まだ2月だと言うのに、昨日あたりから急に春めいて来ました。その陽気に誘われ、また高津宮の梅を見に行って来ました。高津宮(高津神社)は大阪市内の谷町9丁目にあります。地下鉄谷町9丁目駅を下りて谷町筋を北上、一つ目の角を西に折れたら高津宮の大鳥居の前に出ます。大鳥居をくぐると、柱に何か漢字で刻まれた碑が目の前に現れます。
門柱に刻まれた漢字は「仁風敷宇宙 徳化洽乾坤」。「思いやりのある風が宇宙に満ち溢れるとき、人を思う慈しみは行動となって天と地に広がる」という意味だそうです(参考記事)。その反対が「自分さえよければの風が宇宙に満ち溢れるとき、自民党の裏金政治が天と地に広がる」今の日本です。
この碑を通り過ぎると、梅にちなんだ史跡が現れます。それが梅之橋と献梅碑です。元々ここは梅の名所で、梅川と言う川のたもとに梅が咲き誇っていたそうです。そこにかかっていたのが梅之橋だそうです。多分、下流で道頓堀川に注いでいたのでしょう。今はもう梅川も梅之橋もありませんが、その遺構だけがこのような形で残っています。その近くには梅ノ井や献梅碑も残されています。
今はもう梅之橋も梅ノ井もありませんが、梅は今でも高津宮の周辺に咲き誇っています。高津宮の拝殿に向かう参道の横に小さな公園があります。その公園の中に入り、高津宮の横の小道を北に向かうと、小さな広場に行き当たります。その小道と広場に梅が咲き誇っていました。梅の見頃はもう少し先のようで、今はまだ5分咲きぐらいでした。
高津宮には、南の鳥居からだけでなく、北のこの小さな広場からも階段で上がる事が出来ます。広場から上がったら拝殿の横に出ます。そこには拝殿の他に絵馬殿もあります。昔は絵馬殿の高台から大阪の街や港だけでなく、対岸の六甲山も見渡す事が出来たそうです。江戸時代には、旅人はここで遠眼鏡を買って港や六甲山の眺望を楽しんだそうです。今はもう賃貸マンションや雑居ビルが乱立し、眺望を楽しむ事は出来ませんが。
さらに時代をさかのぼると、飛鳥時代に仁徳天皇が、ここに立って、民家のかまどから煙が立ち上るまで税金を免除したという逸話が残され、大阪市歌の歌詞にも取り入れられています。ところが、今は不景気でも消費税が値上げされ、さらにインボイス導入で小規模事業者が追い詰められています。民主主義の今の世の中より、専制政治の昔の方がまともな政治が行われていたとは、もう皮肉と言う他ありません。
私がここに来たのは梅を見る為だけではありません。高津宮の中に、「富亭カフェ」という喫茶店があり、そこのロールケーキが美味しいのです。「氏子ロール」と言って、この喫茶店の名物です。コーヒーとセットで800円。初めて食べた時に、女の店員さんが熱いほうじ茶を注いでくれて、それが美味しかったので、梅見にかこつけて、たびたび来るようになりました。「花より団子」ならぬ「梅よりロールケーキ」です。
今日はおまけにバレンタインデーにちなんでチョコレートも一つ付けてくれました。ただ、私が行った時は、まだお店がオープンして間もなく、ケーキも冷凍庫から出したばかりのようでした。しかし、これもこれで、アイスケーキみたいで美味しかったです。
高津宮の祭神は仁徳天皇です。仁徳天皇の名前も最初の「仁風敷宇宙 徳化洽乾坤」から取ったようです。そう言えば、最初にこの喫茶店に来た時も、店員さんがしきりに「天皇陛下」や「皇后陛下」の事を話しておられました。でも、同じ神社でも、近くの大阪護国神社とは雰囲気が全然違います。
大阪護国神社は、靖国神社の末社として、戦時中に戦意高揚の為に作られました。祀られているのも、明治維新や日清・日露戦争、太平洋戦争で亡くなった軍人だけです。維新の志士でも、後に西南戦争で政府に楯突いた西郷隆盛などは、「賊軍」なので祀られていません。ましてや、空襲の犠牲になった民間人や、侵略戦争で殺された中国や東南アジアの人たちは、完全に蚊帳の外です。
だからでしょうか、私はこの神社には、全然親しみを感じません。雰囲気が余りにも「上から目線」だから。近くの住之江公園に桜の花見に行った時も、この神社だけは絶対に行く気になれませんでした。でも、高津宮には、そんな「よそよそしさ」はみじんも感じないのです。
逆に、上方落語の演目にもなった「高津の富くじ」や「高倉狐」。前者は、宿代を踏み倒そうと、いかにも自分は大金持ちであるかのように言いふらした為に、宿の主人から逆に高津宮の富くじを買わされる羽目になった旅人が、富くじで大金を的中させ腰を抜かす話です。「富亭カフェ」の名前も、この逸話から来ています。後者も、人間を化かそうとした狐が、逆に人間に化かされる話です。この狐を祀った高倉稲荷神社も、高津宮の境内にあります。いくつか連なる赤い鳥居が目印です。
高津宮の歴史を調べると、そんな話がいっぱい出て来ます。特に、私なぞは競馬ファンなので、「高津の富くじ」に登場する旅人の気持ちが、手に取るように分かります。ところが、大阪護国神社には、そんな話は一切ありません。戦争美化の「英霊物語」だけで庶民の暮らしは一切登場しない。
それは多分、高津宮の成り立ちが大阪護国神社とは全然違うからでしょう。同じ天皇崇拝の神社でありながら、方や「民の暮らし」の事を心配していた仁徳天皇。これを聞いて、かつての民主党政権のスローガン「国民の生活が第一」を思い出しました。それとは対照的に、「兵の命は鴻毛よりも軽し」「一銭五厘の召集令状でいくらでも補充できる兵隊よりも軍馬の方が貴重だ」と、特攻作戦で兵士を捨て駒のように扱った戦時中の日本軍。その生き残りや二世が、今の自民党の裏金議員や、「福祉予算を食いつぶす大阪市なぞ廃止してしまえ」と主張した維新の成り金議員、社員を社畜扱いするブラック企業の経営者たちではありませんか。
勿論、仁徳天皇も、今の基準からすれば、一専制君主でしかありません。「民のかまど」の逸話も、どこまで本当か定かではありません。でも、そんな専制君主ですら、今の政治家よりもはるかにまともだったと言うのでは、もうお話になりません。今はもう仁徳天皇や大岡越前、遠山金四郎の時代ではないのですから。誰か偉い人のお慈悲にひたすらおすがりするだけではダメです。政治がまともでなければ、まともな政治に変えるのは、我々国民一人一人の権利であり義務なのです。せめて選挙の投票ぐらいは棄権せずに行くようにしなければ。
話があらぬ方向に脱線してしまいました。高津宮のロールケーキはお勧めです。
先日の記事の続編です。いつも買う刻み揚げが店頭から姿を消した。その刻み揚げは、常温で保存できる乾物の刻み揚げで、既に味が付いており、カットされた形でチャックシールの袋に入っているので、そのまま味噌汁の中に入れる事が出来て、重宝していたのに。商品の表示を見たら、製造元は能登半島地震の被災地企業だった。しかも、商品の誕生秘話を調べると、常にクライアントの言いなりで、自分達だけでは何もできなかった会社が、クライアントから契約を打ち切られたのを機に、新商品の開発に乗り出し、今のヒット商品が誕生したと。私の勤務先の体質にも相通じる問題を抱えていた事を知り、俄然応援する気に。1月末から操業再開の知らせを基に、地元スーパーのライフとイズミヤでも、再び取り扱ってもらうよう、お客様アンケートに書いて出した…ここまでが先日の記事の内容でした。
それから、そのいつも買う相模屋の「おだしがしみたきざみあげ」が、再び店頭に並び始めるまでの経過を時系列にまとめました。
1月29日(月)ライフにアンケート投函。
1月31日(水)イズミヤにもアンケート投函。
2月1日(木)イズミヤから「対応中」の返事がアンケートコーナーに掲示される。
2月7日(水)ライフで代替品購入して使ったが、美味しくなかった。
2月8日(木)ライフで「もうしばらくお待ちを」の返事が店内掲示されるも、既に商品は陳列されていたので早速購入。
2月9日(金)イズミヤの別の店では既に陳列が開始され、何と品切れに。
2月10日(土)イズミヤのアンケート投函店に行ってみたが、まだ陳列されていなかった。
まずイズミヤに出したアンケートの内容と、それに対するイズミヤからの返事について。返事はイズミヤの方がはるかに速かったですが、その内容は「代替品で対応しているが当初の品も少しづつ入荷し始めている」というもので、実際にはまだ今日時点でも代替品しか並んでいませんでした。
それに対し、ライフの方は、返事こそ遅かったものの、途中で「もうしばらくお待ちを」の経過報告があり、陳列後は「お揚げコーナーの最上段にて品揃え再開」と、親切に陳列場所の案内までしてくれる丁寧さに、非常に好感が持てました。
イズミヤに出したアンケートと、それに対するイズミヤからの返事。今日時点でのイズミヤの陳列状況(まだ店頭に並んでいない)。
ライフに出したアンケートと、それに対するライフからの返事。2日前のライフの陳列状況(既に店頭に並んでいる)。
ただ、ライフの方も、震災前の陳列をそのまま復活させただけだった点については、非常に勿体ないなと思いました。もし私がライフの店長なら、製造元が石川県中能登町の石川サニーフーズという被災地企業である事を、もっとアピールします。その上で、場合によっては、被災地支援の意味も込めて、敢えて期間限定で5〜10円程度値上げして売ります。その値上げ分は勿論、全額を被災地に送ります。
黙って値上げして、自分達の懐に入れてしまうだけでは、単なる便乗値上げ、ボッタクリにしかなりませんが、値上げ分全額を被災地に送るなら、立派な被災地支援となります。勿論、昨今の物価高騰で私達の生活も苦しい中で、この値上げについては賛否両論あるかと思いますが。被災地支援の一つの方法としては、私は有りだと思います。
それに引き換え、イズミヤの対応の遅い事と言ったら。しかもイズミヤの場合、別の店ではもう陳列を再開している所もあるのです。敢えて店名は出しませんが、私がアンケートを出した店よりずっと小規模の店でした。そこでは既に品切れ状態となっていました。代替品はまだ大量に売れ残っているのに。代替品は私も買いましたが、味付け無しのただの刻み揚げなので、パサパサで全く美味しくありませんでした。
店は違えど同じイズミヤの店なのに。方や品切れ状態なのに、別の店ではいまだに代替品しか陳列していないとは。もし、私がこの店の店長だったら、「せっかくの商機をみすみす見逃して、一体どういうつもりか!」と、売り場の担当者をどやしつけています。私はライフの内実も知っているので、この事だけでライフを手放しで礼賛するつもりはないですが。こと、この件に関しては、私はライフの方に軍配を上げます。そういう点も含めて、私自身も非常に勉強になりました。
尚、私がライフとイズミヤに取り扱い再開の要望アンケートを出した事は、相模屋さんにもメールでお知らせしていました。それに対して、相模屋さんからもお礼の返事をいただいています。春になり、現地の復興が進めば、能登半島にも一度旅行に行ってみようかな、その中で、もしかなうなら、石川サニーフーズにも一度会社見学に寄せていただこうかなと思っています。
最近左足親指の付け根辺りが痛くて歩きづらい時があります。酷い場合は足を引き摺りながら歩かなければならない時も。そこで先週、行きつけの鍼灸師さんに相談したら、安全靴履いて冷蔵庫内で荷物の運搬作業に就いている為に足の血の巡りが悪くなっていると。前脛骨筋を伸ばすストレッチをしてもらいました。すごく痛かったけど効きました。