参院選の結果を新聞記事などを参考に上記の表にまとめました。本当は選挙区の状況も含めてもっと一杯書こうと思っていたのですが、如何せん、今の私の力量ではここまでで精一杯でした。とりあえずは、共産党が伸びて、大阪では「若者や非正規労働者の味方」辰巳さんが「ブラック企業撲滅」を掲げて当選し、二人区の京都でもかつての革新王国の底力を見せて倉林さんが民主党現職の極右候補を追い落とし、東京では吉良さんと無所属の山本太郎さんで革新系が二議席を確保、沖縄でも基地撤去の糸数さんが反自民の共闘で勝利できて良かった。これで共産党は非改選の3議席と合わせると11議席となり、党首討論への参加や単独での議案提出が出来るようになりました。今までエラソーに我が物顔に振る舞っていた「弱肉強食」「上から目線」の右翼保守派や新自由主義者どもに、ようやく一矢報いる事が出来てスカッとしました。
しかし、全体的には予想通り自公圧勝、それに維新やみんな等の改憲派野党、民主党等のヌエ政党(いずれも与党補完勢力)を加えると、改憲派が全議席の8割以上を占めるまでになってしまいました。(詳しくは上記の表もしくは下記の参院選比例区得票数・率を参照)
自民 18,460,404 34.7%
公明 7,568,080 14.2% 自公与党計 26,028,484 48.9%
民主 7,134,215 13.4%
維新 6,355,299 11.9%
みんな 4,755,160 8.9% 与党+補完勢力計 37,852,158 83.1%
更に、必ずしも護憲派とは言えない生活や大地も含めたら、一体どれだけの勢力になるだろうか・・・もはや護憲派と言えるのは、共産・社民や緑系(みどりの風・緑の党)等の僅か得票率13.8%の勢力だけじゃないか!共産党躍進なぞと浮かれている場合か!!・・・と諦めたくもなろうと言うもの。でも、そこで諦めてしまったらもう最後です。とりあえずは、現状を分析して、それをどう変えていくか考えるしかないじゃないですか。
そう思って、上記の参院選比例区の党派別得票数・率をずっと見ていたら、「必ずしも、どうしようもない状況であるとは、言えないのではないか」と思うようになってきました。
確かに現状は憂慮すべき状況にありますが、今の段階ではまだ「万策尽きた」とまでは言えないのではないでしょうか。それを、まだ今の様な状況で「万策尽きた」なんて諦めてしまったら、それこそ「万策尽きる」まで一気に押し込められてしまいます。
そもそも、自公だとか改憲派だとか、状況を固定的に捉えてしまうから、「もはや万策尽きた」としか見れなくなるのではないでしょうか。
今、明確に右翼改憲派でゴリゴリの弱肉強食の新自由主義者と言えるのは、自民・維新・みんなの三党だけでしょう。その三党の中ですら、みんなが橋下の慰安婦発言を機に維新との協力関係を白紙に戻したように、少なからず軋轢があります。それ以外の公明・民主などに至っては、内部に護憲派も抱えているし、少なくとも96条改憲には反対の姿勢を打ち出しています。
ここで上記の表を基に、明白な改憲派(自民・維新・みんな)とそれ以外の「どっちつかず」の党に分けて比較してみます。
自民 18,460,404 34.7%
維新 6,355,299 11.9%
みんな 4,755,160 8.9% 明白な改憲派計 29,570,863 55.5%
民主 7,134,215 13.4%
公明 7,568,080 14.2% 「どっちつかず」計 14,702,295 27.6%
共産 5,154,055 9.7%
社民 1,255,235 2.4%
生活 943,836 1.8%
大地 523,146 1.0%
みどり 430,673 0.8%
緑の党 457,862 0.9% 脱原発・反TPP等で、「護憲・反改憲」志向の強い勢力 計 8,764,807 16.6%
この後二者の「どっちつかず」+「護憲・反改憲」志向を合わせれば、全部で23,467,102票、得票率44.2%にもなります。
確かに明白な改憲派と比べれば今は劣勢である事は否めませんが、それでも55対45の勢力比でしかないのに、これで「万策尽きた」なんて言っていたら、勝てる勝負にも負けてしまいます。
しかも、今回の参院選投票率が僅か52.61%しかなく、他に選挙を棄権した有権者が全体の47.39%も占めています。これらの層は、少なくとも自民や維新には投票しませんでした。但し、同時に共産や社民にも投票しなかった訳で、そういう意味では、これらの棄権者は、今の政治そのものに絶望してしまっている層であると言えます。
そうであるなら、改憲派の本丸・策源地はあくまで自民党であって、その他の民主・公明や維新はその補完勢力ないしは鉄砲玉でしかない訳ですから、敵はあくまで本丸であって、その本丸を包囲していく為には、個別撃破で味方の陣地を広げ、敵を孤立分断していくしか方法はありません。
今や記者クラブ制度や放送局の許認可等を通してマスコミを手なずける事に成功した与党は、御用マスコミを使って「憲法9条は時代遅れ」のキャンペーンを繰り広げていますが、改憲の争点は決してそれだけではないでしょう。
「週刊プレイボーイ」7月15日号の改憲特集にもあるように、今や与党は、「人間は生まれながらにして自由・平等で、幸福になる権利がある」とする天賦人権説や基本的人権の考え方そのものを否定しようとしています。幾ら言葉の上だけで「基本的人権を尊重する」と言っても、「権利主張は義務を果たしてから」という詐術で、失業者や障害者の人権を踏みにじっているのですから。誰も好き好んで失業者や障害者になった訳でもないのに、それを個人の自己責任だけの問題にすり替え、勤労や納税の義務を果たしていないと半人前扱いする。
それに反対すれば、今度は「公の秩序維持」の名目で、脱原発デモや沖縄の基地反対デモも含め、ことごとく弾圧される。もはや「表現の自由」も言葉だけで、戦前の日本や今の中国・北朝鮮のような国になってしまう。
そんな事になったら、この先どんなに原発事故が起こって放射能に汚染されても、闇から闇に葬られてしまいます。気が付いた時には、国土は放射能まみれになってしまっていて、生存すら脅かされる事態になってしまっていた。日本をそんな国にしたいなんて、殆どの人は望んでいない。
戦時中の慰安婦を肯定するような政治の下では、今の労働者もブラック企業で慰安婦のように使い捨てされてしまいます。徴兵制や軍法会議を是とするような政治の下では、たとえ徴兵制が実施されなくても、「使い捨て」労働が横行し、「兵隊に行きたくなければ原発やブラック企業で働け」というような世の中になってしまいます。選挙で棄権した人たちも、そんな政治なぞ誰も望んでいないでしょう。
政府の発行する女性手帳に対して、「母親が子供を産もうが産むまいが個人の自由だろう、そんな個人のプライバシーに干渉する暇があるなら、ちゃんと働きながら育児できるように保育所を増やして労働条件も改善しろ」と、まっとうな批判をする人たちが、何故、憲法改正に反対しないのか。憲法が改正(実際は改悪)されたら、女性手帳に反対するどころではなくなってしまうのに。「権利は義務を果たしてから」という一見耳障りの良い言葉の陰で、失業者や障害者等の弱者は人間扱いされなくなり、何でも個人や家族のせいにされ、生活保護の権利や労働基準法も形だけのものにされてしまう。
誰もそんな政治なぞ望んでいない。だったら、まだ「万策尽きない」うちに、出来るだけの事をしましょう。今は支持率6割、7割の安倍内閣も、この先どうなるか分かったものではありません。高支持率だけなら、かつての鳩山内閣や橋下知事もそれ位の支持率はありました。それが、蓋を開ければ今までの自民党とも全然変わらず、寧ろTPP参加や消費増税など自民党ですら遠慮していた事までやり出した。普天間移設やオスプレイ、原発推進もそのまま踏襲。そんな政治がいつまでも続く筈がないし、許してはならない。その為には、今まだ何か出来るうちに出来るだけの事をやるしかない。「ガラパゴス日本」脱出はそれからでも遅くないでしょう。
しかし、全体的には予想通り自公圧勝、それに維新やみんな等の改憲派野党、民主党等のヌエ政党(いずれも与党補完勢力)を加えると、改憲派が全議席の8割以上を占めるまでになってしまいました。(詳しくは上記の表もしくは下記の参院選比例区得票数・率を参照)
自民 18,460,404 34.7%
公明 7,568,080 14.2% 自公与党計 26,028,484 48.9%
民主 7,134,215 13.4%
維新 6,355,299 11.9%
みんな 4,755,160 8.9% 与党+補完勢力計 37,852,158 83.1%
更に、必ずしも護憲派とは言えない生活や大地も含めたら、一体どれだけの勢力になるだろうか・・・もはや護憲派と言えるのは、共産・社民や緑系(みどりの風・緑の党)等の僅か得票率13.8%の勢力だけじゃないか!共産党躍進なぞと浮かれている場合か!!・・・と諦めたくもなろうと言うもの。でも、そこで諦めてしまったらもう最後です。とりあえずは、現状を分析して、それをどう変えていくか考えるしかないじゃないですか。
そう思って、上記の参院選比例区の党派別得票数・率をずっと見ていたら、「必ずしも、どうしようもない状況であるとは、言えないのではないか」と思うようになってきました。
確かに現状は憂慮すべき状況にありますが、今の段階ではまだ「万策尽きた」とまでは言えないのではないでしょうか。それを、まだ今の様な状況で「万策尽きた」なんて諦めてしまったら、それこそ「万策尽きる」まで一気に押し込められてしまいます。
そもそも、自公だとか改憲派だとか、状況を固定的に捉えてしまうから、「もはや万策尽きた」としか見れなくなるのではないでしょうか。
今、明確に右翼改憲派でゴリゴリの弱肉強食の新自由主義者と言えるのは、自民・維新・みんなの三党だけでしょう。その三党の中ですら、みんなが橋下の慰安婦発言を機に維新との協力関係を白紙に戻したように、少なからず軋轢があります。それ以外の公明・民主などに至っては、内部に護憲派も抱えているし、少なくとも96条改憲には反対の姿勢を打ち出しています。
ここで上記の表を基に、明白な改憲派(自民・維新・みんな)とそれ以外の「どっちつかず」の党に分けて比較してみます。
自民 18,460,404 34.7%
維新 6,355,299 11.9%
みんな 4,755,160 8.9% 明白な改憲派計 29,570,863 55.5%
民主 7,134,215 13.4%
公明 7,568,080 14.2% 「どっちつかず」計 14,702,295 27.6%
共産 5,154,055 9.7%
社民 1,255,235 2.4%
生活 943,836 1.8%
大地 523,146 1.0%
みどり 430,673 0.8%
緑の党 457,862 0.9% 脱原発・反TPP等で、「護憲・反改憲」志向の強い勢力 計 8,764,807 16.6%
この後二者の「どっちつかず」+「護憲・反改憲」志向を合わせれば、全部で23,467,102票、得票率44.2%にもなります。
確かに明白な改憲派と比べれば今は劣勢である事は否めませんが、それでも55対45の勢力比でしかないのに、これで「万策尽きた」なんて言っていたら、勝てる勝負にも負けてしまいます。
しかも、今回の参院選投票率が僅か52.61%しかなく、他に選挙を棄権した有権者が全体の47.39%も占めています。これらの層は、少なくとも自民や維新には投票しませんでした。但し、同時に共産や社民にも投票しなかった訳で、そういう意味では、これらの棄権者は、今の政治そのものに絶望してしまっている層であると言えます。
そうであるなら、改憲派の本丸・策源地はあくまで自民党であって、その他の民主・公明や維新はその補完勢力ないしは鉄砲玉でしかない訳ですから、敵はあくまで本丸であって、その本丸を包囲していく為には、個別撃破で味方の陣地を広げ、敵を孤立分断していくしか方法はありません。
今や記者クラブ制度や放送局の許認可等を通してマスコミを手なずける事に成功した与党は、御用マスコミを使って「憲法9条は時代遅れ」のキャンペーンを繰り広げていますが、改憲の争点は決してそれだけではないでしょう。
「週刊プレイボーイ」7月15日号の改憲特集にもあるように、今や与党は、「人間は生まれながらにして自由・平等で、幸福になる権利がある」とする天賦人権説や基本的人権の考え方そのものを否定しようとしています。幾ら言葉の上だけで「基本的人権を尊重する」と言っても、「権利主張は義務を果たしてから」という詐術で、失業者や障害者の人権を踏みにじっているのですから。誰も好き好んで失業者や障害者になった訳でもないのに、それを個人の自己責任だけの問題にすり替え、勤労や納税の義務を果たしていないと半人前扱いする。
それに反対すれば、今度は「公の秩序維持」の名目で、脱原発デモや沖縄の基地反対デモも含め、ことごとく弾圧される。もはや「表現の自由」も言葉だけで、戦前の日本や今の中国・北朝鮮のような国になってしまう。
そんな事になったら、この先どんなに原発事故が起こって放射能に汚染されても、闇から闇に葬られてしまいます。気が付いた時には、国土は放射能まみれになってしまっていて、生存すら脅かされる事態になってしまっていた。日本をそんな国にしたいなんて、殆どの人は望んでいない。
戦時中の慰安婦を肯定するような政治の下では、今の労働者もブラック企業で慰安婦のように使い捨てされてしまいます。徴兵制や軍法会議を是とするような政治の下では、たとえ徴兵制が実施されなくても、「使い捨て」労働が横行し、「兵隊に行きたくなければ原発やブラック企業で働け」というような世の中になってしまいます。選挙で棄権した人たちも、そんな政治なぞ誰も望んでいないでしょう。
政府の発行する女性手帳に対して、「母親が子供を産もうが産むまいが個人の自由だろう、そんな個人のプライバシーに干渉する暇があるなら、ちゃんと働きながら育児できるように保育所を増やして労働条件も改善しろ」と、まっとうな批判をする人たちが、何故、憲法改正に反対しないのか。憲法が改正(実際は改悪)されたら、女性手帳に反対するどころではなくなってしまうのに。「権利は義務を果たしてから」という一見耳障りの良い言葉の陰で、失業者や障害者等の弱者は人間扱いされなくなり、何でも個人や家族のせいにされ、生活保護の権利や労働基準法も形だけのものにされてしまう。
誰もそんな政治なぞ望んでいない。だったら、まだ「万策尽きない」うちに、出来るだけの事をしましょう。今は支持率6割、7割の安倍内閣も、この先どうなるか分かったものではありません。高支持率だけなら、かつての鳩山内閣や橋下知事もそれ位の支持率はありました。それが、蓋を開ければ今までの自民党とも全然変わらず、寧ろTPP参加や消費増税など自民党ですら遠慮していた事までやり出した。普天間移設やオスプレイ、原発推進もそのまま踏襲。そんな政治がいつまでも続く筈がないし、許してはならない。その為には、今まだ何か出来るうちに出来るだけの事をやるしかない。「ガラパゴス日本」脱出はそれからでも遅くないでしょう。
2013.4.21「週刊BS-TBS報道部」自民党石破幹事長憲法9条改正を語る
上記動画の文字起こしを「yuagfo1485の日記」ブログから以下転載。その中の重要ポイントを私が強調字体にした。
(転載開始)
石破「今の条項ですが、その軍事裁判所的なものを創設するという規定がございます。『自衛隊が軍でないなによりの証拠は軍法裁判所が無いことである』という説があって、それはですね、今の自衛隊員の方々が『私はそんな命令は聞きたくないのであります、私は今日かぎりで自衛隊をやめるのであります』、言われたらああそうですかという話になるわけですから。『私はそのような命令にはとてもではないが従えないのであります』といったらめいっぱいいって懲役7年なんです。で、この、これは気をつけてモノを言わなければいけないんだけど、人間ってやっぱり死にたくないし、ケガもしたくないし、『これは国家の独立を守るためだ、出動せよ』って言われた時、死ぬかもしれないし、行きたくないなと思う人は、いないという保証はどこにもない。だからその時に、それに従え、それに従わなければその国で起きる最高刑である、死刑がある国には死刑、無期懲役なら無期懲役、懲役300年なら300年、そんな目に会うくらいだったら出動命令に従おうっていう、『お前は人を信じないのか』って言われるけど、やっぱり人間性の本質ってのから目をそむけちゃいけないと思うんですよ。今の自衛官たちは服務の宣誓というのをして、『事に臨んでは危険を顧みず、身をもつて責務の完遂に務め、もつて国民の負託にこたえる』っていう誓いをして、自衛官になってるんですよ。でも、彼らのその誓いだけがよすがなんですよ。本当にそれでいいですかっていうのは問わねばならない。軍事法廷っていうのは何なのかっていうと、すべては軍の規律を維持するためのものです。」
杉尾秀哉キャスター(以下「杉尾」)「あのここにですね、この憲法改定の、国防軍に審判所を置くとなっています。審判所となっていますね、この審判所っていうのがそれにあたるという、これはただその公開の法廷じゃないんですね?」
石破「公開の法廷ではございません。」
杉尾「ないんです、そうするとそれは秘密裏に行われていくという・・・」
石破「それは最終的には、不服があれば上告することが可能だということは理論的にはあるんです。」
杉尾「ああ、上訴権は書いてあるんですが」
石破「書いてあるんです、そういうですね、なんでもそこで秘密でやってしまうということはいたしません。それは基本的に人権に抵触するものですから。そういうことはいたしません。しかしながら、その審判所の目的はただ一つ、軍の規律を維持する、ということなのであってそのことに広げることをしてはいけません。もう一つは確かに上訴は認めてますが、そのことを審判するのに何年何年何年もかかるならば、規律の維持は極めて難しいので、そこの調整は計らなければなりません。そして、当然われわれが検証しなければいけないのは、帝国憲法下の軍事法廷はどうであったのかということの検証はきちんとしなければならないということだと・・・」
(転載終了)
そして、それを批判した東京新聞の記事全文も、「日々担々」資料ブログから以下転載。重要ポイントの強調も同上。
(転載開始)
平和憲法に真っ向背反 石破幹事長の「軍法会議設置」発言(東京新聞「こちら特報部」7月16日)
自民党は同党の改憲草案で、憲法九条を変更して自衛隊を「国防軍」にすることを掲げた。それに伴い、国防軍に「審判所」という現行憲法では禁じられている軍法会議(軍事法廷)の設置を盛り込んでいる。防衛相の経験もある同党の石破茂幹事長は四月に出演したテレビ番組で、審判所設置に強い意気込みを見せた。「死刑」「懲役三百年」など不穏な単語も飛び出した石破氏の発言とは-。 (小倉貞俊)
「軍事法廷とは何か。すべて軍の規律を維持するためのものです」。四月二十一日放映の「週刊BS-TBS報道部」。憲法改正を問うというテーマで招かれた石破氏は持論を展開した。
国防軍になると、具体的に何が変わるのかと問われた石破氏はまず、「(改憲草案に)軍事裁判所的なものを創設する規定がある」と述べた。
改憲草案九条二の五項には「軍人その他の公務員が職務の実施に伴う罪か国防軍の機密に関する罪を犯した場合の裁判を行うため、国防軍に審判所を置く」とある。
続けて石破氏は、現在の自衛隊で隊員が上官の命令に従わない場合は、自衛隊法で最高でも懲役七年が上限であることを説明し、こう語った。
「『これは国家の独立を守るためだ。出動せよ』と言われたときに、いや行くと死ぬかもしれないし、行きたくないなと思う人がいないという保証はどこにもない。だから(国防軍になったときに)それに従えと。それに従わなければ、その国における最高刑に死刑がある国なら死刑。無期懲役なら無期懲役。懲役三百年なら三百年。そんな目に遭うぐらいなら、出動命令に従おうっていう。人を信じないのかと言われるけれど、やっぱり人間性の本質から目を背けちゃいけない」
こうした重罰を科すために審判所は必要で、石破氏は「公開の法廷ではない」と付け加えた。
自民党のホームページにある「日本国憲法改正草案Q&A」でも、国防軍審判所を「いわゆる軍法会議のこと」と説明、設置理由を「軍事機密を保護する必要があり、迅速な裁判の実施が望まれるため」と解説する。裁判官や検察、弁護側を軍人から選ぶことを想定。審判所が一審制か二審制なのかは「立法政策による」と記され、上訴ができるか否かは不透明だ。
この発言について、山口大の纐纈(こうけつ)厚教授(歴史学)は「戦前の軍隊のあり方自体を否定することから戦後日本は出発し、現行憲法がつくられた。石破発言は平和国家日本のありようを根底から覆して、戦前と同様の軍事組織の立ち上げを意図している。歴史の教訓をほごにするもの」と話す。
早稲田大の水島朝穂教授(憲法学)も「戦争体験世代の政治家にあった抑制は皆無。戦前の反省はどこへいったのか」と批判し、「審判所」という表現に注目する。
「現行憲法も自民改憲草案も、七六条二項で『特別裁判所』の設置を禁じている。軍法会議はこの特別裁判所にあたるため、通常の行政機関を装った『審判所』という名にしたのではないか」
軍法会議は現在も米英をはじめ、多くの国で制度が存在する。自国の軍人や軍属を裁くのが目的だが、戒厳下などでは民間人も対象になる。
旧日本軍では陸海軍にそれぞれ置かれ、一審の場合には五人の裁判官のうち軍人四人、法曹資格を持つ文官一人(後に全員が軍人)で構成されていた。平時では公開されて被告の上訴権もあり、弁護人も付いたが、戦地や戒厳下で開かれる特設の軍法会議では、それらが認められなかった。
「二・二六事件(一九三六年発生のクーデター未遂事件)では一審、非公開、弁護人なしの過酷な密室審理のもと、青年将校や民間人が密室審理のまま、銃殺刑になった」(纐纈教授)
「戦場の軍法会議」の共著がある大阪経済法科大の北博昭客員教授(日本近代史)は「軍法会議の目的は軍隊を団結させ、組織を維持することにある。だから軍から裁判に干渉が入り、不当判決が起きるケースは少なくなかった」と語る。
北教授が法曹資格を持つ当事者の裁判官から聞き取った不当判決の事例がある。フィリピンで一九四五年二月に開かれた軍法会議で、食料調達のため、部隊を抜け出した海軍の兵士が死刑になった。海軍刑法では交戦中の敵前逃亡罪は最高で死刑だが、このケースは戦闘中ではなかった。
「この兵は英語が上手だったので、もし敵に捕まった際に軍の内情が知られないよう、見せしめに処刑されたようだ。裁判官は軍上層部から圧力を受けていたとみられ、『(兵には)かわいそうなことをした』と言っていた」(北教授)
ちなみに自衛隊の内部問題への対処は、現状でも危うさがちらつく。
航空自衛隊小松基地に所属していた池田久夫一等空尉(50)は二〇〇九年五月、「基地の情報が入ったUSBメモリーを盗んだ」という窃盗の容疑で、二十日間にわたり警務隊から取り調べを受け、自白を強要された。
池田氏にはアリバイがあった。だが、それは黙殺され、警務隊は自白以外に証拠もないまま、金沢地検に書類送検。一〇年十月に不起訴の決定が出たものの、いまだ名誉回復はされていない。
池田氏の支援団体は「当時の上司に意見したことで煙たがられており、ぬれぎぬを着せられたのでは」と推測する。
自衛隊員の裁判に取り組んできた佐藤博文弁護士は「警務隊員も身分は自衛官で、上司の指示に従う立場。公平性、客観性が担保されていない」と言う。佐藤氏が担当した女性自衛官の事件では、強姦(ごうかん)未遂に匹敵する被害だったのに、それより軽微な強制わいせつで処理された。捜査に当たった警務隊員は女性に「上司の命令には逆らえない」と弁明したという。
佐藤弁護士は「国防軍審判所ができれば、組織防衛のために原告の訴え自体が認められなかったり、人身御供にされたりする危険も生まれる」と案じる。「自衛隊員やその家族こそ九条によって人権を守られている」
纐纈教授は「国防軍審判所ができたら、すでにある有事法制に加え、戦前の『国防保安法』『軍機保護法』のような法律が整備される可能性が出てくる」と指摘する。
水島教授もこう訴えた。「法に基づいて判断する普通裁判所と違い、絶対的な上意下達のシステムの下、機密保持や軍の閉鎖的な論理が優先されかねない。戦前の恐怖支配の足音が聞こえる」
<デスクメモ> 遠い昔、銃を手にした警官らが街をうろつく光景にファシズムを重ねた。でも、想像力を欠いていたと確信する。お笑い番組と監視カメラ、好戦的な政治家の暴言と無関心にあふれた日常。もうすでに一線を越えていないか。そういえば、故田中清玄氏は軍国主義はささいな弾みで戻ると警告していた。(牧)
(転載終了)
上記の記事でも石破発言の危うさがよく分かるが、それに付け加えて一言。
自民党幹事長の石破茂や民主党参院候補(京都)の北神圭朗が「お国の為に死ね、嫌なら軍法会議で死刑だ」と発言。しかし、その肝心の国は構造改革や原発でとっくに滅亡寸前。尖閣守って福島守らず。おまけにTPPで止めまで刺されて。「黙って米国の盾になれ、それが嫌なら原発で働くかワタミで殉職しろ」と言うのが、石破や北神の本音。それを北朝鮮や中国の脅威で誤魔化しているだけ。
「今時、徴兵制なんてあり得ない」という人は、一度米国にでも行ってみたら良い。あそこも確かに徴兵制ではないが、軍隊ぐらいしかまともな就職口がないので、嫌でも入隊を志願せざるを得ない。「徴兵制では経済的に引き合わない」との言い訳も、「逆らう者は非国民」と扇動しながら「引き合いさえすれば実施」と言う事に他ならず。
戦争で犠牲になるのは常に貧困層だ。日本を戦死者・失業者だらけの国にしたくなければ、絶対に今度の選挙で自民党やその亜流政党を勝たせてはいけない。
上記動画の文字起こしを「yuagfo1485の日記」ブログから以下転載。その中の重要ポイントを私が強調字体にした。
(転載開始)
石破「今の条項ですが、その軍事裁判所的なものを創設するという規定がございます。『自衛隊が軍でないなによりの証拠は軍法裁判所が無いことである』という説があって、それはですね、今の自衛隊員の方々が『私はそんな命令は聞きたくないのであります、私は今日かぎりで自衛隊をやめるのであります』、言われたらああそうですかという話になるわけですから。『私はそのような命令にはとてもではないが従えないのであります』といったらめいっぱいいって懲役7年なんです。で、この、これは気をつけてモノを言わなければいけないんだけど、人間ってやっぱり死にたくないし、ケガもしたくないし、『これは国家の独立を守るためだ、出動せよ』って言われた時、死ぬかもしれないし、行きたくないなと思う人は、いないという保証はどこにもない。だからその時に、それに従え、それに従わなければその国で起きる最高刑である、死刑がある国には死刑、無期懲役なら無期懲役、懲役300年なら300年、そんな目に会うくらいだったら出動命令に従おうっていう、『お前は人を信じないのか』って言われるけど、やっぱり人間性の本質ってのから目をそむけちゃいけないと思うんですよ。今の自衛官たちは服務の宣誓というのをして、『事に臨んでは危険を顧みず、身をもつて責務の完遂に務め、もつて国民の負託にこたえる』っていう誓いをして、自衛官になってるんですよ。でも、彼らのその誓いだけがよすがなんですよ。本当にそれでいいですかっていうのは問わねばならない。軍事法廷っていうのは何なのかっていうと、すべては軍の規律を維持するためのものです。」
杉尾秀哉キャスター(以下「杉尾」)「あのここにですね、この憲法改定の、国防軍に審判所を置くとなっています。審判所となっていますね、この審判所っていうのがそれにあたるという、これはただその公開の法廷じゃないんですね?」
石破「公開の法廷ではございません。」
杉尾「ないんです、そうするとそれは秘密裏に行われていくという・・・」
石破「それは最終的には、不服があれば上告することが可能だということは理論的にはあるんです。」
杉尾「ああ、上訴権は書いてあるんですが」
石破「書いてあるんです、そういうですね、なんでもそこで秘密でやってしまうということはいたしません。それは基本的に人権に抵触するものですから。そういうことはいたしません。しかしながら、その審判所の目的はただ一つ、軍の規律を維持する、ということなのであってそのことに広げることをしてはいけません。もう一つは確かに上訴は認めてますが、そのことを審判するのに何年何年何年もかかるならば、規律の維持は極めて難しいので、そこの調整は計らなければなりません。そして、当然われわれが検証しなければいけないのは、帝国憲法下の軍事法廷はどうであったのかということの検証はきちんとしなければならないということだと・・・」
(転載終了)
そして、それを批判した東京新聞の記事全文も、「日々担々」資料ブログから以下転載。重要ポイントの強調も同上。
(転載開始)
平和憲法に真っ向背反 石破幹事長の「軍法会議設置」発言(東京新聞「こちら特報部」7月16日)
自民党は同党の改憲草案で、憲法九条を変更して自衛隊を「国防軍」にすることを掲げた。それに伴い、国防軍に「審判所」という現行憲法では禁じられている軍法会議(軍事法廷)の設置を盛り込んでいる。防衛相の経験もある同党の石破茂幹事長は四月に出演したテレビ番組で、審判所設置に強い意気込みを見せた。「死刑」「懲役三百年」など不穏な単語も飛び出した石破氏の発言とは-。 (小倉貞俊)
「軍事法廷とは何か。すべて軍の規律を維持するためのものです」。四月二十一日放映の「週刊BS-TBS報道部」。憲法改正を問うというテーマで招かれた石破氏は持論を展開した。
国防軍になると、具体的に何が変わるのかと問われた石破氏はまず、「(改憲草案に)軍事裁判所的なものを創設する規定がある」と述べた。
改憲草案九条二の五項には「軍人その他の公務員が職務の実施に伴う罪か国防軍の機密に関する罪を犯した場合の裁判を行うため、国防軍に審判所を置く」とある。
続けて石破氏は、現在の自衛隊で隊員が上官の命令に従わない場合は、自衛隊法で最高でも懲役七年が上限であることを説明し、こう語った。
「『これは国家の独立を守るためだ。出動せよ』と言われたときに、いや行くと死ぬかもしれないし、行きたくないなと思う人がいないという保証はどこにもない。だから(国防軍になったときに)それに従えと。それに従わなければ、その国における最高刑に死刑がある国なら死刑。無期懲役なら無期懲役。懲役三百年なら三百年。そんな目に遭うぐらいなら、出動命令に従おうっていう。人を信じないのかと言われるけれど、やっぱり人間性の本質から目を背けちゃいけない」
こうした重罰を科すために審判所は必要で、石破氏は「公開の法廷ではない」と付け加えた。
自民党のホームページにある「日本国憲法改正草案Q&A」でも、国防軍審判所を「いわゆる軍法会議のこと」と説明、設置理由を「軍事機密を保護する必要があり、迅速な裁判の実施が望まれるため」と解説する。裁判官や検察、弁護側を軍人から選ぶことを想定。審判所が一審制か二審制なのかは「立法政策による」と記され、上訴ができるか否かは不透明だ。
この発言について、山口大の纐纈(こうけつ)厚教授(歴史学)は「戦前の軍隊のあり方自体を否定することから戦後日本は出発し、現行憲法がつくられた。石破発言は平和国家日本のありようを根底から覆して、戦前と同様の軍事組織の立ち上げを意図している。歴史の教訓をほごにするもの」と話す。
早稲田大の水島朝穂教授(憲法学)も「戦争体験世代の政治家にあった抑制は皆無。戦前の反省はどこへいったのか」と批判し、「審判所」という表現に注目する。
「現行憲法も自民改憲草案も、七六条二項で『特別裁判所』の設置を禁じている。軍法会議はこの特別裁判所にあたるため、通常の行政機関を装った『審判所』という名にしたのではないか」
軍法会議は現在も米英をはじめ、多くの国で制度が存在する。自国の軍人や軍属を裁くのが目的だが、戒厳下などでは民間人も対象になる。
旧日本軍では陸海軍にそれぞれ置かれ、一審の場合には五人の裁判官のうち軍人四人、法曹資格を持つ文官一人(後に全員が軍人)で構成されていた。平時では公開されて被告の上訴権もあり、弁護人も付いたが、戦地や戒厳下で開かれる特設の軍法会議では、それらが認められなかった。
「二・二六事件(一九三六年発生のクーデター未遂事件)では一審、非公開、弁護人なしの過酷な密室審理のもと、青年将校や民間人が密室審理のまま、銃殺刑になった」(纐纈教授)
「戦場の軍法会議」の共著がある大阪経済法科大の北博昭客員教授(日本近代史)は「軍法会議の目的は軍隊を団結させ、組織を維持することにある。だから軍から裁判に干渉が入り、不当判決が起きるケースは少なくなかった」と語る。
北教授が法曹資格を持つ当事者の裁判官から聞き取った不当判決の事例がある。フィリピンで一九四五年二月に開かれた軍法会議で、食料調達のため、部隊を抜け出した海軍の兵士が死刑になった。海軍刑法では交戦中の敵前逃亡罪は最高で死刑だが、このケースは戦闘中ではなかった。
「この兵は英語が上手だったので、もし敵に捕まった際に軍の内情が知られないよう、見せしめに処刑されたようだ。裁判官は軍上層部から圧力を受けていたとみられ、『(兵には)かわいそうなことをした』と言っていた」(北教授)
ちなみに自衛隊の内部問題への対処は、現状でも危うさがちらつく。
航空自衛隊小松基地に所属していた池田久夫一等空尉(50)は二〇〇九年五月、「基地の情報が入ったUSBメモリーを盗んだ」という窃盗の容疑で、二十日間にわたり警務隊から取り調べを受け、自白を強要された。
池田氏にはアリバイがあった。だが、それは黙殺され、警務隊は自白以外に証拠もないまま、金沢地検に書類送検。一〇年十月に不起訴の決定が出たものの、いまだ名誉回復はされていない。
池田氏の支援団体は「当時の上司に意見したことで煙たがられており、ぬれぎぬを着せられたのでは」と推測する。
自衛隊員の裁判に取り組んできた佐藤博文弁護士は「警務隊員も身分は自衛官で、上司の指示に従う立場。公平性、客観性が担保されていない」と言う。佐藤氏が担当した女性自衛官の事件では、強姦(ごうかん)未遂に匹敵する被害だったのに、それより軽微な強制わいせつで処理された。捜査に当たった警務隊員は女性に「上司の命令には逆らえない」と弁明したという。
佐藤弁護士は「国防軍審判所ができれば、組織防衛のために原告の訴え自体が認められなかったり、人身御供にされたりする危険も生まれる」と案じる。「自衛隊員やその家族こそ九条によって人権を守られている」
纐纈教授は「国防軍審判所ができたら、すでにある有事法制に加え、戦前の『国防保安法』『軍機保護法』のような法律が整備される可能性が出てくる」と指摘する。
水島教授もこう訴えた。「法に基づいて判断する普通裁判所と違い、絶対的な上意下達のシステムの下、機密保持や軍の閉鎖的な論理が優先されかねない。戦前の恐怖支配の足音が聞こえる」
<デスクメモ> 遠い昔、銃を手にした警官らが街をうろつく光景にファシズムを重ねた。でも、想像力を欠いていたと確信する。お笑い番組と監視カメラ、好戦的な政治家の暴言と無関心にあふれた日常。もうすでに一線を越えていないか。そういえば、故田中清玄氏は軍国主義はささいな弾みで戻ると警告していた。(牧)
(転載終了)
上記の記事でも石破発言の危うさがよく分かるが、それに付け加えて一言。
自民党幹事長の石破茂や民主党参院候補(京都)の北神圭朗が「お国の為に死ね、嫌なら軍法会議で死刑だ」と発言。しかし、その肝心の国は構造改革や原発でとっくに滅亡寸前。尖閣守って福島守らず。おまけにTPPで止めまで刺されて。「黙って米国の盾になれ、それが嫌なら原発で働くかワタミで殉職しろ」と言うのが、石破や北神の本音。それを北朝鮮や中国の脅威で誤魔化しているだけ。
「今時、徴兵制なんてあり得ない」という人は、一度米国にでも行ってみたら良い。あそこも確かに徴兵制ではないが、軍隊ぐらいしかまともな就職口がないので、嫌でも入隊を志願せざるを得ない。「徴兵制では経済的に引き合わない」との言い訳も、「逆らう者は非国民」と扇動しながら「引き合いさえすれば実施」と言う事に他ならず。
戦争で犠牲になるのは常に貧困層だ。日本を戦死者・失業者だらけの国にしたくなければ、絶対に今度の選挙で自民党やその亜流政党を勝たせてはいけない。
2013参院選・首相演説で市民のプラカード没収&尋問
(転載開始:重要点は私がデカ字で強調)
2013/07/09 「原発賛成?反対?」プラカードを持った市民は「犯罪者」なのか 〜表現の自由侵害行為についての記者会見(IWJ Independent Web Journal)
キーワードは「犯罪」だ——。警察官が、一般市民の住所、氏名、電話番号などの個人情報を聞き出すには、警察官職務執行法の第2条に基づかなければならない。
警職法第2条は、「警察官は、異常な挙動、その他、周囲の事情から合理的に判断して、何らかの犯罪を犯し、もしくは犯そうとしていると疑うに足りる相当な理由のある者、またはすでに行われた犯罪について、もしくは犯罪が行われようとしていることについて知っていると認められる者を、停止させて質問することができる」と規定している。
参院選公示日である7月4日、福島駅前で行われた安倍総理の第一声となる演説会に、「総理、質問です。原発廃炉に賛成?反対?」と書いた自作のプラカードを持って参加した、40歳女性のプラカードが、自民党・亀岡偉民衆議院議員秘書・尾形と名乗る男性と、3名の警察官と思われる男性によって没収された。
さらに、警察官らは、女性を取り囲み、「住所、氏名、電話番号」をしつこく聞き出した。恐怖感を覚えた女性は泣き出し、プラカードを没収されたまま、その場を後にした。
市民の表現の自由を侵害し、さらには違法とも取れる警察の行為に対し、抗議の意志を示す弁護士・有志らは9日、弁護士会館で記者会見を開いた。
代表の梓澤和幸弁護士は、「警察官が人の氏名などを聞くには法的要件がいる。キーワードは『犯罪』だ」と前置きし、「警職法第2条に基づき、犯罪を犯そうとしている者、もしくはすでに発生した犯罪について何か知っていると思われる者でなければならない。40歳の女性が一人で演説会に参加して、何が犯罪か。何の関連性もない」と、警察官がプラカードを持った市民を犯罪者扱いしたと指摘した。
また、「参院選の第一日といえば、もっとも国民の政治的関心が高まる日。まだ表現もしないうちに、警察官が公権力を行使して、表現をさせなかった―。これを許してはいけない。選挙期間中にこういうことがあってはならない」と鋭く指摘し、最後に「女性が泣き出すまで追い詰めるとは、武士道に反する」と憤った。
プラカードを没収された女性本人に聞き取り調査をおこなった倉地智広弁護士によれば、女性は現在、「プラカードを用意したのは、純粋に安倍総理の気持ちを聞きたかったから。とにかく怖かった。私は大変な罪を犯し、逮捕されてしまうのかと思った。住所を聞かれ、集団で押しかけられることになるかと思った。早く恐怖から開放されたい」などと、心境を語っているという。
弁護士らは5日付けで安倍総理、自民党福島県連、警察庁、福島県警察本部本部長宛に、これらの行為を糾す質問書を送付しているが、回答はない。今後の法的措置については、当事者である女性と調整中だという。
(転載終了)
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/89619
自民党は今度の選挙でも、他では原発推進と言いながら、当の福島では脱原発とか廃炉を主張している。しかし、マスコミはアベノミクスの宣伝や「衆・参のねじれ解消」しか言わず、前者の矛盾を追及しようともしない。福島の有権者にしてみれば、「一体どっちなんだ?」と、来県した首相に直接聞いてみたくもなるのは当然でしょう。
それは原発問題だけではありません。沖縄の基地問題にしても、他では普天間基地の辺野古(県内)移設と言いながら、当の沖縄では県外移設と言っている。沖縄の有権者にしてみれば「一体どっちなんだ?」と聞きたい気分でしょう。
他の、TPPやアベノミクス、憲法改正の問題も然り。TPPも大都市圏では推進、地方では反対。雇用も財界向けには「限定正社員」化で自由に解雇と言いながら、労働者向けには賃上げ・景気回復。憲法改正も「国民の自由や人権も公の秩序に反しない限り」「9条改正、国防軍や軍法会議を設置し違反者は最高死刑に」と言いながら、国民には「自由や人権を制限するものではない」と。
マスコミもその矛盾を全然追及せず、少しでも追及しようものなら、今度は自民党の方から「偏向している」とか何とか言って潰しにかかる。これの一体どこが民主選挙なのか?
(転載開始:重要点は私がデカ字で強調)
2013/07/09 「原発賛成?反対?」プラカードを持った市民は「犯罪者」なのか 〜表現の自由侵害行為についての記者会見(IWJ Independent Web Journal)
キーワードは「犯罪」だ——。警察官が、一般市民の住所、氏名、電話番号などの個人情報を聞き出すには、警察官職務執行法の第2条に基づかなければならない。
警職法第2条は、「警察官は、異常な挙動、その他、周囲の事情から合理的に判断して、何らかの犯罪を犯し、もしくは犯そうとしていると疑うに足りる相当な理由のある者、またはすでに行われた犯罪について、もしくは犯罪が行われようとしていることについて知っていると認められる者を、停止させて質問することができる」と規定している。
参院選公示日である7月4日、福島駅前で行われた安倍総理の第一声となる演説会に、「総理、質問です。原発廃炉に賛成?反対?」と書いた自作のプラカードを持って参加した、40歳女性のプラカードが、自民党・亀岡偉民衆議院議員秘書・尾形と名乗る男性と、3名の警察官と思われる男性によって没収された。
さらに、警察官らは、女性を取り囲み、「住所、氏名、電話番号」をしつこく聞き出した。恐怖感を覚えた女性は泣き出し、プラカードを没収されたまま、その場を後にした。
市民の表現の自由を侵害し、さらには違法とも取れる警察の行為に対し、抗議の意志を示す弁護士・有志らは9日、弁護士会館で記者会見を開いた。
代表の梓澤和幸弁護士は、「警察官が人の氏名などを聞くには法的要件がいる。キーワードは『犯罪』だ」と前置きし、「警職法第2条に基づき、犯罪を犯そうとしている者、もしくはすでに発生した犯罪について何か知っていると思われる者でなければならない。40歳の女性が一人で演説会に参加して、何が犯罪か。何の関連性もない」と、警察官がプラカードを持った市民を犯罪者扱いしたと指摘した。
また、「参院選の第一日といえば、もっとも国民の政治的関心が高まる日。まだ表現もしないうちに、警察官が公権力を行使して、表現をさせなかった―。これを許してはいけない。選挙期間中にこういうことがあってはならない」と鋭く指摘し、最後に「女性が泣き出すまで追い詰めるとは、武士道に反する」と憤った。
プラカードを没収された女性本人に聞き取り調査をおこなった倉地智広弁護士によれば、女性は現在、「プラカードを用意したのは、純粋に安倍総理の気持ちを聞きたかったから。とにかく怖かった。私は大変な罪を犯し、逮捕されてしまうのかと思った。住所を聞かれ、集団で押しかけられることになるかと思った。早く恐怖から開放されたい」などと、心境を語っているという。
弁護士らは5日付けで安倍総理、自民党福島県連、警察庁、福島県警察本部本部長宛に、これらの行為を糾す質問書を送付しているが、回答はない。今後の法的措置については、当事者である女性と調整中だという。
(転載終了)
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/89619
自民党は今度の選挙でも、他では原発推進と言いながら、当の福島では脱原発とか廃炉を主張している。しかし、マスコミはアベノミクスの宣伝や「衆・参のねじれ解消」しか言わず、前者の矛盾を追及しようともしない。福島の有権者にしてみれば、「一体どっちなんだ?」と、来県した首相に直接聞いてみたくもなるのは当然でしょう。
それは原発問題だけではありません。沖縄の基地問題にしても、他では普天間基地の辺野古(県内)移設と言いながら、当の沖縄では県外移設と言っている。沖縄の有権者にしてみれば「一体どっちなんだ?」と聞きたい気分でしょう。
他の、TPPやアベノミクス、憲法改正の問題も然り。TPPも大都市圏では推進、地方では反対。雇用も財界向けには「限定正社員」化で自由に解雇と言いながら、労働者向けには賃上げ・景気回復。憲法改正も「国民の自由や人権も公の秩序に反しない限り」「9条改正、国防軍や軍法会議を設置し違反者は最高死刑に」と言いながら、国民には「自由や人権を制限するものではない」と。
マスコミもその矛盾を全然追及せず、少しでも追及しようものなら、今度は自民党の方から「偏向している」とか何とか言って潰しにかかる。これの一体どこが民主選挙なのか?
映画『奇跡のリンゴ』予告編
今回の記事は何と私メのお見合いの報告ですw。それが表題の「呪いw」や冒頭の動画とどう関係があるのかも、読んで貰えれば分かります。
お見合いなんてするのはもう何十年ぶりでしょうか。少なくとも10年以上は経っているでしょう。
今回のお見合いの相手は、同じ大阪府下在住で、歳は私より2つ下、身長は私より少し高い独身の女性です。現在、介護士資格を取る為の講習に通っています。その講習のクラスメイトに親父の会社で経理事務のパートをしておられる方がいて、その人の紹介でお見合いする事になりました。具体的な年齢については余り詮索しないで下さいw。
私、はっきり言って、お見合いとか余り好きではないです。色々気を使うのは苦手ですし、この暑い夏のさなかに、普段着慣れない余所行きの格好で出掛けなければならないのも億劫だし、幾ら親の紹介でも付き合うのはあくまで当人同士なのに、本籍まで釣書(お見合いのプロフィール)に書かなければならない封建的で形式ばった所が大嫌いだし、もう何十年と独身で来てそれに慣れてしまったし、今更、結婚して子供産んで家買ってローン組んで頑張って残業代稼いで・・・なんて、はっきり言ってしんどいだけだし。
だから、それでも一応はお見合いなので、こちらは釣書や写真も用意したのに、相手の方は何も用意せず、名前も当日になって初めて聞くような状況でも、却ってそこに、家族制度に縛られた旧来のお見合いにはない新鮮さを感じました。服装も普段着で良いという事で、それでも幾ら何でもGパンにTシャツは拙いので、まあ、それなりの格好で出掛けましたが。
それで、昨日7月14日の日曜日に、高島屋7階のレストランでお見合いをしました。参加したのは私、親父、相手の女性、クラスメイトのパートさんの4人です。
お互いの自己紹介の後、それぞれの近況について披露し合いました。彼女は、今まで3年間米国に滞在してヒーリングの仕事をされていたとの事。米国には余り良い印象は持っていない様子でした。曰く「人間関係が希薄で相手への配慮に欠ける、飲食店のメニューも少なく接客サービスもイマイチ、マクドのハンバーガーもパンや肉はパサパサで、それをまた旨そうに3つも4つも平らげる客がいるのが信じられない」、云々。
私は、「そりゃあ、”人種のるつぼ”と言われるように、元々は故国で食い詰めた移民が寄せ集まって出来た国で、同郷の士以外は信じないし、料理がまずいのも、BBQやサンドイッチやアメリカンコーヒーを見ても分かる通り、移民のジャンクフードが元になった物ばかりだから」と相槌を打ち、堤未果の「貧困大国アメリカ」(岩波新書)やマイケル・ムーア監督の映画「シッコ」の内容も紹介し、「日本で憲法が改正されて徴兵制になったら、こんな政治家の弾除けにされるのは嫌だから海外に逃げようかと思っているが、流石に米国は避ける」と応じて笑いを誘いました。
その後も、「確かに米国には良い面もある、例えば市民運動が活発で、みんなハキハキ物を言って日本人みたいにウジウジしていない」(その通り!)、「英語が殆ど喋れなくても目的地への移動位なら身振り手振りでも伝わるし、現地には安い授業料(当初は年間2ドル、やがて60ドルになったそうだがそれでも安い!)で学べる外国人向けの語学教室もある」(フムフムなるほど!)、「でもやっぱり、米国のそういうドライな所に幻滅し、3年で日本に戻ってきた、やっぱり日本が一番」(そんな物かなあ…)、「飲食業の接客サービスも日本が最高!」(過労死に残業代未払いから食中毒の横行まで、飲食業界ってブラック企業だらけなのに…)、「なのに原発の放射能が怖いからと言って、福島から逃げ出す人には反発を感じる」(そんな事を言ってるから太平洋戦争でも大勢の兵士が特攻隊で無理心中させられたのだろうに…)と、まあそこまでは、意見の違いは色々あれど、会話そのものは結構盛り上がりました。(ちなみに括弧内の言葉が心の中での私の呟きです)
でも、その後のテレビや映画の話や、家の近所に映画館があって帰りに好きな時に観に行けるとか、テレビ番組のどのドラマのどの俳優が素敵だとか、遊園地が好きでUFJには毎月必ず遊びに行くとか、スポーツジムにも通っているとかいう話になるに従って、やっぱり彼女と私とでは格が違うなと。
はっきり言って、私の方は毎日帰宅が早くても夜8時かそこらで、そこから夕飯と入浴を済ませばもう夜9時になる訳でしょう。うちのバイトでも気の早い奴は床につく、そんな時間から数時間、こちらはブログ更新やインターネットをやっているので、テレビドラマなんて観る暇がない。休日も、週休2日だが土日休みの連休ではない交替制の休みなので、自分の用事や何やかやで、下手すればそれだけで半日、1日潰れてしまう日も少なくない、映画もたまには観るけど、そんな毎月観に行く程の気力もない。仕事だけでも大概しんどいのに、その上スポーツジムにまで通う気力はない…。
それに、観る映画や読む本も、微妙にジャンルが違うしね。相手は何だかんだ言ってもやはり女の子、観る映画も上記の「奇跡のリンゴ」とか、そういうメロドラマチックな物が多い。方や私の方は、「シッコ」とか「スーパーサイズ・ミー」「華氏911」、土屋トカチ監督の「フツーの仕事がしたい」の様な、「どちらかというと地味でコアな、政治的にも左に偏ったw」物ばかり。選挙ともなればビラ撒きもしなければならない。趣味も今は競馬ぐらいなもので。それでなくても仕事がエライのに、毎月遊園地や映画ばかり行っていたらお金も身体も持たない。
そこで、やっぱり話には付いていけないなあ、彼女のざっくばらんで世間体に拘らない所等は非常に魅力なので、二人で付き合いだしたらまた違うかも知れないが、お見合い初日にいきなりブログや競馬の話なんて出来ないしなあ、と思いながら、その日は別れました。次のデートの約束もなしで。だから完全に振られた訳ではありませんが、余り期待はしていません。
私も「我が道を行く」タイプである事にかけては、彼女にも決して引けを取らないつもりです。寧ろ似た者同士なのかも知れません。しかし、それでもやっぱり彼女の方が知識も経験もキップも数枚上手で、私としてはどうしても気後れしてしまうのです。
それに、これは別に彼女のせいではないのですが、今回のお見合いでも、まるで自分が人間的に劣っている、家庭の団欒とは無縁なアダルトチルドレンで半ニートのワーキングプアであるかのように、世間から後ろ指差されているような気がして。そりゃあ今の私は確かに余り褒められたものではないかも知れないが、それでも決して現状には満足せず、自分から労働組合に入って、選挙では知人に頼まれてビラ撒きも手伝う等して、寧ろ社会にも積極的にコミットしているのに、それも含めて今の自分を全否定された様な気がして。私の思い過ごしかも知れませんが。
最後にタイトルの由来ですが、シモーヌ・ヴェイユというのは第二次大戦前のフランスの女性哲学者です(1909~1943年)。インテリの家庭に生まれたにも関わらず、当時の労働者の悲惨な境遇にいたく同情して、反失業のデモに参加したり、労働者に決起を促す為に自ら望んで工場労働者、そう今の私の様な仕事に就いたものの、そこの労働者がすっかり奴隷根性に染まり、酒や女やギャンブルに明け暮れ現状に満足してしまっている様子に幻滅し、精神を患う中で反ナチ闘争に参加するも、最後には身体を壊して悲劇的な死に至る、そういう数奇な運命をたどった女性です。せっかく親の紹介で久しぶりにお見合いをしたものの、却って「貧富の差」というか「格の違い」を見せつけられ、私も「シモーヌ・ヴェイユの呪いw」(奴隷の安住)に取り込まれてしまったのかなと。以上、私のお粗末なお見合いの報告でした。今の私にはやっぱり阿部サダヲ(「奇跡のリンゴ」主演男優)よりもSHINGO★西成の方が性に合っているw。
SHINGO★西成 頑張ってれば... 釜ヶ崎越冬闘争LIVE 2011
今回の記事は何と私メのお見合いの報告ですw。それが表題の「呪いw」や冒頭の動画とどう関係があるのかも、読んで貰えれば分かります。
お見合いなんてするのはもう何十年ぶりでしょうか。少なくとも10年以上は経っているでしょう。
今回のお見合いの相手は、同じ大阪府下在住で、歳は私より2つ下、身長は私より少し高い独身の女性です。現在、介護士資格を取る為の講習に通っています。その講習のクラスメイトに親父の会社で経理事務のパートをしておられる方がいて、その人の紹介でお見合いする事になりました。具体的な年齢については余り詮索しないで下さいw。
私、はっきり言って、お見合いとか余り好きではないです。色々気を使うのは苦手ですし、この暑い夏のさなかに、普段着慣れない余所行きの格好で出掛けなければならないのも億劫だし、幾ら親の紹介でも付き合うのはあくまで当人同士なのに、本籍まで釣書(お見合いのプロフィール)に書かなければならない封建的で形式ばった所が大嫌いだし、もう何十年と独身で来てそれに慣れてしまったし、今更、結婚して子供産んで家買ってローン組んで頑張って残業代稼いで・・・なんて、はっきり言ってしんどいだけだし。
だから、それでも一応はお見合いなので、こちらは釣書や写真も用意したのに、相手の方は何も用意せず、名前も当日になって初めて聞くような状況でも、却ってそこに、家族制度に縛られた旧来のお見合いにはない新鮮さを感じました。服装も普段着で良いという事で、それでも幾ら何でもGパンにTシャツは拙いので、まあ、それなりの格好で出掛けましたが。
それで、昨日7月14日の日曜日に、高島屋7階のレストランでお見合いをしました。参加したのは私、親父、相手の女性、クラスメイトのパートさんの4人です。
お互いの自己紹介の後、それぞれの近況について披露し合いました。彼女は、今まで3年間米国に滞在してヒーリングの仕事をされていたとの事。米国には余り良い印象は持っていない様子でした。曰く「人間関係が希薄で相手への配慮に欠ける、飲食店のメニューも少なく接客サービスもイマイチ、マクドのハンバーガーもパンや肉はパサパサで、それをまた旨そうに3つも4つも平らげる客がいるのが信じられない」、云々。
私は、「そりゃあ、”人種のるつぼ”と言われるように、元々は故国で食い詰めた移民が寄せ集まって出来た国で、同郷の士以外は信じないし、料理がまずいのも、BBQやサンドイッチやアメリカンコーヒーを見ても分かる通り、移民のジャンクフードが元になった物ばかりだから」と相槌を打ち、堤未果の「貧困大国アメリカ」(岩波新書)やマイケル・ムーア監督の映画「シッコ」の内容も紹介し、「日本で憲法が改正されて徴兵制になったら、こんな政治家の弾除けにされるのは嫌だから海外に逃げようかと思っているが、流石に米国は避ける」と応じて笑いを誘いました。
その後も、「確かに米国には良い面もある、例えば市民運動が活発で、みんなハキハキ物を言って日本人みたいにウジウジしていない」(その通り!)、「英語が殆ど喋れなくても目的地への移動位なら身振り手振りでも伝わるし、現地には安い授業料(当初は年間2ドル、やがて60ドルになったそうだがそれでも安い!)で学べる外国人向けの語学教室もある」(フムフムなるほど!)、「でもやっぱり、米国のそういうドライな所に幻滅し、3年で日本に戻ってきた、やっぱり日本が一番」(そんな物かなあ…)、「飲食業の接客サービスも日本が最高!」(過労死に残業代未払いから食中毒の横行まで、飲食業界ってブラック企業だらけなのに…)、「なのに原発の放射能が怖いからと言って、福島から逃げ出す人には反発を感じる」(そんな事を言ってるから太平洋戦争でも大勢の兵士が特攻隊で無理心中させられたのだろうに…)と、まあそこまでは、意見の違いは色々あれど、会話そのものは結構盛り上がりました。(ちなみに括弧内の言葉が心の中での私の呟きです)
でも、その後のテレビや映画の話や、家の近所に映画館があって帰りに好きな時に観に行けるとか、テレビ番組のどのドラマのどの俳優が素敵だとか、遊園地が好きでUFJには毎月必ず遊びに行くとか、スポーツジムにも通っているとかいう話になるに従って、やっぱり彼女と私とでは格が違うなと。
はっきり言って、私の方は毎日帰宅が早くても夜8時かそこらで、そこから夕飯と入浴を済ませばもう夜9時になる訳でしょう。うちのバイトでも気の早い奴は床につく、そんな時間から数時間、こちらはブログ更新やインターネットをやっているので、テレビドラマなんて観る暇がない。休日も、週休2日だが土日休みの連休ではない交替制の休みなので、自分の用事や何やかやで、下手すればそれだけで半日、1日潰れてしまう日も少なくない、映画もたまには観るけど、そんな毎月観に行く程の気力もない。仕事だけでも大概しんどいのに、その上スポーツジムにまで通う気力はない…。
それに、観る映画や読む本も、微妙にジャンルが違うしね。相手は何だかんだ言ってもやはり女の子、観る映画も上記の「奇跡のリンゴ」とか、そういうメロドラマチックな物が多い。方や私の方は、「シッコ」とか「スーパーサイズ・ミー」「華氏911」、土屋トカチ監督の「フツーの仕事がしたい」の様な、「どちらかというと地味でコアな、政治的にも左に偏ったw」物ばかり。選挙ともなればビラ撒きもしなければならない。趣味も今は競馬ぐらいなもので。それでなくても仕事がエライのに、毎月遊園地や映画ばかり行っていたらお金も身体も持たない。
そこで、やっぱり話には付いていけないなあ、彼女のざっくばらんで世間体に拘らない所等は非常に魅力なので、二人で付き合いだしたらまた違うかも知れないが、お見合い初日にいきなりブログや競馬の話なんて出来ないしなあ、と思いながら、その日は別れました。次のデートの約束もなしで。だから完全に振られた訳ではありませんが、余り期待はしていません。
私も「我が道を行く」タイプである事にかけては、彼女にも決して引けを取らないつもりです。寧ろ似た者同士なのかも知れません。しかし、それでもやっぱり彼女の方が知識も経験もキップも数枚上手で、私としてはどうしても気後れしてしまうのです。
それに、これは別に彼女のせいではないのですが、今回のお見合いでも、まるで自分が人間的に劣っている、家庭の団欒とは無縁なアダルトチルドレンで半ニートのワーキングプアであるかのように、世間から後ろ指差されているような気がして。そりゃあ今の私は確かに余り褒められたものではないかも知れないが、それでも決して現状には満足せず、自分から労働組合に入って、選挙では知人に頼まれてビラ撒きも手伝う等して、寧ろ社会にも積極的にコミットしているのに、それも含めて今の自分を全否定された様な気がして。私の思い過ごしかも知れませんが。
シモーヌ・ヴェイユ | |
クリエーター情報なし | |
岩波書店 |
最後にタイトルの由来ですが、シモーヌ・ヴェイユというのは第二次大戦前のフランスの女性哲学者です(1909~1943年)。インテリの家庭に生まれたにも関わらず、当時の労働者の悲惨な境遇にいたく同情して、反失業のデモに参加したり、労働者に決起を促す為に自ら望んで工場労働者、そう今の私の様な仕事に就いたものの、そこの労働者がすっかり奴隷根性に染まり、酒や女やギャンブルに明け暮れ現状に満足してしまっている様子に幻滅し、精神を患う中で反ナチ闘争に参加するも、最後には身体を壊して悲劇的な死に至る、そういう数奇な運命をたどった女性です。せっかく親の紹介で久しぶりにお見合いをしたものの、却って「貧富の差」というか「格の違い」を見せつけられ、私も「シモーヌ・ヴェイユの呪いw」(奴隷の安住)に取り込まれてしまったのかなと。以上、私のお粗末なお見合いの報告でした。今の私にはやっぱり阿部サダヲ(「奇跡のリンゴ」主演男優)よりもSHINGO★西成の方が性に合っているw。
SHINGO★西成 頑張ってれば... 釜ヶ崎越冬闘争LIVE 2011
前回記事でも少し話題に上げた自民党の改憲案を、ここではもう少し詳しく見ていく事にします。本当はこの話題から先に記事にしようと思っていたのですが、いつ書こうか迷っているうちに、夏バテでついつい後回しになってしまいました。申し訳ない。
同党改憲案の詳細については、既に多くのブログが取り上げているのでここでは繰り返しません。
ここでは、くだんの「週刊プレイボーイ」7月15日号掲載当該記事の後半、同誌記者と中谷元・自民党憲法改正推進本部事務局長(兼・起草委員長)との質疑応答の一節(Q&Aで表示)を、読んだ上で少し感じた事を書くにとどめます。Q&Aの下の●部分が私の感想です。
Q(記者):自民党の改憲案を批判している声に一貫しているのが、自民党の改憲案は近代的な憲法の基本である「立憲主義」すなわち「憲法は国を縛るものであって、国民を縛るものではない」という基本的な考え方に反しているという指摘です。こうした批判について、中谷さんはどうお考えですか?
A(中谷):確かに憲法は国を縛るものでもあるかも知れないが、国民だって守らなきゃいけないコトがあるのは当然でしょう?そうでなければ国は成り立ちません。
●床屋談義もいい加減にしろ。中谷の「国民だって守らなきゃいけないコト」と言うのは、道徳や規範の事だろう。「他人の物を盗るな」とか「仕事をちゃんとしろ」等の。そんな事は当たり前。でも、現実はそんな一般論や精神論だけで割り切れるものじゃない事ぐらい、普段の生活や仕事からも直ぐ分かるだろうに。先日の宝塚市役所での火炎瓶放火事件も、税金滞納で預金を差し押さえられた無職者による犯行だ。犯人がやった事は確かに犯罪行為で道徳に反しているが、それを指摘するだけで済むのか?彼がそこまで追い詰められないように、貧困対策を充実するのが政治の役割だろう。それが中谷の言い方では、政治家が何もしない言い訳を、国民の自己責任に転嫁して誤魔化しているだけ。ヘボコーチが、自分の指導力不足を棚に上げ、「愛の鞭」とか屁理屈こねてシゴキや体罰を正当化しているのと同じ。道徳や根性論だけで憲法や政治を語るな。
Q:しかし、繰り返しますが、「立憲主義」の考え方はあくまで「憲法は国権を縛るもの」です。そして国民は「憲法」ではなく「法律」で縛る、というのが基本です。自民党の改憲案は「立憲主義」にはこだわらないと?
A:いや、立憲主義は尊重しますが、憲法が国を縛るだけでは国は成り立たないでしょう?戦前の大日本帝国憲法だって、憲法だったわけで、あれだって立憲政治でしょう?
●これも最初の「根性論」の繰り返しでしかない。民主主義や男女平等や基本的人権の発想が全くなかった戦前の大日本帝国憲法も、1930年代には既に世界の趨勢から取り残された時代遅れの代物と化していた。そんな物を21世紀の今になっても、まだ「あれだって立憲政治でしょう?」なぞと、いけしゃあしゃあと言ってのける神経が全く理解できない。
Q:大日本帝国憲法は近代的な憲法観では立憲主義と見なされないのが一般的です。また、自民党の改憲案では立憲主義と同じく、近代的な民主主義の基本的な考え方である「天賦人権説」(すべて人間は生まれながらにして自由かつ平等で、幸福を追求する権利を持つとする思想)についても疑念を呈していて、「日本国憲法改正草案Q&A」の中で「我が国の歴史、文化、伝統を踏まえた」人権規定が必要と解説しています。天賦人権説の何が問題なのでしょうか?また、「我が国の歴史、文化、伝統を踏まえた」人権規定とはどのようなモノなのでしょうか?
A:天賦人権説は、もともとキリスト教的というか、神様から人権を与えられたという考え方ですから、当然、日本には別の考え方があってしかるべきだと思います。それに基本的人権は神様に「与えられた」ものではなくて、人が初めから持っているでしょう。
●「基本的人権は人が初めから持っているでしょう」ってアンタ、それを「天賦人権説」と言うのでしょうが。「天賦」という表現から、それを中世キリスト教的だとする意見もあるが、今はもうそんな宗教に限定された話ではなく、普遍的価値観として人権が捉えられている。そうではない日本独自の「別の考え方」って一体何?まさか、江戸時代の殿様が、鷹狩りに出掛けて食べた「あんころ餅」のおいしさに感激して、餅職人にくれてやった幾許かの褒美を、さも「人権を保障してやった」みたいに捉えているのではないでしょうね。今までの自民党政治の実態からも、それは充分あり得る話なので怖い。
Q:繰り返しますが、「我が国の歴史、文化、伝統を踏まえた」人権規定とは、何を指すのですか?
A:それはあなた、日本の神道には古くからすべてのモノに神様が宿るという考え方があったりしますから、そういうなかで、先祖代々家族が受け継いできたものとか・・・ね、そういう人権の考え方があると思いますよ。
●ここまで来たらもう、北朝鮮の政治と同じレベルじゃん。あの国も、「全ての物には将軍様の精神が宿る」とか言って、それをウリ(我が国)式の「民主主義」や「社会主義」だとか言って、国民に強要しているのですが。こんな考えでは、「人権は世界共通の普遍的な価値観」だとする今の「基本的人権」の枠組みから完全に逸脱する事になる。これでよく、日本も「自由、人権、法の支配」を標榜する西側先進国の一員だ、なんて言えたものだ。
Q:そうですか・・・。
A:最後に、これだけは言いたいのですが、日本が国民主権である以上、憲法は国民の意思で作られるもので、それを”守る”というのが目的ではないと思うんですよね。本来は国民の意見から憲法を作って、それを国民が承認して適用されますけど、今までの日本国憲法は70年間一度も国民の審判を受けていないんです。憲法の大事なところは当然守りますけど、時代遅れとか、曖昧になっているところとか、きちんとき換えて、国民の意見で憲法を作ってもいいのではないか。それが本当の国民主権であり、立憲主義だと思います。
●本当に「国民主権」で「国民の意見で憲法を作りたい」と望むなら、時代遅れの天皇制からまず書き換えろよ。誰が考えても共和制こそが「国民主権」の普通の姿だろうが。一部の右翼は、「共和国ではクーデターや権力闘争に明け暮れるが、王国では国民が平穏に暮らせる」なぞと、さももっともらしい事を言っているが、それには何の根拠もない。共和制国家にはフランスも北朝鮮もあるのと同様に、王制国家にも英国だけでなく未だに選挙も議会もないサウジアラビアみたいな国もある。ただそれだけの事。
●それなら共和制でも、王制や今の象徴天皇制でも、どちらでも良いじゃないか、とはならない。国民主権や民主主義である以上はあくまで共和制が基本だし、あれだけの犠牲を出したかつての侵略戦争の責任を天皇が一切取らず、今も「長い物に巻かれろ」式の奴隷根性の国民性やブラック企業に見られる封建的労使関係の精神的支柱になっている事を思うと、もはや天皇制なんて有害無益。
●ついでに、「さざれ石が岩になる」と嘘八百の「君が代」も、もっとまともな国歌に変えろよ。「今の憲法が訳語調でケシカラン」とかよりも、こっちの方がよっぽどケシカランじゃないか。そういう、自分たちにとっては都合の悪い事は何も言わず、都合の良い事だけを取り上げて、勝手に「国柄」や「伝統」をでっち上げ、「国民」や「国民主権」をダシにするな。
念のために、自民党改憲案の内容についても少し当ってみました。それを読んでの感想も書き足しておきます。
現憲法
第十二条 この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によつて、これを保持しなければならない。又、国民は、これを濫用してはならないのであつて、常に公共の福祉のためにこれを利用する責任を負ふ。
自民党改憲案
第十二条 この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力により、保持されなければならない。国民は、これを濫用してはならず、自由及び権利には責任及び義務が伴うことを自覚し、常に公益及び公の秩序に反してはならない。
●改憲案では「自由及び権利には責任及び義務が伴う」とされ、「公共の福祉」を「公益及び公の秩序」に置き換えているが、両者は似て全く非なるものだ。「自由や権利は義務を果たした者しか主張できない」なんて事になったら、納税や勤労の義務を果たそうにも果たせない失業者や障害者の人権は完全に踏みにじられる。「公共の福祉のために責任を負う」立場から、例えば「知る権利」と「プライバシー権」の両立をどう図るかという現憲法の規定も、「常に公益及び公の秩序に反してはならない」なんて事になれば、「知る権利」も「プライバシー権」も権力者の意のままに踏みにじられる。
現憲法
第二十一条 集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。
② 検閲は、これをしてはならない。通信の秘密は、これを侵してはならない。
自民党改憲案
第二十一条 集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、保障する。
2 前項の規定にかかわらず、公益及び公の秩序を害することを目的とした活動を行い、並びにそれを目的として結社をすることは、認められない。
3 検閲は、してはならない。通信の秘密は、侵してはならない。
●これでは、例えば放射能汚染の実態告発や脱原発デモも、「公益及び公の秩序を害する」との口実で片っ端から弾圧されてしまい、国が「検閲」しているのと同じ事になる。
「アベノミクス」に宣戦布告! 共産党はどうする。
共産、12年ぶり選挙区議席確保の可能性
共産党は参院選序盤情勢で、2001年以来、12年ぶりに選挙区選で議席を確保する可能性が出ており、議席を伸ばした6月の東京都議選の勢いが続いている。
共産党は、1998年参院選で15議席(選挙区選7議席、比例選8議席)を獲得した。2001年は東京選挙区で1議席獲得したのにとどまり、その後、3回の参院選では選挙区で議席を得ることはできなかった。
今回は、東京選挙区(改選定数5)や愛知選挙区(同3)などで議席を確保する可能性がある。選挙区選で複数の議席を獲得すれば、15年ぶりとなる。
6月の都議選は、投票率が低く、固い組織票を持つ共産党の伸長につながったとみられる。参院選も投票率は前回より下がるとの見方があり、共産党に有利に働く可能性がある。共産党としては、安倍政権への批判票の受け皿となることを目指す構えだ。(2013年7月6日06時45分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/election/sangiin/2013/news2/20130705-OYT1T01355.htm?from=ylist
今度の参院選で共産党が躍進するらしい。共産党が躍進なんて、もう何十年ぶりだろう。
遥か昔の革新自治体華やかなりし70年代はさておき、十数年前の90年代後半にも共産党が一時期躍進した事があった。ちょうど、ITが職場に入ってきて、正社員がどんどん非正規のバイトに置き換えられていった頃だ。私が生協を辞めたのもその頃だ。昔の社会党が社民党と名を変え、自民党と連立を組んだり、民主党に鞍替えする議員が一杯出てきて、「もう社会党ではダメだ、共産党しかない」という声が次第に大きくなって、共産党が躍進したんだ。「おっ、やっと民主連合政府が出来るか」と、私も喜んだものだった。
しかし、そんなに甘くはなかった。今度は社民党に代わって民主党が台頭してきた。自民党も、「改革に反対するならたとえ自民党でもぶっ壊す」と大見得を切った小泉首相の登場で、すっかり息を吹き返してしまった。「よし、そこまで言うなら自民党にまた任せてみよう」という声が次第に大きくなり、共産党への期待はすっかりしぼんでしまった。
その後は、小泉構造改革による格差拡大や相次ぐ失政で、自民党から民主党に政権交代。しかし、民主党政権も結局は自民党と何ら変わらず、やがて「第三極」を名乗る「維新の会」に取って代わられる事に。その結果、小泉首相よりも更に「ぶっ壊す」度の高い小沢一郎や橋下徹、渡辺喜美に人気が集まり、共産党はすっかり影が薄くなってしまった。私自身も、一時は小沢に自民党政治をぶっ壊してくれる事を期待して、選挙区は民主党に入れたり、橋下や渡辺らの弱者蔑視・上から目線の発言に辟易しつつも、「もうこいつらには勝てない」と内心諦めていた。「橋下が今度はこんな事まで言って来た、どうしよう」と、そればかり気になっていた。
でも、やはり「奢れるものは久しからず」だった。一時は人気絶頂だった橋下も、選挙での野合劇や口から出まかせ発言の連続で次第に化けの皮がはがれ、慰安婦発言ですっかり信用を失ってしまった。楽観は禁物だが、必要以上に怖れる必要もなかったのだ。もう金輪際、小沢や民主党なぞには入れない。次からは選挙区も再び共産党に入れる事にする。
今や自民党は、強敵の小沢や橋下にも打ち勝つ事が出来たという事で、今度の参院選でも圧勝の勢いらしい。安倍政権は、アベノミクスとか言う経済バラマキ政策をエサに票を集め、衆院選に続いて参院選でも過半数を取り返した後は、いよいよ憲法改正に手をつけようとしている。マスコミは「時代遅れの9条をどうする」とか、そんな話ばかりしているが、問題はそればかりじゃない。「公共の秩序維持」の名の下に、今以上にデモや表現の自由が規制されようとしているのだ。(写真は週刊プレイボーイ7月15日号中吊り広告)
その流れに危機感を抱いた人たちや、弱者を顧みない政治に怒る人たちの票が、再び共産党に向かいつつあるらしい。共産党は、この前の東京都議選で議席を倍増して世間をアッと言わせたが、今度の参院選でも、東京・大阪・京都を初め、幾つかの選挙区で議席を得る可能性が出てきたのだ。
私は今まで共産党に対して、確かに他党のように平気で公約を反故にしたりブレたりはしないが、その反面、余り変わり映えもしない、パッとしないというイメージを持ってきた。しかし、今度からネットでも選挙活動が一定出来るようになった事もあってか、共産党も徐々に変わりつつあるようだ。カクサン部とかいうのを作ってネットでえらく宣伝しだしたし、候補者に若者をどんどん立てるようになった。若者といっても他党のようなタレントではなく、地味な普通の若者ばかりなのだが、自分たちと余り変わらない「フツーの若者たち」が、他党とは違い格差是正や子育ての充実もちゃんと主張しているという事で、結構、穴人気になっているらしい。
今日もこの後、会社は休みなので、知人に頼まれていた共産党ビラの全戸配布をする予定だが、正直言って今までは、腐れ縁で半ば義務的にビラを撒いているだけだった。どうせ、「こんなん撒いても余り効果はないだろう」と思いながら、渋々撒いていた。でも、今回は大阪でも議席回復が見込めるようだ。候補者も、当初は「何だこんな名前を聞いた事もない新人を立てて」と思っていたが、それが却って、それまでの如何にも共産党っぽい議員とは違う新鮮味を感じるようになった。地元ラジオ局で派遣村の宣伝をやっていた人らしい。これでこそビラ撒きのしがいもあろうと言うものだ。
しかし楽観は出来ない。全国各地に革新の知事や市長が続々と誕生していた頃とは時代が違う。今や憲法も変えられようとしている。その下で、今まではまだどうにか守られていた、労働基準法や生活保護、私学助成などの権利もどんどん奪われようとしている。あれだけの事故を起こし、せっかく「もう原発に依存しないでやっていこう」となったのに、またぞろ原発推進。目先の利益に目を奪われて、農業も医療保険もなし崩しのTPPにも大賛成。今やそういう時代なのだ。
また、固い組織票を持つと言われる共産党も、昔と比べたら大分弱くなった。「ベルリンの壁」崩壊で、今まで共産党支持だった人も「第三極」や無党派に流れてしまったのだ。たかが一つの選挙で、共産党の議席が幾つ伸びるかだけに一喜一憂していられないという事を、党自身がどれだけ分かっているか。それが問われている選挙だと思う。
共産、12年ぶり選挙区議席確保の可能性
共産党は参院選序盤情勢で、2001年以来、12年ぶりに選挙区選で議席を確保する可能性が出ており、議席を伸ばした6月の東京都議選の勢いが続いている。
共産党は、1998年参院選で15議席(選挙区選7議席、比例選8議席)を獲得した。2001年は東京選挙区で1議席獲得したのにとどまり、その後、3回の参院選では選挙区で議席を得ることはできなかった。
今回は、東京選挙区(改選定数5)や愛知選挙区(同3)などで議席を確保する可能性がある。選挙区選で複数の議席を獲得すれば、15年ぶりとなる。
6月の都議選は、投票率が低く、固い組織票を持つ共産党の伸長につながったとみられる。参院選も投票率は前回より下がるとの見方があり、共産党に有利に働く可能性がある。共産党としては、安倍政権への批判票の受け皿となることを目指す構えだ。(2013年7月6日06時45分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/election/sangiin/2013/news2/20130705-OYT1T01355.htm?from=ylist
今度の参院選で共産党が躍進するらしい。共産党が躍進なんて、もう何十年ぶりだろう。
遥か昔の革新自治体華やかなりし70年代はさておき、十数年前の90年代後半にも共産党が一時期躍進した事があった。ちょうど、ITが職場に入ってきて、正社員がどんどん非正規のバイトに置き換えられていった頃だ。私が生協を辞めたのもその頃だ。昔の社会党が社民党と名を変え、自民党と連立を組んだり、民主党に鞍替えする議員が一杯出てきて、「もう社会党ではダメだ、共産党しかない」という声が次第に大きくなって、共産党が躍進したんだ。「おっ、やっと民主連合政府が出来るか」と、私も喜んだものだった。
しかし、そんなに甘くはなかった。今度は社民党に代わって民主党が台頭してきた。自民党も、「改革に反対するならたとえ自民党でもぶっ壊す」と大見得を切った小泉首相の登場で、すっかり息を吹き返してしまった。「よし、そこまで言うなら自民党にまた任せてみよう」という声が次第に大きくなり、共産党への期待はすっかりしぼんでしまった。
その後は、小泉構造改革による格差拡大や相次ぐ失政で、自民党から民主党に政権交代。しかし、民主党政権も結局は自民党と何ら変わらず、やがて「第三極」を名乗る「維新の会」に取って代わられる事に。その結果、小泉首相よりも更に「ぶっ壊す」度の高い小沢一郎や橋下徹、渡辺喜美に人気が集まり、共産党はすっかり影が薄くなってしまった。私自身も、一時は小沢に自民党政治をぶっ壊してくれる事を期待して、選挙区は民主党に入れたり、橋下や渡辺らの弱者蔑視・上から目線の発言に辟易しつつも、「もうこいつらには勝てない」と内心諦めていた。「橋下が今度はこんな事まで言って来た、どうしよう」と、そればかり気になっていた。
でも、やはり「奢れるものは久しからず」だった。一時は人気絶頂だった橋下も、選挙での野合劇や口から出まかせ発言の連続で次第に化けの皮がはがれ、慰安婦発言ですっかり信用を失ってしまった。楽観は禁物だが、必要以上に怖れる必要もなかったのだ。もう金輪際、小沢や民主党なぞには入れない。次からは選挙区も再び共産党に入れる事にする。
今や自民党は、強敵の小沢や橋下にも打ち勝つ事が出来たという事で、今度の参院選でも圧勝の勢いらしい。安倍政権は、アベノミクスとか言う経済バラマキ政策をエサに票を集め、衆院選に続いて参院選でも過半数を取り返した後は、いよいよ憲法改正に手をつけようとしている。マスコミは「時代遅れの9条をどうする」とか、そんな話ばかりしているが、問題はそればかりじゃない。「公共の秩序維持」の名の下に、今以上にデモや表現の自由が規制されようとしているのだ。(写真は週刊プレイボーイ7月15日号中吊り広告)
その流れに危機感を抱いた人たちや、弱者を顧みない政治に怒る人たちの票が、再び共産党に向かいつつあるらしい。共産党は、この前の東京都議選で議席を倍増して世間をアッと言わせたが、今度の参院選でも、東京・大阪・京都を初め、幾つかの選挙区で議席を得る可能性が出てきたのだ。
私は今まで共産党に対して、確かに他党のように平気で公約を反故にしたりブレたりはしないが、その反面、余り変わり映えもしない、パッとしないというイメージを持ってきた。しかし、今度からネットでも選挙活動が一定出来るようになった事もあってか、共産党も徐々に変わりつつあるようだ。カクサン部とかいうのを作ってネットでえらく宣伝しだしたし、候補者に若者をどんどん立てるようになった。若者といっても他党のようなタレントではなく、地味な普通の若者ばかりなのだが、自分たちと余り変わらない「フツーの若者たち」が、他党とは違い格差是正や子育ての充実もちゃんと主張しているという事で、結構、穴人気になっているらしい。
今日もこの後、会社は休みなので、知人に頼まれていた共産党ビラの全戸配布をする予定だが、正直言って今までは、腐れ縁で半ば義務的にビラを撒いているだけだった。どうせ、「こんなん撒いても余り効果はないだろう」と思いながら、渋々撒いていた。でも、今回は大阪でも議席回復が見込めるようだ。候補者も、当初は「何だこんな名前を聞いた事もない新人を立てて」と思っていたが、それが却って、それまでの如何にも共産党っぽい議員とは違う新鮮味を感じるようになった。地元ラジオ局で派遣村の宣伝をやっていた人らしい。これでこそビラ撒きのしがいもあろうと言うものだ。
しかし楽観は出来ない。全国各地に革新の知事や市長が続々と誕生していた頃とは時代が違う。今や憲法も変えられようとしている。その下で、今まではまだどうにか守られていた、労働基準法や生活保護、私学助成などの権利もどんどん奪われようとしている。あれだけの事故を起こし、せっかく「もう原発に依存しないでやっていこう」となったのに、またぞろ原発推進。目先の利益に目を奪われて、農業も医療保険もなし崩しのTPPにも大賛成。今やそういう時代なのだ。
また、固い組織票を持つと言われる共産党も、昔と比べたら大分弱くなった。「ベルリンの壁」崩壊で、今まで共産党支持だった人も「第三極」や無党派に流れてしまったのだ。たかが一つの選挙で、共産党の議席が幾つ伸びるかだけに一喜一憂していられないという事を、党自身がどれだけ分かっているか。それが問われている選挙だと思う。
世の移り変わりは早いものです。少なくとも橋下慰安婦発言以前は、こんな「溺れる者は藁をも掴む」なんて(旧)タイトルで、維新の話題を取り上げる事になるとは、想像もつきませんでした。確かに、昨年の衆院選の頃には既に党勢に陰りが出始めていたとは言え、それでもまだ当時は「第三極の筆頭」として、マスコミから「時代の寵児」扱いされていたのに。
今度の参院選で、維新は相当焦っているのではないでしょうか。橋下徹による慰安婦発言のお蔭で支持率急落、でも今、橋下に共同代表を辞められたら、更に求心力を失い党は瓦解してしまいます。進退窮まり身動き取れなくなった今となっては、維新議員にとっては、橋下と共に心中するか、維新を見限り自民党に移籍(出戻り)するしか、生き残る道は残されていません。
6月30日の日曜日に、大阪・難波の高島屋横の道路を、維新の宣伝カーが必死の形相でアナウンスを流していました。「はて、まだ参院選の公示前なのに?」と思いつつも、宣伝内容は「憲法改正で国防力強化を」という政治宣伝で、「誰それに一票を」という選挙活動ではなかったので、「まあ良いか」と思いながら、当日帰宅したら、自宅に上記の郵便物が来ていました。
郵便物は私の名前宛で、送り主は「日本維新の会 参議院比例代表(全国区)支部長 吉田ひろみ事務所」となっていました。「はて、維新なんか支持した覚えはないのに?」「そもそも吉田ひろみって一体誰?」と訝しく思いながら、開封したら出てきたのが推薦依頼の上記文書と2通の推薦ハガキでした。
推薦依頼文書には、私と同じ大学のOBで、卒業後は奈良県橿原市の市役所勤務の傍ら、外国人支援のボランティア活動に没頭→やがて国際交流の社団法人理事長に就任し、地元紙に連載記事を載せ始めたのが維新の目に留まり、全国比例区支部長に就任→地域づくりの情熱と経験を活かし、ボランティア活動で感じた壁や矛盾を政治の力で解決したい。それで「何卒、先輩諸氏のお力添えで、ご支援賜りますよう宜しくお願い申し上げます」と。
ついては、同封の推薦ハガキ2通に推薦人として名を連ね、全国の知人・友人に送って欲しいと。しかも、直接ポストに投函させず、ハガキを一旦「吉田ひろみ」事務所に返信用封筒で転送させた後に、7月4日の参院選公示日以降に事務所から一括で指定郵便局経由で発送する手順になっているのだそうです。でも、幾ら発送のみ告示日以降にしても、それ以前の推薦人募集活動もれっきとした選挙運動なのだから、これは事前運動で公選法違反じゃないのか。しかも、同窓会名簿を使って、会員の個人情報を特定政党の宣伝に悪用して。
私、そう思って大学の校友会(同窓会)事務局にメールを送り、「既に他のOBからもこの件で抗議が殺到している」「会として特定政党を支持した事はない」「名簿については、個人情報保護法が施行された平成17年に在庫を全て廃棄処分にしたので、それ以前の名簿が流用されたのではないか」「発送人が吉田ひとみ個人ではなく事務所で、直接投票依頼もしていないのでグレーゾーンだと思うが、会としても吉田ひとみ事務所には抗議しておく」という返事をいただきました。
この事務局の対応についても、確かに維新の公約ビラも同封されていたが、郵便物の主体はあくまで「吉田ひとみ」という個人の選挙事務所による「ご支援=投票」依頼なのだから、私個人は、これはグレーなぞではなく完全にブラックだと思いますが、でもまあ一応は「抗議する」との事なので、それで了承しました。
「吉田ひとみ」氏についても、幾ら大学OBと言えども、卒業年次も在籍学部も違い、政治信条もまるで違う「赤の他人」を応援する義理なぞ露ほどもないが、それでも氏にも選挙に出馬する自由はあるので、どこの党からいつ出馬しようとそれは氏の勝手だが、少なくとも「地域づくり」に拘るのであれば、衆院小選挙区か参院選挙区から出馬するのが筋でしょう。そこで地域活動を通して知り合った人たちに支援を頼むならまだ分かりますが。それが何故、参院比例区から出馬なのか。「外国人支援」云々とか言うのについても、本来なら、規制緩和推進とかで外国人労働者の人権を蹂躙するブラック企業に大甘な維新なぞから出馬できる筈はないのに。言ってる事とやってる事が全然違うやないか。口から出まかせばかり言うな。
でもまあ、「地域づくり」とか「外国人支援」とか言っても、維新や自民党と私らでは、同じ言葉でも定義や意味合いが全然違うという事例は、今までも幾度となく経験してきたので、別に今更驚くまでもないでしょう。少なくとも私らにとっては、「他人種・民族や少数派への差別との闘い抜きに、外国人支援なぞあり得ない」し、「公害反対・環境保護の運動や、住民の暮らしを守るとか抜きに、地域づくりも糞もないだろう」と思うのですが、所詮彼らにとっては「地域」も「外国人」も、「人権」抜きの単なる「金儲けの道具」でしかないのでしょう。
しかし、最初の選挙違反の件については、これはもうグレーなぞではなく完全にブラックだと思います。下記のワタミの例と一体どこが違うのか。
●渡辺美樹・ワタミ前会長 「公選法違反」証拠ビデオ公開(週刊文春)
参院選に自民党公認で出馬することを表明している渡辺美樹・ワタミ前会長が公示前に「ぜひ応援をしてもらいたい」と呼びかけていたことが、週刊文春が入手したビデオレターでわかった。
当時、ワタミの会長だった渡辺氏は、「今回、僕は自民党の公認を得て国政に挑戦することになりました」、「政治の目的が国民の幸せならば、私は今回の参議院選、自民党が勝つことが国民の幸せに一番大きな影響を与えると思っています」、と述べ「皆に話をしたくて今回はビデオレターを送りました。ぜひ応援をしてもらいたい」と結んでいる。
このビデオレターは、6月10日前後、ワタミの各事務所に届けられた。ワタミの現役社員によれば、ビデオレターは「ワタミの全社員とスタッフは見て視聴シートに感想を書くよう義務づけられている」もの。翌週、ワタミ本部から、内容に不備があったという理由でビデオレターと視聴シートの回収が指示された。
専門家によれば、公職選挙法129条によって、公示前は投票の勧誘などの事前運動は禁止されている。
「『参院選』、『ぜひ応援してもらいたい』と語っていますから、今回の参院選の支援依頼とみなされます。違反行為であったことは間違いない」(岩井奉信日大教授)
渡辺氏とワタミは次のように回答した。
「渡辺が政治活動に重点を置く決意をしたことから、スタッフ等に不安を与えぬよう説明をした次第であり、会社内部の業務連絡に過ぎません。したがって、事前運動に該当するとの指摘は当たりません」
ただ、「業務連絡なら、主語が会社になるはず。『公認』、『参院選』、『ぜひ応援して』と言っており、投票依頼と受け取れます」(前出・岩井教授)との指摘もあり、選挙違反の取り締まりにあたる警察当局、公認を機関決定している自民党の対応が注目される。
http://shukan.bunshun.jp/articles/-/2887
●【追記・速報】参議院選挙出馬断念のご報告とお詫び(吉田ひろみHP)
(以下引用)
・・・橋下代表の慰安婦発言以降から、日本維新の会は逆風にさらされ、大変、厳しい日々となりました。奈良県選挙区の候補者も立候補を断念され、ますます厳しい状況になりました。
本来、どんな逆風が吹こうとも、それらをはねつける自分自身の力が必要であることは言うまでもありません。私は、その信念にもとづき、日々、邁進してまいりました。
しかしながら、残念なことに、厳しい空気は、私の後援会や支援者にまで広がって参りました。参議院議員全国比例区選挙は、多くの候補者の中から名前を書いてもらわなければならないという、わかりにくい選挙であったことも原因であったと思います。
一昨日、こうした状況から発生した様々な事態から、後援会長を始め、支援者から出馬断念を促されました。私としては、無念極まりないものがあり、なんとしても最後まで戦いきりたかったわけでありますが、これ以上、内部が混乱することは、避けなければなりません。苦渋の決断を致しました。(以下略)平成25年7月3日 吉田ひろみ
http://yoshidahiromi.jp/
この記事を書いた直後に早速氏のHPを覗いていたら、既に上記の様な結末になっていました。「一昨日、こうした状況から発生した様々な事態」とか色々書いていますが、恐らく抗議殺到でにっちもさっちも行かなくなったのでしょう。しかも、この期に及んでもまだ、自らの言行不一致を棚に上げ、「分かりにくい選挙」制度に責任転嫁の言い訳に終始とは(呆)。
もう今から記事を丸ごと書き換えるのもしんどいので、とりあえずタイトルだけそれまでの「溺れる者は藁をも掴む」から今の「維新メルトダウン」に変更しておきます。
ワタミ過労自死ご遺族による自民党本部への要請
現在、ブラック企業大賞のウェブ投票が行われています。最も酷いと選ばれたブラック企業を「表彰」する事で、ブラック企業の跳梁跋扈を許さない社会にして行こうという趣旨で、現在8つの会社・法人がブラック企業がノミネートされています。投票期間は8月11日までという事なので、皆さんもどしどし投票をお願いします。
その現時点での開票速報を見ると、やはりワタミが8割近くの票を集め、断トツで首位にたっています。ワタミ元会長が今度の参院選の自民党比例区候補に選ばれた事で、ブラック企業の代表格と見做されたようです。下記に、そのワタミの「表彰理由」と、そのワタミによって過労死させられた娘さんの親御さんが、ワタミ元会長を参院選の公認候補に選んだ自民党に猛抗議した記事を引用しておきます。
●第2回 ブラック企業大賞2013 ノミネート企業 発表!(ブラック企業大賞)
1.ワタミフードサービス株式会社
居酒屋チェーンや介護事業を全国展開している同社では、2008 年6 月に正社員だった森美菜さん(当時26 歳)が、厚生労働省が定める過労死ライン(月80 時間の残業)をはるかに上回る月141 時間の残業を強いられ、わずか入社2 カ月で精神疾患と過労自殺に追い込まれた。昨年2 月に労災認定されたあとも、同社は責任を認めることなく、創業者である渡辺美樹会長は遺族からの求めに応じず、いまだに面談も謝罪も拒否している。 亡くなった森美菜さんは連続7 日間の深夜労働、午後3 時から午前3 時半の閉店まで12 時間働かされた。閉店後も遠く離れた社宅には始発電車まで帰ることもできず、休憩室のない店舗で待つしかなかった。ほかにも休憩時間が取れない、休日出勤、強制的なボランティア活動、早朝研修、給料から天引きで買わされた渡辺会長らの著書の感想文提出などで疲労は蓄積した。残業に関する労使協定(36 協定)も店長が指名したアルバイトに署名させるという違法行為が労働基準監督署から是正指導を受けた。
遺族と支援する労働組合は、森美菜さんの労働実態と原因の解明のために経営者ら責任ある立場の人との面談を同社に求め続けているが、同社は顧問弁護士のみとの面談を除いて応じる姿勢を見せていない。逆に同社は昨年11 月、遺族を相手取って同社が支払うべき損害賠償金の確定を趣旨とした民事調停を申し立てた。
報道によると、同社が全社員に配布している「理念集」という冊子には「365 日24 時間死ぬまで働け」と書かれているという(『週刊文春』2013 年6 月13 日号)。
http://blackcorpaward.blogspot.jp/2013/06/blog-post.html
●「どうしてワタミを候補者にするんだ?」 過労死した社員の両親、自民党に抗議(田中龍作ジャーナル)
社員に月141時間もの残業を強いるなどして過労死に追い込んだ居酒屋チェーン店「和民」。創業者で苛酷労働を賛美していた渡邊美樹元会長(53歳)が、参院選全国比例区に自民党公認候補として立候補する。
過労の末に自殺した元和民社員、森美菜さん(当時26歳)の両親がきょう、渡邊氏の立候補取り消しを求めて自民党本部を訪れた。
両親は選挙対策の政治家との面談を求めていたのにもかかわらず、自民党は職員を出して対応した。それも門の外側で、だ。
あまりにも不誠実な対応に父親の豪さん(65歳)は職員の胸ぐらをつかんで詰め寄った。「どうしてワタミを候補者にするんだ? 私たちは5年間、毎日毎日苦しんできたんだ…」。
母親の祐子さん(59歳)は、美菜さんの遺影を抱いて夫に寄り添った。「私たちは政治家に会いに来たんです」。もの静かな口調に深い怒りが込められていた。
「門の外ではなくて党本部の中で(選挙対策の)政治家に会わせろ」。両親と支援者が中に入ろうとしたが、制服警察官がピケを張って入れさせまいとした。自民党本部の正門前は緊迫した雰囲気に包まれた。
(中略)
参院選後、労働法制の大幅緩和を目指す安倍政権にとって、渡邊氏は是が非でも当選させたい候補だ。渡邊氏が当選すれば、「残業規制の撤廃」も「首切り自由化」も、国民から御墨付きを与えられたことになるからだ。
「法律違反を重ねて若者を過労死させた経営者が国会議員になる資格があるのか?」。父豪さんの抗議を安倍首相が聞いたとしても意に介さないだろうが、多くの有権者の心には重く響いたはずだ。
http://tanakaryusaku.jp/2013/06/0007454
●ワタミ過労自殺遺族がワタミ前会長の公認撤回を自民党に要請(労働相談センター・スタッフ日記)
(前略)
午後3時、森美菜さんの遺影を持った遺族が自民党本部前に到着。事前に石破幹事長に手紙を送ったり選対本部に電話を入れたりしていたにもかかわらず、自民党側は「施設管理の責任者」を名乗る党情報調査局の猪俣満氏が施設内では対応しないと遺族らを排除する姿勢を取りました。これに対し、森豪さんが泣きながら猪俣氏の胸ぐらをつかんで「毎日毎日泣いているんだよ俺たちは!」「なんでワタミを候補にするんだよ!」と怒りと悲しみの鬼気迫る表情で訴えました。
森豪さんはその場で自民党国会議員にあてた要請書を読み上げました。要請書のタイトルは「自民党は、若者を死ぬまで働かせ、殺す社会をつくりたいのですか?!お答えください」。ワタミ渡辺美樹氏の次期参院選での擁立をただちに撤回するよう要請しましたが、猪俣氏は「伝えます」と言うのみで文字通り「門前払い」でした。何とか遺族と東部労組役員のみ施設内に入りましたが、それでも選対本部役員や国会議員につないでほしいという遺族の求めを一切拒絶する不誠実な対応に終始しました。
この日、遺族の支援のために自民党前に集まったのは東部労組各支部、全労協、全国一般全国協、コミュニティ・ユニオン全国ネット、全国一般なんぶ、東京労組、首都圏青年ユニオン、全日建、全港湾、神奈川シティユニオン、管理職ユニオン、フリーター全般労組、昭和シェル石油労組、国労、電通労組、ポッセなど。このほかインターネットのツイッターやフェイスブックなどで行動を知ったという人たちも全国各地から駆けつけてくれました。みんなワタミと自民党、そしてブラック企業への怒りを表しています。
要請後、遺族と集まった人たちは自民党前で、ワタミ過労自殺で亡くなった森美菜さんに1分間の黙祷を捧げました。森豪さんは「石破幹事長が会ってくれると思っていた。議員も出てこず、残念。自分たちのためだけじゃなく、遺族の義務として、渡辺美樹氏のような人物が自分たちの都合のよい法律をつくって若者を酷使する世界をつくらないよう声をあげなくてはならない」。森祐子さんは「自民党の対応は、ワタミの対応となんら変わらない。落胆しました」と話しました。
最後に全員で「自民党は遺族の思いを受け止めろ!」「命を守らない政治家はいらない!」「労働者を使い捨てにする政治家はいらない!」「過労死をなくせ!」などとシュプレヒコールをあげました。
http://blog.goo.ne.jp/19681226_001/e/48db0c0f2d10c7eee1dcad23aff8694e
私は先日のミクシイ・ボイスで、「自民党なんて元々そんな党なのだから、今更ワタミ元会長の公認に抗議するよりも、反ワタミの統一候補を野党から出馬させて、元会長を落選させてやった方が良い」という趣旨の事を呟きました。これは一見勇ましいようで、実は自民党の今の在り様を消極的に容認してしまう、敗北主義に繋がる意見だったと、今では痛く反省しています。今までずっと自民党やその亜流政党(民主・みんな・維新、等々)による酷い政治が行われてきたので、「日本の政治ってそんな物だろう」と、知らず知らずのうちに不感症に陥っていました。こんな立場では、私学助成をカットされたら高校に通えなくなると抗議した高校生に対して、「公立に通えば良い」「私を選挙で落とせば良い」と言ってのけ、公僕としての立場を忘れ「選挙に勝てば官軍」と開き直った橋下徹も、一切批判出来なくなってしまいます。
このワタミ元会長の公認については、自民党にも抗議が相当来ているようで、石破茂や平沢勝栄が言い訳に回っているようですが、それでも自民党が公認を取り消さないのは、上記の「田中龍作ジャーナル」にもあるように、安倍政権の進める「解雇規制撤廃」「首切り自由化」にとって必要不可欠な人物だからです。今、世間はアベノミクスによる一時的な株価バブルに浮かれていますが、アベノミクスによる「三本の矢」と呼ばれる成長・財政・金融政策も、「99%の庶民の犠牲の上に1%の支配層だけが栄え、その為には労働者を死ぬまで働かせ殺す事も厭わない社会」にする為だったのです。安倍政権・自民党の改憲論も、権利よりも義務をことさら強調する事で、「1%による支配」を受け入れる奴隷育成が狙いです。こんな事を許して堪るか。橋下慰安婦発言で墓穴を掘った維新の次は、ワタミ元会長公認の自民を倒す番だ!
現在、ブラック企業大賞のウェブ投票が行われています。最も酷いと選ばれたブラック企業を「表彰」する事で、ブラック企業の跳梁跋扈を許さない社会にして行こうという趣旨で、現在8つの会社・法人がブラック企業がノミネートされています。投票期間は8月11日までという事なので、皆さんもどしどし投票をお願いします。
その現時点での開票速報を見ると、やはりワタミが8割近くの票を集め、断トツで首位にたっています。ワタミ元会長が今度の参院選の自民党比例区候補に選ばれた事で、ブラック企業の代表格と見做されたようです。下記に、そのワタミの「表彰理由」と、そのワタミによって過労死させられた娘さんの親御さんが、ワタミ元会長を参院選の公認候補に選んだ自民党に猛抗議した記事を引用しておきます。
●第2回 ブラック企業大賞2013 ノミネート企業 発表!(ブラック企業大賞)
1.ワタミフードサービス株式会社
居酒屋チェーンや介護事業を全国展開している同社では、2008 年6 月に正社員だった森美菜さん(当時26 歳)が、厚生労働省が定める過労死ライン(月80 時間の残業)をはるかに上回る月141 時間の残業を強いられ、わずか入社2 カ月で精神疾患と過労自殺に追い込まれた。昨年2 月に労災認定されたあとも、同社は責任を認めることなく、創業者である渡辺美樹会長は遺族からの求めに応じず、いまだに面談も謝罪も拒否している。 亡くなった森美菜さんは連続7 日間の深夜労働、午後3 時から午前3 時半の閉店まで12 時間働かされた。閉店後も遠く離れた社宅には始発電車まで帰ることもできず、休憩室のない店舗で待つしかなかった。ほかにも休憩時間が取れない、休日出勤、強制的なボランティア活動、早朝研修、給料から天引きで買わされた渡辺会長らの著書の感想文提出などで疲労は蓄積した。残業に関する労使協定(36 協定)も店長が指名したアルバイトに署名させるという違法行為が労働基準監督署から是正指導を受けた。
遺族と支援する労働組合は、森美菜さんの労働実態と原因の解明のために経営者ら責任ある立場の人との面談を同社に求め続けているが、同社は顧問弁護士のみとの面談を除いて応じる姿勢を見せていない。逆に同社は昨年11 月、遺族を相手取って同社が支払うべき損害賠償金の確定を趣旨とした民事調停を申し立てた。
報道によると、同社が全社員に配布している「理念集」という冊子には「365 日24 時間死ぬまで働け」と書かれているという(『週刊文春』2013 年6 月13 日号)。
http://blackcorpaward.blogspot.jp/2013/06/blog-post.html
●「どうしてワタミを候補者にするんだ?」 過労死した社員の両親、自民党に抗議(田中龍作ジャーナル)
社員に月141時間もの残業を強いるなどして過労死に追い込んだ居酒屋チェーン店「和民」。創業者で苛酷労働を賛美していた渡邊美樹元会長(53歳)が、参院選全国比例区に自民党公認候補として立候補する。
過労の末に自殺した元和民社員、森美菜さん(当時26歳)の両親がきょう、渡邊氏の立候補取り消しを求めて自民党本部を訪れた。
両親は選挙対策の政治家との面談を求めていたのにもかかわらず、自民党は職員を出して対応した。それも門の外側で、だ。
あまりにも不誠実な対応に父親の豪さん(65歳)は職員の胸ぐらをつかんで詰め寄った。「どうしてワタミを候補者にするんだ? 私たちは5年間、毎日毎日苦しんできたんだ…」。
母親の祐子さん(59歳)は、美菜さんの遺影を抱いて夫に寄り添った。「私たちは政治家に会いに来たんです」。もの静かな口調に深い怒りが込められていた。
「門の外ではなくて党本部の中で(選挙対策の)政治家に会わせろ」。両親と支援者が中に入ろうとしたが、制服警察官がピケを張って入れさせまいとした。自民党本部の正門前は緊迫した雰囲気に包まれた。
(中略)
参院選後、労働法制の大幅緩和を目指す安倍政権にとって、渡邊氏は是が非でも当選させたい候補だ。渡邊氏が当選すれば、「残業規制の撤廃」も「首切り自由化」も、国民から御墨付きを与えられたことになるからだ。
「法律違反を重ねて若者を過労死させた経営者が国会議員になる資格があるのか?」。父豪さんの抗議を安倍首相が聞いたとしても意に介さないだろうが、多くの有権者の心には重く響いたはずだ。
http://tanakaryusaku.jp/2013/06/0007454
●ワタミ過労自殺遺族がワタミ前会長の公認撤回を自民党に要請(労働相談センター・スタッフ日記)
(前略)
午後3時、森美菜さんの遺影を持った遺族が自民党本部前に到着。事前に石破幹事長に手紙を送ったり選対本部に電話を入れたりしていたにもかかわらず、自民党側は「施設管理の責任者」を名乗る党情報調査局の猪俣満氏が施設内では対応しないと遺族らを排除する姿勢を取りました。これに対し、森豪さんが泣きながら猪俣氏の胸ぐらをつかんで「毎日毎日泣いているんだよ俺たちは!」「なんでワタミを候補にするんだよ!」と怒りと悲しみの鬼気迫る表情で訴えました。
森豪さんはその場で自民党国会議員にあてた要請書を読み上げました。要請書のタイトルは「自民党は、若者を死ぬまで働かせ、殺す社会をつくりたいのですか?!お答えください」。ワタミ渡辺美樹氏の次期参院選での擁立をただちに撤回するよう要請しましたが、猪俣氏は「伝えます」と言うのみで文字通り「門前払い」でした。何とか遺族と東部労組役員のみ施設内に入りましたが、それでも選対本部役員や国会議員につないでほしいという遺族の求めを一切拒絶する不誠実な対応に終始しました。
この日、遺族の支援のために自民党前に集まったのは東部労組各支部、全労協、全国一般全国協、コミュニティ・ユニオン全国ネット、全国一般なんぶ、東京労組、首都圏青年ユニオン、全日建、全港湾、神奈川シティユニオン、管理職ユニオン、フリーター全般労組、昭和シェル石油労組、国労、電通労組、ポッセなど。このほかインターネットのツイッターやフェイスブックなどで行動を知ったという人たちも全国各地から駆けつけてくれました。みんなワタミと自民党、そしてブラック企業への怒りを表しています。
要請後、遺族と集まった人たちは自民党前で、ワタミ過労自殺で亡くなった森美菜さんに1分間の黙祷を捧げました。森豪さんは「石破幹事長が会ってくれると思っていた。議員も出てこず、残念。自分たちのためだけじゃなく、遺族の義務として、渡辺美樹氏のような人物が自分たちの都合のよい法律をつくって若者を酷使する世界をつくらないよう声をあげなくてはならない」。森祐子さんは「自民党の対応は、ワタミの対応となんら変わらない。落胆しました」と話しました。
最後に全員で「自民党は遺族の思いを受け止めろ!」「命を守らない政治家はいらない!」「労働者を使い捨てにする政治家はいらない!」「過労死をなくせ!」などとシュプレヒコールをあげました。
http://blog.goo.ne.jp/19681226_001/e/48db0c0f2d10c7eee1dcad23aff8694e
私は先日のミクシイ・ボイスで、「自民党なんて元々そんな党なのだから、今更ワタミ元会長の公認に抗議するよりも、反ワタミの統一候補を野党から出馬させて、元会長を落選させてやった方が良い」という趣旨の事を呟きました。これは一見勇ましいようで、実は自民党の今の在り様を消極的に容認してしまう、敗北主義に繋がる意見だったと、今では痛く反省しています。今までずっと自民党やその亜流政党(民主・みんな・維新、等々)による酷い政治が行われてきたので、「日本の政治ってそんな物だろう」と、知らず知らずのうちに不感症に陥っていました。こんな立場では、私学助成をカットされたら高校に通えなくなると抗議した高校生に対して、「公立に通えば良い」「私を選挙で落とせば良い」と言ってのけ、公僕としての立場を忘れ「選挙に勝てば官軍」と開き直った橋下徹も、一切批判出来なくなってしまいます。
このワタミ元会長の公認については、自民党にも抗議が相当来ているようで、石破茂や平沢勝栄が言い訳に回っているようですが、それでも自民党が公認を取り消さないのは、上記の「田中龍作ジャーナル」にもあるように、安倍政権の進める「解雇規制撤廃」「首切り自由化」にとって必要不可欠な人物だからです。今、世間はアベノミクスによる一時的な株価バブルに浮かれていますが、アベノミクスによる「三本の矢」と呼ばれる成長・財政・金融政策も、「99%の庶民の犠牲の上に1%の支配層だけが栄え、その為には労働者を死ぬまで働かせ殺す事も厭わない社会」にする為だったのです。安倍政権・自民党の改憲論も、権利よりも義務をことさら強調する事で、「1%による支配」を受け入れる奴隷育成が狙いです。こんな事を許して堪るか。橋下慰安婦発言で墓穴を掘った維新の次は、ワタミ元会長公認の自民を倒す番だ!