アフガン・イラク・北朝鮮と日本

黙って野垂れ死ぬな やられたらやり返せ 万国のプレカリアート団結せよ!

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面談闘争勝利、好条件配転勝ち取る!

2011年02月21日 23時54分10秒 | 職場人権レポートVol.1
 とりあえず報告です。今までとは別のスーパーの子会社に異動となりました。今日がその出勤初日でした。身分は今までと同じ業務請負会社の契約社員のままなので、形式的には単なる異動にしか過ぎません。しかし、勤め先が私の様なアウトソーシングの請負会社の場合は、賃金や労働条件も異動先企業によって左右されます。異動先がブラック企業なら請負会社の待遇もブラックで、そうでなければ請負会社の方もまだ比較的マシという訳です。

 今までの会社が正にその「ブラック」でした。時給は下げられ、逆に仕事は増やされる中で、今度は契約時間の短縮を言ってきました。それが「S勤」という名の時間カットです。それも、本当に仕事が減っての時間カットではなく、仕事は減らないのに赤字減らしの為だけに、契約時間を削って少ない人数で仕事を回さなくてはならなくなりました。
 「その様な契約変更は納得がいかない」という事で、契約更改面談で逆にこちらから再面談を申し入れ、配転希望を出しました。「会社都合による人減らし・時間減らしでこうなったのだから、会社の責任で配転先を斡旋しろ」と要求・・・ここまでが、前回記事「面談闘争 S勤大パニック」の話でした。

 その再面談時点ではまだ、会社側からは色好い返事がありませんでした。「斡旋するにはするが、何処も似たり寄ったりだよ」という返事だったので、諦めていた所に、先週末に「好い所がある」として紹介されたのが、今日から出勤の職場です。この20日が給与の〆という事で、週明け21日から早速異動という、急転直下の展開になりました。
 異動によって、時給は880円から900円へと、賃下げ以前の水準に戻りました。
 勤務時間も、9時15分始業の18時15分終業と、今までの様な極端な早朝勤務ではなくなりました。これによって、翌日勤務の事を気にする事無く、前日に普通にテレビを見たり、労働組合の会議に出たりする事も可能になりました。
 昼の食事も、職場には食堂があるので、今までの様に弁当を用意する必要もなくなりました(仕出し弁当の注文も出来たが、まずい弁当で不評だらけだった)。我々ブルーカラー労働者の職場は大抵、埋立地などの辺鄙な所にあるので、通勤の交通手段とメシの確保も、賃金・労働時間などと同じ位に、重要な意味を持ちます。
 その代わりに、交通機関がJRから地下鉄に変わった事で、定期代が跳ね上がってしまい、規定支給の交通費だけでは賄いきれなくなりました。
 
 確かに、純粋に収支勘定だけでみれば、今回の異動で、そんなに得した訳ではありません。交通費まで含めれば、少し損になったかもしれません。しかし、精神的には遥かに得した気分です。何故ならば、今までの様な「切り詰められる一方」の、「上がり目の無い」職場ではなく、時給も元の水準に戻り、時間カットも、PC積み替え問題に抗議して順法闘争(残業拒否)する必要も無くなり、「頑張れば頑張っただけの見返りが期待できる」ようになったからです。
 それは初日の会社側の対応にも現れています。配転を取り計らってくれた次長が、異動初日の面通しにまで付き添ってくれたし、異動先でも、安全教育や危険箇所の告知は勿論の事、タイムカードの打刻の仕方から食堂・トイレの場所まで含めて、新任地の所長が直々に、懇切丁寧に教えてくれましたから。

 本来はそれ位「懇切丁寧」なので当たり前なのでしょうが、昨今、人をまるで使い捨てのボロ雑巾の様に扱う会社が余りにも増えてしまったので、その本来「人としてごく当たり前の事」が、恰も「何かとてつもない凄い事」のように思えてしまうのです。
 それでも、同じ流通現場でもやり方はガラリと違うわ、覚えなければならない事は山ほどあるわ、商品の流れてくるスピードもそれなりに速いわで、実は結構面食らっているのですが。
 そんな丁寧さと比較すると、先週までいた私の職場なんて、まさに最悪でしたね。「次にどの商品を仕分けすれば良いですか?」との初出勤の派遣の新人さんからの質問に対して、「団塊」改め「バカウヨ・パワハラ・パニックおやぢ」なぞ、いきなり「リョーショクや!」の一言だけで済ましてましたからね。「菱食」が納品業者の名前で、「リョーショク」と読むなんて、その界隈の人間以外は殆ど誰も知らないにも関わらず。私も何度切れかけた事か。

 その今回の私の人事異動ですが、確かに「労働組合の影響を排除せん」とする会社の思惑もあるでしょう。私の配転希望が「渡りに船」となった可能性は否めません。今回の異動についても、今まで勤めていた部署が閉鎖になった訳ではなく、あくまでも次長の判断(例外措置)によるものです。そこで「上司から突っ込まれた時に言い訳する材料が欲しい」という次長からの要望で、「今回の異動はあくまでも私からの申し出によるものです」という誓約書を書く事になりました。これは恐らく「不当配転だ」と後に話がこじれた時の布石でもあるのでしょうが、たとえそうであっても、私から異動希望を出したのは事実なので、何のためらいも無く書きましたが。
 しかし同時に、これはいささか手前味噌ですが、私がこの間、「パニックおやぢ」の件で会社に申し入れた事や、この間の面談闘争に至る経緯が、逆に評価された面もあると思います。こういう積極性や客観性・分析性は、仕事をする上でも絶対に必要です。事実、前任地の所長も、「××さんのように、きちんと筋道立てて指摘してくれる人が他にいない」と、私の前でしきりにぼやいていましたから。

 ひょっとしたら、前任地のバイトの中には、今回の異動を「抜け駆け」「裏切り」と取る向きもいるかも知れません。でも、我が身が一番可愛いのは誰しもです。私はその中でも、労組に加入して会社と団交したり、新聞を発行するなどして、出来る限りの事はやって来たつもりです。後は、それをどう生かすかは残ったメンバー次第です。権利の上に胡坐を掻き、無知や臆病を口実にして愚痴るしか能の無い人間に、私を批判する資格なぞ無いと考えます。
 今回の件でも、「パニックおやぢ」のように保身の為に会社に媚びへつらったり、会社に睨まれるのが嫌さにそれに渋々従う生き方だけでなく、「納得行かない事、不当と思われる事には堂々と異を唱える」生き方もあり、寧ろそれでこそ道が開ける場合もあるのだと言う事を、バイトの前に示す事が出来たのが、私にとって何よりもの収穫でした。しかし、それを当の前任地のバイトがどこまで理解しているか。「文句言えば飛ばされる」との捉え方から抜け出せない限り、そのバイトはずっと奴隷のままです。

・・・という事で、職場新聞やブログの「職場人権レポート」シリーズも、とりあえずはこれで一旦お開きとします。また問題が起これば再開します(余り無いようにして欲しいです)が・・・。
 地域労組の方も、勤務地が変わる以上は、本来ならそのまま異動(移籍)するのが筋ですが、異動先の組合も不活発ならば、一層の事、今まで通り「城北友愛会」に所属して、争議の時のみ近隣組合に支援要請する方がベターなのかも。

   
 これが新しい異動先の、作業場風景の一部と食堂メニュー。設備は古いがメシは豊富(定食以外にもカレー・うどんなどの単品や、社内販売のおにぎりなどもある)。次長も「ここのメシはうまい」と言っていたw。

※「職場人権レポート」シリーズをひとまず終わるに当たり一区切りつける意味で、今回の記事も職場新聞に一応編集しました。但し、記事執筆時点では私は既に異動を完了しているので、この職場新聞最終号(ワーキングプア解放新聞№11)は、それまでの職場読者にとっては、紙ベースでは配布されない「幻の紙面」となってしまいました(泣)。
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面談闘争 S勤大パニック

2011年02月16日 23時40分37秒 | 職場人権レポートVol.1
※以下、2月18日配布予定の、同名タイトルの職場新聞最新号(ワーキングプア解放新聞№10)から全文転載します。(但し実名部分についてはアルファベット等に置き換え)

■ 第一次面談闘争、開始!
・ 日時及び場所:2/14日(月)14:00~14:40 ××センター2階会議室
・ 出席者:S次長、M所長、I担当、H(日配バイト)、私(同)、I(洗浄バイト)
・ 会社側からの提示内容:
 赤字減らしの為に、「S勤」(ショート勤務)導入による出勤調整を行いたい。「S勤」とは、例えば通常1日8時間労働の所を5時間に調整する手法で、以前には何度か行われてきたものである。それをここでも、この2月21日から、週1日3時間ぐらいの割で、閑散期(1~6月)の間、2ヶ月づつ様子を見ながらやっていきたい。

■ 同上闘争における私からの質問項目
(1) 物量が減っても、仕分け店舗数が減る訳ではないので、仕分けに要する時間や労力は変わらない。数字だけ見て安易に人減らしされては困る。
(2) 物量が減って事業所の赤字基調が続くのは、あくまでも経営サイドの問題であり、労働者には何の責任もない。
(3) 同じ会社の中に黒字部門も赤字部門もある中で、ことさら赤字部門だけを取り上げて騒ぎ立てるのは筋違いだ。黒字部門で赤字部門を補えば良いだけの話だろう。
(4) 赤字基調の原因の中には人員配置のムラもある。一日の物量変動に準じた勤務シフトになっていない。午前中は比較的余裕があって午後から物量が増える場合に、昼勤の人数をどちらに合わせるのかを考えると、今の昼夜2シフト制では限界がある。8時間毎の3シフトに組み替えるなどの対応を考えるべきではないか。
(5) 作業や生産性のムダを論うなら、必要備品のドーリーも手配できずにPC積み替えなどの余分な作業を発生させてしまっている現状こそ、真っ先に問題にすべきではないのか。
(6) 繁忙期・閑散期の捉え方が現場の感覚から外れている。現場では普通、閑散期というのは年明けからせいぜい2月末までを指す。春先以降は寧ろ繁忙期に当たるのではないか。

■ 同じく会社側からの回答要旨
(1)(2) については、「お説ごもっとも」「申し訳ない」、「だからこうして、お願いしている」。
(3) については、「確かにそうだが、会社自体もそんなに財力はない」。
(4) については、「一考に価する提案だ」「いろいろ検討してみる」。
(5) については、「今は以前とは違い、別のセンターで使われなくなったドーリーが余ってきている。後は回収タイミングと運送コストの問題のみなので、何とか解決したい。」(S次長)。
(6) については、「部門によって物量の偏りがあるので、現場の感覚と数字での評価が一致しない場合は当然ある。数字上ではあくまでも1~6月が閑散期となっている。」(同上)

■ 回答に納得いかず再面談を要求 ⇒ 第二次面談闘争へ!
・ 日時及び場所:2/15日(火)15:30~16:00 場所は第一次と同じ。
・ 出席者:会社側は第一次と同じで、対象者は再面談を要求した私のみ。

■ 同上闘争における私からの要求項目
(1) 赤字の原因は元請スーパーと一次下請け業務請負会社によるピンハネにある。最初から赤字になる仕組みになっているのだ。第一次面談で提示された収支比較の数字なんて、ピンハネされた後の「出がらし」にしか過ぎない。
(2) 我が社の経営幹部や社員も、元請・一次下請けと一緒になってピンハネの上に胡坐をかいてきた。下記事例がその何よりの証拠だ。これでは「社員や役職者の温存を図る為に、今までバイトだけに矛盾をしわ寄せしてきた」と思わざるを得ない。
① 昨年団交時の「法律に違反さえしなければ、どんなにこき使っても構わないのだ」と言わんばかりの対応。(2010年11月24日、当時の団交報告資料を添付)
② レイアウト変更時の「資材・野菜ドーリーラベルやり換え放ったらかし事件」。(2月7日)
③ 今日の本社による職場巡視をやり過ごそうとする姿勢だけが見え見えの、直前になってのアリバイ的な安全標語配布。(標語コピーの現物提示)
④ アルバイトと同じ作業についている「名ばかり社員・課長」の多さ。
(3) そんな上がり目のない職場でいるよりは、もっと好条件の配属先で働きたい。こちらも転職先探しはするが、元はと言えば会社がまいた種であり、会社としても配属先を探す義務がある。

■ 同じく会社側からの回答要旨(主にS次長が回答)
(1) 配転希望なら紹介・斡旋するが、好条件の所は殆どない。始業時間や通勤の便を考えると私の自宅周辺地域に限られるが、当該地域はとりわけ低時給(大抵800円台)で、二次下請けの所が大半。リフトオペレーターなら時給千円をクリア出来るが、終日リフト乗っているのは身体に堪える(特に冷凍庫内)。
(2) 「名ばかり社員・課長」の多さには歴史的経過もある。今まではリストラしない社風で来たが、現在、余剰社員については集約化を順次進めている。
(3) 少なくとも私には、元請や一次下請けの顔色を伺っているという意識はない。今までも言うべき事は言ってきた。ドーリー不足については、ほぼ解消しつつあるので、もう少し待ってほしい。
(4) 決して「上がり目のない職場」だとは思わない。今までは新システムの運用・習熟で手一杯だった。今後は、それまで手が届かなかったムリ・ムダ・ムラの排除に、本格的に取り組む事で、浮上も充分可能だと考える。同時期に稼動開始した別のセンターで誤配・破損事故が頻発した事と比べても、当センター勤務者の能力は高い。

■ 「S勤大パニック」の予感
 以上、紙数の関係で箇条書きに経過を追いました。懸案のPC積み替え作業問題について、ドーリー不足解消の可能性が出て来たのは何よりです。
 S次長・M所長が言われた事についても、正直言って、まだまだ信用しづらい部分はありますが、配転希望のほうは一旦保留の上、S勤についても「お手並み拝見」とします。少なくとも、昨年団交時の「名ばかり部長」どもによる、人を食ったような対応と比べたら、今回の対応のほうが、まだ人間味があるのは確かです。
 でも、もう2月21日からS勤が始まるというのに、運用の基本形(注)すら決まっていないのでは、シフト作成のしようがないのでは?・・・。

(注)週1日3時間の削減目標を、朝一番にまとめて取るか(7時→10時始業)、一日の終わりに取るか(16時→13時終業)、それぞれ1時間ずつ削減するか(16時→15時終業を週3日)。それらの、どのパターンで行くかによって、シフト作成や作業段取りも変わってくる。



【追記】 「第二次面談闘争」に登場する用語の解説(改訂版)

 私と同じ職場の読者の方には上記の新聞記事だけで充分ですが、それ以外の一般読者、特に初めてこのブログを訪問された方には、上記説明だけでは何の事か分かり辛いと思われますので、一応補足しておきます。

  

① 昨年団交時の「法律に違反さえしなければ、どんなにこき使っても構わないのだ」と言わんばかりの対応。(2010年11月24日、当時の団交報告資料を添付)――について。
 上記左の写真が、青色ケースのPC(結構重い)を、写真左側にあるカゴ車から右側のドーリーという平状の台車に移し替えている所です。「最初からドーリーで納品すれば、こんな危険な作業なぞしなくても済む。必要備品のドーリーぐらいきちんと確保せよ」と、昨年11月24日の団交で要求した時の、会社側の対応が、「法律に違反さえしなければ、どんなに重いものを運ばせようと構わない」と言わんばかりのものだった。

② レイアウト変更時の「資材・野菜ドーリーラベルやり換え放ったらかし事件」。(2月7日)――について。
 そして同じく右の写真が、資材用の店名ラベル収納ラック。今年2月6日の構内レイアウト変更時に新しいラベルに差し替えておかなければならなかったのに、ウチの社員ときたら、「上が動かないから」と言い訳してそのまま放置。お陰で翌日の作業が大混乱。「上が動かない」なら「こちらも上を使うなりして動くように持って行く」のが社員の仕事だろうに。

 

③ 今日の本社による職場巡視をやり過ごそうとする姿勢だけが見え見えの、直前になってのアリバイ的な安全標語配布。(標語コピーの現物提示)――について。
 そしてこれが、本社の職場巡視当日(2月15日)に、社員が現場配布していた安全標語のコピー。幾らこんなものを配っても、当の社員が上記の体たらくでは、全然相手の心に響かない。

   

(1) 赤字の原因は元請スーパーと一次下請け業務請負会社によるピンハネにある。最初から赤字になる仕組みになっているのだ。第一次面談で提示された収支比較の数字なんて、ピンハネされた後の「出がらし」にしか過ぎない。――について。
 そして上記左の写真が、センター正門に掲げられた元請企業の大手スーパー○○と、一次下請け業務請負会社で主に商品の受発注・伝票管理を請負っている△△の看板。同じく右の写真が、二次下請け業務請負会社で主に構内作業を請負っている作業会社××の看板。この写真こそが、これら三社の関係を最も端的に表している。
 この写真を見ていると、つくづく、これら三社の関係が、まるで江戸時代の士農工商や、インドに残存するカースト制などの身分制度のようなものである事が、皮膚感覚として分かる。職場新聞の中にある「××は○○・△△にピンハネされ」云々や「○○や△△の顔色を伺いながら」云々の記述が、身にしみてよく分かる。

 しかし、こう書くと、ひょっとして、こんな疑問を抱く人もいるのではなかろうか?
 「本来、派遣とか請負という働き方は、そんな身分制度みたいなものから、労働者を解放するものではなかったのか?」「その為の自由化・民営化であり、規制緩和だったのではなかったか?」「それが何故、こんな昔の身分制度みたいなものになってしまったのか?」・・・と。
 それを解く鍵は、これら「自由化・民営化・規制緩和」が、「果たして誰の為のものであったのか?」を考えるとよく分かる。それは偏に、庶民の幸福の為なぞではなく、大金持ちの金儲けの為だった。「働き方が自由になった」のはホンの僅かで、それよりも遥かに「搾取の自由」が横行するようになってしまった。

 「今まで国や自治体がやっていた保育所や郵便局の仕事も、これからは民間にどんどん任さなければならない」という意味で、「官から民へ」というスローガンがしきりに掲げられたが、これも曲者だった。「民」というのも、実は「庶民」ではなく「民間大企業」の事だった。
 それではこうなるのも、ある意味必然だった。しかし、こんな事はいつまでも続かない。規制緩和や自由化によって、庶民も以前よりは容易に情報が手に入られるようになった。その結果が、今、中東・アラブ諸国に広がっている民主化の波だ。もはや日本も、その例外では決して在り得ないだろう。
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賃下げ・労働ダンピング粉砕! 社長もバイトで働け!

2011年02月13日 14時56分34秒 | 職場人権レポートVol.1
 明日から私のバイト先で個人面談が始まります。この年度末を控えた時期にわざわざ面談を行う理由は、更なる契約変更しかないでしょう。
 具体的には、一つには派遣社員への処遇変更が考えられます。私の会社には、私のような直接雇用の契約社員の他に、レギュラーとして働いている派遣社員もいます。その派遣社員を直接雇用に切り替える動きが、いよいよ大詰めを迎えているのでしょう。それを聞いて「同じ非正規でも直接雇用ならまだ良いじゃないか」と思ったら大間違い。企業がそうするのは、あくまでもその方が使い勝手が良いからです。今までは何年も派遣社員のままでこき使えたのが、今後はそういう訳にもいかなくなった。だから直接雇用に切り替えるが、その代わりに時給や労働条件は更に引き下げるよ、と。結局、幾ら派遣から直接雇用に切り替わった所で、直接雇用先が会社丸ごと元請大企業にピンハネされている、今の資本主義の「不公平・不公正」を変えない限り、事態は何も変わらないのです。

 それが、もう一つの理由として考えられる、時給や契約時間の変更です。900円から880円に下げられた時給(通常の直接雇用の場合)が、今度は850円位に下げられるのではないでしょうか。そう言えば、私鉄やJRで車掌や駅員をやらされている契約社員も、今やそれ位の時給でこき使われています。危険とも隣り合わせの、休みもまともにとれない立ち仕事の時給が、たったの850円前後とは、労働者も随分見くびられたものです。バナナの叩き売りじゃあるまいし、人をバカにするのも大概にしろと言いたい。
 若しそのような内容が提示されたら、労働組合(今は社員も含めて私一人しか加入していませんが)で問題にして、団交に持っていこうと考えています。これ以上、会社側の勝手気ままな労働ダンピング(労働力の安売り競争)を許すようでは、もはや「人間としてどうなのか」が、労働者にも問われていると思います。

  
 
 その際の戦術ですが、例えば今の時給880円から850円への切り下げが提示された場合に、「バイトにだけしわ寄せするな、正社員も時給850円にしろ」と、要求しようと考えています。これは平社員だけでなく社長も含めてです。それに対して、「同じ正社員でも社長や重役と平社員では自ずと責任性に違いがある」という反論は当然予想されるでしょうから、それに対しては例えば「社長は時給千円、役職者は時給900円、平は850円」という具合に、一定の範囲である程度差をつけるのはアリです。しかし、他人に偉そうに賃下げを迫る以上は、まず己から率先垂範するのが筋でしょう。
 これは確かに、下手すれば労働者(正社員と非正規)の分断にも繋がりかねない発想です。実際に、あるブログ仲間の人からも、そのような忠告を頂きました。でも、今のウチの正社員の体たらくからすれば、これぐらい言わなければ、我が事として捉えてもらえないだろうなというのが、正直な実感です。

 ついこの間も、こんな事がありました。私のバイト先は大手スーパーの物流センターで商品の検品・仕分け業務を請け負っている二次下請け会社ですが、配送エリアの入れ替えまで含めた構内レイアウト変更で、新しい店名ラベルを準備しておかなければならない事は大分以前から分かっていたにも関わらず、ウチの社員ときたら、何も手を打っていなかったのです。店名ラベルの手配は一次下請け会社の仕事で、その一次下請けが碌に仕事もせずに準備がだだ遅れになっているからと言って(これはこれでまた大問題ですが)、「上が動かないから仕方ない」の一点張りで、手をこまねくばかりでした。その挙句に、レイアウト変更当日は私は定休日だったので翌日出勤したら、私の担当部門のラベルがまだ全然更新されていませんでした。お陰で、じゃんじゃん商品が入荷してくるにも関わらず、朝から40分間通常業務をストップして、所長と二人でラベルのやり換えに追われる破目になってしまいました。
 幾らこちらが二次下請けだからと言っても、これでは程度が余りにも酷すぎます。元請や一次下請けが動いてくれないのだったら、こちらも上長に動いてもらうなりして、何とかするのが上に立つ者の仕事でしょうが。それすらしない、出来ないというのであれば、そんな社員や経営者なぞ要りません。全員アルバイトで充分です。昨年のPC積み替え作業問題の団交で、「元請スーパー様には逆らえない」「もっと下請けとしての分をわきまえろ」とほざいた労務担当重役も含めて。そうすれば、時給切り下げも契約時間削減も回避できるじゃないですか。

   

 勿論、この私の戦術が、「正社員とバイトを反目させて、あわよくば両方ともリストラしてしまえ」との企業側の思惑に利用される危険性は、私自身も充分理解しています。徒に下っ端の正社員<だけ>を叩こうとは思わない。私もそこまでバカじゃない。だから「平社員だけでなく社長も含めて」と書いたのです。こんな無気力な社員を生み出したのも、先の労務担当重役の発言からも分かるように、経営者自身が「奴隷根性」の虜になって、搾取の上前をはねる事にのみ汲々としていた所為なのですから。
 それは「社長も時給千円とかウン百円で我慢しろ」という私の要求にも現れています。「それでは商工会議所の会合に着て行くスーツも買えないじゃないか」という社長からの反論も見越した上で、実はわざと社長に無理難題を吹っかけているのです。「最低賃金を時給千円にするなんてとんでもない、そんな事をすれば企業が海外に逃避してしまう」とほざく政府や財界代表に、「では今の時給600円だか700円だかの最低賃金で、お前が実際に生活出来るかやってみろよ!」と言い返すのと同じです。経営者も労働者に同じ事をしているじゃないか。労働者も経営者に同じ事を要求して何が悪いのか!

 今や「大企業が潤えば従業員や下請けも潤う」というのは、只の神話でしかない。今の大企業は、たとえ国内の売上が伸びなくても、リストラや海外からの収益で凌げるようになっている。だから、いつまで経っても日本は不況から抜け出せないのだ。元請スーパーもそんな大企業の一員にしか過ぎない。その裏で、下請け企業の私のバイト先は、確かに経営は苦しいかも知れない。でも、それは我々労働者の責任ではない。こんな不況を招いた政治家や、私利私欲に走る元請大企業や、そんな元請の手先に甘んじている下請け経営者の責任だろう。私はそれに対して、「労働者が普通に働いて、普通に食べていけるだけの賃金をよこせ」と、要求しているだけにしか過ぎない。それは贅沢でも我が儘でも何でもない。当然の人権要求だ。

  
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加害者に仕立て上げられたバイトの悲劇

2011年02月07日 23時59分24秒 | 職場人権レポートVol.1
 1月30日に東京ドームシティで起こったジェットコースター転落事故は、テレビニュースでも大きく取り上げられたので、みなさんご存知の方も大勢おられるのではないでしょうか。乗客の身体を固定するバーがしっかり嵌(はま)っていなかった為に、コースターの回転中に乗客が地上に振り落とされて亡くなった事故です。その後の調べで、乗客の安全確認がまともに行われていなかった事が、次第に明らかになってきました。

 

(1)コースター製造メーカーの仕様書には、バーの嵌り具合は「手で触って」確認する旨明記されていたにも関わらず、ドームシティ側の操作マニュアルには何も書かれていなかった。
(2)それでも当初は上記仕様書の指示通りに手で触って確認するように指導していたものの、客からの苦情があってからは、手で触らず目視だけで安全確認するようになっていた。
(3)操作マニュアルには「バーの安全確認と運転開始はアルバイトではなく正社員か契約社員が行う」と明記されていたにも関わらず、実際には完全にバイト任せだった。
(4)人減らしの中でバイトは接客に追われ、たった一人の担当者も複数の施設を掛け持ちで巡回している中では、安全管理にまで到底目が行き届かなかった。
(5)その中で過去にも、部品が落下したり(昨年10月他)、点検中に従業員が指を切断する(同11月)などの事故が、数度に渡って起こっていた。
(6)また、「バーが嵌らない限り作動しない」「バーが外れたら自動的に緊急停止」「転落防止ネットの設置」などの誤作動防止機能も、遊戯施設には一切備わっていなかった。
(7)大柄な客(被災者の体重約130kg)には安全バーが効かない事も予め分かっていながら、乗客の体格チェックも全然為されていなかった。
(8)そのくせ、「体重差のある乗客同士のペアで更に不安定感のあるスリルを楽しもう」と、HP上で危険行為を煽るような宣伝に走った挙句に、事故後に当該記述をこっそり削除していた。
(9)そんな業務運営をしておきながら、事故後の記者会見では「バイトにも安全教育を徹底していた」と、まるで全責任をバイト個人に転嫁するような姿勢に終始していた。

(参考記事)
・死亡事故 アルバイトの責任はどこまで追及される?(ゲンダイネット)
 http://gendai.net/articles/view/syakai/128691
・東京ドームシティ:コースターから男性転落 間もなく死亡(毎日新聞)
 http://mainichi.jp/select/jiken/news/20110130k0000e040020000c.html
・コースター転落死 手でバー確認「客の苦情でやめた」(同上)
 http://mainichi.jp/select/jiken/news/20110206k0000m040106000c.html
・コースター事故 内規に反しバイトが運行(東京新聞)
 http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2011020690070450.html
・昨年もコースターで事故 10年前には追突で客が首を捻挫(スポニチ)
 http://www.sponichi.co.jp/society/news/2011/02/01/kiji/K20110201000163840.html?feature=related
・東京ドームシティ舞姫事件にみる「経営トップのジレンマ」(ビジネス法務の部屋)
 http://yamaguchi-law-office.way-nifty.com/weblog/2011/02/post-9b6e.html
・東京ドームの「遊園地」の遊具から転落死亡事故! 徹底究明を!(JUNSKYblog2011)
 http://blog.goo.ne.jp/junsky/e/ff7c65ce9e3eb93ed097f3a3bb607924

 つまり、この事故は起こるべくして起こったのです。これだけでも、この東京ドームシティという会社が、とんでもないブラック企業だという事が分かります。こんな会社は徹底的に糾弾されて然るべきです。では、当の安全確認を怠った女子大生のバイトはどうか。実は彼女も、利益至上主義に走った会社の犠牲者であると同時に、刑事責任が問われる加害者でもあるという事も、忘れてはならないでしょう。
 勿論、一番悪いのは会社です。この場合、彼女には情状酌量の余地は大いにあります。でも、それでも安全確認を怠った事で乗客の命を殺めてしまったのは事実です。その事実の前では、「自分はバイトだから」「会社にそうしろと言われたから」等の言い訳は一切通用しません。一旦事故を起こしてしまえば、如何に過労運転を強いられていたとしても、会社の安全管理責任とは別に、ドライバー自身も刑事責任を問われるのと全く同じ理屈です。
 そういう意味では、この女子大生のバイトは、単に会社にこき使われていただけでなく、会社によって加害者にまで仕立て上げられた挙句に、その後の人生まで捻じ曲げられてしまったという点で、「二重の意味で」被害者であると言えるでしょう。

 この東京ドームシティの事故は、我々にとっても決して他人事ではありません。今の私の職場でも、いつ起こってもおかしくない事故です。例えばPC積み替え作業中(左下写真参照)に、PCが自分の頭上に落下してきて怪我をすれば、自分は被害者になります。しかも、それだけではなく、自分のPC積み替え作業指示によって新人バイトが怪我をしたら、今度は自分が加害者にさせられてしまうのです。
 今日の社員の対応からも、そうなる可能性はほぼ間違いないでしょう。構内のレイアウト変更で、新たな店名ラベル(右下写真参照)が必要になる事は大分以前から分かっていたのに、一次下請けの××は仕事サボりまくって必要な準備も禄にしなかった。そして、××が××なら二次下請けのウチの会社もウチの会社で、「幾ら言っても××が何もしないから仕方ない」の一点張りで、見て見ぬ振りをしてきた。その挙句に、当日になって何も準備できていない事が分かり、てんやわんやの大混乱になったにも関わらず、当のウチの社員ときたら「(ウチの職場は)こんなんですわ」の一言で済ませて終わりだったではないですか。

   

 これでは、ウチの社員はまるで「子どもの使い」でしかない。そんな「子どもの使い」しか出来ない社員なら、別に社員でいる必要は無い。全員バイトで充分です。寧ろそのほうが、社員に払うボーナスや退職金もバイトの人件費に回せて、人減らしの必要もなくなる。
 しかも、東京ドームシティよりも更に性質(たち)が悪い。少なくともドームシティの場合は、過失ではあっても故意ではない。それに対して、ウチの社員の対応はと言うと、こちらは見て見ぬ振りなのですから、明らかな故意です。
 何でも会社の言いなりになっていたら、自分が被害に遭うだけでなく、加害者に仕立て上げられる可能性すらあるという事は、よくよく覚えておいたほうが良いと思います。

 バイトだけでなく社員も労働者であり、ともに資本家に搾取されているというのは、一般論としてはその通りです。「名ばかり正社員」や「名ばかり管理職」なんて正にそうです。でもそれは、社員も我々バイトも含めた労働者全体の事を考えてくれているという前提があってこそ、初めて成り立つ話です。その中で、二次下請けという立場上なかなか思い通りに行かない事もあり、「我々社員も努力するからバイトも今はここは我慢してくれ」というのなら、まだ分かりますよ。
 しかし、社員自身が己の保身にのみ汲々として、最初から業務改善の努力も放棄して、「幾ら言っても変わらない」の一点張りでは、バイトからすれば、「変える気がない事の言い訳に、変わらないと言っている」にしか過ぎない。その挙句に、労災の被害に遭うだけでなく、自身が労災の加害者、共犯者にまで仕立て上げられたのでは、堪ったものではない。
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参考資料:<団塊オヤジ>とのトラブル内容(職場新聞の記事より)

2011年01月29日 22時37分48秒 | 職場人権レポートVol.1
当該ブログ記事の内容を労組分会機関紙(職場新聞)でも取り上げました。但し、新聞の性格や紙数の限界もあるので、「魯迅」「橋下徹」云々の話は省略して、事件の報告と自分の主張を直接述べる形にしました。また、それをブログに転載するに当たり、人名・業者名などの実名を、それぞれ<団塊オヤジ><私>などの言葉に置き換えました。「奴隷根性」の克服なくして職場の民主化なし、身近な職場の民主化なくして労働者の解放も社会の変革・民主化も在り得ない。

  

(以下転載)
---------------------------------------------------------------------------------
地域労組・城北友愛会 ××(勤務先下請け会社名)分会機関紙「ワーキングプア解放新聞」№5
第1面(表面):1月21日の<団塊オヤジ:以下「団塊」>とのトラブル内容(会社提出文書)

● 発生日時:2011年1月21日(金)午前10時半~11時頃
● 発生場所:元請スーパー××センター 3便野菜ドーリー仕分け場
● 当時の作業者:<団塊>、<私>、<他1名>

● 当時の大まかな経過:
(ここで原文をそのまま引用してしまうと、業者名・商品名が一杯出てきて話が煩雑になってしまうので、この項のみ、一般読者向けに書いた当該ブログ記事からの引用に代えておきます)

 一つの商品の仕分け中に、別の大量の商品(カット野菜、計500数十ケース)が入ってきました。その時は、私と「団塊オヤジ」と後もう一人の、計3名のバイトで仕分けをしていたのですが、そこから私が、その商品の検品に抜けました。
 その検品商品は、とても仮置き場だけでは収まらないほど大量でした。だから、「現在仕分け中の商品が終われば、直ぐにその大量の商品の仕分けにも取り掛かれるように」との算段もあって、検品が終わった商品の一部を仕分け作業場にも流し始めました。
 その時に、いきなり「団塊オヤジ」が、「そんな事は納品業者にさせろや!」と偉そうに言ってきたのです。私も売り言葉に買い言葉で、「このままやったら置き場所がなくなるから、一部をそっちにも流していってるんやんけ!」と返しました。そしたらいきなり、自分の偉そうな物言いを棚に上げて、「お前、誰に物を言っているんや!」と来ました。以下は、その後のやり取りの流れです。
 団塊:「仕分けする人間がおらへんのやから、検品なんか業者が全部降ろし終わるまで放っておけよ、それより仕分けに回らんかい!」
 私:「検品中に仕分けなぞ出来る訳がないだろう!」「バイトが少ないのも、俺らだけの責任と違うだろう!」
 団塊:「お前、頭おかしいんと違うか!ワシに喧嘩売っているんか!」

● この件の問題点:

(1)この時に検品と仕分けのどちらを優先するかは、あくまでも人による解釈の違いでしかない。確かに<団塊>の言う事も一理あるが、<私>のほうも、検品を先に進めておいたほうが、<A社>の仕分けが終われば、次は直ぐに量の多い<B社>「カット野菜」の仕分けに取り掛かかれるから、という計算もあって検品を始めたのだ。それを<団塊>は、自分の意見だけを絶対視し、<私>にそれを押し付け、言い返されたので切れたのだ。<団塊>の自己中心的な態度が如実に現れている。

(2)その言い分も矛盾だらけ。最初の言い分(そんな事は業者にさせろ)と後の言い分(検品より仕分けを優先しろ)が全然違う。これでは、その時々の気分次第で、周囲に八つ当たりしているだけではないか。

(3)しかも、自分は偉そうに人に物を言っておいて、その自分の事を棚にあげて、人の物言いにケチをつけている。「自分には甘く人には偉そうに言う」ダブル・スタンダード(二重基準)の典型的な事例だ。

(4)「上には何も言えないくせに下には偉そうに言う」ダブル・スタンダードもある。いくら上に言いにくい事だとしても、「人が少ないのは俺らだけの責任か?」への応答に、いきなり「お前頭おかしい」云々はないだろう。己の保身まず先に在りきで労働者の人権を軽んじているから、こんな言動が口をついて出てくるのだ。

(5)<団塊>の横暴な態度は、別に今始まったものではないだろう。当人は<前部署>勤務時にも、その言動に反発する形での、バイトの大量退職を引き起こしているではないか。何故それを、会社も周囲の人間も、今まで放置してきたのか。(※注:裏面に続く)

---------------------------------------------------------------------------------
第2面(裏面):1月21日の<団塊>とのトラブル内容(解説)

●これ以上人をモノ扱いするな、もっとフツーの働き方をさせろ

 以上が、<団塊>とのトラブルの経緯である。既に同じタイトルで、前述の報告書を会社(所長)にも提出している。<団塊>にも、所長を通して、私の言い分を伝えて貰っている。
 もうこれ以上、<団塊>に偉そうにされて堪るか。ちょっと物量が増えたからと言って、そのたびに、何故、あそこまでガーガー急き立てられるような物言いをされなければならないのか。ちょっとした事でいちいち、何故、あそこまで怒鳴りつけられるような物言いをされなければならないのか。我々はモノではない、人間だ。もっと人並みに扱え、フツーの働き方をさせろ。
 
●<団塊>の言い訳に反論しておく

 それに対して<団塊>は、「俺は、休憩もみんなを先に行かせ自分は一番後回しにして、忙しい時は早めに切り上げて作業場に戻って来ているのに、何故こんな事まで書かれなければならないのか」と、嘆いていたらしい。とりあえずそれに反論しておく。
 若し、それが本心だったとしても、それは「善意の押し売り」でしかない。何も会社が「休憩を後回しにしろ」「早めに切り上げろ」と指示した訳ではない。あくまでも当人が勝手にやっている事にしか過ぎない。そういう事を続けていると、やがてそれを他にも強要するようになる。現に、確か去年秋の総力祭の時だったか、当人は他のバイトに「4便出し店舗リストのコピーを取ったか?」と聞いていたではないか。何故バイトが、社員の指示もないのに、そこまでしなければならないのか。それは本来社員がすべき事だろう。そうでなければ、今後はバイトが何でも勝手にコピーしても良い事になってしまうが、それで良いのか?
 しかも、それは本心でも何でもない。若し、そこまでみんなの事を考えているなら、こんな「上には何も言えずに下にばかり偉そうに当り散らす」真似なぞ出来ない筈だ。PC積み替え作業問題についても、職場での役割を考えれば、当人こそが真っ先に改善要望すべき事ではないか。下に偉そうに言う以上は、上にも同じ様に言わなければ、筋が通らない。それをしないという事は、前記の言い訳も、所詮は自己満足であり、己の保身を隠蔽する為の煙幕にしか過ぎない。
 
●「椅子取りゲーム」による「労働ダンピング」の先には地獄しかない

 以上からも明らかなように、当人の中にあるのは、「いかにして自分だけがリストラに生き残るか」という目先の打算だけだ。「椅子取りゲームの中で何とか生き残ろう」とあがいているにしか過ぎない。そのくせ、会社人間の悲しさ故か、「奴隷根性」に囚われる余り、「人数分の椅子を確保させる」「それは利益のホンの数%の経費で出来る」事には思いも及ばないのだ。
 その行き着く先は、際限のない「労働ダンピング」(労働力の安売り競争)、「底辺に向かっての負の競争」でしかない。それは差し詰め、蛸が自分の足を食って生き延びようとした末に、最後には食う足もなくなり自滅していくのと同じだ。

●俺らは奴隷ではない

 そんな「労働ダンピング」に甘んじるのは<団塊>の勝手である。それが無駄な努力でしかない事は、当人にも今まで何度もそれとなく知らせてきた。それでも聞かないのだから仕方がない。現にこの前も、「(今のような状態でも)<前部署>よりはマシ」と済(ママ)ました顔で言っていた。
 少なくとも俺はゴメンだね、そんな「下見て暮らせ傘の下」に甘んじるような、「奴隷・社畜」のような生き方は。もっと人並みに、フツーに生きたい。それは贅沢でもなければ、我が儘でもない筈だ。
 昨今、企業が利益至上主義に走り、無理な人減らしが横行する中で、こんな「フツーでない人物」や「フツーでない働き方」が、其処かしこに跋扈(ばっこ)するようになったが、これは本来オカシイ事、在ってはならない事ではないか。
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現代版・阿Q正伝

2011年01月23日 23時37分46秒 | 職場人権レポートVol.1
   

 書こうかどうか迷ったが、やっぱり書く事にします。
 実は数日前に、職場の「団塊オヤジ」と、とうとう衝突してしまいました。
 きっかけは些細な事です。野菜の仕分け中に、少ない人数で商品の仕分けをしている中で、また次から次へと商品が入荷してくる中で、検品を先にやるか仕分けを先にやるかで揉めたと。現象面だけで見れば、それだけの内容です。(詳しくは次の参考資料を参照の事)

 ただ、それをもっと詳細に見ていくと、また別の面が浮かび上がってきます。
 一つの商品の仕分け中に、別の大量の商品(カット野菜、計500数十ケース)が入ってきました。その時は、私と「団塊オヤジ」と後もう一人の、計3名のバイトで仕分けをしていたのですが、そこから私が、その商品の検品に抜けました。
 その検品商品は、とても仮置き場だけでは収まらないほど大量でした。だから、「現在仕分け中の商品が終われば、直ぐにその大量の商品の仕分けにも取り掛かれるように」との算段もあって、検品が終わった商品の一部を仕分け作業場にも流し始めました。
 その時に、いきなり「団塊オヤジ」が、「そんな事は納品業者にさせろや!」と偉そうに言ってきたのです。私も売り言葉に買い言葉で、「このままやったら置き場所がなくなるから、一部をそっちにも流していってるんやんけ!」と返しました。そしたらいきなり、自分の偉そうな物言いを棚に上げて、「お前、誰に物を言っているんや!」と来ました。以下は、その後のやり取りの流れです。

●団塊:「仕分けする人間がおらへんのやから、検品なんか業者が全部降ろし終わるまで放っておけよ、それより仕分けに回らんかい!」
●私:「検品中に仕分けなぞ出来る訳がないだろう!」「バイトが少ないのも、俺らだけの責任と違うだろう!」
●団塊:「お前、頭おかしいんと違うか!ワシに喧嘩売っているんか!」

 まあ、こんな調子ですわ。その時は、直ぐに周囲のバイトや社員の人が仲裁に入ってくれて、事なきを得ましたが。
 そのくせ、今やっている商品の仕分けが済んでも、他の商品の検品が終わっていない為に、検品が終わるまで待たなくてはならない破目になってしまって(つまり検品と仕分けのどちらを優先しようと結局は同じ事w)、団塊オヤジにもその責任が大いにあるのに、その事はおくびにも出さずに「検品やれよ」の一言だけで。

 しかし、この発言の中にこそ、この「団塊オヤジ」の自己中心的な性格が如実に現れていると、私は思っています。その何処が自己中心的なのか。
 第一に、自分の考え(検品より仕分け優先)だけを絶対視し、他の意見(仕分けと検品を併行して進めトータルとして時間短縮を図る)を一切聞かないという唯我独尊。
 第二に、自分の偉そうな物言いは棚に上げて、他人の非ばかりを論うダブル・スタンダード(二重基準)。
 第三に、自分たちの都合(作業人員の少なさ)だけが先にまずありきで、その為に商品を降ろし終わってからも検品で待たされる業者の迷惑を一切無視しているという我が儘。人が少ない云々なんて、業者からすれば、こちら側の勝手な事情でしかないにも関わらず(実際、業者もその「団塊オヤジ」の言動に対しては、ものすごく怒っていた)。
 第四に、最初の言い分(そんな事は納品業者にさせろ)と後の言い分(検品より仕分けを優先しろ)が全く食い違い、道理の通らない点。これでは、ただの「難癖」でしかない。
 第五に、「人が少ないのは俺らの責任だけではない」という私の反論に対して、「頭おかしいんと違うか」「俺に喧嘩売っているのか」=「うるさい黙れ」と、資本家と同じ立場に立って、問答無用と言わんばかりに封殺しにかかってきた点。これが何よりも決定的。
 そして第六に、結局は仕分けと検品のどちらが後先になるかというだけで、どちらも最後は同じだったにも関わらず、それをごり押しした事の非も認めないという、謙虚の無さ。

 私、あんまり腹が立ったので、その時の経過を簡単に文章にして翌日に所長に提出し、「団塊オヤジ」の配置換えを要求しました。明日からは、「団塊オヤジ」は別の仕分け場で作業に就く事になります。別とは言っても直ぐ隣なので、ホンの気休めにしかならないと思いますが。(追記:結局この措置も保留扱いで、偉そうな物言いに対する注意のみとなった)

 この私の反応を見て、読者の方の中には、「過剰反応ではないか」と訝しがる向きもあるかも知れません。しかし、今までいちいち書きませんでしたが、これは何も今に始まった話ではないのです。
 「団塊オヤジ」のこの物言いは、今までも有名だったのです。有名どころか、前の部署では、この偉そうな物言いに反発して、大量のバイトが退職し、急遽求人・紹介募集のチラシを撒く騒動にまで発展しているのです。
 それでも仕事は一生懸命やってくれるし、何かと世話も焼いてくれたりもしたので、今までは、たとえ偉そうに言われても、そんなに苦には感じなかったのです。また会社のほうでも、「派遣並みの賃金で主任並みの仕事をこなしてくれる」という事で、大目に見ていた部分があったのです。これは今から考えたら、とんでもない甘やかしでしたが。

 ところが、この間、牛乳仕分けやPC積み替え作業などの形で、元請スーパーからの労働強化が強まる中で、この「団塊オヤジ」は、他のバイトが日々怒りを募らせるのに反比例するかのように、逆にますます元請・下請け企業の意に沿う形で動くようになり、私たちに対する態度も、嵩にかかった物言いや、気分次第で怒ったり、人によって対応が変わったりと、そういう面が目立つようになってきました。

 それは上記のやり取りからも充分伺えます。それが第三理由に挙げた「自分の都合まず先にありき」や、第五理由の「上には何も言えずに下に当り散らすばかり」です。「自分さえ助かれば他はどうでも良い」という、弱肉強食の、新自由主義・強欲資本主義の価値観にどっぷり染まって、自分の保身しか考えていないのです。
 もう歳が歳だから、「長い物に巻かれろ」といった封建的価値観から一歩も抜け出れないのでしょう。それを少しでも変えるべく、「オヤジ」にも新聞を配ってきたのですが、結局は変わらなかった。
 今さらそれをとやかくは言わない。でも、俺らまでがその飛ばっちりを受けなければならない謂れはない。そんな「保守・反動」の「会社のイヌ」に、何であんなに偉そうに言われなければならないのか。

 それで以上のような結末に至った訳です。これで良かったのかどうか、今の私には何とも言えません。正社員の中にも「よくやった」と声を掛けてくれる人がいるので、まあ良かったのでしょう。ちなみに、その正社員の人も、「団塊オヤジ」とは何度も衝突していたようです。みんながみんな見て見ぬ振りをしていた訳でもなかったようです。
 という事で、この件はこれで終了です。とりあえず近況報告という事で。本当はこんな職場の恥みたいな事は私も書きたくなかったのですが、これを書かない事には、何故ブログ更新が滞っていたのか、説明がつかないと思いましたので。更新が滞っていたのは、他にも理由があるのですが、その中でも、この理由が割りと大きなウエートを占めているのは確かなので。

 職場新聞(すなわちブログのこのシリーズ)も、年明け以降は編集方針を見直して、今までのような職場の実態告発から、国内外の社会情勢の推移や労働者・人民の闘いの紹介に、その重点を移していっています。それを通してしか、職場の民主化も「奴隷根性」克服もないと思いますので。
 これはまた、日本社会の民主化にも繋がる課題だと、密かに自負しています。何故なら、橋下徹や河村たかし、東国原英夫、阿久根のパワハラ元市長や、石原慎太郎や森田健作というような質の悪い政治家が、何故これほどまでに跋扈するようになったのかを考えた場合、そこにも「奴隷根性」の悪影響があるのは否めないからです。

 彼らの本質はデマゴギーです。彼らは、時として自民党にも逆らったりしていますが、それは決して、自民党の悪政を本心から変えようとしているのではありません。旧来の自民党に取って代わって、自分が新しい「自民党政治の支配者」、新たな特権階級になろうとしているのに過ぎないからです。つまり、古い奴隷主から利権を奪い取って、自分たち新しい奴隷主の物にしようとしているだけで、奴隷制度そのものを無くそうとは決してしない、という事です。
 彼らが、道州制導入の露払い役を買って出て、盛んに「大阪都」や「中京都」の宣伝をしているのも、決して本当の意味での地方分権・地方自治を目指しているからではありません。単に、自分たちの思いどうりになる自治体(橋下王朝や河村王朝)を作りたいだけなのです。自治体行政の私物化以外の何物でもない。

 それが証拠に、彼ら橋下や河村などが、普天間問題や消費税増税、派遣法改正問題、後期高齢者医療制度廃止などの問題で、今までの自民党政治やそれと何ら変わらない民主党政治に、異を唱えた事なぞ一つもないではないですか。根本的な所でこれまでの悪政には何ら手をつけずに、自分の気に入らない相手(官公労・教組や言いなりにならない教委など)をひたすら叩く事で、自分たちが恰も改革者・革命家であるかのように、装っているだけではないですか。
 それは自民・保守系の橋下や河村だけでなく、民主党の菅や小沢も同じです。ただ後者は、反自民で票を掠め取ってきた経緯もあり、前者よりは庶民の味方を装う事に長けている。それだけの違いでしかない。

 そんな政治家が、何故選挙のたびに大量得票してしまうのか。そこには、正論で闘う「バカ正直」な政治家よりも、胡散臭くても力のありそうな政治家に縋ろうとする意識が、国民の間に根付いてしまっているからです。その正体は、保身に走る「団塊オヤジ」と同じ「奴隷根性」です。
 革命前の中国に、魯迅(ろじん)という作家がいました(1881~1936年)。彼は、「阿Q正伝」「狂人日記」などの作品の中で、当時の中国人の「奴隷根性」を痛烈に批判し、これが克服されない限り、中国革命も中国の民主化も成し遂げられないと訴えました。この魯迅の警句が、今の日本にも、そのまま当てはまるのではないでしょうか。

阿Q正伝 (角川文庫)
魯迅
角川書店

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日本政財界用語辞典(村野瀬・プレカリアート・どろ合作)

2011年01月13日 23時05分31秒 | 職場人権レポートVol.1
   

 村野瀬玲奈さんが「日本政財界用語辞典」というものを作ってくれました。不定期連載という事で、今後も新たな用語を追加されるそうです。余りに面白かったので、私もその第一編第二編をこちらに転載させてもらいました。

●多数派: 与えられた問題について自分自身で考え抜くことができないままに賛成または反対を明言する人々のこと。

●選挙: 少数派を多数派に見せかける、あるいは変えるための手続き。

●労働組合: 本来は、そして、日本以外の国では、弱い立場にある労働者の権利を守るために労働者が加入または参加する団体のこと。一方、日本では、労働者の権利を守ろうとしているために、国家主義者や財界や新自由主義者や多数派の人から滅ぼすべき社会悪とみなされている団体のこと。古くからあって規模も大きい代表的なものとして、日教組、自治労など。

●リーダーシップ: 本来は、そして、日本以外の国では、その豊かな見識や公正で立派な態度のゆえに国境や立場を越えた大勢の人々が自然に敬愛し、信頼する人の性格。一方、日本では、相手が嫌がることを相手の合意もなく大した議論すらなく力ずくで相手に強制することを自分に与えられた使命だと頑強に信じ込んでいる、日本の国境を越えた敬愛を得られない人の性格のこと。

●自由競争: 会員制のクラブのメンバーである限られた数の選手が自分に有利なようにルールを決めたうえで自分が審判も兼ねることのできる競争。スポーツ界でではなく、経済界で行われている。

●既得権: 自分以外の他人が持っている権利の総称。同じ内容であっても、自分の権利は既得権と呼ばず、他人の権利だけを既得権と呼ぶ。

●経済活動: 貧しい人のお金をあらゆる手段で探し出して、それを金持ちの人に移し替える方法の総称。

●資本主義: 「あなたのものはわたしのもの。わたしのものはわたしのもの。」という思想。

●財界: 投票権を持たない日本の主権者。

●有権者: 投票権を持つ日本の奴隷。

●改革: 自分だけに都合のよいシステムを作りつつ、そのシステムが自分にだけ利益をもたらして他者には不利益をもたらすという事実を巧妙に隠す行為の総称。


 そして私自身も作ってみました。

●コンプライアンス(法令遵守): 法の不備につけ込み、規制や罰則がないのを良い事に、労働搾取や偽装表示や貧困ビジネスや賄賂政治にどんどん突っ走る時の、隠れ蓑として使われる言葉。「ホワイトカラーエグゼンプションで残業が只働きになっても、合法だから許される」「労働基準法には、荷物の重量制限に関する規定はないから、どんな重いものでも労働者に持たせたり運ばせたりする事が出来る」という具合に。

●右傾化(保守化): どんなに酷い政治や搾取が行われても、「お上や偉い人、お金持ちには絶対に逆らえない」「逆らえば会社や政治家に睨まれて、弱虫だの贅沢だのアカだの反日・非国民だのと罵られる」と、「まだ北朝鮮や中国よりはマシじゃないか」と無理やり自分に言い聞かせて、当の北朝鮮人民の様にひたすら黙って耐え忍び、金正日のような石原・橋下・河村やワンマン阿久根市長のご威光にひたすらおすがりする事。「奴隷根性」の別名。

●ハインリッヒの法則: 労働現場でよく言われる事故の発生確率。一般的に、大事故1件の裏には29件の小さな事故と300件の危険事例(ヒヤリ・ハット)があると言われる。しかし同じ関係は、消費税率5%や完全失業率(名目上は5%台だが実際はもっと大きい)と、相対的貧困率15.7%、非正規雇用者比率33.6%、年間自殺者数32845人の間にも少なからず言えると思うのだが、こちらはムキになって否定する政治家や評論家が後を絶たない。(数字はいずれも2010年の速報値・概数など)

●5S: これも労働現場でよく言われる言葉で、「整理」「整頓」「清潔」「清掃」「躾」などの頭文字を取ったものである。しかし実際には、整備コスト圧縮のために点検を手抜きしたり、必要備品すらケチったりしている事を隠蔽する為に、トイレのスリッパに番号をふったり、カラー刷りの標語ポスターをやたら貼りまくったりして、とにかく上辺だけ取り繕おうとする事。

●自己責任: 業務上のミスは労働者の責任、経営上の失敗も労働者の責任。


 また、どろさんも、村野瀬さんのブログにコメントで下記の用語解説を補充して下さいました。(下線強調部に特に注意)

●派遣社員: 資材課の管理下におかれている消耗品。

●正社員: 会社の管理下におかれている奴隷。

●管理職: 会社の管理下におかれている奴隷のうち、団結権を持たないものをいう。

●団結権: 日本国憲法で保障されているので、経営に不都合でない限りに於いて容認すべき労働者の権利である。

●環境保全: 自然環境の保全と経営環境の保全が対立する場合は、もちろん経営環境の保全が優先されなければならない。

●全国労働衛生週間: 労働者の健康の確保・増進を図り、快適に働くことができる職場づくりに取り組んでいる体面を整える、期間限定の運動。

●労働災害: 業務上災害というべきであろうが、なぜかこのようにいう。

●安全管理: もちろん、第一責任は下請け労働者が負うのである。

●労災予防運動: 労働災害を表沙汰にしない運動。怪我をしても治療費を会社が全額負担することを条件に社会保険を使用させない、仕事を免除する代わりに労災休業を申請させないなどの方法を用いて、「労災事故ゼロ 何千日達成」などの実績が可能になる。

●KY: 現場の朝礼で行われる「危険予防運動」の略称。現場作業に於いて、何が危険であるかを現場労働者に自己申告させることで、事故が起きても「分かっていたくせに」と事故責任を労働者の自己責任にできる。申告の内容はなるべく総括的・一般的なものにすべきであり、実態に即した具体的な指摘をする労働者(注:つまり私の様な人w)はKY(空気読めない)なので要注意である。

 そうしたら、ますます辞典が充実してきました。こちらでも不定期連載という事で、気が向いたら補充していきたいと思います。
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暗潮からのメッセージ

2011年01月13日 16時02分20秒 | 職場人権レポートVol.1
帝国主義 (岩波文庫)
幸徳 秋水,山泉 進
岩波書店

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 正月明けに書いた「2011年 新年の鼓動」という記事の中で、幸徳秋水の下記の文章を紹介しました。

>武装平和、資本家制度、少数政治、賄賂公行の旧年は去れり、而して武装平和、資本家制度、少数政治、賄賂公行の新年は来れり、新年の新は猶旧年の旧の如し、吾人は少しも其の芽出度きを見ざる也。
 然れども、旧観依然、徒らに斯くの如き者は国家組織の表面也、少しく深く社会の裏面に入れば、別に暗潮の熱を帯びて大いに動くあり、・・・利を掠め色を漁するの外に一能事なき富豪の下に、其の衣食欠乏の無道に泣ける労働者あるを見ずや・・・、斯くの如きの暗潮が新年と共に更に新潮を加え来るべきは当然也。
 此意味よりすれば、吾人も亦新年の芽出度きを見ざるに非ず、吾人は此意味に於て新年の前途を祝しつつ、更に読者諸君に向って左の語を為す。
 曰くお芽出度う、曰くお芽出度う!

 原文が文語調でなかなか読みづらいですが、その意味する所は、「今年も去年と同様、軍拡や資本家の搾取や勝ち組の横暴や賄賂政治はますます酷くなる一方だ。年が明けたからといって何もめでたい事はないじゃないか。でも、それはあくまで社会の表面だけを見ているからであって、その底流では衣食にも事欠く労働者の怒りが益々強まっている。年を経ることに、その怒りは更に強まり、社会変革を求める潮流となって力を増してくるだろう。だから、やはり新年はめでたいのだ。」というものでしょうか。

 とても今から百年以上も前に書かれた文章だとは思えません。今でも充分に通用する内容です。明治維新からまだ40年位しか経っていない当時において、「武装平和、資本家制度」等々を擁護する、今で言う所の御用マスコミや石原・橋下・ネットウヨクらを敵に回して、戦争反対・財閥政治打破・民主主義・男女平等などの主張を堂々と展開した先人たちの勇気と先進性に、現代に生きる我々も大いに励まされます。

 しかし、その「暗潮の熱」は一体どこにあるのだろうか?それは案外身近な所にあったりして。私の勤め先は、年末年始はむしろ繁忙期で、お正月気分とは無縁の職場でしたが、そこでもこんな事がありました。
 正月明けの余韻も覚めやらぬある日の午後、冷蔵庫で商品の仕分け中に、あるアルバイトと二言三言、雑談を交わしていた時のこと。その中で、話題がPC積み替え作業の件に及び、私が「みんなも私と同じように順法闘争に立ち上がってくれたら、職場の環境改善も一挙に進むのになあ。それが、みんな黙っているもんだから、この調子では、今後もますます会社に好いようにあしらわれるだけやで」と言ったのに対して、「いや、あんたの言いたい事も、それが正論だという事も、とうにみんな分かっている。でも、みんな会社に睨まれるのが嫌だから、あんたと同じにはなれないだけなんだ。それじゃあ、会社にますます好いようにあしらわれるだけなのも分かっている。分かっているけど、どうして良いのか分からない」という話になりました。

 その時は作業中でもあり、それ以上の話にはなりませんでした。しかし、そのアルバイトは、どちらかというと組合とか運動とかには無縁のタイプで、私もその人には職場新聞を配るのを遠慮していました。一度配った事もあったのですが、その時もやんわりつき返されたりしたので。
 それどころか、私だけが順法闘争をする事で、「あいつだけ早く帰りやがって」という声すら上がりかねないと、実は内心危惧していたのですが、どうやら今の所は、その心配はなさそうです。読者以外のバイトにも、私のやっている事はどうやら人伝に伝わってようです。

 でも、そこから先が、なかなか見えて来ないのです。私自身も、順法闘争する事で、それまでも多くない給料が更に目減りしてしまい、Wワークのバイトを探さなければならなくなってしまいました。本業の減収補填になり、尚且つ健康や生活に破綻を来たさないような、そんな好条件のバイトなんて滅多にありません。
 派遣会社にも一応登録しましたが、派遣会社に支払われる千円を優に超える時給のうちで、実際にバイトが手にするのはせいぜい800円台で、残りは全てピンハネされる事や、安全教育どころか最低限の作業手順すらまともに教えられないのに、労災になれば派遣先とグルになってもみ消すような事もしかねないような派遣会社に、一日に何度も報告の電話を入れさせられてまで、日払いの仕事をする気にはもうなれません。現在、派遣でない副業の面接予約を一件ゲット中です。

 しかし、これも妥協して残業を再開すれば、どれだけ楽な事か。でも、それをやっちゃうと、会社の非を受け入れる事になってしまう。「無理しなくても良い」なんて言っているのも今のうちだけで、そのうちにまた元の木阿弥に戻ってしまうのは目に見えています。
 「あいつだけ早く帰りやがって」と孤立させられる恐れこそ、杞憂であると分かったものの、それも今後はどうなるか分かりません。「××さんはもう上がって良いよ」と定時退勤させられるのも、「あいつはウルサイから早く帰らせろと、上から言われているから、仕方なくそうさせている」というのが、もう見え見えで。「××さんは特別な人で、私には到底あんな真似は出来ない」というのが、他のバイトの大方の受け止め方です。
 これを更に一歩前へ進めていくには、果たしてどうしたら良いか。職場新聞の発行再開ぐらいしか思いつきません。何か妙案がないものでしょうか。

※職場新聞の読者向け質問:さて、上記「冷蔵庫で商品の仕分け中に、あるアルバイトと二言三言、雑談を交わしていた時のこと」云々の、「あるアルバイト」とは一体誰でしょう?
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2010年、私の漢字は”闘”でした。

2010年12月31日 20時40分47秒 | 職場人権レポートVol.1
 私は年末・年始も仕事です。その所為もあって、普段から年賀状はあまり出しません。例年多くても10枚前後です。しかも今年は、ご家族が不幸に遭われた方も例年以上に多く居られ、とても年賀状を出せる状態にはありません。それならばという事で、今年は基本的に年賀状は出さない事にしました。代わりに、2日ぐらいにこのブログ上で、新年の挨拶をさせてもらう事にします。
 そして、新年を迎えるに当たり、今年2010年を一年間振り返ってみると、果たしてどうだったか。私の場合は、今年を漢字一字で表すと、”闘”になります。その理由は、もはや言わずもがなでしょう。それではみなさん、よいお年を。


「職場人権レポート」カテゴリーとその関連記事の一覧

■昨秋から今年初めにかけて:前史
●新センターでの勤務が始まったが、それは新たな労働強化の始まりでもあった。
●社会情勢:普天間・小沢問題、沖縄・名護市長選での基地反対派勝利。
 2009-09-15 異動のたびに待遇が悪くなる
 2009-10-20 今日から新異動先に出勤
 2009-11-24 ゴミ屋敷と5S標語
 2010-02-14 職場の近況
 2010-02-27 とんだ食わせ物のシステム変更

■3~4月:労働強化本格化と労組加入  
●次第に労働強化の全貌が明るみに。まずその第一波として、ハンディが導入される(下記写真)。
●労働強化の対応策として、個人加盟の地域労組に加入する。
●社会情勢:普天間問題での鳩山民主党政権の変節、抗議の県民大会開催。中国毒餃子事件容疑者逮捕、世界社会フォーラム大阪集会開催。
   
 2010-03-27 正しくなくても切れざるを得ない時もある ◎
 2010-04-01 呂月庭容疑者の気持ちが良く分かる ◎
 2010-04-05 奴隷は何故、奴隷なのか? ◎
 2010-04-08 反撃準備完了 ◎
 2010-04-11 今後の闘い方について ◎

■5月:「職場人権レポート」の連載開始 
●この頃、ブログのアクセスが一時的に急伸(最高1日1万アクセス超を記録)。 
●社会情勢:社民連立離脱、鳩山退陣・菅内閣成立。
 2010-05-02 私の職場人権レポートが人気を呼ぶ?! ◎
 2010-05-05 必ず自分でも給与明細をチェックしよう!
 2010-05-14 順法闘争開始
 2010-05-21 奴隷根性の一掃に向けて ◎

■6月:「職場人権レポート」の普及
●同「レポート」カテゴリーの確立、職場新聞としての発行・配布を考え始める。  
●社会情勢:イスラエルによるガザ支援船襲撃、広島マツダ無差別殺傷事件、消費税増税論議盛ん。
 2010-06-10 5.27地域労組おおさか新組合員歓迎会の報告
 2010-06-17 人よりトイレのスリッパの方が大事なのか ◎
 2010-06-24 マツダに被害者面する資格はない

■7月:単なる職場の愚痴や身辺雑記に止まらず、社会的視野から捉えるように心がける始める。
●社会情勢:参院選で民主大敗、中国国内で労働者のスト頻発。
  
 2010-07-04 資本家と労働者は基本的立場が違う ◎
 2010-07-07 人を減らしておきながら写真撮りなんかに現を抜かすな ◎
 2010-07-11 搾取ダイエット ◎
 2010-07-15 「我々の中に搾取されてない奴がいるなんて許せない!」 ◎
 2010-07-16 そっちがその気なら ◎
 2010-07-23 中国労働者の決起に続け! ◎
 2010-07-26 誰がN君の事を笑えるか ◎
 2010-07-30 ブログ読者拡大中 ◎

■8月:職場新聞の発行開始
●新聞紙名を「ワーキングプア解放新聞」とし、「総集編」として◎印分をまとめて配布。
●「奴隷根性の払拭」と「新自由主義の本質暴露」を職場新聞編集の二大方針に据える。
 2010-08-01 で、奴隷根性で実際救われたのか? ◎
 2010-08-05 まだまだ続く職場人権レポート ◎
 2010-08-15 「ワーキングプア解放新聞」遂に発刊!
 2010-08-23 「ワーキングプア解放新聞」のテーマソング
 2010-08-29 新聞とブログの両立を模索中

■9月:下請けの社畜・奴隷根性を払拭せよ
●元請スーパーの新自由主義的経営とは別に、職場の独自課題として標記内容を掲げる。
●その立場から、「職場人権レポート」カテゴリー以外の下記記事も、新聞に掲載・発行する事にした。
●社会情勢:尖閣問題(後に海保ビデオ流出事件も)。
 2010-09-01 社長の欺瞞を粉砕する
 2010-09-01 いよいよ新聞らしくなってきた
 2010-09-05 2010年9月「総力祭」作業検証資料
 2010-09-05 ヒラメ社員ばかりで責任者不在の職場
 2010-09-12 ネオリベも恐竜と同じ道をたどるだろう
 2010-09-16 沖縄グルメとエイサー祭りで抵抗のパワーをもらう(なにわB級グルメ探訪)
 2010-09-26 尖閣諸島は沖縄人のものだ(反改憲・戦争協力)
 
■10月:闘いの公然化準備  
●労働強化の第二波到来。牛乳仕分け作業の内注化(下記写真:当該作業もバイトがしなければならなくなった)、個人日報の記入(カンバン方式の導入図るも直ぐに立ち消えに)。
●社会情勢:仏・年金デモ、チリ鉱山救出劇、中国反体制知識人のノーベル賞受賞。
  
 2010-10-03 やはりマルクスの言った通りじゃないか(反貧困・新自由主義)
 2010-10-10 奴隷根性に支えられた搾取と右傾化
 2010-10-10 決行予告
 2010-10-13 社畜の奴隷根性が新自由主義をはびこらせる
 2010-10-14 いささか手前味噌の宣伝ですが
 2010-10-18 上に政策あれば下に対策あり
 2010-10-19 劉暁波さんから我々へのメッセージ(北朝鮮・中国人権問題)
 2010-10-21 チリ鉱山作業員救出報道が決して伝えなかった真実(反弾圧・監視社会)
 2010-10-24 個人日報と歩数計で過密労働の実態をあばく
 2010-10-31 「革命」フランスと「奴隷」日本の違い(その他の国際問題)

■11月:遂に労組公然化と団交へ  
●労働強化第三波、PC積み替え作業問題発生(下記写真)。これを機に、いよいよ労組加入公然化の腹をくくる。その後の団交で「無理しなくて良い」との言質を引き出す。
●社会情勢:北朝鮮砲撃事件、沖縄県知事選。
  
 2010-11-04 安全を蔑ろにしたままモラルや効率を語るな
 2010-11-07 とうとう賽は投げられた ★
 2010-11-07 橋下徹のいう世間なるものの正体(地方政治・地方自治)
 2010-11-10 いよいよ労組公然化と団交申入れへ ★
 2010-11-11 これは絶対に負けられない闘いです ★
 2010-11-15 会社の居直りを許すな!
 2010-11-18 大きな行動も小さな勇気から始まる
 2010-11-21 第1回団交にむけての方針(案)
 2010-11-25 11.24団交報告 ★
 2010-11-28 11.24団交の到達点を改めて再確認しておこう ★

■12月:順法闘争に闘いを引継ぐ
●資本の側が、法の不備をついて「合法であればどんなに酷使しても構わない」との挙に出る以上は、労働者側もそれに対抗して、労働法規を盾に順法闘争を行う権利がある。
●それを意識付ける為に、★印記事をまとめてダイジェスト保存版として発行・配布。
 2010-12-02 目の前の北朝鮮をまず先に何とかしろよ
 2010-12-15 順法闘争の資金稼ぎに敵地へ乗り込む
 2010-12-26 順法闘争を社畜・奴隷根性一掃の突破口に
 2010-12-31 2010年、私の漢字は”闘”でした。 
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順法闘争を社畜・奴隷根性一掃の突破口に

2010年12月26日 23時22分55秒 | 職場人権レポートVol.1
    

 なかなか次の記事を書きあぐねているうちに、いよいよ今年も押し詰まって来ました。このままでは何も更新できないまま大晦日を迎える事にもなりかねないので、とりあえず今回は、団交以後の近況について、簡単に報告しておきます。

 まず私の副業バイト探しの件ですが、派遣会社への登録のみに止めました。来年1月20日までの出勤シフトも決まり、働こうと思えば直ぐに働けなくもなかったのですが、年末年始は本業のほうも忙しくて、とても副業にまで手を伸ばす気にはなれませんでした。身体を壊したら元も子もないし。
 月収は16万円ぐらいまでダウンしますが、今までの蓄えも少しはあるので、それで何とかやり繰りします。正月明けから3月ぐらいまでは暇になるので、副業はその時にまだ探せば良いでしょう。

 そういう形で、順法闘争に突入せざるを得なくなりましたが、法の上に胡坐をかいて「違法でさえなければ、どんな働かせ方をしても構わない」という態度に会社が出てきている以上は、こちらも法を盾に順法闘争で自己防衛せざるを得ません。残業カットによる減収さえなければ少なくとも収支トントンには持っていけるので、割り切って今まで通り残業すれば良いのでしょうが、その事で今までの会社の非まで容認してしまうのは癪に障るので、意地でも定時退勤を貫き通すつもりです。
 勿論、私一人が残業を拒否した所で、会社にとっては痛くも痒くもないでしょう。それどころか、他のメンバーにしわ寄せが行く分、私が職場から浮きかねない懸念すらあります。実はこの間、それでずっと悩んできました。

 その一方で、この間、職場新聞で自分の立場を明らかにしてきた事もあって、逆に「奴隷労働への怒り」を見せつける形になっています。それを維持する為にも、今の順法闘争は出来る限り続けようと思っています。
 その唯一の例外として、30日の大晦日商戦対応日だけは、私もみんなと同じ様に残業しようと今は思っていますが、これもその後の会社の態度如何によっては、どう変わるかは分かりません。

 次に、地域労組の争議交流会議というのが21日にありました。その件についても簡単に報告しておきます。この会議は、組合が現在取り組んでいる争議について、今後の対策を練ったり当事者同士の交流を図る為に、毎月定例で開かれているものです。とは言っても、個人加盟の小さな組合なので、実際は数人が集まっての近況報告という感じで、1時間ほどで終わりました。
 大抵が平日夕方からの開催なので、今まではなかなか参加出来ませんでしたが、今回は遅刻しながらも何とか参加する事が出来ました。

 私が何故この会議に参加する気になったかと言うと、例のPC積み替え問題に関する団交の進め方について、労組についても少し言いたい事があったからです。
 今回の団交については、労働強化に一定歯止めをかける事が出来た点では、確かに勝利です。しかし、その一方で、会社側に言いたい放題言わせてしまったという点では、非常に不満の残るものでした。確かに、会社側の出方を読めずに、その場で的確に反論出来なかった私も未熟でした。しかし労組も、もっと動員をかけてさえくれれば、あんな矛盾だらけの会社側の言い分なぞ簡単に蹴散らせたのにと、悔やまれてなりません。それが組合側の参加者が私以外には委員長1名だけとは、余りにも人数が少なすぎやしないか、という思いも同時にあったからです。

 でも、労組の実情を知るに及び、それはなかなか難しい問題だという事も分かりました。未組織労働者による個人加盟の組合で、交渉日程も直前になってようやく決まる事が多い為に、動員要請も交渉前夜でのメール連絡に頼る中では、なかなか人も集まらないのだとか。それでも、賃金未払いにオーナー資産の差し押さえで対抗したりもしているのですから、小さい割にはよく頑張っているのではないかと思います。
 もっとみんなが組合や団交に加わり、職場から「社畜」「奴隷根性」を払拭できれば、もっと職場は良くなるでしょうが。これは、同じ様な他の多くの日本のワーキングプア職場にも言えるのではないでしょうか。それが、引いては日本の右傾化・新自由主義化に対する歯止めにもなるのでは。

 何故ここで話を右傾化云々にまで広げるかというと、それが今の職場状況を生み出した元凶だと思うからです。財界・大企業は、経済のグローバル競争に打ち勝つ為に、80年代以降、労組・市民運動・左翼の力を殺ぐ事に力を注いできました。その為に、右翼的労戦再編(御用組合育成)や公企業の民営化、小選挙区制導入や教育の反動化などを相次いで仕掛け、運動の弱小化を図ってきました。そうして、長い時間をかけて、国民に「社会変革への諦め」や「社畜・奴隷根性」を植えつけてきたのです。勿論、左翼の側にも、組織内部の問題や、時代の変化に的確に対応し得ない弱さがあったのは事実です(例えば北朝鮮問題など)。でも、それだけが労組・市民運動・左翼退潮の原因ではないと思います。それを受け入れてきた国民の側の問題もある筈です。
 それら総体に対するアンチテーゼとして、「社畜・奴隷でない生き方」をバイト仲間に指し示す意味でも、この順法闘争は当分続けなければならないと思っています。
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