アフガン・イラク・北朝鮮と日本

黙って野垂れ死ぬな やられたらやり返せ 万国のプレカリアート団結せよ!

当ブログへようこそ

 アフガン・イラク戦争も金正日もNO!!搾取・抑圧のない世界を目指して、万国のプレカリアート団結せよ!

 これが、当ブログの主張です。
 詳しくは→こちらを参照の事。
 「プレカリアート」という言葉の意味は→こちらを参照。
 コメント・TB(トラックバック)については→こちらを参照。
 読んだ記事の中で気に入ったものがあれば→こちらをクリック。

在特会と合わせ鏡のゴミ投稿にまとめて返事しておく

2010年01月31日 11時00分50秒 | 北朝鮮・中国人権問題
 「上から目線でブログの運営に口出しするな」と書いて以降も、断続的に糞コメントが寄せられてきたので、その直前の分も含めて、ここでケリをつけておきます。

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●状態:保留/タイトル:(無題)/投稿日時:2010-01-24 21:42:28/投稿者名:反帝抗日英雄/投稿記事:広島焼きの話の続きなど

「アフガン・イラク戦争も金正日もNO!!搾取・抑圧のない世界を目指して、万国のプレカリアート団結せよ!」
とトップに掲げられていますが、なぜ「日帝にNO!!」ではなくて「金正日もNO!!」なのでしょうか?
金正日国防委員長を先頭とする共和国が米日帝国主義に必死に対峙しているときに、日米軍事同盟の下に安住する日本人が国防委員長を呼び捨てにして非難するのはあきらかに朝鮮差別です。「金正日もNO!!」の削除を要求します。
「米日帝国主義の朝鮮侵略策動にNO!!」に書き換えてください。

●状態:保留/タイトル:(無題)/投稿日時:2010-01-25 08:37:54/投稿者名:反帝抗日英雄/投稿記事:広島焼きの話の続きなど

結局のところ、この「プレカリアート」はごう慢な帝国主義的民主主義者にすぎないのです。帝国主義的民主主義者はブルジョア民主主義を絶対視し、それと異質な政治体制を敵視します。朝鮮民主主義人民共和国で金正日国防委員長が支持されているという事実を見ない・見たくない・理解したくないのです。
このような連中が、かつて「満蒙を社会主義の新天地に」とか言って日帝の中国侵略を支持したり、「イラクの民主化」とかいってブッシュのイラク侵略戦争を支持するような立場にすぐに転落するのです。
反帝国主義の立場を堅持しないならば、あなたもネオコン一味です。
三浦小太郎なる極右の投稿を許していることも、あなたの政治的立場を如実に表しています。つまり「人権」とか「民主主義」とかを口実とした帝国主義支持なのです。「火花」というニセ左翼グループは、朝鮮侵略戦争を支持するに至っています。あなたも朝鮮侵略戦争を支持するでしょう。
もしあなたが反帝国主義の立場にたちきらないのならば、あなたは三浦小太郎の同類であり、左翼をなのる資格などありません。さっさとRENKにでも参加して、極右活動に励んでください。

●状態:保留/タイトル:日本の言論知識人こそ非難されるべき/投稿日時:2010-01-30 02:37:40/投稿者名:しきちゃん(日本人)/投稿記事:蓮池透さんの進歩と限界

透さんは被害者でありながら一生懸命がんばっていると思います。
非難されるべきは言論知識人ですね。言論知識人が一般国民に正しいものの見方を示すべきでしょう。
拉致問題の核心は日本人と朝鮮人の人権が対等に扱われていないことにあります。日本人にとって、日本人と朝鮮人の命が等しく尊いなどという考えは想像を絶するとんでもないことなんですね。『日本人の命は地球より重く、朝鮮人の命は枕木一本』、これが左翼を含めほとんどすべての日本の言論知識人の人権感覚なんですね。チョムスキーに学び、日本と北朝鮮を対等な立場において客観的な立場で次の命題に答えを出すべきでしょう。
1)日本は朝鮮を侵略して夥しい朝鮮人を拉致、虐殺して何ら責任を取らず60年以上も放置したままなんですね。
『日本人が朝鮮人を拉致して放置しておいていいんだったら、どうして北朝鮮が日本人を拉致したらいけないんですか?』
2)日本人は夥しい朝鮮人を拉致して在日朝鮮人を作ったばかりか虐待、迫害をし続けていますね。
『在日朝鮮人が当たり前なんだったら、在朝日本人だって当たり前じゃぁないですか?どうして日本人は在朝日本人(拉致被害者)捜しをするんですか?』
拉致は自業自得。つべこべいわずに巨悪の植民地支配を清算して日朝国交正常化すべきではないですか?

●状態:保留/タイトル:拉致問題の背景を知ることこそ重要/投稿日時:2010-01-30 02:57:01/投稿者名:しきちゃん/投稿記事:蓮池透さんの進歩と限界

『被害者救出運動に過去の清算や従軍慰安婦問題を持ち込むべきでない』、とゆう意見は問題発言ではないでしょうか。
たとえばですね、強盗を警官が逮捕して身柄を拘束すること考えてみましょう。
逮捕して留置所で拘束する行為だけに着目すれば立派な拉致、人権侵害ですよ。強盗とゆう犯罪を抜きに逮捕や拘束の妥当性について議論することはできません。
それから犯罪で犯人の責任を追及するときでも人権を考慮して背景、動機について徹底的に調査して因果関係を明らかにすることは非常に大切なことです。オームの麻原氏について考えてみましょう。
『サリンで無差別殺人をやるなど論外』といって問答無用で処刑しましたか?
本人の弁護士料だけでも5億円かけ、何年もかけて慎重に裁判をしましたよね。
それとも”北朝鮮だから”問答無用で犯罪国家に仕立て上げていいとでも思っているんでしょうか?
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 まず前半の「反帝抗日英雄」に対して。早速ご大層なハンドルネームでお出ましですが、「神州不滅の大日本帝国」や「北の偉大なる首領・将軍様」と同レベルの「張子の虎」ぶりにも気が付かず、わざわざ広島焼きの身辺雑記エントリーにまで、このような無粋な糞コメントを寄こして、ご苦労なこって。
 前述したように、どういうテーマを掲げ、どういう記事を書き、誰それを参加させようと、個人の自由。それに対抗したければ、お前がより説得力のある文章で反論すれば、それで良いだけの話。しかし、お前の投稿は、具体的根拠を何一つ上げないまま、「誰それは彼それと同じ」式の中身の無いレッテル張りに終始しているだけ。
 「朝鮮民主主義人民共和国で金正日国防委員長が支持されている」のなら、何故、脱北者が次から次へと出てくるのか?何故、国内で金正日批判を一切許さないのか?何故「極右」だけでなく、アムネスティ・インターナショナルなどの国際人権団体も、北朝鮮の人権状況に対する憂慮をたびたび表明しているのか?単に恐怖政治で人民に支持を強要しているだけではないか。人権に国境はない。人権侵害に抗議するのは、右とか左とかいう以前の、人間としての当然の努めだろう。新自由主義の米国や日本でも人権が守られているとはお世辞にも言えないが、人権状況が最低の北朝鮮に、それを自国の事は棚に上げて批判する資格はない。
 一体俺がいつ「イラク侵略戦争」や「ネオコン」を支持した?「ブルジョア」による新自由主義の「派遣切り」「労働者の使い捨て」を批判している俺が、いつ「ブルジョア民主主義を絶対視」した?「救う会」のみならず「RENK」についても、当初こそ一定評価していたものの、その後は距離を置いている事も、既に旧掲示板時代から明らかにしているんだけど。それに対して、記事のテーマとも無関係にいきなり登場しての、お前の傍若無人の振る舞いは一体何?そんなお前の投稿と比べたら、まだ右翼の「三浦小太郎」さんの投稿の方が、よっぽど記事のテーマとも合致し、中身もあって為になる。だから、三浦さんの投稿は認めても、お前の投稿は没なの。要は投稿の中身。それだけ。
 
 次に後半の「しきちゃん」に対して。こちらも言っている事が支離滅裂。最初の方では「透さんは被害者でありながら一生懸命がんばっている」なんて書いておきながら、最後には「拉致は自業自得」とは。当の蓮池透さんが聞いたら烈火の如く怒るような事を、平気で書ける神経が信じられない。お前、単に蓮池透さんをダシにしているだけじゃないか。拉致問題を靖国・慰安婦・教科書問題のダシにしている右翼と、やっている事は全く同じ。
 「強盗」「オーム」?はあ?拉致被害者の蓮池薫・横田めぐみ・有本恵子さんたちが、いつ強盗をやったのか?いつサリンをばら撒いたのか?いつ朝鮮人を強制連行したのか?オームの裁判で事件の背景について触れられたのも、あくまでも犯罪再発防止の為であって、別に麻原を免罪するのが目的ではない。無関係な事を持ち出してきて煙に巻こうたって、そうは問屋が卸さない。
 「北朝鮮拉致は戦争犯罪の未清算が原因」とするお前の理屈で行けば、国際法違反の広島・長崎への原爆投下も、悪いのは日帝だけで米帝は全然悪くない。イスラエルのパレスチナ弾圧も、悪いのは過去にホロコーストをやったナチス・ドイツで、今のイスラエル・シオニスト政府に罪はない。在日コリアン・外国人への嫌がらせも、悪いのは外国人参政権や過去の戦争犯罪を言い募る中国・韓国・北朝鮮や左翼であって、ネオナチの「在特会」は全然悪くない。いくらでも、そんな屁理屈が通ってしまうわな。
 そうじゃないだろう。日帝による朝鮮・台湾・中国・アジア侵略も、米帝による原爆投下やアフガン・イラク侵略も、ナチスやシオニストによる蛮行も、北朝鮮による拉致・人権抑圧や、中国によるチベット・ウイグル弾圧も、それぞれの過ちに対しては、同等に追求され、罪を償わなければならないというのが、人間としての本来の在り方だろう。
 
 以上、前半の「反帝抗日英雄」にしても、後半の「しきちゃん」にしても、いずれも全然無関係な事柄を持ち出してきての、為にする屁理屈でしかない。そんな一連のコメント投稿を、管理人ページでの保留扱いから、直ぐに削除せずに、こちらに敢えて転載・公開する処置をとったのも、偏にこの投稿のDQNぶりを晒す為でしかない。凡そまともな議論の対象とは一切看做さない。よって、この件に関しては、一切レス・コメントを受け付けません。若しコメントされても、投稿者・内容の如何に関わらず全て削除します。これ以上、こんな下らない事に関わっている暇はないので。

(追記)
 反帝なんちゃらのお仲間や、それに対抗するネットウヨに、これ以上ブログ運営の邪魔をされたくなかったので、上記のようにコメント全削除を表明しましたが、そのおそれもなくなったので、従来通りのコメント対応に戻します。(2月3日22時25分)
コメント (1)
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転載:平野官房長官の超暴言に抗議しよう!

2010年01月29日 20時12分18秒 | 沖縄の犠牲の上に胡坐をかくな
(転載歓迎)

みなさんへ

 以下の抗議文を平野官房長官に送りました。私は憤慨しています。彼の発言は
ひどすぎる超暴言です。首相官邸を検索すれば平野内閣官房長官に抗議文を送る
ことができます。みなさん、次々に、どんどん、それぞれの思いを超暴言官房長
官に送りましょう。
 国の安全保障のためには地方の住民の死活にかかわる思いなど踏みつぶしても
いいという奢(おご)りは、大日本帝国下の内務官僚と同じです。
 みなさん、ここで沈黙すべきではありません。はっきり、声をあげましょう。
私の抗議文をご参考いただけることを歓迎します。そのまま使っていただけるこ
ともありがたいです。井上澄夫(沖縄・一坪反戦地主会関東ブロック)

 首相官邸のURL http://www.e-gov.go.jp/policy/servlet/Propose

【抗議と要求】

内閣官房長官 平野博文様

 あなたが1月25日、米海兵隊普天間飛行場の移設先選定について1月24日
の名護市長選の結果を「斟酌(しんしゃく)する理由はない」とのべたことに、
強い憤りをもって抗議します。

 昨年8月30日の衆院選で、民主党は「地方主権の確立」を公約に掲げて政権
交代を実現しましたが、名護市長選で稲嶺進氏が当選したことが「名護の民意」
を示すものであることは誰もが認めるところであり、それこそ「地方主権の行使」
です。
 あなたは1月26日、「市長選(の争点)が移設問題一本でなされたわけでは
ない」とのべましたが、争点が他にもあったとしても、名護市民は「辺野古の海
に基地を造らせない」ことを公約する稲嶺氏を選んだのですから、26日のあな
たの発言はためにする強弁でしかありません。

 2008年7月の沖縄県議会による「辺野古沿岸域移設反対」政府あて意見書
採択と、先の衆院選で当選した沖縄の5議員全員が辺野古移設反対を表明してい
ることで、「沖縄県民の総意」はすでに明確になっていましたが、今回の名護市
長選は新たに米軍基地を押しつけられる地元住民、名護市民が拒否を鮮明に示し
たのです。

 防衛や外交が国の選管事項であるという主張は、憲法上も実定法上もなんら根
拠を持たず、歴代自民党政権が勝手に吹聴していたものです。今回の名護市長選
は事実上憲法に基づく住民投票に等しいもので、政府がその結果を無条件に尊重
することは当然すぎるほど当然のことです。

 あなたの名護市長選の結果を「斟酌(しんしゃく)する理由はない」という発
言は、以上のべた意味で明らかに暴言です。あなたは、「沖縄県民の総意」と
「名護の民意」がどうであれ、それらを無視し蹂躙して辺野古に米海兵隊の新基
地を建設するつもりなのですか。そうやって戦後もずっと続いてきた沖縄差別を
さらに加重するつもりなのですか。

 あなたは暴言を取り消し、名護市民と沖縄県民に深く謝罪すべきです。そのう
えで、もはや辺野古に基地を建設することはないと明言すべきです。

井上澄夫 沖縄・一坪反戦地主会関東ブロック
       北限のジュゴンを見守る会

 http://list.jca.apc.org/public/cml/2010-January/002734.html
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転載:「普天間基地はいらない 新基地建設を許さない 1・30全国集会」への呼びかけ

2010年01月27日 21時56分49秒 | 沖縄の犠牲の上に胡坐をかくな

==================
普天間基地いらない!新基地建設許さない!
-------------------
全国から日比谷公園・野音に1万人集まろう!
===================
【名称】普天間基地はいらない 新基地建設を許さない1・30全国集会
          ―チェンジ! 日米関係―
【日時】2010年1月30日(土)14:00~15:30(予定)
※集会終了後に銀座・東京駅方向に向けてデモ行進
【会場】日比谷公園・野外大音楽堂(千代田区日比谷公園1-3)
最寄り駅:地下鉄「霞ヶ関」駅「日比谷」駅「内幸町」駅
http://hibiya-kokaido.com/access%20map0802.pdf
【内容】方針提起・沖縄からの情勢報告・国会情勢報告・参加団体のアピール
【主催】1・30全国集会実行委員会
問い合わせ:フォーラム平和・人権・環境(電話03-5289-8222)

今、普天間基地の「移設」見直しが5月までとされています。
普天間基地の即時閉鎖と辺野古新基地建設の断念をさせるためには、
今月1月24日の名護市長選挙で新基地建設反対を貫く市長を実現し、
沖縄とともに全国から政府へ意思表示することがすごく重要なときです。
そこで、1月30日に労働組合や市民団体が沖縄をはじめ全国から結集して、
集会デモをおこないます。
大結集が政府へ強く迫ることになり、沖縄への激励ともなります。
ぜひ声をかけあって参加してください。

*************************
辺野古への基地建設を許さない実行委員会
http://www.jca.apc.org/HHK/NoNewBases/NNBJ.html
電話090-3910-4140(沖縄・一坪反戦地主会関東ブロック)
FAX03-5275-5989(市民のひろば)
*************************

★チラシを印刷できます。
http://www.peace-forum.com/mnforce/2009/01senden/okinawa02-01.pdf
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追い風を逆風にしてしまった鳩山政権

2010年01月26日 22時28分11秒 | 沖縄の犠牲の上に胡坐をかくな
 普天間基地問題 -完全版-
 

 仕事の多忙、パソコンの不調、荒らしの闖入などで、記事更新が今日になってしまいましたが。良かったですね、1月24日投開票の沖縄県名護市長選挙で、辺野古・新基地建設反対の新人・稲嶺進候補が、建設推進派の現職・島袋吉和候補に競り勝つ事が出来て。票差こそ僅か1600余の接戦でしたが、道義的には反対派の圧勝とも言える内容だったのではないかと思います。何故なら、この選挙は、単に辺野古・新基地建設(普天間移設は単なる口実)の賛否を問うだけのものではなかったからです。

 その理由は素直に考えてみれば直ぐに分かります。本音では、騒音・基地犯罪・事故の危険と隣り合わせの米軍基地なぞ、誰しも来て欲しくはないでしょう。特に、戦後27年間に渡って米軍全面占領下に置かれ、古くは宮森小学校米軍機墜落事故や由美子ちゃん強姦殺人事件、新しくは沖縄国際大学米軍機墜落事故や1995年の女子中学生暴行事件などで、何度も辛酸を舐めさせられてきた沖縄では、尚更そうでしょう。それを国や県は、沖縄北部振興の名目での交付金ばらまきや箱物建設と引き換えに、辺野古での新基地建設を地元に嫌々飲ませてきたのです。
 全国の中でもとりわけ失業率の高い沖縄では、この「アメとムチ」の効果は絶大でした。基地建設推進派候補に投じられた票には、本音では建設反対でも背に腹は変えられないという、「建設已む無し」票も少なくなかったのです。何のことは無い、原発誘致や八ツ場ダムの場合とも、全く同じ構図がそこにあります。

 そうして、今までは国も県も建設推進だったので、地元有力者も仕方なく追従していたのが、この前の政権交代で、「米軍基地の県内たらい回しに反対」の公約を掲げた民主党中心の政権が誕生した事によって、基地撤去の可能性が生まれてきた。それが今回の市長選で初めて、実際の政治行動として表に出てきたのです。投票総数の過半数にも迫る勢いの期日前投票の多さも、多分この可能性に鼓舞されて出てきたものでしょう。
 つまり、この選挙で問われたのは、単なる「新基地建設と国益・安保との関わり」ではなかったのです。そうではなくて、今後も「アメとムチ」の下で本土政治家の言いなりになるのか、それともウチナンチュー(沖縄人)としての自立と尊厳を奪い返せるのか、それこそが最も問われたのです。

 そういう意味では、今度の名護市長選での新基地建設反対派の勝利は、本来ならば鳩山政権にとっては「追い風」となるべきものでした。それが鳩山政権の腰が全然定まらないばかりに、本来「追い風」となるべきものが、鳩山政権・民主党にとっての「逆風」、自民党にとっての「追い風」となってしまっているのですから、開いた口が塞がりません。
 それでは一体何の為の政権交代だったのか。長年に渡る自民党政治の下での、余りもの対米追従ぶりや、弱肉強食の新自由主義政策からの転換を、有権者は鳩山・小沢民主党に託したのでしょう。私の場合で言えば、最もクリーンで対米追従・弱肉強食に反対なのは共産党ですが、今はもうこの党だけでは力不足なので、お世辞にもクリーンとは言えないが、<曲がりなりにも>それらには反対していた民主党にも、票の一部を託したのです。

 それが何ですか、今の民主党の体たらくは。ダーティーさは自民党と同様だっただけでなく、対米追従・弱肉強食反対も<やはり>口先だけだったのか。今の鳩山内閣・民主党の支持率凋落は、単に小沢献金問題だけが原因ではありません。せっかく総選挙で示された民意に確信がもてずに、迷走した挙句に「追い風」「チャンス」をものに出来ず、逆にそれを「逆風」「ピンチ」にしてしまった所に、最大の原因があります。つまり、「今までの自民党政治を本気で変える気があるのか?」「一体全体、まともにやる気あるんか?」という事が、今まで以上に鋭く問われているのです。

(参考記事)

・新顔・稲嶺氏当選「辺野古に基地造らせぬ」 名護市長選(朝日新聞)
 http://www.asahi.com/politics/update/0124/SEB201001240006.html
・名護市長選、稲嶺進氏が初当選 辺野古移設困難に(琉球新報)
 http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-156209-storytopic-3.html
・平野長官、地元との同意なしで決定も 普天間移設問題で 鳩山首相はゼロベースでの移設先検討を強調(産経新聞)
 http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/100126/plc1001261221009-n1.htm
・名護市長選挙開票速報(名護市選管)
 http://www.city.nago.okinawa.jp/senkyo2010/kaihyou.htm
・名護市長、1600票差の選択…基地対立13年(読売新聞)
 http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20100124-OYT1T01002.htm
・辺野古テントには次々とうれしい顔が(辺野古浜通信)
 http://henoko.ti-da.net/e2715446.html
・ありがとう(なごなぐ雑記)
 http://miyagi.no-blog.jp/nago/2010/01/post_8ceb.html
・名護市民投票から13周年(海鳴りの島から)
 http://blog.goo.ne.jp/awamori777/e/21952ad4068af47c9f3eee0715d38da4
・レポート:土建特区「沖縄」 補助金漬けの構図(ツバル・オーバービュー)
 http://tuvalu.site.ne.jp/topics/okinawa/003/index.html
・「普天間移設」は、どこかが受け入れるべきなのか?(あつこばのブログ)
 http://atsukoba.seesaa.net/article/137472130.html
・太平洋の島グアム 米軍基地増強計画に先住民が反対(現代世界をどう捉えるか)
 http://ima-ikiteiruhushigi.cocolog-nifty.com/gendaisekai/2010/01/post-fa95.html

(追記:関連記事)

・転載:「普天間基地はいらない 新基地建設を許さない 1・30全国集会」への呼びかけ
 http://blog.goo.ne.jp/afghan_iraq_nk/e/681b2d206643d96bff9ebffaaa4f6fc7
・転載:平野官房長官の超暴言に抗議しよう!
 http://blog.goo.ne.jp/afghan_iraq_nk/e/cc255f31b226a5cc00993378fbd12692
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上から目線でブログの運営に口出しするな

2010年01月25日 20時06分02秒 | 当ブログと私の生い立ち
 ここ数日来、新参者の一訪問者にしか過ぎないにも関わらず、いきなり、ブログの運営方針にケチをつけたり、他の投稿を削除しろとか、まるで自分がこのブログの管理人であるかのような命令口調で、上から目線の内容のコメントを、記事のテーマとも無関係に、一方的に送りつけてくる輩がいます。勿論、そんなコメントは非表示にしていますが。
 同じような経験は、今までも何度かありましたが、今回も同じなので、これまでと同様に、以下のように対処させてもらいます。

 ここは私のブログです。より正確には、プロバイダーから場所を借りて私が運営しているブログですが、僅かとはいえ、プロバイダーにはそれに見合うレンタル料も払っています。従って、法令や公序良俗などに明らかに反しない限り、どう運営しようが、誰それの参加を認めようが、全く私の自由です。見知らぬ第三者から、とやかく言われる筋合いは一切ありません。

 このような手合いについては、今後も一切相手にしませんので、そのつもりで。以前にもどこかに書きましたが・・・うどん屋に来て「ラーメン食わせろ」なぞとほざくのは、「言論の自由」でも何でもない、ただの「営業妨害=嫌がらせ」でしかない。そんな輩は、店からつまみ出されても当然だ。そんなにラーメン食いたけりゃあ、うどん屋ではなくラーメン屋に行け。以上 
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広島焼きの話の続きなど

2010年01月21日 12時15分46秒 | 身辺雑記・ちょいまじ鉄ネタ
  

 今回は、時事関連の話題が一段落ついたので[注1]、今まで貯めていた身辺雑記の話題でも。まずは、「謹賀新年2010」での、広島焼きの話の続きから。後日、その本場の広島焼きを食べてきました。食べた場所は、大阪市内は難波・千日前にある、「きよ」というお好み焼き屋さんです。そこは、鉄板焼きがメインで、広島焼き以外にも、普通(関西風)のお好み焼きや、それ以外の普通のランチ(ミンチカツ定食などの類)もある、そういうお店です。
 元祖・広島焼きにはキャベツやモヤシと一緒に焼きそばも入っているらしいですが(関西風で言うとモダン焼き)、それだと千円以上もするので、私は豚玉入りの広島焼きを頼みました。上の一番左の写真が、その時に食べた広島焼きです。
 作り方は、下に卵を引いて、その上にキャベツとモヤシを乗せて、豚肉をトッピングし、その上からソースを掛けていたと思います。普通はその上からマヨネーズをかけるのですが、私は、そういう油でギトギトしたのは嫌いなので(マヨネーズ自体は別に嫌いでもないのですが)、マヨネーズ抜きで焼いてもらいました。

 味は、なかなかヘルシーで良かったです。大阪人のゲテモノ食いの一例として、「お好み焼き定食」が、他府県の方から槍玉に挙げられたりします。私も、焼きそば定食は食べますが、お好み焼き定食は、今まで食べた事が無かったし、食べたいとも思いません。しかし、この広島焼きなら、ご飯と一緒に定食メニューとして食べるのもありかな、という気がします。
 でもやっぱり、「たかがお好み焼き」に千円近くも出すのは、ちょっとね。600円ちょっと出せば、同じ店で日替わりランチが食べれるのですから、普段ならそちらを選びます。職場の同僚曰く、「都会のお好み焼き屋の値段が高めなのは、場所代が嵩むからだ」との事。やはりお好み焼きは、場末の屋台で食べるに限る。但し、テキヤの屋台以外の場所で。
 それと、マヨネーズ抜きは、やはりちょっとやり過ぎだったかも。マヨネーズをかける事で味がまろやかになるのに、それを抜いてしまったので、ソースの辛味が少々きつかった。

 アンチ・マヨラーという事で言えば、正月三が日はランチ選びに苦労しました。いつもは、仕事のある日は、地元のスーパーで翌日のランチを買うのですが(真ん中の写真)、正月はそのスーパーが休みだったので、勢い右端写真のようなコンビ二弁当に頼らざるを得なかった。流石に写真のような弁当は避けましたが、それでも余り食欲をそそるものは無かった。地元スーパーの弁当のような割引も無く、「高かろう不味かろう」で[注2]。


※[注1]:
 こんな事を書くと、「小沢献金問題があるじゃないか」という向きもあるかも知れないので、一応事前に立場表明だけしておきますと。
 私は、この問題には余り関心がありません。何故なら、この種の「政治とカネ」の問題なんて、自民党政権時代から散々言われてきた事でしょう。それが、民主党(自民党に成り切れなかった人たち)も払拭する事が出来ず、それを元祖「政治とカネ」の自民党が、過去の自分の事は棚に上げて叩いているというのが、今の構図です。「目くそ鼻くそ」でしかないじゃないですか。自民党に民主党を叩く資格なんて在ろう筈が無い。かたや民主党も、「自民党」的体質は全然代わっていない。そんな「目くそ鼻くそ」同士の争いに、何で俺らまで巻き込まれなければならないの?
 勿論、「検察ファッショ・国策捜査」との疑惑については、私も懸念を持っています。今の「小沢」民主党への評価とはまた別問題として。しかし、それも今の段階では、あくまで疑惑でしかない。普天間などの他の問題を差し置いてまで、入れあげなければならない問題とも思えません。下手に小沢に加勢し過ぎて、検察ファッショが小沢ファッショに摩り替わるだけでは、何の意味も無い。
 そんな事の為に、国民は民主党に投票したのではありません。自民党政治を払拭して欲しいから、民主党に投票したのです。それを忘れるようなら、民主党も、自民党と同様に、お払い箱にするだけです。

※[注2]:
 コンビニによっても、まだ買う時間帯によっても、少し違うみたいですが。だから、まだマシと言われるコンビニで弁当を買いましたが、あまり満足いく中身ではなかった・・・。
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蓮池透さんの進歩と限界

2010年01月18日 23時20分30秒 | 北朝鮮・中国人権問題
 

 1月17日に、大阪市立中央会館で、蓮池透さん(北朝鮮拉致被害者家族会の前・事務局長)の講演会がありました。以下は、その参加報告です。

 時間は午後2時から5時まで。最初に10分ほど歌舞団の宣伝があり、その後3時過ぎまでが蓮池さんの講演、休憩を挟んで4時半まで質疑応答、その後は朝鮮学校支援NGO(アプロハムケ・ネット)の活動紹介で終了、というスケジュールでした。この講演会については、1ヶ月ほど前に、一度だけCMLに告知情報が流れただけだったにも関わらず(私もそれを見て参加を決めた)、会場のホールがほぼ埋まるほどの人数が集まりました。100名ぐらいはいたと思います。
 上記の写真が、その時に買った蓮池さんの著書「拉致対論」(太田出版)とご本人のサインです。本当は会場の写真も撮りたかったのですが、それはご遠慮願いたいという事で、叶いませんでした。
 講演内容をまとめたのが、下記の箇条書きです。メモを頼りにまとめました。ほぼ講演の流れに沿ってまとめましたが、細部については若干手を加えた部分もあります。ひょっとしたら、聞き逃したり読み取れなかった部分もあるかも知れませんが、一応これがその要旨です。

●悲しんでも喜んでも叩かれる。悲しんだら「家族が戻ってきたのに嬉しくないのか」と言われ、喜んだらこれまた「自分の家族だけ戻ってきたらそれで良いのか」と叩かれる。個人的に居酒屋で酒を飲んでも「そんな事をしていて良いのか」と、見ず知らずの人間に腕をつかまれ、同様に競馬を楽しんでも「その金は一体誰の金だ」と詰られる。何故そんな事まで言われなければならないのか。
拉致家族支援法に基づき、政府認定拉致被害者とその家族には、今後5年間に渡って毎月30万円が国から支給されている。支給額は収入の有無や増減に応じて調整される。しかし、これは裏返せば国から「5年間で自立しろ」と言われているようなものだ。それに対して弟(北朝鮮から戻ってきた薫さん)は、「支給延長などいらない、それよりも一刻も早く拉致問題に決着をつけてほしい」「拉致をした北朝鮮と、それを見逃してきた日本政府の、両方を見返してやりたい」と言っている。
●支援や恩恵ではなく、国家犯罪に対する賠償を要求する。それを主張すると家族会は、「そういう話は拉致問題が全て片付いてから言うべきであって、今は時期尚早」と言う。しかし、予めそういうレールを引いておけば、新たな拉致被害者にもそれを適用できるではないか。
●まずは、今までの自民党政府の下での北朝鮮政策の総括・見直しが必要。この度の政権交代は、それをする上での絶好のチャンスだった。しかし、鳩山首相の国連演説(注:昨年9月の総会演説の事か?)を聞いても、基本的には今までの政策の踏襲でしかなかった。
●鳩山首相は、「六者協議で拉致・核・ミサイル問題の包括的解決」を求めているが、それは違うと思う。何故なら、後二者は国際的な安全保障問題だが、日本人拉致はあくまでも日朝二国間の問題だからだ。それを一緒くたに議論するのはおかしい。
●また鳩山首相は、「ボールは北朝鮮側にある」というが、寧ろ逆だ。「調査委員会を立ち上げても何もしない、過去の清算もしない」日本こそが、先に行動を起こすべきだ。「再調査なぞしても北朝鮮の術策に乗せられるだけだ」という意見もあるが、そう一概には決め付けられない。北朝鮮は、一見したたかな様で、意外と杜撰な所もある(全然記録を残しておかなかったりとか)。
●日本政府は、小泉第一次訪朝までは、「日朝国交正常化まず先に在りき」「拉致問題の幕引き」で動いていた節がある。だから、北朝鮮の「5人生存・8人死亡」発表をそのまま伝えただけでなく、家族会メンバーを外務省の飯倉公館に缶詰にしてまで、それを飲ませようとした。その「幕引き」路線が破綻するや、今度は米国頼みの北朝鮮制裁一本槍に傾いていった。
●その後の制裁路線も、戦略不在という意味では、以前の幕引き路線と何ら変わらなかった。徒に北朝鮮の態度硬化と拉致問題の膠着を招いただけだった。ここは金賢姫も言うように、北朝鮮の顔も立てて、相手も耳を傾けざるを得ないような、したたかな戦略が求められる。然るに政府は、今も面倒な交渉を回避して、制裁一本槍に固執している。
●制裁強化で得をするのは、戦争扇動で一儲けを企む武器商人だけだ。政府は、家族会をダシにして制裁熱を煽る事で、今までの無為無策を誤魔化している。このままでは、北朝鮮問題は、マスコミの視聴率稼ぎや、右翼・自民党の宣伝道具に成り下がってしまうだけだ。
●今まで日本政府は、4回過ちを犯してしまった。
 (1) 最初は「5人生存・8人死亡」の線での拉致問題幕引き。
 (2) それに失敗すると、今度は生存者の「一時帰国」で世論を宥め、あわよくば家族の訪朝に話を結び付けようとした。この時、弟は「親を取るか子を取るか」という残酷な選択を迫られた。
 (3) それにも失敗すると、「小泉再訪朝・ジェンキンスさん帰国」で幕引きを図ろうとした。この時は家族会も激高してしまい、結果的に、拉致問題で具体的に動いてくれた唯一の政治家(当時の小泉首相)を失う事になってしまった。
 (4) その挙句に、横田めぐみさんの遺骨返還を巡って、混乱してしまった。当時、科警研と帝京大による、それぞれ異なった鑑定結果が出たのに、帝京大の結果だけを鵜呑みにして、ニセ遺骨だと決め付けてしまった。
 そうして、北朝鮮からすれば、「こちら側はやる事は全てやったのに、日本側が全部反故にしてしまった」という最悪の結果になってしまい、北朝鮮からも信用されなくなってしまった。
●日本人にとっては、北朝鮮は、拉致問題が発覚するまでは、関心の埒外だった。それが発覚後は、一転してバッシングの対象となった。日朝間の関係についても、歴史問題まで含めて、複眼的に見れる政治家が全然いない。日本の近現代史も、学校でまともに教えられていない。そんな中で、拉致対策本部の活動がただの啓発イベントに、ブルーリボンが政治的無作為の免罪符になってしまっている。「家族会を差し置いても、北朝鮮問題を動かしてみせる」という、気概のある政治家はいないのか。

 そして、質疑応答では次のようなやりとりがありました。メモを取った分のみ書きます。

●Q:「8人死亡」発表は変わらないのか? 
  A:再調査で覆る可能性もある。
●Q:何を以って拉致問題の解決と看做すのか?
  A:それは私にも分からない。国のほうで方針を出して欲しい。
   (その後、寺越武志さんの件について、若干やりとりがあった)
●Q:北朝鮮の体制をどう見るか?
  A:拉致被害者が帰ってくるなら、あの体制が崩壊しようが繁栄しようが別に構わない。

 以上が、講演会のあらましです。
 次に、これを受けての私の感想ですが、記事のタイトルに「進歩と限界」とあります。蓮池さんの発言の、どこに進歩を感じ、またどこに限界を感じたのか、それについて書きます。

 まず、どこに進歩を感じたのか。
 蓮池さんの最近の著書「拉致 左右の垣根を超えた闘いへ」(かもがわ出版)の最初の方に、次のようなくだりがあります。―「救う会」主催の国民大集会などで、日章旗を持ってしきりにNHKや朝日新聞の悪口を叫んだり、中にはゲートルを巻いた旧日本兵みたいな衣装で参加する人もいる、右翼も街宣車でがなり立てているが、それらの人たちの言っている事が、自分たちのそれまでの主張と全く同じなのに気づいて愕然とした。―これは裏返せば、それを今までは異常とすら思えなかったという事です。
 「救う会」については、今までも、佐藤勝巳・前会長のカンパ横領疑惑を始め、兵元達吉・元幹事との対立や、地方組織の分裂騒動・右翼暴力団の介入(熊本・新潟)や、村田春樹(救う会埼玉、以下同じ)・増木重夫(大阪)・西村修平(千葉)・八木康洋(茨城)などネオナチ集団「在特会」「維新政党・新風」との繋がりなど、色んな問題点が指摘されてきました。いずれも、拉致問題を票集めや拡販の目玉とする自民党や産経新聞が、決して触れようとはしない部分です。
 勿論、それらの右翼の中には、増木重夫のように「救う会全国協議会」からは除名された者もいます。また、それらの右翼・ネオナチには批判的な「救う会」関係者も、少なからず存在するのは事実です。しかし、増木も恐喝容疑で逮捕が除名理由であり、それさえ無ければネオナチとの関係は、恐らく不問に付されていた事でしょう。また、ネオナチ批判組にしても、「そんな事をしていたら人が寄り付かなくなる」という程度の批判に止まっていたのではなかったか。だから、「在特会」は批判しても、「行動する保守」「チャンネル桜応援団」などの別の肩書きで登場さえすれば、黙認されていたのではなかったか。今の国際社会では、「ネオナチと人権は相容れない」というのが、左右を問わず共通認識とされているにも関わらず。
 在日外国人や在日コリアンの追放を叫んで、その子どもが通う学校に集団で嫌がらせに及ぶなぞ、どんな理由をつけても免罪される筈はありません。でも家族会は今まで、「家族は支援者を選べない」という理由で、そんな「支援者」まで受け入れてきました。しかし、その事で逆に、それ以外の人間を北朝鮮・拉致問題から遠ざけてしまった。それに、蓮池さんはようやく気付いてくれた。薫さんから北朝鮮の話を聞いたりする中で。これは、遅巻きながらではあっても、重要な変化です。

 しかし、それでも何故、限界を感じるのか。
 それは、質疑応答での蓮池さんの次の答えに、いみじくも現れています。―「拉致被害者が帰ってくるなら、あの体制が崩壊しようが繁栄しようが別に構わない」―
 勿論、拉致被害者家族としては、それはある意味、当然の立場です。拉致被害者救出運動の目的は、あくまでも拉致被害者の救出・帰国にあるのであって、その他の北朝鮮打倒や「過去の清算」などとは、直接の関係はありません。しかし、「歴史問題も含め、北朝鮮問題を複眼的に見る」必要を言うなら、尚更の事、日本人拉致被害者の生存・人権だけではなく、帰国事業に翻弄された在日コリアン・日本人妻や、北朝鮮の強制収容所に囚われの身となっている「良心の囚人」の生存・人権にも目を向けるべきではないですか。戦前日本の「過去の清算」と併せて、北朝鮮の「現代までの清算」をも含めてこそ初めて、本当の意味での清算・和解に繋がるのではないでしょうか。
 これは何も、「米国のネオコンや、自民党・保守勢力、靖国右翼の尻馬に乗って、日本の核武装論や改憲論の後押しをしろ」と言っているのではありません。それら勢力とは一線を画しながらも、たとえばアムネスティなどの北朝鮮難民救援活動に協力するなど、家族会の立場でやれる事も一杯ある筈です。それが今のままでは、敢えてきつい言い方をすると、拉致被害者中心思考は何も変わらないまま、制裁路線から対話路線に乗り換えただけにしか過ぎないのではないでしょうか。それが蓮池さんの今の限界です。

 実は、それを蓮池透さんに、質疑応答の場で聞くつもりでいました。しかし、上記の「崩壊しようが繁栄しようが別に構わない」発言を聞いて、それを聞くのを止めました。そして、以後の質問をメモするのも止めました。これは決して、蓮池さんを見限ったとか見損なったという事ではありません。そうではなく、拉致被害者救出運動は、あくまでも拉致被害者の救出を目的とすべきであって、それ以外の課題については、取り組める条件のある人が、それなりの立場で取り組めばよい、その上で、一致する課題については協力すればよいという、至極当然の結論に行き着いたからです。
 別の場合で考えてみれば、それが良く分かります。原水禁運動とイラク反戦運動は、あくまで別の運動です。原水禁運動に直接イラク反戦運動の立場を持ち込んだり、その逆をやったりすべきではありません。その上で、「米国の覇権主義や軍拡に反対する」という一致点で、共闘出来るようならすれば良い。それだけの話です。
 それを今までは、拉致被害者救出運動に、北朝鮮打倒や「過去の清算」、果ては靖国・教科書・慰安婦問題まで持ち込んで、運動家や政治屋が家族会を利用し、引き回していたのではなかったでしょうか。それを、今後はきちんとけじめをつけて、あくまでも被害者救出を主軸に据えて、その他の関連する課題については、出来る範囲で共闘する。その中でこそ初めて、蓮池透さんも、前述の限界を乗り越えて、更に一回り成長を遂げる事が可能になるのではないでしょうか。私も含めて、こんな当たり前の事が、何故分からなかったのだろう。
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ハイチを貶めてきたのは一体誰か?

2010年01月17日 23時48分33秒 | その他の国際問題
ハイチの栄光と苦難―世界初の黒人共和国の行方 (世界史の鏡 地域)
浜 忠雄
刀水書房

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 1995年の阪神・淡路大震災からちょうど15年目の今日、関西でも多くの追悼行事が取り組まれ、マスコミがそれを取り上げています。この震災では、私の自宅も大きな被害を受けました。
 しかし、私は余りこのニュースを取り上げる気にはなれません。それは、この大震災だけに限らず、過去の事件や災害の記念日が来るたびに、安直に視聴率を稼ぐ為に、その日限りの美談仕立てのネタとしてのみ取り上げる、マスコミの報道姿勢が、近年は余りにも鼻に付き出したからです。その挙句に、神戸ルミナリエのような商業主義丸出しのイベントだけが脚光を浴び、震災復興住宅の老人孤独死の問題などは、普段は殆ど顧みられる事がない。
 「じゃあ、お前が率先して取り上げれば良いじゃないか」と言われれば、それはその通りです。返す言葉もありません。しかし、私も生身の人間なので、他にも書かなければならない事も多々ある中で、取り上げる話題には自ずと限界があります。だからこそ、マスコミにはその個人の限界を補って欲しいのです。しかし、マスコミの現状は先に述べた通りで、それを今までも幾度と無く見せ付けられると、もう興ざめしてしまうのです。

 前置きが長くなりました。そういう事で、今回は少し視点を変えて、同じ震災は震災でも、先日発生した中米ハイチの大地震の事を取り上げてみたいと思います。
 その前のハリケーン災害でもそうでしたが、この様な大規模な自然災害が起こる度に、ハイチでは、周辺諸国と比べても、より被害が拡大する傾向が見られます。それが何故なのか、以前から気になっていましたので、今回の震災を機に少し調べてみました。
 ハイチ共和国は、今や西半球で最も貧しい国とされています。各種の経済指標をざっと見ても、一人当たり国民所得や識字率は周辺諸国の半分以下、国民の平均寿命は40歳代と、他の中南米諸国やその他の第三世界諸国と比べても、その後進性は際立っています。
 その原因として今まで挙げられてきたのが、それまでの長年に渡る独裁政治や政治的混乱です。例えば、次の「ハイチ大地震:最貧国を直撃…長い独裁、防災に遅れ」(毎日新聞)なども、その要因として、過去のデュバリエ父子による独裁政治を挙げています。

 しかし、元々ハイチは、フランス革命の影響下に、奴隷が自力で解放を勝ち取り、早くも19世紀初頭に、世界史上初の黒人共和国として誕生した国です。当時の革命指導者トゥーサン・ルーヴェルチュールやジャン・ジャック・デサリーヌは、今も独立の英雄として、国民から尊敬されています。そういう栄光の歴史を経ながら、何故、西半球の最貧国にまで成り下がってしまったのか。それが今回の主題です。
 そこで、下記に示す参考資料や、それ以外にも幾つか資料に目を通しました。その中には、「革命で白人の大農場を解体してしまったのが、そもそもの間違いなのだ」「革命なんてやらなければ良かったのだ」と言わんばかりの、歴史の進歩を全否定するか如き言説もありました。
 しかし、私はそうは思いません。上記の言説が如何に間違っているかは、米国独立戦争やフランス革命、ロシア革命や中国革命が失敗に終わり、今もブルボン・ロマノフ王朝や清帝国が存続していたら、一体どうなっていたかを考えれば、直ぐに分かります。恐らく人類は、未だ自由も人権も民主主義も手にすることなく、封建制の下で呻吟している事でしょう。また、80年代に猛威を振るった新自由主義の経済構造改革路線が、今も中南米諸国で踏襲されていたら、一体どうなっていたかを考えれば、これも自ずと明らかです。経済は依然として多国籍企業に牛耳られ、経済成長の果実も一握りの寡頭支配層に独占されたまま、貧富の格差だけが広がっていた事でしょう。

 何故、その世界初の黒人共和国が、西半球の最貧国にまで転落してしまったのか。それを私なりに、下記の5点にまとめてみました。それらの5要因については、便宜上、並列的に列挙する形を取らせて貰いましたが、現実には、それらの要因が様々に絡み合っている事は、言うまでもありません。

(1) 革命指導者間の対立・内紛・権力欲。ルーヴェルチュールの後を継いでハイチ解放を達成したデサリーヌが、帝政復活の挙句に、かつての同志たるクリストフやペションらによって放逐されてしまったのは、その典型。
(2) 社会階層の分裂・対立。植民地時代から持ち越された、開化民のムラート(白人との混血層)が黒人原住民を搾取する構図が、革命以後も解消されず、後の政情不安の原因となった。この開化民・原住民の対立は、ハイチに次ぐ黒人共和国である西アフリカ・リベリアの独立(1847年)でも見られ、現代におけるリベリア内戦の原因ともなった。
(3) 経済無策。奴隷支配への怒りだけで、革命後の青写真が無かった為に、革命が破壊のみに終わってしまった。怨嗟の元である白人大農場を、配下の革命軍兵士に分配したのみで、生産力回復の手立てが一切取られなかった。森林も乱伐により禿山に変貌し、次第にハリケーン災害に見舞われるようになった。困窮した国民の一部は、東隣のドミニカ共和国への不法移民となり、両国間の紛争の種となった。
(4) 諸外国の干渉。旧宗主国たるフランスは、独立承認の条件として、20世紀に入ってようやく完済に至る程の、巨額の賠償金をハイチに課し、それが後世まで経済の足かせとなった。それに加えて、19世紀以降は米国も介入し、たびたびハイチを占領下に置いた。
(5) モノカルチャー経済への依存。資源に恵まれないハイチは、輸出をコーヒーなどの単一作物に頼らざるを得ず、その事がますます経済の大国依存を招き、諸外国による介入の口実ともなった。
(6) 革命推進勢力の未成熟。産業の未発達によって近代化(資本主義化)が遅れた事により、労働者や農民の組織化も進まず、軍政や独裁政治の長期化を許してしまった。

 これを、他の中南米諸国と比較すれば、その差は一層歴然となります。例えば(1)については、20世紀初頭のメキシコも同様な状態にありましたが、メキシコは既に当時から、ハイチとは比べ物にならない程、資本主義化が進展していたので、労働者・農民などの諸階級によって、民族解放革命が担われる事になりました。
 そうして、近代化が進んだメキシコ・アルゼンチン・ブラジル・チリなどでは、労働組合をバックにした左翼勢力が伸張し、その他のペルーやボリビアなどにおいても、APRA(アメリカ人民革命同盟)やMNR(国民革命運動)などの土着革命政党が、軍部独裁・寡頭政治や、それを支えてきたアメリカ帝国主義に対して、一時期は一定の歯止めとして機能していました。
 その中で、米国は、パナマ運河を睨む地政学的理由から、中南米の中でも、とりわけキューバ・パナマ・ニカラグア・ハイチに対し、度々干渉を繰り返してきました。しかし、キューバにおいては左翼勢力が伸張し(それが後のキューバ革命においてもカストロの進攻を支える素地となる)、パナマ・ニカラグアでも民族解放運動が進展し、最終的にはいずれも、米国の半占領状態から脱する事に成功します。

 翻ってハイチにおいては、そのような民族解放勢力が育たないまま、戦後もずっと米国の影響下に置かれました。しかし、その中でも、エスティメ大統領のように、対米自立や土地改革を掲げる人物が政権に就く事もありましたが、その成果も、エスティメの後継者を詐称するデュバリエ父子に奪われました。
 デュバリエは、弱者救済を掲げる振りをして、実はムラートへの憎悪を煽るだけのポピュリストに他なりませんでした。デュバリエ独裁政権の下で、大統領一族は私腹を肥やすだけで、トントン・マクートと呼ばれる秘密警察が育成され、反政府勢力には血の弾圧が繰り返されました。政権は腐敗し産業は停滞し、行政・経済改革には何ら手がつけられませんでした。
 デュバリエ政権の腐敗や経済無策が、やがて米国の支配をも損なう段階に至り、米国は遂にデュバリエの追放に踏み切ります。その様にして、一見民主化を希求するかのようなポーズを取る米国ですが、それはあくまでも米国の支配を守る為のものでした。
 それ以降も、ハイチでは「デュバリエなきデュバリエ体制」が続き、弾圧部隊のトントン・マクートも温存されます。しかし、そのハイチにも一大転機がやってきます。1987年に、国連監視下の初めての民主選挙で、「解放の神学」を唱える左派のアリスティド神父が、大統領に当選したからです。
 こうしてアリスティド政権は、民衆の広範な支持を背景に、米国の了解も取り付けて改革措置を打ち出します。しかし、やがて政権運営に行き詰まり、政権の急進化を嫌った米国によって追放されてしまいます。その後も紆余曲折を経て、現在は、アリスティドの後継者を自認するプレヴァルが政権に就いていますが、依然として不安定な政治情勢が続いています。

 以上が、これまでのハイチ政治史の概観です。それを踏まえた上で言える事は、今回の震災被害の拡大を招いたものは、先の毎日新聞記事にもあるように、インフラ整備を怠ってきたデュバリエ独裁政権である事は確かですが、それを支えてきたのが実は米国であり、その下で、民衆が長年に渡って政治的発言権を奪われてきた事こそが、ハイチが今も尚、西半球の最貧国から抜け出せない、真の理由なのです。
 アリスティド・プレヴァル与党の「ラバラス」は、実際は単なる支持者の寄せ集め、彼らの私党にしか過ぎず、凡そ政党の体を為していません。革命を歪めるものとして、スターリン主義や党官僚の存在がよく指摘されます。旧ソ連・中国・北朝鮮などがその典型ですが、ハイチはそれとは逆に、革命推進政党不在の状態が続いているのです。そんな後者の革命の行き着く先は、やはり前者と同様に、やがて独裁に変質してしまう事は、1974年のハイレ・セラシエ皇帝処刑以後のエチオピア革命の帰趨を見れば明らかです。
 しかし、それを革命勢力や民衆の責任だけに帰してしまうのは、余りにも「木を見て森を見ない」議論です。ハイチを貶める例として、「ブードゥー教・ゾンビ・エイズの国」と見下す言説も存在します。しかし、私は、このような状態に押し止めてきたものの責任こそが、真に追及されて然るべきと考えます。

(参考資料:適宜追記)

・ハイチ大地震被害の救援金を受付けます(日本赤十字社)
 http://www.jrc.or.jp/contribution/l3/Vcms3_00001446.html
・ハイチ(ウィキペディア)
 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8F%E3%82%A4%E3%83%81
・ハイチ革命(同上)
 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8F%E3%82%A4%E3%83%81%E9%9D%A9%E5%91%BD
・ハイチ―独裁と暴力の軌跡(鈴木頌)
 http://www.ashir.net/siis/koron/haichi.html
・ハイチ:2004年クーデター(益岡賢)
 http://www.jca.apc.org/~kmasuoka/places/haiti0403b.html
・ハイチという国(青木芳夫)
 http://www.oo.em-net.ne.jp/~runasimi/haiti.html
・特集”黒人初の共和国”ハイチ~独立がもたらしたもの、そして未来~(ハンガー・フリー・ワールド)
 http://www.hungerfree.net/special/08_1.html
・民主主義の名の下の苦難(Emerging Revolution in the South)
 http://agrotous.seesaa.net/article/11475244.html
・朝日新聞が中南米のポピュリズムを心配されてます・・・。(「構造改革」読み書き練習ブログ)
 http://literacy.jugem.jp/?eid=18
・ハイチ里親運動のホームページ
 http://www1.bbiq.jp/haiti/
・【フランス映画】南へ向かう女たち(2005年)
 http://www.rose.ne.jp/~french/film/2008/8_25.html
・【日本映画】ミラクルバナナ(2005年)
 http://www.miracle-banana.com/main.html

(書籍紹介)

・佐藤文則「慟哭のハイチ―現代史と庶民の生活」(凱風社)
・同上「ハイチ目覚めたカリブの黒人共和国」(同上)
・浜忠雄「カリブからの問い―ハイチ革命と近代世界」(岩波書店・世界歴史選書) 
・同上「ハイチの栄光と苦難―世界初の黒人共和国の行方」(刀水書房)

 いずれも値段が高く、分量も多いので、直ぐには購読とは行かないが、興味はある。そのうち、暇を見つけて図書館で借りる事にしよう。
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公設派遣村をめぐる記事比較

2010年01月12日 21時01分02秒 | 貧乏人搾取の上に胡坐をかくな
 公設派遣村の事を取り上げた、それぞれ好対照を為す2つの記事を下記に紹介します。一つはブログの、もう一つは新聞の記事です。敢えてコメントはしません。果たして、どちらが本当の事を書いているのか。どちらが説得力のある、信用の置ける記事か。その内容・論旨のみならず、問題の掘り下げ方や取材姿勢、記事の「品格」まで含めて、とくと見比べた上で各自判断して貰いたい。


■「公設派遣村」をめぐる諸問題(ロシア・CIS・チェチェン)
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(前略)
私は4日まで「ワンストップの会」のお手伝いを多少していただけなので情報不足だが、彼らには言いにくい部分もあると思うので、あえて書きたいと思う。但し、文責は私にあることは言うまでもない。

まず、「ワンストップの会(旧派遣村実行委)」の基本方針は、職も家もカネもないワーキングプアの生活再建を手助けするというものだ。具体的には、国や都と協力しつつ、まず「公設派遣村」のインフォメーションをし、カネもない相談者をハローワークに登録させることを前提に「公設派遣村」を紹介する。そして、生活保護申請を手伝い、その回答が出る平均2週間のあいだも、できれば求職活動をしてもらう・・・これが基本方針だ。

1年前の「年越し派遣村」の場合、最終的に生活保護申請した302人のうち301人が生活保護を認められている(1人は資産があったので却下)。したがって、最低限の生活費と住居は確保できた。但し、その後の就職が困難だという実情はある。それでも、福祉事務所の「水際作戦」で大抵認められない生保の壁を、「ワンストップの会」メンバーは過去に蓄積したノウハウで突破してきている。だから、家とカネまでは何とかしようという訳だ。また付言すれば、メンバーの中には不当な「派遣切り」にあい、寮を叩き出され、路頭に迷った経験者も何人かいる。不当解雇にあった者なら、もっと沢山いる。だから皆、自分の事として厳冬の夕暮れまで、否、電話相談を含めれば24時間活動し続けた。

他方、東京都に方針はなく、その対応はハッキリ言って酷い。上に元入所者の「最初からいなくなってほしかったみたいです」というコメントを引用したが、実際、その手の声は私も現場で数限りなく聞いた。例えば、「その交通費の額では、面接に行けるが帰れないと訴えたら、職員に『歩いて帰ってこい』と言われた」などなど、苦情は耐えなかった。そして、ある入所者は「5日から『なぎさ寮』行きとは、あきらめさせようという魂胆だな」とつぶやいた。

どういうことかと言うと、山谷地域越年越冬宿泊援護施設「なぎさ寮」は、教室ぐらいの狭い部屋に20人以上は雑魚寝させ、1人1畳分のスペースしか使えない。品川駅から車で20分は必要な場所で、謂わば「陸の孤島」でもある。また、基本的には冬しか使わないからか、部屋は不衛生で老朽化も進み、2006年には天井落下事故さえ起きている。「オリンピックセンター」で始まった「公設派遣村」入所者の中には「なぎさ寮」経験者や脱走者が多くいたから、移設方針が決定した3日夜の時点で、一方では抗議の「暴動」が起きそうになり、他方では4日の退所者や脱走者が相次いだ。

そこで「ワンストップの会」代表がギリギリの交渉をし、まず病人や夫婦や女性は別枠にして、残りは4日だけはカプセルホテルに泊める方針に変更させた。なぜなら、コインロッカー等の荷物取り出しや常備薬の調達などの事情から、いきなり「陸の孤島」へは移動できない人も数多くいたからだ。そして5日からは、悪名高い「なぎさ寮」に収容。「ワンストップの会」も張り付いて、「何とかココを乗り切り、新たな生活を再建していこう」と、説得しながら相談活動など様々なフォローにあたっている。脱落しそうな入所者の気持ちが誰よりも理解できる分、涙ながらに「ここでヤケを起こさないで」と必死になって引き留め、最悪の場合でも電話番号は交換して別れている。

また、現金支給ないし「ゴネ得」に関しては、次のような経緯がある。求職活動で外出しても昼食は「派遣村」まで戻って食え、というのが最初の都の方針。抗議したら、コンビニしか使えないクオカード1日千円分。それも抗議したら、現金数日分の前払い。これには、コマ切れ支給に職員が対応しきれない、という事情もある。つまり、最初からゴネるように仕組まれたと、私は思っている。しかしながら、今まで納税してきた入所者が、困った時に最低限の生活ができるよう要求するのは正当な権利だ。

さて、私自身は「なぎさ寮」までは行くことができないので、別記事でも書いた通り、たいへん心苦しく思っている。それと、今まで「公設派遣村」のリアルな実態を記事にしなかったのは、私自身が心身ともに疲弊したこともあるが、「ワンストップの会」の方々が行政を動かし、それと協力的な関係を保とうと努力しているからに他ならない。しかし、石原都知事の暴言を読んで、知っていることは書くことに決めた! これには、あの「2チャンネル」ですら、抗議スレッドが立っている。繰り返すが、この記事の責任は「ワンストップの会」ではなく私にある。文句があるなら、あくまでこちらに言って欲しい。
(後略)
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 http://blogs.yahoo.co.jp/tocka_jikkoi/61051648.html

【追記】

 更に検索したら、実際に現地に行ってみた人のレポートが出てきた。このレポートを書いた人は、実際に路上生活を数年間経験し、その体験談をブログに書き綴っている。個人的体験談という制約は勿論あるものの、当事者でしか書けない事も数多く載っている。こちらも是非読んで戴きたい。

 ・山谷地域越年越冬宿泊援護施設「なぎさ寮」(Midnight Homeless Blue)
  http://blog.livedoor.jp/kenjiro45/archives/51525236.html
 ・新聞記事について(同上)
  http://blog.livedoor.jp/kenjiro45/archives/52097541.html


■“ごね得”許した「派遣村の品格」 費用は6千万円大幅超の見込み(産経新聞)
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 「不平を言えば融通が利く。みんな“ごね得”だと気付いている」。4日閉所した東京都の「公設派遣村」を出た男性(34)は“村”での生活をこう皮肉った。派遣村では開所以来、行政側と入所者の衝突が絶え間なく続いた。職員の口のきき方への不満に始まり、昼食代の現金支給を求める入所者…。当初、目的だったはずの就職相談は不調に終わり、職員は最後まで入所者への対応に右往左往した。

就労相談わずか1割

 都は3日夜、この日退所した833人のうち住居を見つけられなかった685人のため、4日以降の新たな宿泊先に400人分のカプセルホテルを用意。残りの入所者には、都の臨時宿泊施設を割り振ることを決めた。

 だが、いざこざはここでも起きた。入所者の1人は冷笑を浮かべて言う。

 「その夜も『なぜ全員がホテルに入れないのか』と騒いだら泊まれることになった」

 入所者の抗議と厚労省などの後押しで、都は決定を覆す。抗議の数時間後にはカプセルホテルを追加で借り上げた。「騒ぎが大きくなったので…」と職員は言葉少なに語るのみだ。

 この1週間で本来の目的の就労・住宅相談に訪れた入所者はわずか1割。「正月休みに相談しても仕方ない。派遣村では一時金がもらえるとのうわさもあった。それ目当てで入った人も多い」との声も漏れた。

想定超す利用者

 一方で、自力で社会復帰への第一歩を踏み出した入所者も。退所を選んだ男性(67)は「入所中に友人の会社に就職が決まり、社宅に住めることになった。年末年始に泊めてもらって感謝している。食事もおいしかった」と語った。

 だが、この男性のように新たな職や住居が決まったのは少数だ。利用者数は当初の想定を超え、約6000万円と考えられていた費用も大幅に膨らむ見込み。費用はすべて国の負担で、都の幹部は「結局、政治のため」とぼやいた。
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 http://sankei.jp.msn.com/economy/business/100104/biz1001042246045-n1.htm


・関連記事:そこまでして人間を貶めたいか
 http://blog.goo.ne.jp/afghan_iraq_nk/e/558f0ab9bc877049fdc4be3f5d59b4fe
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そこまでして人間を貶めたいか

2010年01月10日 23時05分28秒 | 貧乏人搾取の上に胡坐をかくな
 近年とみに劣化ぶりが目に付く産経新聞ですが、下記の記事もまた酷いものです。

・派遣村、所在不明200人 就活費2万円支給後に続出(1月8日)
>年末年始に住居がない失業者に宿泊場所や食事を提供する東京都の「公設派遣村」で多数の無断外泊者が出た問題で、当初の利用者562人のうち、7日午後8時現在で200人以上の所在が不明になっていることが同日、都の調査で分かった。所在不明者は都が就活費として現金2万円を支給した6日から続出。都は規則違反者は強制退所にするとしたうえで、18日朝をもって派遣村の閉所を決めた。
 http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/100108/crm1001080946003-n1.htm

・【揺らぐ沖縄】児童の安全より反対運動優先か 基地隣接の小学校移転(1月9日)
>米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾(ぎのわん)市)に隣接し、ヘリ墜落など事故の危険にさらされてきた同市立普天間第二小学校(児童数708人)で、これまで2回、移転計画が持ち上がったが、基地反対運動を展開する市民団体などの抵抗で頓挫していたことが9日、当時の市関係者や地元住民への取材で分かった。市民団体などは反基地運動を展開するため、小学生を盾にしていたとの指摘もあり、反対運動のあり方が問われそうだ。
 http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/100109/plc1001092327012-n1.htm

 最初は8日付の公設派遣村関連記事に対する反論だけを書こうと思っていたのですが、次の9日付の普天間関連の記事もまた酷いので、両方一緒くたにまとめて、産経新聞の報道姿勢自体を問う事にしました。

 まず前段の公設派遣村関連の記事から。やれ無断外泊だの就活費で飲酒・パチンコだのと、表層に現れた一部の現象だけをさも針小棒大に書き立てて(実際の行方不明者はもっと少なかった)、まるで派遣村全体がならず者集団であるかのように描き出しています。しかし、何故そのような事が起こったのか、どうすれば解決できるのかを探求しようとする姿勢や、社会の木鐸としての使命感が、そこには全く感じられない。あるのは、ただただ「売らんかな」のセンセーショナリズムと露骨な印象操作ばかりで。
 まずは一歩前進と評された公設派遣村も、その運営については様々な問題が指摘されていました。まず直接の設置主体たる東京都は、国から言われて嫌々やらされているのが、もう見え見えで。とりあえず開設期間中の衣食住だけは「確保してやった」ものの、碌な職業相談もせずに、入所者をまるで犯罪人みたいに隔離収容して。提供された食事も、トンカツやらビフテキやらが並ぶものの、真に入所者の健康や栄養バランスを考慮した(心がこもった)ものではなかったので、逆に余計に惨めな気持ちに陥った人が多かったというではないですか。

・政府が「派遣村封じ込め」、失業者増大にもかかわらず(田中龍作ジャーナル)
 http://tanakaryusaku.seesaa.net/article/136961705.html
・「派遣村は走るバス」~警察に咎められ(同上)
 http://tanakaryusaku.seesaa.net/article/137230293.html

 そうして、当初の希望がやがて失望に代わりつつあった時に、国から2万円ばかりをアリバイ的に渡されたものの、期間終了後は残額を全て返納しなければならない。しかし、肝心の自立支援策は何も無い。あるのは生活保護の斡旋だけで、それも、怠け者と罵られながら受け取らなければならない。今までも散々モノ扱いされてきた上に、今度は政府の点数稼ぎに利用されようとしている・・・としたら、自分ならどうしますか。「もう、やってられるか!」「貰う物さえ貰ったら、もうこんな所には用は無い」という方に流れる人が出てきても、一向におかしくはないと私は思いますね。
 そもそも、パチンコや飲酒をして一体何が悪いのか。嗜む程度なら別に構わないではないか。久しぶりに缶ビール1本口にする事も許されないのか。一般人なら単なる嗜みで済む事が、何故、派遣村住民だと犯罪扱いされるのか。それこそが派遣村に対する差別ではないか・・・という事も言える訳で。
 しかし、そうは言っても、言わば「保護観察」の身である以上は、余り褒められた事ではないとは私も思いますが、それも今まで散々、政治や社会が彼らにしてきた事に対する、彼らなりの消極的抵抗とは捉えられないのか。

 次に後段の普天間関連の記事について。一読して思ったのは、「当時の市関係者や地元住民への取材」しかしていないという事。それは同関係者の声しか載っていない事からも明らかです。しかし、それではもはや報道機関として失格でしょう。
 「基地反対運動を展開する市民団体」関係者の声が一切掲載されていないので、現時点では一般論としてのコメントしか出しようがありません。そして一般論としては、こうも言える訳で。「後から入居してきた暴力団組事務所(米軍基地)の為に、何故先に住んでいた住民が出て行かなければならないのか?」と。
 これは、あくまでも一般論としての意見です。でも、こういう意見もあっても、一向におかしくはないですよね。それを、全て一部「反米運動」関係者の特殊な意見であるかのように、最初から決め付けるのは如何なものかと思いますね。これも「先に結論ありき」の印象操作でしかない。
 かつて自民党の安倍晋三・中川昭一が、従軍慰安婦特集番組の件でNHKに圧力をかけた際に、産経は何と言って二人を擁護したか?「放送番組は、特定の立場に偏る事なく、中立的立場から編集されなくてはならない」と言って擁護したよな。私なぞは「最初から特定の立場に偏した人間が、何を白々しい事を」と笑って聞いていたが。それが何故、殆ど一方の立場からの言い分だけに終始している、今回のこの記事ならOKなのか。

 こういう露骨な情報操作や、ひたすら大勢順応を是とし、少数者(少数意見)や社会的弱者を頭から異常と決め付け、隔離・排除し嘲り笑うような作風、どこかで見た事あるなと思ったら、思い出しました。「カルデロン一家や在日朝鮮人は日本から出て行け!」と呼号する、ネオナチ「在特会」ブログでの大本営発表記事のスタンスと、全く同じです。よって今後は、産経新聞関連の記事も、「在特会」関連と同じカテゴリーで扱う事にします。

・関連記事:公設派遣村をめぐる記事比較
 http://blog.goo.ne.jp/afghan_iraq_nk/e/cdc7d035be95f3fac336e4dab21f4363
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