄が見当たらなかったので、インターネットで、1月1日元旦のテレビ番組表を幾つか検索してみると、「やはりさもあらん」でした。(下記参照)

<日本テレビ 1月1日番組表> 
 06:00 新春ズームイン!!SUPER 2008
 09:00 大笑点2008 第一部(間にNNNニュース)
 11:41 大笑点2008 第二部(間にNNNニュース)
 16:37 大笑点2008 第三部
 19:00 大笑点2008 第四部
 21:00 はじめてのおつかい!爆笑!元日スペシャル
 23:30 人類進化バラエティ「21世紀の歴史」
 24:30 NNNニュース&スポーツ
 24:55 北乃きいのサッカー魂 1回戦ハイライト
 25:25 復活!HAMASHO 風俗刑事新春大捜査SP
 26:50 シネマナイト・ファンタジィ「ミシェル・ヴァイヨン」「アメリカン・スター」
 http://www.ntv.co.jp/program2007/pgm11.html

<テレビ朝日 1月1日番組表>
 05:55 おめでとう!2008! 初日の出も…美女も…おせちも…ニュースも…ぜ~んぶ!召し上がれ!!
 08:00 みのもんた おめでとう!日本の歌謡曲
 12:55 志村&所の戦うお正月10 みどころ
 13:00 志村&所の戦うお正月10
 17:25 TVクリップ
 17:30 ANNスーパーJチャンネル
 18:00 芸能人格付チェックこれぞ真の一流品だ!2008お正月スペシャル
 20:54 ANNニュース
 21:00 開局50周年記念 相棒 元日スペシャル「寝台特急カシオペア殺人事件」
 23:30 ANNニュース
 23:40 2008年やべっちお正月スペシャル~日本代表“超”応援宣言~
 00:40 SPEED RANKING 08
 01:40 朝までたけし軍団
 http://www.tv-asahi.co.jp/bangumi/

 日テレにしてもテレ朝にしても、確かにニュースはあるのですが、番組の合間と深夜に流れるだけで、お昼や夜のお茶の間のゴールデンタイムは、物の見事にバラエティ番組に押しやられてしまっています。NHK総合番組も、民放ほど凄まじくはありませんが、それでも昼は全日本サッカー決勝戦中継番組に占拠され、21時40分からは正月特別番組だけになっていました。

 何故こういう事が起こるのか。彼曰く、「お正月はみんな殺人や事故のニュースは見たくないから、メディアの方で自己規制してしまっているのだ」と言っていましたが、その結果が「ブットの暗殺も闇の中」では、「見ざる言わざる聞かざる」「知らしむべからず依らしむべし」 の「愚民政策」に、メディア自らが加担してしまっていると言われても、仕方ないでしょうね。
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現代のタコ部屋にも押し寄せるフリーター労組結成の波

2007年10月12日 22時09分25秒 | 福田第2次投げ出し政権
・日雇い労働者:「労組」を結成 都内の派遣会社に給与天引き返還求め(毎日新聞 2007年10月2日 東京夕刊)

>内装や建設現場の軽作業などの請負会社「エム・クルー」(東京都豊島区、前橋靖社長)に登録して働く日雇い派遣労働者らが1日、労働組合を結成、会社に通告した。前橋社長は路上生活の経験があり、宿所を用意し仕事も出す仕組みで注目を浴びた。労組は給与から安全協力費などの名目で最大500円の天引きが行われているとして費用の返還や日雇雇用保険への加入を求めている。
 結成されたのは、派遣ユニオン・エム・クルー支部(千々岩弦委員長)。同労組によると、エム社では、1回働くごとに安全協力費300円(8時間労働の場合)と福利厚生費200円を給与から天引きされる。だが、使途の実態はないといい、返還を求めることにした。同様の費用を巡っては、日雇い派遣大手のグッドウィルやフルキャストが返還に応じている。
 エム社は安価に宿泊できる「レストボックス」を東京都内の主要駅の周辺に置き、宿泊者には日雇い派遣の仕事も紹介している。同社は「適法に結成された組合であれば、誠実に対応する」と話している。<
 http://mainichi.jp/select/wadai/news/20071002dde041040026000c.html

 「規制緩和の申し子」「貧困ビジネスの象徴」であるエム・クルーのお膝元でも、とうとう労組が結成されました。
 このエム・クルーという会社ですが、自社のHPでは自分たちの事をやれ「ソーシャルベンチャー(社会起業家)」だとか「社会貢献」だとか喧伝している様ですが、実態は単なる「口入れ稼業」でしかありません。自活を望むフリーターや生活困窮者の足元を見透かして、「レストボックス」と称する寮とは名ばかりの「タコ部屋」に住まわせ、日当数千円の食うや食わずの日払い労働や、偽装請負や建設現場への派遣などの違法で危険な仕事をあてがって、部屋代名目に賃金をピンハネする。そんな商売で巨利を得てきた会社です。

 ここの社長は、自分自身も元ホームレスだった事を会社の売りにしていますが、そんなモノは何の免罪符にもなりません。何のことはない、派遣労働自由化の流れの中で、今まで搾取されていた者が今度は搾取する側に回っただけの事です。こんな手合いが「社会起業家」で通用するのなら、サラ金や闇金も全て「社会起業家」になってしまいます。フリーター労組の結成通告の時にも見え見えの居留守を使って逃げ回っていた輩が、自分の都合の良い時だけ下積み苦労人のポーズを取って誤魔化そうとしても、そうは問屋が卸しません。
 本来の意味での「ソーシャルベンチャー」というのは、生協や共同作業所やグラミン銀行やビッグイシューの様に、多少なりとも当事者の生活向上・再建につながる様な事業を指すのです。エム・クルーみたいな、単に生活困窮者を食い物にするだけの様な仕事は「ソーシャルベンチャー」とは言いません。そういうのは「貧困ビジネス」と言います。

 そんな「貧困ビジネス」が宛がう仕事ばかりで食いつないでいると、他もそんな職種ばかりなので、それがまるで抗う事の出来ない運命であるかの様に、思い込まされてしまうのです。そうして次第に「下見て暮らせ傘の下」宜しく、「それでもホームレスやネカフェ難民よりはまだマシだ」「世の中こんなモン」と諦めさせられるか、精々「少しでもピンハネ率の低い職場に抜け駆けしよう」という惨めな発想しか持たされなくなる。そして「文句言う奴は負け犬、その中で上手く立ち回るのがデキル奴の甲斐性」とばかりに、椅子取りゲームの中で貧困者同士で足の引っ張り合いをさせて、そうして貧困を貧困と思わなくなくさせていく―若し「貧困」という言葉がお気に召さなければ、もっと直裁に「人権侵害」と言い換えても良い―。それが貧困ベンチャー、政府・財界、そいつらお抱えの御用論者たちの、最大の狙いなのです。

 「そんなに文句を言うのなら努力して正社員になれば良いではないか」―中にはそう思う人もいるでしょう。ところが豈図らんや。その正社員も相次ぐ賃下げ・労働条件切り下げで、今やどんどんワーキング・プア化しているのです。中小企業などに行くと、正社員でも社会保険未加入の人などもザラに居ます。だから労組も、単に「非正規雇用を正規雇用に」と要求するだけでは片手落ちであって、「正規であろうが非正規であろうが、そんな事には関係なく、憲法25条が保障する、人間たるに足る賃金・労働条件・生活を、普通に暮らそうとしている全ての人に」要求すべきなのです。エム・クルーでの労組結成は、そんな「貧困の連鎖」を断ち切る上での、一つの画期を為す出来事なのです。

(参考資料)
・エム・クルーにも返還請求 日雇い労働者給与天引き問題(産経新聞)
 http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/071001/crm0710011843017-n1.htm
・エム・クルーユニオン結成(Moyai Blog)
 http://www.moyai.net/modules/weblog/details.php?blog_id=198
・貧困襲来! 第7回 エム・クルーユニオン結成(オールニートニッポン)
 http://www.allneetnippon.jp/2007/10/7_4.html
・貧困襲来! 第2回 日雇い派遣は貧困ビジネス(同上)
 http://www.allneetnippon.jp/2007/07/2_4.html
・不当な“天引き”返せ/日雇い派遣会社に労組/竹中元総務相と“親密”会社(しんぶん赤旗)
 http://www.jcp.or.jp/akahata/aik07/2007-10-10/2007101001_01_0.html
・株式会社エム・クルーHP
 新着情報のページに給与ピンハネの言い訳が掲載されています。
 http://www.mcrew.co.jp/
・株式会社エム・クルー(『戦略経営者』 経営情報システム)
 このエム・クルーも、自民党・財界筋の眼から見たら、こうなります。
 http://www.tkc.co.jp/senkei/backnumber/0404/system03.htm
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ホンマに辞めてまいよった・・・(呆)

2007年09月13日 09時04分00秒 | 福田第2次投げ出し政権
※昨日9月12日に、安倍首相がとうとう辞意を表明しました。参院選で示された「小泉・安倍政治NO!」の声に抗い、APEC首脳会議や国会での所信表明演説で盛んに続投表明して、それを受けての野党の代表質問が始まる当日にいきなりの、無責任極まる政権投げ出し劇です。安倍政権は遅かれ早かれ辞任に追い込まれるだろうとは思っていましたが、正直言って、ここまであっけない展開になるとは予想だにしてませんでした。とりあえずは、拙ブログ記事「どこまで庶民をバカにするつもりか」での自己コメント投稿を、こちらにも転載しておきます。

ホンマに辞めてまいよった・・・(呆)
投稿者:プレカリアート 投稿日:2007-09-13 00:04:01

以下、安倍晋三の首相辞意表明で揺れた本日一日のドキュメントを、地の関西弁で。

 午前10時半頃、職場に出勤。
 11時の始業時間までに休憩室で早めの昼食を済ませておく。この時に、青年社員のKさん(当ブログ読者)に、この「家庭だんらん法」の話題をふる。
 私「Kさん、今度は舛添がホワイトカラー・エグゼンプションでアホみたいな事を言いよったん、知ってる?」
 K「ああ、家庭だんらん法やろ。あれ、お笑いやな。せやけど、あれは絶対、自民党が舛添に言わしてんねんで。」
 私「それって、観測気球を上げてるって事?単なる舛添のポカやないの?」
 K「そうや。自民党は今でも本気でホワイトカラー・エグゼンプション導入を考えているで(私:その通り!)。年金や特措法も大事やけど、マスコミはもっとこの事を取り上げなアカンで。」

 午後2時過ぎの休憩時間に休憩室で。
 私、携帯インターネットで掲示板を閲覧中。
 私「(ボソッと)安倍さんが辞めると言ったらしいで。」
 隣に座っていた同僚バイトのFさん「えっ、ホンマ?」
 私「ほらこれ(と言って、携帯の画面を見せる)」
 後ろのパソコンで配車業務をしていたK課長「何?安倍さんが辞めるって?」
 私「この2時から記者会見やってるらしいですわ。」
 K課長「ほお、TV付けてみ。」
 Fさん、やにわに休憩室のTVをつける。記者会見の場面が流れる。安倍首相、しきりに「テロとの戦い」という言葉を連発。「辞任の直接の引き金は民主党の小沢党首に党首会談を断られたから」とも。
 私「子どもみたいな言い草やな。駄々っ子じゃあるまいし。」
 K課長に、横で座っていたB層親父まで、たった一言吐き捨てるように「早よ辞めさらせ!」
 私「ひょっとしたら、裏でアメリカから、『お前なんかに任せとったんではテロ特措法一つ満足に通らへんやないか』という形で、引導を渡されていたのかも。」「自分が辞めて、それで今までの事を全部ウヤムヤに出来るとでも、思ってんか?甘いわ。それやったら、まるでトカゲの尻尾切りやないか。」「未練たらしく二言目には『テロとの戦い、々々』言うとるけどさあ、このオッサン、イラク戦争は正しかったとか、今でも本気で思とるんやろな。せやなかったら、こんな発言出てきーひんで。」
 Fさん「何かもう、ムチャクチャやなあ。あれだけ選挙で負けても辞めんかったくせに、また何を今頃になって・・・。」「郵政民営化反対で離党した人らを、自分らの都合だけで、また勝手に復党させたりしとったやろ。あれも響いてるん違うか。」
 私「首相指名選挙で今度は誰がなるんやろか?麻生かなあ。それやったら、安倍と何も変らへんやないか。こんなトカゲの尻尾切りばっかり、もうええわ。」

 みんなその場で30分ぐらいTVに釘付け。お陰で休憩時間が余分に取れました。

(参考記事:適宜追記)
・政府与党は「ど~しても給油継続」新法作りを+桝添は「残業代ゼロ」を「家族団らん」法案と呼びかえ(日本がアブナイ!)
 http://mewrun7.exblog.jp/6445021
・安倍首相の辞任表明についての「許すな!憲法改悪・市民連絡会」の声明
 http://www.annie.ne.jp/~kenpou/seimei/seimei99.html
・安部晋三代表質問から逃亡、辞意表明(アッテンボローの雑記帳)
 http://rounin40.cocolog-nifty.com/attenborow/2007/09/post_c37f.html
・「安倍辞任=首のすげ替え=トカゲの尻尾切り」であってはならない!(津久井進の弁護士ノート)
 http://tukui.blog55.fc2.com/blog-entry-492.html
・忌避すべきは「空気が読めない」よりも「空気支配」(ペガサス・ブログ版)
 http://blog.so-net.ne.jp/pegasus/2007-09-12
コメント (2)
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