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石丸ナチスの優生思想

2024年07月15日 21時07分00秒 | 未完の政権交代
 
先日の東京都知事選挙で無所属新人ながら165万票もの大量得票で世間の注目を浴びた石丸伸二氏。政治家としては、それまで約4年間務めた地元の広島県安芸高田市の市長としての経歴だけですが、そんな彼が何故、広島から遠く離れた東京の都知事選挙に出馬する気になったのか?安芸高田市長としてどんな施策を行ってきたのか?いまだに良く分からない点が多々あります。
 
彼自身の説明によれば、2019年衆院選における河井夫妻の贈賄事件絡みで、当時の安芸高田市長が辞職したものの、次期市長も無投票で選ばれそうだったので、それに義憤を感じて市長選に打って出て当選。それが政治家としての出発点だったとか。そこだけを見ると、「強きをくじき弱きを助ける」「暴れん坊将軍」や「水戸黄門」(古w)のイメージが強いのですが。ところが実際は、都市再生とか産業創出とか、自民党の土建行政とさほど変わらない事ばかり公約に掲げていたりします。
 
そして、彼が生まれ育ち、Uターンして市長になった安芸高田市も、私は最初、広島市郊外の衛星都市のように思っていました。ところが実際に調べたら、広島市からそんなに離れていないにも関わらず、中国山地が市域の大半を占める過疎地域である事が分かりました。2004年に安芸高田市が誕生したのも、人口減少に悩まされる旧高田郡の6町が、「平成の大合併」で行政の効率化を図ろうとしたのがきっかけだとか。
 
一応、市役所のある旧吉田町が中心市街地のようですが、交通の便はあまり良くないようです。市内を走っている鉄道路線は赤字ローカル線のJR芸備線ですが、中心市街地には乗り入れていません。乗り入れているのは国道54号線と、少し離れていますが市内にインターチェンジがある中国自動車道。どのルートを使うとしても、広島市から片道1時間から1時間半かかります。
 
安芸高田市は安芸神楽発祥の地で、それにちなんだ温泉・保養施設の「神楽門前湯治村」と、「3本の矢」の逸話で有名な戦国大名の毛利元就が居を構えた郡山城の城跡が2大観光名所。
 
そんな「平成の大合併」で無理やり作られた急ごしらえの市の市長選挙に、何故立候補したのか?「ワイロ政治に義憤を感じて」と言う彼の説明を、とても額面通りに受け取る気にはなれません。むしろ、そんな急ごしらえの新興自治体なので、「高速道路で広島に通勤する新住民に的を絞って選挙戦を展開すれば、俺のような無名の人間でも市長に当選できる」と考えたのではないか?そう考える方がよっぽど現実味があります。
 
ワイロ・金権政治に対する義憤よりもむしろ、俺でも市長になれると言う功名心から、市長選に出馬したのではないか?でも、実際に市長をやってみたら、周りは全て保守系の地元の人間で、議会対策もままならなくなり、もうこんな所でくすぶっていたくないと、都知事選に出馬したのではないか?そんな疑いがどうしてもぬぐい切れないのです。
 
その私の問いかけに対して、ライン読者がある記事を紹介してくれました。そこには石丸市長の施策として、次の内容が書かれていました。
 
・ふるさと納税の成長:月間1億円の寄付金を達成
・子育て世帯への実質的支援:小中学校給食費の完全無償化を実現
・若者の自主性育成:高校生徒会への財源を提供
 
大都市近郊の衛星都市なら、そんな施策もありでしょう。でも、安芸高田市内にも一部には新興住宅地もあるでしょうが、ほとんどは農村部です。民意をバックに当選して来た市長なら、農村部の問題もないがしろには出来ないはずです。
 
例えばJR芸備線の廃線問題や、広島バスの運転手確保、住民の足確保の問題とか。減反政策や米価引き上げ問題とか。農林業の後継者育成とか。過疎脱却の為のUターン促進、定住促進策とか。地元商店街の活性化策とか。私は鉄道が趣味なので、地方の鉄道によく乗りに行きます。そこで最近とみに感じるのが地方の衰退ぶりです。どこの街の駅前も軒並みシャッター街と化してしまっています。
 
ところが、彼が実際に市長としてやった事は、道の駅から地元業者(観光協会)を追い出して、大企業の無印良品を誘致したり(そんな事しても無印良品が儲かるだけで地元に金は落ちない)。地元主催の婚活パーティーへの補助金を削減したり(過疎化・少子高齢化を更に酷くするだけ)。
 
地元に山積する行政課題の解決をそっちのけにして、議員の居眠りなどの瑣末な問題ばかり追及したり、市長との面談より議会の公務を優先したと言って逆ギレしたり。そりゃあ、居眠りする議員も悪いですよ。でも、そんな議員も巻き込んで、市政改革に邁進するのが市長の仕事でしょう。ところが石丸市長は、最初から議会敵視で、自分から先に議員を挑発しているようにしか見えない。こんな調子では、市長はおろか民間企業でも務まりません。とてもまともに仕事をしているようには見えないです。
 
…と、そこまで書いた後で、さっきライン読者さんが紹介してくれた記事を読み返してみて、重大な事に気が付きました。
 
まず、ふるさと納税で税収増を実現した事について。財政難の赤字自治体だから、なりふり構わず税収増を計らなければならないのは分かります。でも、ふるさと納税については、最近は返礼品競争の弊害の方が目立って来て、国も見直しを示唆するようになって来ています。そんな問題大有りな制度に寄りかかって、それを無批判に導入するのは、市長の倫理観としてどうなのか?儲かれば何しても良いと言うのでは、もはやブラック企業の経営者と同じです。
 
それに、地方自治体の財政赤字は、少子高齢化や過疎化だけが原因ではありません。3割自治と称される、国の財源配分の不公平によってもたらされた側面もあります。少子高齢化や過疎化も、国がこれまで進めて来た列島改造やら国土強靭化やらの開発が、結局は東京への人口集中、低賃金の派遣労働蔓延によって結婚も出来ないワーキングプアの増加によってもたらされた人災です。その人災を是正せずに、問題のある制度でも金儲けの為には利用する。これではただの守銭奴です。
 
そして、子育て世代や若者「だけ」を対象にした施策「しかない」という点についても。確かに施策には軽重、メリハリが必要です。でも、それ以外の部分も決して切り捨ててはいけないはずです。ところが、石丸氏の政策や公約には、それ以外の施策は全然見当たりません。そう言えば、彼はこんな事言っていましたよね。「どうせ、自分に逆らう年寄り議員の方が先に死ぬのだから、私の勝ちだと」。
 
これはもう典型的な「優生思想」です。「ナチスの考え方」です。1929年の世界大恐慌により、倒産や失業が相次ぐドイツ国内で急激に勢力を拡大し、遂に政権の座に就くことになったナチスも、正式名称は「国家社会主義ドイツ労働者党」と言い、労働者福祉には一定力を入れていました。アウトバーン建設で失業対策事業を推進したりして。
 
でも、それらの「福祉政策」も、労働者の人権保護の為ではなく、戦争遂行に必要な兵士の育成策に過ぎなかったのです。だから、兵士としては使えない障害者やハンセン病患者は、隔離されて抹殺されました。ユダヤ人やロマ(ジプシー)と共に。
 
お国の為に役にたつ人間だけを優遇する。お国の為に役立たない奴(障害者、老人、少数民族)は皆んな死ね。これが「優生思想」です。子育て世代や若者に特化した政策も、決して彼らの人権保護の為ではなく、少国民(少年兵)育成の為の「富国強兵政策」に過ぎなかったのです。
 
限られた予算で政策を執行しなければならないのですから、政策には軽重を付けなければならない。それは当然です。でも「軽」の部分も、決して見殺しにしてはなりません。会社もそうでしょう。社長や重役だけで仕事が回っている訳ではありません。掃除のおばちゃんがトイレを毎日清掃してくれるから、従業員も毎日気持ちよく仕事が出来るのです。
 
確かに業務の重要性から言えば、トイレ掃除よりも社長業の方がはるかに重要です。でも、だからと言って、トイレ掃除の予算や人員をケチったらどうなりますか?やがてトイレは野糞と化し、そんな会社には誰も寄り付かなくなります。そんなブラック企業では社員の人権もないがしろにされてしまいます。そんな事になっても良いのでしょうか?そんな「優生思想」を容認して良いのでしょうか?
 
ユーチューブ動画で石丸市長が派手に宣伝していた市議とのバトルも、愛国心高揚の為にユダヤ人を攻撃して抹殺した、ナチスのやり方と瓜二つです。そりゃあ、どうしようもないロートル議員は叩かなければなりません。でも、石丸市長のやり方を見ていたら、自分に歯向かう者は全て敵視。これでは市議会から総スカンを食うのも当然です。
 
たとえ、自分に歯向かう人間でも、その主張に理があれば取り入れるのが、市長としての度量です。ところが、彼は「常に自分だけが正しい」と、相手を攻撃するばかり。これではブラック企業主や中国・北朝鮮あたりの独裁者と全然変わりません。
 
そこまで書いた時、マルチン・ニーメラーの詩の次の一節をふと思い出しました。「ナチスが共産主義者を攻撃しても、自分は共産主義者ではないから黙っていた。社会主義者や労働組合、ユダヤ人を攻撃しても、自分はそれらではないから黙っていた。ナチスが教会を攻撃した時に、自分は牧師だから初めて立ち上がった。だが、もうその時には私達を助けてくれる人達は誰もいなくなっていた」
 
石丸氏の例で言えばこうなります。「石丸がロートル議員を攻撃しても、自分はロートル議員ではないから黙っていた。石丸が蓮舫や共産党、立憲民主党を攻撃しても、自分はそれらの支持者ではないから黙っていた。やがて石丸はシングルマザーも、子供を産まない非国民だと攻撃し始めた。私はシングルマザーだから初めて立ち上がった。だが、もうその時には私達を助けてくれる人達は誰もいなくなっていた」
 
その石丸氏の考え方に一番近い政党が維新です。どちらも「改革」をキャッチフレーズに、古い自民党政治からの脱却を訴えて勢力を伸ばして来ました。しかし、その「改革」とやらは、都市の再開発(地上げ)や万博・カジノ誘致などで、いずれも自民党政治の猿真似でしかありませんでした。
 
維新がかつて掲げていた「大阪都構想」も、当初は「東京一極集中の是正」を謳いながら、いつの間にか「副首都としての地位確立(東京の猿真似)」に目標がすり替わっていました。自民党批判も、選挙地盤が競合する地方組織は叩きますが、中央の安倍政権や菅政権にはむしろ秋波を送っていました。外交や経済政策も自民党とほとんど変わりません。代表自ら「第二自民党で良い」と言っているぐらいですから。
 
ところが、この東京都知事選挙では、維新からの応援の申し出を石丸氏が断った事で、維新の馬場代表が逆ギレして、「石丸を応援するのは一切まかりならん」と、都議に通達を出したと言われていました。しかし実際は、石丸氏の方から先に維新に接近し、「支援は欲しいが無党派のイメージに傷が付くので維新の名前は表に出さないで欲しい」と、虫の良い要求を突きつけた事で、維新と話が付かなかったというのが真相です。これではまるで詐欺商法と何ら変わりません。
 
維新は、優生思想についても、「医療費を無駄食いする透析患者は早く死ね」と言った候補者を選挙で公認したり、代表自ら安楽死を肯定するかのような発言を行うなど、むしろ容認姿勢が目に付きます。石丸氏も、安芸高田市長に就任する前は三菱UFJ銀行のトレーダーでした。勝ち組ビジネスマンの彼には、格差社会の中でうまく立ち回ろうとする姿勢だけがやたら目に付きます。格差社会の犠牲者に寄り添い、彼らの為の政治をする姿勢なぞ微塵も感じられません。表向きの「無党派」や「改革者」のイメージに騙されてはならないと強く感じました。
 
石丸氏の事務所開きにて。左から順に小田全宏・選対本部長(TOKYO自民党政経塾塾長代行も兼務)、候補者の石丸伸二氏、石丸氏に5千万円貸し付けたドトールコーヒー創業者の鳥羽博道氏。デイリー新潮の記事より。表向きはどの政党からも推薦を受けず、無党派候補として「政治屋の一掃」を唱えた石丸氏だが、実際は自民党関係者の小田氏の指揮の下、大企業から支援してもらい、自民党・小池陣営も顔負けの金権・ネット選挙を展開。石丸氏こそが最大の「政治屋」ではないのか?
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東京都知事選挙の結果について

2024年07月10日 20時44分38秒 | 未完の政権交代
 
7月7日投開票の東京都知事選挙。史上最多の56名が立候補し、選挙掲示板のスペースを転売目的に利用したり、政見放送で服を脱いだりした候補もいて、逆にドン引きしてしまう人も多かったのではないでしょうか。そのせいかどうかは分かりませんが、今回も現職の小池百合子知事が291万票余も得票して圧勝してしまいました。それに対して、私が推した蓮舫さんは約128万票と、小池知事に勝てなかっただけでなく、約165万票余を獲得した石丸伸二氏にも追い抜かれ、3位の得票に甘んじる事になってしまいました。
 
小池百合子、蓮舫、石丸伸二と、主要3候補のホームページをざっと見ましたが、はっきり言って違いがどこにあるのか分かりませんでした。3名とも表現の違いや重点の置き方こそ微妙に違えど、いずれも子育て支援や女性活躍、ダイバーシティ(多様な生き方尊重)、賃上げ実現、行政の透明性確保、(区部と市町村・島嶼部との)格差是正については、判で押したように「実施する」と謳っていて、私には3名とも同じような事を言ってるようにしか見えませんでした。
 
 
 
むしろ蓮舫さんより小池さんの方が、現職の強みを活かして具体的な事も書いてあるし、石丸さんのホームページも「(街頭演説中に)雨が降って来た!」などのアクシデントも記事のタイトルに取り入れ、視聴者を引き込もうとしているように感じられました。それに対して、蓮舫さんのホームページはと言うと、確かに神宮外苑再開発の事にも触れていますが、大きくは扱わずに、総花的な公約列挙に終始してしまっているように思えました。
 
はたから見ていたら、小池さんも蓮舫さんも、まるで「バラマキ競争」を煽っているようにしか見えませんでした。こんな構図で選挙戦に突入してしまったら、現職知事が勝つのに決まっています。蓮舫さんを支持していたはずの立憲・共産両党の支持層からも3割前後の票が小池さんや石丸さんに流れたのも、ある意味当然ではないかと思いました。
 
蓮舫さんの敗因について、「共産党と組んだから無党派層の票が流れてしまったのだ」と言う事を、盛んに言う人がいますが、私はそれは違うと思います。何故なら、無党派層と言うのは、本来はアンチ自民でもアンチ立憲でもなく、どの政党に対しても関心がないのです。だから選挙にも投票しない。そういう人は、共産党に対しても無関心ですから、別に立憲がどこと組もうが関係ないはずです。
 
そうではなく、逆に小池さんとの違いを明確に示せなかった所にこそ、蓮舫さんの敗因があると思います。「神宮外苑再開発を見直す」と言っていたのは、主要3候補の中では蓮舫さんだけでした。都庁下の炊き出しに視察に来たのも蓮舫さんだけでした。何故それをもっと選挙戦でアピールしなかったのか?そうしたら、ひょっとしたら、今まで炊き出しに並んで食って行くだけで精一杯で、選挙に投票する余裕もなかった人でも、蓮舫さんに投票してくれたかも知れません。こんな事を言うと「飯で票を釣るのか?」と思われるかも知れませんが、それで実際命が救われるなら、私はもっとアピールすべきだと思います。それでも現職の小池さんにはかなわなかったかも知れませんが、少なくとも無名の石丸さんにすら遅れを取るような事はなかったと思います。
 
そこで蓮舫さんを追い抜き、現職の小池さんに負けこそすれ、165万票もの大量得票を獲得し、一躍「台風の目」に躍り出た石丸伸二という候補者について。この人は、広島県安芸高田市の出身で、銀行員として海外赴任していた最中に、2019年衆院選の河井夫妻による贈収賄事件で、地元の安芸高田市長が辞職し、副市長の無投票再選で終わろうとするのに待ったをかけるべく、銀行を退職して急きょ市長選挙に立候補。新人ながら副市長を抑えて見事市長に当選した人です。その後は改革派市長として、市議会のボス議員とやり合い、その様子を市の公式ユーチューブに発信してきた人です。
 
でも、都知事選後の選挙特別番組で、この人がインタビューに答えるのを見て、その余りの酷さに呆れ返ってしまいました。それが投票日の夜に放映された一番下の動画です。そこで石丸さんがインタビューに答えていたのですが、インタビュアーが普通に質問しているのに、一々上から目線で喧嘩腰に答える様子に、思わず「アンタこそ一体何様?」「アンタこそ一番の政治屋じゃないか」と思ってしまいました。
 
国政に進出するつもりがあるかどうか聞かれて、ニヤけながら勿体ぶって「可能性はあるが(出馬の)意志はない」と答えたり(出馬の意志は無いと素直に答えれば良いものを)
 
165万票という予想外の大量得票に対する自己評価を求めた質問者に対して、「何という(下らない)質問ですか?選挙に出る以上、更に上を目指さなければならないに決まっているじゃないですか。そんな質問していたらアントニオ猪木に叱られますよ」と、相手を小バカにしたような態度で返したり。
 
喋り方こそ丁寧ですが、相手への敬意が全然感じられませんでした。一言で言えば「慇懃(いんぎん)無礼」。確かに近年のマスコミの劣化ぶりは目を覆うばかりですが、その鬱憤はマスコミの経営者や番組編集者にこそぶつけるべき。普通に質問しているインタビュアー個人に鬱憤ぶちまけるのは筋違いです。こんな事で八つ当たりされるインタビュアーこそ良い迷惑です。
 
もし職場にこんな上司や先輩がいたら、あなたならどうしますか?こちらが普通に質問しているのに、いちいち皮肉で返さりたり、小バカにしたような態度で返されたら、もうやってられませんよね。仕事になりませんよね。幾ら仕事が出来ようが、「改革者」であろうが、そんな上司や先輩とはもう一緒に仕事は出来ません。だから、安芸高田でも市長の任期も最後まで全うできずに、最後には誰からも相手にされなくなり、東京に出て来て一発逆転狙うしかなくなったのかも知れません。
 
そんな事で「政治の改革」など出来る訳がありません。現に、石丸さんが退任した後の市長選挙でも、アンチ石丸候補が石丸後継候補を抑えつけて市長に当選しています。本当に「改革派市長」として市民の人望を集めていたら、絶対にこんな事にはなりません。幾らネットでユーチューバー市長として人気を集めていても、それはユーチューブという動画の中だからこそ、ユーザーも安心して観ていられたのです。動画の中で、「水戸黄門」みたいな石丸が「悪代官」の市議をやっつける姿を見て溜飲を下げる事が出来たのです。でも、現実の職場に、こんなトラブルメーカーがいたらどうなるでしょうか?「改革」どころか会社の中がグチャグチャになってしまうだけです。
 
蓮舫さんが東京都知事に当選できなかったのは返す返すも残念ですが、それでも当選したのが小池百合子でまだ良かったと、今では思っています。もし石丸が当選していたら、東京はもっと酷い事になっていたのではないか?それぐらい酷いインタビューでした。
 
【都知事選】石丸伸二氏単独インタビュー 今後の国政進出「意思はない」|TBS NEWS DIG
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神宮外苑の森を「なんばパークス」にするな!

2024年07月03日 18時58分25秒 | 未完の政権交代

来る7月7日投開票の都知事選。その一大争点の神宮外苑再開発問題について調べた。但し私は都民ではなく東京の事情にも疎いので間違いがあればご指摘乞う。明治天皇とその妃を祀った明治神宮本体(内苑)に対し、その威徳を偲ぶ為に公園として整備されたのが外苑。神宮球場や秩父宮ラグビー場などがある。

この再開発は神宮球場や秩父宮ラグビー場の建替え問題が発端だ。老朽化した古い施設を耐震化・バイアフリー化する必要が生じた。じゃあそのまま改修すれば良いと思うのだが何故か場所も移して全面建替えに。風致地区の指定も緩めて隣接するビルを高層化。そのビルからのテナント賃料で環境保全すると。

再開発の事業主体は三井不動産・伊藤忠商事・明治神宮・日本スポーツ振興センター。それを許認可したのが都の整備局。推進側は歴史ある銀杏並木を保全し植樹本数も逆に増やすと。しかし反対派は球場もラグビー場も観客席は大幅に減らされスポーツ施設とは名ばかりの単なる商業施設に変えられると。

再開発推進派は「確かに開発で743本の樹木が伐採されるが、代わりに837本植樹されるので逆に94本増える」と言う。でもその94本の中には再開発ビルの屋上ガーデンの木も含まれる。それに植樹自体も成木になるまで最低でも数年はかかる。到底、今の外苑の森の代わりにならないのは明らかだ。

ラグビー場も天然芝から人工芝に変えられる。人工芝の方が長持ちするからだ。でも人工芝の素材は合成樹脂だ。天然芝のような保水・保冷効果はない。夏場になると地表面の温度は50℃にも達する。だから元ラグビー選手なども「そんな所で試合したら選手が火傷してしまう」と再開発反対の署名運動を始めた。

それに対して再開発推進派が最後に言うのは「私有財産を地主がどう処分しようと勝手だ」と。確かに外苑の所有者は明治神宮だ。明治神宮が、自己資金だけでは老朽施設の建替えが出来ないので三井不動産の手を借り、容積率緩和で三井の儲けも保障しながら建替えるのだ。何が悪いと。

幾ら私有財産でも好き勝手して良い訳ではない。神宮の森は氏子たちの勤労奉仕や国民からの献木の賜物でもある。いわば公共財産としての側面もある。それを今時こんな一昔前の公害企業の論理で開発をゴリ押しされては堪らない。そうさせない為の福祉予算であり環境行政、SDGsではないのか?

しかも都の幹部14人が三井不動産とその系列企業に天下っていた事が赤旗や週刊新潮によってすっぱ抜かれた。三井不動産は神宮外苑以外に築地市場や五輪選手村跡の再開発にも関わっている。再開発を認めた行政幹部がその再開発企業に天下り。マスコミは政局報道よりもこの事実こそもっと報じるべきだろう。

しかし何故そこまで再開発に拘るのか?施設が老朽化したなら耐震化・バイアフリー化だけすれば良いのに。ただでさえ緑の少ない東京で、神宮外苑は残された数少ない都会のオアシスなのに。それを保全するのに賃料に頼らなければならない事自体がおかしい。環境保全は本来行政が税金ですべき事なのに。

しかも当の明治神宮も再開発推進側に回ってしまっている。普段あれだけ歴史や伝統文化を大事にしろと喧しく言う保守派の筆頭が。むしろ国連の作業部会やユネスコ諮問機関イコモスなどの国外団体から心配される体たらく。結局大事なのは金儲け。自然保護や文化保護、住民生活なぞ二の次なのだろう。

これ何も東京だけに限った事じゃない。大阪でも観光客を呼び込もうと再開発が進められた。公園から野宿者が一掃され小綺麗な店に。でもどこもバカ高い店ばかり。新世界も賑わっているのは星野リゾートと新今宮駅前のみ。黒門市場も今やただのボッタクリの街に。住民置き去り守銭奴行政に今こそノーを!

それでも東京の事だから大阪の人には関係ないと思う人に一言。幾ら植樹で木を増やしても「なんばパークス」では鎮守の森の景観は蘇らない。天王寺の茶臼山や住吉大社の森を同じ理屈で伐採されても貴方は受け入れられますか?

※タイトル名を変更しました。(7月6日)

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ケ・サラと東京都知事選

2024年06月30日 09時31分00秒 | 未完の政権交代

昨日は有休取って昔入っていたサークルの同窓会に出て来ました。同窓会の会場は阪急沿線にある昔ながらの駅前商店街の中の喫茶店です。そこのマスターが合唱団の正団員で、私たち研究生の同窓会を開催する為に貸切にしてくれました。合唱団に入ていたのはもう何十年も前の就職1年生の頃です。その頃はみんな若かったのに、今はもうそれなりの年になりました。同窓会は最後にケ・サラ(Che Sara)を歌ってお開きとなりました。

ところで、このケ・サラという曲は、元々はこの岸洋子が歌っているように、故郷を捨てて街に出る若者の想いを歌ったイタリアの歌謡曲でした。 
 
それが日本にも広まる中で、当時のベトナム反戦運動の高揚の中で、自由と平和を愛する歌として、プロテストソングとして別の歌詞で歌い継がれるようになりました。
 
「ケサラ」 自由の森学園 2011音楽祭
 
歌詞の中に出てくる人達は、いずれも時の政権に弾圧された人達です。グエン・バン・チョイは南ベトナム政府軍に虐殺されたベトコン(民族解放戦線)兵士、ジョー・ヒルは無実の罪で投獄された米国シカゴの労働者シンガー、ビクトル・ハラは南米チリの軍事政権に虐殺された反体制シンガー。
 
当時私が所属していた関西合唱団も、「うたごえ運動」という労働運動の中から生まれた労働歌や反体制シンガーの歌を主に歌っていた合唱団です。私はそこの研究生として、就職1年目の私立高校常勤講師を辞めて、大阪いずみ市民生協に転職するまでの1年間、仕事終わってから大阪市城東区の合唱団に週1日通い、歌っていました。
 
その同窓会には、私より数年後に同じ大阪いずみ市民生協に就職した人もいました。その人も、今まで生協の店で店長として働いていたのが、リストラされて40代後半になって再び配送の仕事に就かされ、配送が終わってからも生協の組合員拡大のオルグをさせられ、拡大目標が達成出来ていないと、15歳下の上司に詰めまくられたと言っていました。そこにいたメンバーは、生協は消費者運動、平和運動に取り組む民主的な団体だと思っていた人が大半だったので驚いていました。
 
同窓会メンバーの中に、脱サラして農業している夫婦がいて、その方から農園で作った梅酒を土産にいただきました。今朝、パンと一緒にコーヒー代わりにいただきましたが、非常に濃い梅酒で、今も少しほろ酔い気分です。後でホットコーヒーで口直しをしなければならない位、濃い梅酒でしたw。
 
そこから一夜明けた今日は、折しも東京都知事選挙告示期間最後の日曜日。あくまで一地方自治体の選挙ではありますが、同時に、日本の全人口の約1割の有権者が住む首都・東京の知事を選ぶ選挙でもあります。この間の小池百合子都知事の実績を評価する場であるとともに、その小池知事の与党・都民ファーストにすり寄り、現職知事当選でこれまでの裏金政治の汚点を全てチャラにしようと目論む自民党に審判を下す場でもあります。
 
1967年に、当時も伏魔殿だった東京都政を改革すべく、それまでいがみ合っていた社会党と共産党が、初めて手を結び、統一候補の美濃部亮吉を当選させる事が出来ました。美濃部都政は初めて老人・障害者の医療費無料化を実現し、企業と公害防止協定を結んで東京に青空を取り戻し、銀座や新宿の歩行者天国を実現した知事でした。その後は国もそれらの政策を一部取り入れるようになりました。
 
ところが、1979年の都知事選を最後に、社会・共産両党が部落問題を巡って仲違いする事になり、自民党に都政の座を奪われてしまいます。そして、石原慎太郎や猪瀬直樹、今の小池百合子などの自民党寄り都政の下で、再び福祉切り捨て、大企業による臨海再開発などの土木行政、伏魔殿都政が続くようになりました。
 
その中で、今回初めて再び野党第一党の立憲民主党と共産党が手を組み、蓮舫候補を擁立し、伏魔殿都政に風穴を開けるチャンスがやって来ました。蓮舫候補については、今までもネットで散々叩かれて来ました。曰く「プライドが高い」とか「二重国籍」だとか。確かに、蓮舫候補は、美濃部都知事のような生粋の革新系候補ではありませんから、至らない点や不十分な点がある事は私も充分承知しています。前述の生協と同様に。
 
 
それでも、48億円も投じて都庁をライトアップするプロジェクションマッピングのお膝元で、困窮者支援の炊き出しに、ホームレスだけでなく貧困層の若者カップルも食料を求めて行列を作る中で、炊き出しの現場にやって来て激励してくれたのは蓮舫候補だけでした。私は、それだけでも、蓮舫候補に投票する価値があると思います。後の候補は、小池都知事も石丸慎二候補、田母神俊雄候補も、他の泡沫候補も、誰一人、炊き出しの現場に来て激励してくれる事はありませんでした。
 
それが「二重国籍」で「反日」だと言うなら、言い返してやれば良いのです。「炊き出し支援が反日だと言うなら、反日で結構!反日上等!少なくとも、自民党の裏金政治に対して何も言えず、炊き出しの現場にも来ない反国民、真性反日候補と比べたら、蓮舫候補の方がよっぽど愛国・親日ではないか」と。皆さん、掲示板ジャックや裸体ポスターなどの「争点ぼかし」に惑わされないで下さい。今度の東京都知事選挙の真の争点は何なのか?それを肝に銘じて投票をお願いします。自由と平和を求めてケ・サラを歌った先人のシンガーソングライターのように。
 
そして、これは東京だけの問題ではありません。私の住む大阪でも、戎橋のグリコ看板下の通称・グリ下に、家出少年・少女や身寄りのない若者が、居場所を求めてたむろするようになりました。本来なら、これらの若者を救済するのが行政の仕事なのに、今の大阪府政は、それらの若者を取り締まるばかりで、生活保護や児童相談所に繋げようとはせず、救済策を民間NPOに丸投げするばかり。それでいて、ゼネコンやカジノ資本を潤すだけの万博・カジノ誘致に巨費を投じ続けています。東京都政の問題は、いわば大阪府政の問題でもあるのです。問われているのは有権者の姿勢です。
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二重国籍なんかより裏金疑惑の方がよっぽど問題だ

2024年05月30日 20時08分31秒 | 未完の政権交代
法務省ホームページ記載の重国籍(二重国籍)離脱手続き。離脱手続きはあくまで「努力義務」とされ、違反しても罰則が課されない事に注意。

またしばらくブログ更新が滞ってしまいました。滞った理由は、仕事やプライベートで何かと忙しかった事もありますが、やはり最大の理由は、今の野党が余りにも不甲斐ないので、政治の話題を取り上げる気になれなかったからです。
 
私のブログは、近年でこそ旅行記や競馬などの趣味の話題、身辺雑記などの記事も少なくありませんが、元々はイラク戦争反対を掲げて立ち上げたのがきっかけです。今でも政治的な話題が記事の中心です。その私のブログにとって、昨今の自民党の不人気ぶりは、まさにブログで取り上げるべき内容です。
 
でも、幾ら安倍や維新のメッキが剥げて、自民党の人気が凋落し、同じく人気絶頂だった維新も、同党幹事長が自らゲロしたように、「第二自民党」としての正体が明らかになり、万博・カジノの浪費で人気にかげりが見られるようになっても。政権交代の軸になるべき野党が今のままでは、頑張ってそれをアシストする気には、どうもなれないのです。
 
野党第一党の立憲民主党は、肝心の執行部が自民党と同じような体質で、「第二自民」の維新に擦り寄り。確かな野党を自認していた共産党も、松竹除名問題を機に独善的な体質が全然変わっていない事が分かり。唯一期待していた「れいわ新選組」も、唯我独尊という意味では共産党と似たり寄ったりで。社民党は余りにも弱過ぎて、もはや応援する気にもなれず。
 
それでも、選挙を棄権してしまったら、自公与党や維新の思う壺なので、投票だけは必ず行き、共産党か「れいわ新選組」のどちらかには必ず入れるようにはしています。政治資金の問題でも、自民党はいまだに反省せず、言い逃れに汲々とするばかり。何とかお灸を据えたいと思うのですが、岸田政権は解散封じに走り、意思表示の機会がなかなかやって来ません。
 
その中で、ようやく巡って来た7月7日投開票の東京都知事選挙。一自治体の選挙ではありますが、同時に、首都の首長を選ぶ一大決戦の場でもあります。都政の問題だけでなく、政治資金や今までの自民党政治に審判を下す絶好の機会です。
 
東京都政も、今までは石原慎太郎や小池百合子などの自民・保守系の知事が専横をほしいままにしていましたが、今回ようやく蓮舫氏が出馬表明。反自民・反小池の立場で、野党統一候補に名乗りを上げてくれました。
 
蓮舫氏は、かつては民主党政権の行政改革推進大臣として、その後は民進党や立憲民主党の参院議員として活躍して来ました。特に東京では知名度抜群。共産党や「れいわ新選組」と比べたら、反自民色は若干落ちるものの、それでも自公与党や維新、都民ファーストの金権政治家と比べたら、はるかにマシな政治家です。実際、イメージも小池なんかよりは、はるかに清新そうだし。
 
ただ唯一の懸念が二重国籍問題です。蓮舫氏は、この問題の為に、一時期は民進党(今の立憲民主党などの前身政党)の代表辞任にまで追い込まれました。この二重国籍問題ですが、私にとっては、ほとんど馴染みのなかった問題です。果たして、どこまで理解出来るか不安です。でも、知らないでは済まされないので、これを機に自分なりに色々調べてみました。その上で、現時点での私の意見を述べます。
 
蓮舫氏は台湾人の父と日本人の母の間に生まれ、ハーフとして生きて来ました。その美貌を生かして、キャンペーンガールとして活躍していたのを政治家に見そめられ、やがて政界の道に。当時の国籍法の規定では、父の国籍しか選べなかった為に、台湾人の謝蓮舫として生きていくしかなかった。ところが、1984年の国籍法改正で、母方の国籍も選べるようになったので、翌年に日本国籍を取得。
 
本当は、この時に台湾の国籍を離脱しなければならなかったのですが、当時まだ10代の若者だった彼女には、そんな複雑な離脱の手続きなぞ想像もつかず。政治家になった後で、二重国籍である事が明らかになり、2016年に、台湾当局から国籍離脱証明をもらい、改めて日本国籍を選ぶ事を宣言する事で、ようやく二重国籍状態から抜け出す事が出来ました。
 
自公与党や小池百合子は、それを経歴詐称と攻撃しているのです。でも私に言わせれば、自民党の裏金議員のように、故意に違法行為に手を染めた訳ではありません。
 
台湾が彼女の国籍離脱証明を発行しても、当の日本政府が、当時はもう台湾とは国交が途切れていたので、そんな未承認国の証明書なぞ受け取れないと、区役所が受け取りを拒否してしまったのです。
 
日本は昔は台湾(中華民国)と国交を結び、大陸の中華人民共和国とは国交がありませんでした。しかし、1972年の日中国交回復で、中華人民共和国を「中国を代表する唯一の国家」である事を認めるようになりました。それにより、台湾は逆に日本と国交断絶に陥りました。
 
経済的には、日本は中国だけでなく台湾とも関係を維持して来ましたが。こと国家レベルの話になると、あちら立たずばこちら立たずで、台湾の証明書を受け取る事が出来なかったのです。もし、そんな物を受け取ってしまったら、今度は中華人民共和国から猛反発を喰らう事になりますから。
 
そこで、台湾籍の離脱証明とは別に、日本国籍を選ぶ宣言もさせる事で、ようやく二重国籍状態を解消出来るようになったのです。
 
幾ら政治家とは言え、元はと言えば日本の戦後政治、冷戦時代の日本政府による中国(中華人民共和国)敵視政策にも責任の一端があるのに、それを棚に上げて、個人の些細な過去の過失、それも解決済みの過失を、ことさら針小棒大に取り上げるのは如何なものか?
 
もし仮に台湾の国籍離脱手続きが完了せず、今も蓮舫氏の二重国籍状態が解消していなかったとしても、それが一体何だと言うのでしょうか?台湾も日本の友好国ですよ。普段はあれだけ「台湾は親日だ、反日の韓国とは違う」と褒めそやしながら、相手が野党の政治家となると、途端に「反日のスパイ」呼ばわりするのは如何なものか?
 
在日ベトナム人の扱いについても同じ事が言えます。日本はベトナム戦争で、横田、横須賀、岩国、佐世保、嘉手納の米軍基地から、戦闘爆撃機を発進して、ベトナムを空爆しながら。その反省もなしに、ベトナムが中国と対立した途端に、今度はベトナムの肩を持ち。その裏で、ベトナム人を安い給料でこき使い。
 
こんな事では、「日本人は、外国人の足元を見て、使い捨てする事しか考えていない」と思われても仕方がありません。そんな事ばかりしていると、韓国・北朝鮮からも、台湾・中国からも、ベトナムやネパールからも、愛想を尽かされ、最後には、どの国からも相手にされなくなってしまいます。
 
そもそも欧米先進国では重国籍に対する罰則がありません。それらの国々では、植民地支配の影響で、元々移民が多く、米国のオバマ元大統領や、英国のスナク現首相のように、旧植民地にルーツを持つ政治家も多いからです。
 
重国籍を罰する規定があるのは、アジアやアフリカなどの第三世界諸国に多いです。これは多分、独立運動由来のナショナリズムの影響が大きいと思います。但し、同じ第三世界でも、南米諸国は欧米と同じ移民大国なので、重国籍者を罰する規定はありません。
 
日本の国籍法14条では、重国籍者は22歳までに、どの国籍を選択するか決めなければならないと定めています。しかし、この法律に対する罰則はありません。公職選挙法も「政治家は日本の国籍を有しないといけない」とあるだけで、別に日本国籍と他国籍を併せ持つ重国籍者を罰する規定はありません。経歴詐称で虚偽事項公表罪で罰せられる可能性はありますが、この罪も3年で時効となります。

なぜ国籍法14条違反でも罰せられないか?最近は国際結婚でハーフも別に珍しい存在ではなくなった。国籍の扱いも国によって異なる。重国籍が合法な国も少なくない。その中で、日本だけこの条項を厳格に適用しても、入管行政が麻痺してしまうわ、相手国とトラブルになるわで、ろくな事にならないから、敢えてグレーゾーンの扱いにしているのです。
 
更に日本の場合には特別永住者の扱いも考慮しなければなりません。特別永住者とは、日本の旧植民地だった朝鮮・台湾から日本に渡って来て住み着いた人達の事です。これらの人達は、日本の都合で勝手に日本人にされ、実際は二級国民として差別されて来ました。そして、第二次大戦で日本が連合国に敗れ、講和条約を受け入れた事で、今度は一夜にして日本国籍を剥奪されました。
 
それ以降、在日朝鮮・韓国・台湾人は、どこの国民でもない無国籍の状態に置かれ、無権利状態の中に放置されました。そして1991年になり、ようやく特定永住者として、ある程度は人並みの扱いを受けられるようになりました。国籍を問題にするなら、この旧植民地の人達に対する非人道的処遇についても問題にしなければ片手落ちです。
 
日本人の色眼鏡で、反日か親日かの恣意的基準で一方的に決めつけ、外国人を生身の人間として見ようとしない。そんな低俗な議論に組みする気はありません。国籍法違反の政治家よりも、政治資金規正法に違反して、政策活動費や政治資金パーティー、企業・団体献金を容認し、裏金をしこたま溜め込む政治家の方が、よっぽど悪質で「反国家的、反国民的」ではないでしょうか?私は蓮舫氏を支持します。
 
(参考資料)
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もうそんなヤセ我慢は止めよう

2024年04月15日 21時43分39秒 | 未完の政権交代

この間の私の以下の連投ツイートをこちらにそのまま転載します。(添付の画像や写真は一部差し替えました)

週刊文春4月18日号「自公83議席減!」。今、衆院解散したらこうなると。岸田が9月総裁選で不出馬に追い込まれる位なら、自民逆風の中でも大博打に打って出るかもしれないと。その結果、自民73減、公明10減、立憲52増、維新21増で自公与党過半数割れ、立憲・維新を中心とした非自民・非共産連立政権誕生

裏金自民にお灸を据えるだけならそれでも良いが、その結果が単なる非自民・非共産連立政権なら、かつての細川政権と同じ。政権内の主導権争いの末に、社会党が自民党に取り込まれ、自社さ連立の村山政権が誕生。安保・自衛隊容認に転換した社会党が骨抜きにされ、自民延命に手を貸しただけで終わった
 
立憲は数こそ多いが烏合の衆だ。維新の方が旗幟鮮明で勢いもある。だが維新の掲げる旗は身を切る改革、福祉切り捨て、軍拡容認で「第二自民」そのもの。それは今の大阪を見れば一目瞭然。維新首長の下で公務員リストラ(官製ワーキングプア蔓延)、公立高校・病院の統廃合、挙句にコロナ無策で死者激増
 
 
そんな維新主導の非自民・非共産連立政権なら、今の自公与党とそう変わらないどころか、更に酷い悪政が横行する事になる。そうさせない為にも立憲が如何に踏ん張れるか、立憲を左(福祉重視、平和志向)から支える他の野党(共産・れいわ・社民)がどれだけ伸びるかにかかっている
 
だが現状は左の野党も立憲以上にガタガタだ。共産は松竹除名で今でも民主集中制という過去の遺物にしがみついている事が顕になった。れいわも実態は山本太郎1人に権限が集中する個人独裁の党に過ぎない。私が望むのはあくまで本当の民主主義、どんな個人も尊敬され自由・平等・平和に生きられる社会だ
 
それでも自公与党の暴走と第二自民(維新)の台頭を阻止するには、立憲やそれを左から支える他の野党の議席を少しでも伸ばすしかない。4月28日投票の衆院3補選はその絶好機。どの選挙区も与党敗色が濃厚だ。東京でも島根でも長崎でも、ぜひ自民党にお灸を据えて欲しい。それが裏金事件の解明にも繋がる
 
立憲だけだと経済安保法案も通過。半導体などの製造業も安保の名で秘密保護の対象に。今まで隠れてコソコソ調査していた公安が今後は堂々と反戦運動に牙を向く。やがて矛先は反戦から政府批判全てに。裏金疑惑も闇から闇。そうさせない為にも、たとえ多少不満があっても立憲を左から支える野党が必要
 
それでも皆、自民や維新に投票するのは何故か?私が思うに、一つはマスコミが自民や維新ばかりをもてはやすから。競馬でもそうでしょう。スピードの速さでレースが決まると新聞が書けば、皆逃げ馬ばかり買うでしょうが。その中で本命党は安定株のジミンを買い、穴党は配当の高いイシンを買うw
 
 
皐月賞でも前走のGIレース勝ったレガレイラやGⅢで逃げて圧勝したメイショウタバルが人気していた。だがその圧勝劇もコース最内が荒れてなかったからで、荒れ馬場の皐月賞では最下位に沈んだ。でもそこまで読める人間ばかりではないので、新聞が逃げて勝つと書けば皆メイショウの馬券ばかり買う羽目に
 
もう一つの理由は「大勢に巻かれろ」。周りが阪神ファンばかりの中で巨人ファンを名乗るのは勇気がいる。だから新聞が安倍一強と書けば皆、自民に投票。関西では吉村知事が人気だと書けば皆、維新に投票。ところが裏金問題で自民人気にかげりが出てきた途端に急に反自民に。だったら最初から批判しろよ

安倍一強とか自民一強とか言っても、所詮その程度のモンなんよ。ところが皆「大勢に巻かれろ」に染まってしまってるものだから、「政府・与党を批判するなんて畏れ多い」とたじろいでしまう。野党も野党で、幾ら自分達が不甲斐なくても全部「強い与党」のせいに出来るので、万年野党に安住してしまう
 
 
それで困るのは一体誰か?我々、一般庶民じゃないか。政府や大企業が如何にも賃上げに前向きなポーズを取ればもうそれで満足して簡単に与党になびいてしまう。実際は雀の涙ほどの賃上げで、派遣や下請け、外国人の低賃金搾取と引き換えである事に薄々気付いていても、自分達さえ良ければそれで良いと
 
本当は物価高や社会保障費の値上げで生活が苦しいのに、国の財政が赤字だからとか、中国の脅威から国を守るにはもっと防衛費を増やさなければならないと言われたら、もう黙り込んでしまう。そんなに財政が赤字なら、今にも中国が攻めて来るなら、もう万博どころではない筈なのに。それは誰も言わない
 
 
もうそんなヤセ我慢は止めよう。台湾では地震後2時間で避難所が開設され、プライバシーも保たれたテントが家族単位で設置されたのに、能登半島では数ヶ月経っても水道も繋がらない。それなのに旅行支援で一部業界だけにお溢れが。そんな政治を許しておいて良いのか?それを変える第一歩が今度の選挙だ
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高石市議選での共産党凋落の原因を問う

2023年05月10日 22時15分33秒 | 未完の政権交代

 

共産党が議席を前半の都道府県議・政令市議選で2割も、後半の市町村議選でも1割減らした今回の統一地方選挙。私がかつて住んでいた大阪府高石市の市議選でも、共産党は大きく得票を減らしました(参考記事)。その得票減は決して一過性のものではなく、構造的な要因によるものである事が、この20年来の得票推移で明らかになりました。(以下、市議選施行年、定数/立候補者数、投票率、共産党候補の票数、順位をリストアップ)
https://go2senkyo.com/local/jichitai/2406

1999年 17/22 69.32%
鈴木七重 1,922 2位当選
小谷 喬 1,465 9位当選
阪口孝雄 1,306 14位当選
出川康二 1,010 17位当選

今から24年前の1999年の市議選の時は、私も高石在住、いずみ生協在職中の共産党員で、鈴木さんのビラを近所でポスティングしたりしていました。選挙でも鈴木さんに投票しました。ちなみに、この時にトップ当選したのが、当時はまだ一介の市議に過ぎなかった阪口伸六氏でした。

2003年 17/18 73.48% 按分票は切り捨て
阪口孝雄 2,413 4位当選
出川康二 1,941 7位当選
福島恵子 1,755 9位当選

その次の2003年市議選の時は、私は既に生協を退職し求職活動中で、地域の共産党居住支部で活動中でした。選挙では共産党の誰かに入れたと思いますが、誰に入れたのかもうはっきり覚えていませんw。この時に同時に施行された高石市長選挙で、阪口伸六氏が初当選しました。この初当選については居住支部でも盛んに話題で持ち切りだったのを覚えています。

2007年 17/19 61.58%
西内 正 1,610 8位当選
出川康二 1,409 14位当選

2007年市議選あたりから共産党の凋落が始まりました。投票率と共に共産党の得票もガタッと減っています(6109→3019票に半減)。この時に市議にトップ当選したのが、当時無所属で出馬していた畑中政昭氏でした。橋下徹が大阪府知事に初当選したのが2008年ですから、この時はまだ「維新の会」(以下、維新と略す)は登場していません。一体、高石の政界に何が起こったのか?

この前後に私は共産党を離党しました。離党理由は、意見の違いやパワハラなんかではなく、今の会社に契約社員として採用され、勤務シフトの関係で党の支部会議に参加できなくなり、党費未納が続くようになったからです。但し、共産党の活動にも以前ほど魅力を感じなくなっていたのは事実です。でも、地域には共産党の知り合いもまだ大勢いたので、ボランティアでビラのポスティング等は続けていました。

その後も共産党は高石市議選で得票を減らし続けています。私も2017年8月に親父と喧嘩して実感を飛び出してからは、高石の知人との繋がりもなくなり、地元の情報も入らなくなりました。

2011年 17/21 60.00%
出川康二 1,494 8位当選
明石宏隆 1,161 14位当選

2015年 16/21 52.47%
出川康二 1,196 10位当選
明石宏隆 1,108 12位当選

2019年 16/19 52.31%
明石宏隆 1,045 13位当選
松田亜季 1,001 16位当選

2023年 15/22 56.53%
松田亜季  903 13位当選
明石宏隆  798 14位当選

最盛期には4人の議員団を抱え、党の得票も5~6千票あったのに、直近の市議選では2人合わせても1701票しか得票出来ず、本当に首の皮一枚繋がったような状態で、ようやく最下位当選。もう目も当てられない惨状です。

ここで改めて気が付いたのですが、共産党のベテラン議員の後を継いだ新人議員がいずれも一期で辞めています。鈴木七重氏、福島恵子氏、西内正氏しかり。これらの議員の活動実績についても、私の頭の中には余り記憶に残っていません。まだ党と何らかの繋がりがあった当時の私ですら、そんな状態なのですから、一般の有権者にとっては尚更です。

他方で、維新躍進の中でも、選挙のたびに得票を伸ばし、上位当選し続けている議員もいます。木戸あきら山敷めぐみの両市議です。この両氏は2人で「市民の声」という会派を作って議員活動されています。そして、周辺他市の市民派議員とも交流され、コンビナート防災や水道事業の府市統合問題に取り組んでおられます。過去にはそれぞれ阪口市長の対抗馬として市長選に出馬された事もあります。この時の市長選では、どちらも阪口市長に負けはしましたが、多い時は1万票以上の得票を得ています。「市民の声」の会派自体も、どちらかと言うと維新の進める公務員のリストラや民営化推進政策には批判的で、時には共産党と共闘したりもしています。

過去に市長選に出馬しただけあって、私もこの2人の議員については、名前を聞いたことはあります。2人とも公式ウェブサイトを運営されており、フェイスブックだけでなくブログやツイッター、ユーチューブ、議員通信などでも積極的に情報発信されています。だから、今もどの政党にも属していないにも関わらず、維新が躍進した今回の地方選挙においても、市議選では得票を伸ばし続け、上位当選し続けているのです。

2015年 16/21 52.47%
木戸あきら 1,503  5位当選
山敷めぐみ 1,429  7位当選

2019年 16/19 52.31%
木戸あきら 1,702  3位当選
山敷めぐみ 1,512  6位当選

2023年 15/22 56.53%
木戸あきら 1,691  5位当選
山敷めぐみ 1,632  6位当選

翻って前記の共産党市議はどうか?発信媒体はフェイスブックだけで、他の媒体については全然使いこなせていません。フェイスブックだけでは情報伝達力は限られます。それに、いくらネット全盛のご時世と言えども、ネットを使わない人も決して少なくありません。そういう人には、紙媒体の議員通信や街頭宣伝で、自らの政見や活動報告を伝えなければなりません。

少なくとも、木戸・山敷の両市議については、日頃どういう活動されているのか、公式ウェブサイトを見れば分かります。ところが、明石・松田の両市議は、どちらも共産党議員であり、「しんぶん赤旗」などの媒体や民商(民主商工会)などの人脈を使えば、諸派の議員よりもっと多くの情報を伝達できるはずなのに、一向にそれらを使いこなしているようには見受けられません。

明石さんは54歳の男性で、議員になる前はガソリンスタンドでアルバイトをしていたと聞きました。松田さんは39歳の女性で、幼稚園PTAの会長もされていたと聞いています。特に明石さんなぞは非正規雇用の経験もあるのですから、非正規労働者の気持ちも分かるはずです。「維新の会」の市議には非正規雇用の経験者なんてほとんどいません。女性の市議も皆無です。そういう意味では、少なくとも維新の議員よりは非正規労働者や女性の気持ちが分かるはずです。なのに、何故、木戸・山敷の両市議のように、コンスタントに得票を伸ばし続ける事が出来ないのか?

維新躍進の影響を受けているのは木戸・山敷の両市議も同じです。でも、この両市議は、その影響下においても、得票をコンスタントに伸ばし続け、今も上位当選を果たしています。共産党も2008年前後まではそれなりに得票していた訳ですから、「ソ連・中国の悪いイメージから来る共産党アレルギー」だけでは凋落の説明が付きません。かつて共産党の幹部だった松竹伸幸さん・鈴木元さんが先日相次いで党を除名された影響も勿論ないとは言えませんが、それがいきなり小都市の一市議選にまで直接響くとも思えません。

共産党の票が維新に流れているのは事実ですが、それはあくまで結果論です。では、何故、共産党の票が維新に流れるようになってしまったのか?言い換えれば、有権者は自民党政治からの転換を、何故、共産党ではなく維新に託すようになってしまったのか?かつての「革新政党」の伝統や実績の上にあぐらをかき、こまめな日常活動を怠って来たからではないでしょうか?フェイスブックでしか情報発信しない。議員通信も出さない。だから知名度もない。新人議員の育成もうまくいかず、ひどい場合は1期だけで使い捨て。これでは得票が大きく目減りするのも当然です。

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石原、オマエモナー( ´∀`)

2010年08月26日 23時13分57秒 | 未完の政権交代
    

・民主はもっと混乱=小沢氏の党代表選出馬で-石原都知事(時事通信)
>東京都の石原慎太郎知事は26日、民主党の小沢一郎前幹事長が党代表選に出馬する意向を表明したことについて「民主党はもっと混乱する。金権陣営と無為無策陣営の対立だ。これで政界の再編成が進むだろう」との見方を示した。都庁内で記者団の質問に答えた。
 石原知事は「小沢氏の(政治とカネなど)いろんな問題に納得している国民はいるのか。その人間をかついで総理大臣にしたときに日本のプレステージ(権威)はどうなるのか」と強く批判した。
 http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2010082600474

 小沢一郎の民主党代表選出馬で、俄然、政界がきな臭くなってきました。どうせ今後当分の間は、民主党代表選がニュース報道の中心になるでしょうから、最初に自分の立場表明だけしておきます。

 何が「金権陣営と無為無策陣営の対立」かよ。石原、お前も小沢や菅と同類じゃないか。
 贅沢三昧・物見遊山の海外出張、四男・延啓(のぶひろ)の外郭団体(トーキョーワンダーサイト)縁故採用、見栄と浪費の東京五輪誘致、ダイオキシン汚染地への築地市場移転強行・・・そんなお前の金権腐敗・無為無策ぶりが、先の都知事選挙でも一大争点になったのを、もう忘れたのか。

 それをマスコミは、何かにつけて石原をもてはやし、こいつを甘やかすから、こんな、世界では相手にされないようなネオコン・ネオナチのバカウヨ爺が付け上がるのです。民主党(第二自民党)の菅・小沢も、元祖自民党で現・たちあがれ日本(第三自民党)支持の石原も、ともに、自民党政治の残滓を引きずる旧体制の遺物でしかない。こんな政治家は一刻も早く政界から放逐し、日本の政治を更に前に進めなければならない。

(追記)
 上記の石原の罪状のうちの「ダイオキシン汚染地への築地市場移転強行」については、「ぼうごなつこ」さんの漫画イラストによる説明が、非常に分かりやすい。お勧めです。
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ワイドショー人気の極左w新内閣

2010年06月08日 06時32分31秒 | 未完の政権交代
 今日は少し早めに目が覚めたので、出勤までの合間を利用して、菅・新内閣についても少し軽めの記事を。
 鳩山から菅に首相が代わった途端に、2割を切っていた内閣支持率が6割余りにまで回復したとの事。私の勤め先でも、休憩時間にテレビのワイドショーで「菅直人物語」をやっていて、それを見た事務パートのオバハン連中が、「菅さんの奥さんって素敵!」「菅さんカッコイイ!」と言っていました。

 私、「こいつらアホか」と思いましたね。前の首相が退陣したので、副首相が首相に昇格しただけの事でしょう。もともと、菅も前首相の鳩山も同じ民主党内閣で、基本政策も殆ど同じ。しかも閣僚も大半が留任。
 巷で言われている「小沢・前幹事長との距離」にしても、同じ党内、同じ考え方の人たちの間での、「誰それとはウマが合う、合わない」という程度の違いでしかない。しかし、それ位しか「売り」になりそうな特徴がないので、マスコミもそこしか言わないのです。その程度の違いでしかないのに、何を大騒ぎしているのでしょうかね。
 そんなんで内閣支持率の回復が図れるのなら、何度でも辞任で事足りる。今頃、鳩山・小沢・輿石の三人は、さぞや高笑いしている事でしょう。

 おまけに、石原慎太郎に至っては、そんな菅内閣すら「極左」呼ばわりとは。あの小沢筆頭に、党幹部の大半が自民党出身者で占められ、普天間にしても、その他の問題にしても、実際は自民党政治と大同小異で、すっかり「政権交代」の化けの皮が剥げた民主党政権に対して、まだこんな事言っているのですかね。こんな批判しか出来ないんですかね。
 社会党出身者が比較的多いから「極左」ですか。その元社会党の人たちは、社会党的なものは全部捨てて、民主党に雪崩れ込んで来たのですがね。
 それでも元出身者だからと言うのであれば、元共産党員も多くいる、「新しい歴史教科書をつくる会」とか「北朝鮮に拉致された日本人を救う会」は、一体どうなるんでしょうかね。あれも「極左」団体なんですかねw。極右の石原から見たら、自民党ですら「左翼」に見えて仕方がないんでしょうね。

(追記)
 以下、帰宅後に夕刊から転載。新閣僚の名前ぐらいは押さえておこうと思ったので。
 ところで、菅直人が首相就任会見で述べた、「国民の不幸を最小限度に抑える、戦争と貧困を無くすのが政治だ」という発言に対して。「また心にもない事を」と、私の様に斜に構える人もいれば、逆にそれをまともに受け止めて、「社会主義だ」と反発する人もいる様で。それが「社会主義」なら結構な事じゃないですか。反対に資本主義は、「国民の不幸を最大にする、戦争と貧困を広める」のですから。
 そうやって、社会保障も労組も生協も農協も、全て「社会主義的」「全体主義的」と決め付けるくせに、そういう人に限って「何でも国や会社に言いなり」の「全体主義者」だったりするのだから、矛盾も甚だしいという他ない。

 総理:菅 直人
 総務:原口一博(再任)、地域主権推進担当兼任
 法務:千葉景子(再任)
 外務:岡田克也(再任)
 財務:野田佳彦
 文科:川端達夫(再任) 
 厚労:長妻 昭(再任)、年金改革担当兼任
 農水:山田正彦
 経産:直嶋正行(再任)
 国交:前原誠司(再任)
 環境:小沢鋭仁(さきひと)(再任)
 防衛:北沢俊美(再任)
 官房:仙谷由人
 国家公安:中井 洽(ひろし)(再任)、拉致問題・防災担当兼任
 郵政金融:亀井静香(再任)
 国家戦略:荒井 聡、食品安全担当兼任
 公務員改革:玄葉光一郎、男女共同参画・「新しい公共」担当兼任
 行政刷新:蓮舫
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小沢一郎を真に乗り越える為に必要なもの

2010年02月07日 16時18分08秒 | 未完の政権交代
 

 昨年来から続いてきた小沢献金問題は、政治資金団体「陸山会」への4億円寄付がゼネコンからの賄賂によるものかどうかという、一番肝心な事は何一つ解明されないまま、元秘書3名の逮捕・保釈、小沢不起訴という曖昧決着で、とりあえず幕切れとなりました。
 本来ならば、「財界による政治支配」という根幹にこそメスが入れられなければならないのに、追及する方もされる方も、一部の例外を除いて、その根本問題には決して触れようとはせずに、お互いに相手を貶める為の政争の具としてのみ、この問題を利用してきました。だから、盛り上がっているのは、政争に加わっている当事者と、それに加担しているマスコミのみで、それに嫌々付き合わされてきた国民としては、「やっと終わったか」というのが正直な感想です。

 田中角栄や竹下登の愛弟子として、自民党の要職を歴任した後、新進党・自由党と渡り歩いてきた小沢が、清廉潔白な訳がないし、国民もそんな事は薄々分かっていた筈。それでも敢えて麻生自民党から小沢(鳩山)民主党への政権交代を国民が選択したのは、自民党政治の清算を小沢の豪腕に期待したからに他なりません。「同じワルならまだ反自民の方がマシ」という消去法での選択だったのです。
 自民党は、そこが全然分かっていないし、分かる事も出来ない。自民党が自民党である事を止めたら、もはや解党するしかないのは、自民党自身が一番良く分かっているから。だから「財界による政治支配」には一切手をつけず、企業・団体献金廃止にも頬かむりしたまま、ひたすら小沢への個人攻撃ばかりに血道をあげているのです。しかし、これまでの積年に渡る自民党政治の出鱈目さを思い知らされてきた国民には、もうそんな事は通用しない。

 他方で小沢(鳩山)民主党も、何故先の総選挙で国民が政権交代を選んだのかが、もう少しは自覚していると思っていたが、やはり何も分かっていなかったようです。だから、後期高齢者医療制度の見直しや普天間問題にしても、総選挙で示された民意に沿って、今までの自民党政治を改めさえすればそれで済む問題なのに、徒に迷走を繰り返すばかりで、要らぬ混乱を招いてしまっている。
 そうして、自民党政治をそのまま踏襲し続けたばかりに、沖縄・名護市長選での反基地派の勝利という、本来ならチャンスである筈のものまでピンチにしてしまうような体たらくなのですから、もうお話になりません。
 国民は、決してそんな小沢や民主党に満足している訳ではありません。今の小選挙区制の下では、これまでの自民党の悪政を止めるためには、まだ海のものとも山のものとも分からないが、自民党を下野させる最短距離の位置にいる民主党を、とりあえずは支持するしかなかった。だから、みんな民主党に投票したのです。それが本当に分かっていたら、小沢もこれまでのような横柄な態度は決して取れなかった筈です。

 それでも自民党を復活させる訳にはいきません。だから自民党・右翼や産経新聞の小沢民主党バッシングには組しない。しかし、当の小沢民主党も、過去の自民・民主大連立騒動を見れば分かるように、根本においては自民党と同床異夢なので、とても日刊ゲンダイの様に積極的に擁護する気にはなれない。
 では、自民・民主の両党以外であれば何でも良いのかとなると、勿論そうではありません。新自由主義で自民党以上に自民党的な「みんなの党」や、極右反動・排外主義のネオナチでしかない平沼・田母神・在特・新風なんてのは、もはや論外です。右派や新自由主義派に対する批判については、今まで散々書いてきましたので、ここではこれ以上書きませんが。
 だから私は左翼を、とりあえずは共産党を応援し、今も選挙のビラ撒きを手伝ったりしているのです。しかし、では何故、左翼が民主党にとって代わる事が出来ないのか。それをここでは考えてみました。

 確かに共産党は、自民・民主両党よりはよっぽどマシです。それは「政治とカネ」の問題一つとっても明らかです。でも実際には両党よりもはるかに小さい。勿論、それには小選挙区制の影響もあるでしょう。しかし、決してそれだけに解消は出来ないと思うのです。何故なら、私自身が、今はこの党についても、以前ほどには無条件で入れあげるような気持ちにはなれないから。
 何故そう思うようになったのかについては、確かに「いずみ生協」での体験が微妙に影を落としている部分はあると思います。また「ベルリンの壁」崩壊や北朝鮮問題も多少はあるでしょう。しかし、決してそれだけではありません。旧ソ連・中国・北朝鮮の実態なんて、別に今さら産経・正論やSAPIOなんて読まなくても、既に数十年も前から薄々は分かっていた事ですから。
 かつて20数万人の組織勢力を誇った民青(日本民主青年同盟:共産党系の青年組織)が今や2万数千規模にまで落ち込んでいるのも、決して「ベルリンの壁」崩壊や北朝鮮問題などだけが原因ではないと思います。より根本的には、これだけ個人が「自由」に(但し、あくまで括弧付きにですが)情報にアクセス出来る社会で、わざわざ何らかの組織に帰属して、それに縛り付けられている事の意義やメリットが、もはやどこにも見出せなくなったからです。現に、私が離党した最大の理由も、根本的にはそこにありましたから。だから、これは単に共産党や新左翼だけに限らず、実は自民党などにも共通する問題なのです。実際、自民党の党員数なども、過去と比べたら激減していますから。

 これは確かに重要な進歩なのかも知れません。今までは帰属組織の言いなりであった個人も、自分で情報を集め始めて、自律的に物を考えるようになったという事ですから。しかし、一概に手放しで喜べる事ばかりとも限らないのではないでしょうか。
 まず、一見自由に見える情報でも、実は財界・マスコミ資本によって巧妙に操作されているという問題があります。そして、それに対する個人はというと、組織への帰属・忠誠心からの解放と引き換えに、「何も信じられない」不信の荒野に、放り出されてしまったというのが、今の状況ではないでしょうか。この中で、単に左翼イデオロギーだけでなく、人類が長年にわたって獲得してきた自由・人権・民主主義や「科学的な物の見方」といった価値までもが、以前ほどには信用されなくなってきたのではないかと。だから、この問題は実は、単に「マルクス主義の凋落」だけで済まされるような、そんな単純な問題ではないのです。
 60年代にはあれだけ公民権運動やベトナム反戦運動が盛り上がった米国で、今や地動説も信じない人々がネオコンに靡いてしまうようになってしまったのが、その何よりの証拠です。それは日本でも同じで、かつては社会党や共産党を支持した人たちまでもが、スピリチュアルや田母神や小沢の虜になってしまったのも、それが原因ではないかと。

 その様な「不信の荒野」の中で、「一刻も早く自民党政治を変えたい」という、それ自身は当然の要求から、小沢の豪腕に期待する人についても、同じ事が言えるのではないでしょうか。民主主義の面倒な過程をすっ飛ばして、手軽に成果だけを手に入れる為に、誰かの豪腕に他力本願ですがろうとしている、という点で。確かに、その気持ちはよく分かります。私自身がそうでしたから。
 しかし、それでは、ヒットラーや橋下徹・石原慎太郎・森田健作・サルコジ・ベルルスコーニらの豪腕に期待した人と、結局は同じではないかと。消極的とはいえ小沢に一縷の望みを託した私も含めて、その他力本願の「横着民主主義」意識から脱却出来てこそ、初めて国民は小沢・橋下や民主党をも乗り越えて、真の自律や自民党政治の転換を実現できるようになるのではないでしょうか。
コメント (14)
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