アフガン・イラク・北朝鮮と日本

黙って野垂れ死ぬな やられたらやり返せ 万国のプレカリアート団結せよ!

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 アフガン・イラク戦争も金正日もNO!!搾取・抑圧のない世界を目指して、万国のプレカリアート団結せよ!

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夢洲駅は人間の物流センターだった。

2025年01月28日 20時28分36秒 | 身辺雑記・ちょいまじ鉄ネタ
駅ホーム片隅のベンチ(左)とエレベーター周りのベンチ(右)
 
緑色の光で2列に並ぶよう促すエレベーター(従う乗降客は余りいなかった)
 
オールジェンダートイレ前のベンチ
 
夢洲駅には1月22日(水)と29日(日)の2回行きました。そして駅構内の様子を動画に収め、知人に見てもらいました。しかし、その後、動画を公開する段階で、乗降客の顔にモザイクをかける方法が分からなかった為に、公開は見送らざるを得ませんでした。しかし、同時に撮影した写真にはモザイクをかける事が出来ましたので、ここでは写真のみ公開させていただきます。
 
何と言ってもまず驚かされたのが、広い駅の中にベンチがほとんどなかった事です。ベンチは駅のホームの片隅1か所に2人掛けのものが2つ並んでいただけでした。今はまだ万博開催前なので、このベンチの数でも対応できますが、万博開催後には最大13万人の乗降客が駅に押し寄せます。これだけ人が集まれば、雑踏の中で気分が悪くなったりする人も出るでしょう。その時に、たったこれだけのベンチで対応出来るでしょうか?
 
駅のホームからエスカレーターでコンコースに上がって、改札から反対側の端にあるオールジェンダートイレまで歩いた時も、ベンチは、エレベーターの周囲に6つと、オールジェンダートイレの前に3つの、計9つしかありませんでした。その他には、カームダウン・クールダウンスペース(人混みの中でパニックになった人を一時的に休ませる場所)に、2つの小さなソファーがあっただけでした。
 
クールダウンスペースの出入口とソファー
 
「大阪が圧倒的に便利になる」と宣伝中の巨大アストロビジョン
 
これでは、気分が悪くなった人が出ても、とても対応出来ません。ベンチが利用できなければ、もう床に横たえて介抱するしかありません。大阪メトロは駅構内の巨大アストロビジョンで「大阪が圧倒的に便利になる」と宣伝していますが、これでは便利になるどころか、命の危険に晒される事になります。
 
2回目の駅訪問で確信しました。「ここは人間の物流センターだ」と。物流センターでは、まず作業効率が何よりも最優先されます。大量の荷物を、期限内に正確に仕分けて注文先に届けなければならないのですから、そうなるのも当然です。そこでは作業するのに邪魔な物は全て撤去されます。そして「人材」である作業者も、荷物と同じ「1個の物」として認識されます。
 
夢洲駅もそれと同じです。最大13万人の乗降客を、一刻も早く万博会場に届け、戻って来た乗客も同じ様に帰さなければならないのですから。大量の乗客をさばくためのスペースの確保。電車の乗降客をいかにスムーズにエスカレーターやエレベーターに乗せ、どれだけ効率良く改札を通過させ、駅の外に出すか、電車に乗せるか。その為の通路と導線の確保が、最優先課題となります。
 
なるほど。これだけ駅の構内が広ければ、2001年7月の花火大会当日に兵庫県明石市JR朝霧駅前の歩道橋や、2022年ハロウィンの夜に韓国ソウル梨泰院(イテウォン)の繁華街の路地で起こった様な、大勢の人が押されて将棋倒しになる雑踏事故は起こり難いでしょう。エスカレーターでの2列待機など、大勢の乗降客を迅速に出入口に誘導する為の工夫も随所に見られます。しかし、逆にその駅の広さ故に、歩き疲れて気分が悪くなる人が続出する可能性が高まります。
 
そうであるにもかかわらず、「乗客の中には、人混みの中で気分が悪くなる人もいるだろうから、その人を介抱するためのベンチも必要だ。でも、余りベンチばかり置いても、人の流れが妨げられては元も子もない。ベンチは必要最小限の数だけ用意すれば良い」…おそらく、そんな考えで、駅の設計がされたのではないでしょうか。そうでなければ、こんな駅構内の施設配置にはなりません。
 
幾ら国や大阪府、大阪市、万博協会や大阪メトロが、巨大アストロビジョンで「多様性やSDGs(注)の未来」を説き、オールジェンダートイレを設置し、「生活が便利になる」と宣伝しても、それらは全て「人が物扱いされる」現実を覆い隠す煙幕でしかありません。「物扱い」されたくなければ、雑踏の中で倒れないように、普段から身体を鍛えておかなければなりません。これでは、もはや完全な「弱肉強食、自己責任」の世界です。これの一体どこが「環境に優しい、人に優しい近未来の万博」なのか?

(注)SDGs(エス・ディー・ジーズ)Sustainable Development Goals(サステナブル・ディベロップメント・ゴールズ)の略。2015年の国連総会で採択された「持続可能な開発目標」の事。貧困撲滅、環境保護、ジェンダー平等達成など17の国際目標が掲げられた。
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夢洲駅の看板に偽りあり

2025年01月25日 09時49分26秒 | 身辺雑記・ちょいまじ鉄ネタ
 
夢洲駅には開業3日後の1月22日(水)に行きました。まだ周辺は万博工事の真っ最中なので、駅の周りを取り囲むフェンスから外に出る事は出来ません。話題の大屋根リングも遠くから眺めるだけで終わりました。
 
万博会場の最寄駅で、日常生活から世界の博覧会に移動出来る「移世界劇場」が駅のコンセプトだとか。そこで、世界の趨勢たる多様性やSDGs(注)を表現する為に、LGBTQの人も利用出来るオールジェンダートイレや、ベビーケアルーム(授乳室)、パニック障害の人が人混みの中でパニックを起こした際に一時避難出来るカームダウン・クールダウンスペースが設置されました。
 
しかるに、今の日本の現状を考えると、多様性やSDGsの理念とは裏腹の現状に暗澹たる気分になります。お茶の水女子大が入学試験の際に、LGBTQの人にも門戸を開いて女性以外の受験を認めた時も、それを揶揄する意見が保守派の有名作家から表明されました。今や世論の大勢が賛成に傾いている選択的夫婦別姓導入についても、保守派やその顔色を伺う自民党の反対で頓挫しています。
 
本当に多様性やSDGsを推進する気があるなら、夢洲駅だけでなく、他の主要駅にもオールジェンダートイレやベビーケアルーム、クールダウンスペース等を設置しているはずです。顔認証改札やホームドアの様に。「スペースがない」等は言い訳になりません。なのに何故、夢洲駅にしか設置しないのか?世界の耳目が集まる万博最寄駅にだけ設置して、やってる感の演出だけで誤魔化そうとしているとしか思えません。
 
同じ事はSDGsについても言えます。今まで経済開発一辺倒で来た為に、地球温暖化で人類滅亡の危機を招いてしまった。これからは環境保全や格差是正にも目を向け、持続性ある経済成長を目指さなければならない。これがSDGs本来の理念です。
 
しかるに、世界や日本の現状はどうか?ウクライナやガザの戦争はいまだに解決の糸口が見えません。各国とも国防費の増額に躍起となっています。欧米各国の選挙でも、某トランプ筆頭に、原発推進、外国人排斥、LGBTQ排除を訴える候補や政党が当選・躍進しています。
 
万博開催の跡地にはカジノが進出して来ます。カジノなんて拝金資本主義の象徴じゃないですか。一攫千金目指し金の亡者が集う。地獄の沙汰も金次第。金の切れ目が命の切れ目。人権や平等、多様性とは真逆の世界です。しかもカジノは純粋な民間経営なので、公営ギャンブルの様な福祉貢献の建前すらない。そんな施設の最寄駅に、多様性やSDGsの看板を形だけ掲げても、見てくれを取り繕っているだけではないですか。
 
それが証拠に、駅にはベンチがほとんどありません。オールジェンダートイレの壁周りやホームの隅っこに少しあるだけです。後はひたすら乗降客を一刻も早く駅の外へ出そうとするばかり。エスカレーターの光線で2列に並ぶ様促し、天井にも折り紙の装飾で歩く方向を暗示して、乗降客をひたすら出口に誘導しようとしている。ベンチなんか邪魔だと撤去して。
 
しかし、駅は単なる停留所ではありません。人が集い出会う場所です。映画「鉄道員」に登場するヒロインの様に。だからこそ、阪堺上町線の住吉や姫松の電停すら、路面電車で限られた駅スペースしかないにも関わらず、駅ホームとは別に待合室も設置したのです。鳥取県若桜鉄道の若桜駅も、ローカル線の限られた予算の中で、駅カフェ設置を決断したのです。いずれも今の夢洲駅とは雲泥の差です。
 
万博に殺到する乗降客を捌かなければならない。効率最優先になるのも仕方がない。しかし、それでは障害者から苦情が来る。だから、取って付けたように、片隅にだけクールダウンスペースを設置し、多様性を尊重する振りをする為に、目立つ場所にだけオールジェンダートイレやベビーケアルームを設置したのです。でも、それらを本気で推進する気はないので、目立つ場所にしか設置しない。
 
幾らアストロビジョンの煌びやかな演出で、いかに多様性やSDGsを推進する振りをしても、実際の行いを見れば、それが単なる建前にしか過ぎない事は、もはや明白です。
 
(注)SDGs(エス・ディー・ジーズ)Sustainable Development Goals(サステナブル・ディベロップメント・ゴールズ)の略。2015年の国連総会で採択された「持続可能な開発目標」の事。17の国際目標の下に、169の達成基準と232の指標が決められた。17の国際目標は以下の通り。今の日本や世界の現実が、これらの目標からいかにかけ離れているか、もはや言うまでもなかろう。
 
①貧困をなくそう②飢餓をゼロに③すべての人に健康を福祉を④質の高い教育をみんなに⑤ジェンダー平等を実現しよう⑥安全な水とトイレを世界中に⑦エネルギーをみんなにそしてクリーンに⑧働きがいも経済成長も⑨産業と技術革新の基盤を作ろう⑩人や国の不平等をなくそう⑪住み続けられるまちづくりを⑫つくる責任つかう責任⑬気候変動に具体的な対策を⑭海の豊かさを守ろう⑮陸の豊かさも守ろう⑯平和と公正をすべての人に⑰パートナーシップで目標を達成しよう
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南海汐見橋駅で2200系電車と銚子の濡れ煎餅に遭遇

2025年01月19日 20時03分53秒 | 身辺雑記・ちょいまじ鉄ネタ

本日(2025年1月19日)、汐見橋駅で2200系電車の引退イベントをやっていたのに偶然遭遇しました。

2200系とは昔、南海電鉄で走っていた薄緑地に濃緑帯の急行電車です。現在は白地に青・オレンジ帯の塗装に塗り替えられ、主に支線の普通電車として走っています。 その2200系が昔の塗装に塗り替えられ、今年春の引退まで各支線にて持ち回りで運行される事になりました。その現場に偶然遭遇したのです。

https://www.nankai.co.jp/lib/company/news/pdf/241210.pdf

私は、汐見橋線の事を自分のブログで取り上げながら、最近の電車や駅舎の写真をまだ撮っていなかったので、それを撮ろうとたまたま訪れただけです。2200系引退イベントがここで開催される事なぞ何も知りませんでした。

久しぶりに訪れた汐見橋駅は、阪神なんば線桜川駅のすぐ隣にありました。これだけ互いの駅が接近していたら、乗り換えがスムーズに出来ます。難波で乗り換えるよりも簡単に乗り換える事が出来ます。一時は廃止の噂もあった汐見橋線ですが、最近は乗換客の利用が増えているようです。

荒れ果てていた汐見橋駅も、駅舎の壁には新しい壁画が描かれ、改札の上に掲げられていた塗装の禿げた観光案内図も、すっかりリニューアルされていました。 駅舎内では物産展が開催され、2200系関連グッズだけでなく、和歌山電鉄や千葉県・銚子電鉄のグッズも販売されていました。

和歌山電鉄も元は南海貴志川線で、今も南海2200系電車が和歌山電鉄色に塗り替えられて走っています。南海が赤字を理由に経営分離した後、猫のタマ駅長ブームで観光客が押し寄せるようになりました。

千葉県の銚子電鉄にも南海2200系電車が譲渡され、昔の薄緑地に濃緑帯の塗装で、電車が走るようになりました。ここも赤字路線で、電車の修理代を捻出する為に、銚子名産の濡れ煎餅をネットに売り出した所、これがバカ受け。今や収入の7割を濡れ煎餅の売上で占めるようになりました。

まさか、こんな所で銚子の濡れ煎餅が買えるとは思ってもみませんでした。濡れ煎餅には甘口・辛口・醤油味の3種類があります。その中で甘口が一番私の口に合っていたので、私は甘口と新登場のプレミアム濡れ煎餅を買いました。プレミアム濡れ煎餅はまだ食べた事がありません。どんな味か楽しみです。

汐見橋線という名前は通称で、今も正式には南海高野線の一部です。でも、南海本線が高架になり、高野線が岸里玉出で分断されて以降は、岸里玉出と汐見橋の間を2両編成の電車が30分おきに走る、下町のローカル線に成り下がってしまいました。

1面2線の汐見橋駅も、今や電車が止まるのは左の1番線のみで、2番線は無用の長物と化していました。その2番線に2200系が留置され、1番線に入って来た現役の白地に青・オレンジ帯の電車と並んだ時は、流石に私も感動を抑える事が出来ませんでした。

この様に、汐見橋線の利用が上向いているにも関わらず、南海電鉄は今も汐見橋線をお荷物扱いし続けています。今も運行ダイヤはラッシュアワーの時間帯も含めて毎時25分、55分の固定ダイヤのままです。その上、終電の時刻も岸里玉出発22時25分から21時45分に40分も早めてしまいました。(いずれも岸里玉出駅発の時刻)

汐見橋線は確かに今も赤字ですが、確実に利用客は増えているのに、南海電鉄は今もお荷物扱いし続けているのです。地方に行けば、汐見橋線よりもっと少ない乗客数の赤字ローカル線でも、住民の足確保の為に、行政も巻き込んで、あの手この手の増収策を講じているのに。

私、イベント会場にいた南海の社員に言ってやりました。「今の不便な30分間隔のダイヤでも、年々乗客が増え続けているのだから、せめてラッシュアワーの時間帯だけでも、15〜20分間隔で電車を走らせて下さいよ」と。

昔の高野線時代の名残りで、今も岸里玉出駅付近以外は複線の線路がそのまま残っているのですから、ダイヤ増便は十分可能です。汐見橋駅の2番線に次発電車を待機させて、途中で上り下り電車を行き違いさせれば、今すぐにでも15分間隔に出来るはずです。

他社線との接続も、汐見橋と阪神なんば線桜川だけでなく、芦原町とJR環状線芦原橋、岸里玉出と地下鉄四つ橋線玉出の間もそんなに離れていないのですから、乗り換えやすいダイヤに変えれば、もっと乗客は増えるはずです。

2200系電車の引退イベントも結構ですが、それ以外にもやる事は幾らでもあるはずです。加太線には「さかな線」キャンペーンで「めでたい電車」を走らせながら、乗客数が加太線と同じ水準まで回復してきた汐見橋線には、逆に終電繰り上げで、冷や水を浴びせるような事をするのは、どう考えても矛盾しています。

それを言ったら、南海の社員は苦笑いしていましたが。「いつまでも大企業としてふんぞり返ってるんじゃないよ。地方ローカル線社員の爪の垢でも煎じて飲め」と心の中で思いました。

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木村屋のパンを食べながら、南海汐見橋線の将来について考えてみた

2025年01月16日 21時25分51秒 | 身辺雑記・ちょいまじ鉄ネタ
 
親父の死去を機に、再び実家に戻る事になり、遠方から今まで通り職場に通勤出来るか調べる中で、南海岸里玉出駅から地下鉄玉出駅に乗り換える方法を思い付きました。ここまでが前回記事の話でした。その中で、岸里玉出駅前にある老舗のパン屋・木村屋の存在を知り、実際にそのパンを食べてみたくなりました。そこで先日、木村屋のパンを買いに行きました。
 
木村屋は、ランチタイムには店内にイートインコーナーが設けられ、そこで買ったパンを食べる事も出来るようになっていました。私はそこで昼食に買った浪速メロンパンとウインナーショコラをコーヒーと一緒にいただきました。メロンパンの味は他のメーカー品と余り変わりませんでしたが、ウインナーショコラは中のカスタードクリームと外側のミルクチョコレートが非常にマッチしていて大変美味しかったです。
 
但し、木村屋は15時で営業を終了してしまいます。15時以前でも商品が売り切れてしまったら、もう閉店してしまうそうです。もし木村屋に買い物に行く際は、早めに出掛ける事をお勧めします。
 
 
そして、岸里玉出駅から出ている南海汐見橋線についても一言。汐見橋線は通称名で、正式には今も高野線の一部です。昔は特急こうや号の一部も汐見橋駅から発着していました。(残念ながら電車の写真を撮りそびれてしまったので、2015年に撮影した左の写真を代わりに貼り付けておきます。右の時刻表の写真は現在のものです)
 
ところが、1985年に南海本線の高架化により高野線の線路が岸里玉出で分断されて以降は、都会の盲腸線として、線内を2両編成の電車が運行するのみとなってしまいました。
 
南海汐見橋線ターミナル駅の汐見橋駅と、南海加太線加太駅、和歌山電鉄貴志川線貴志駅の1日平均乗降者数を比較すると、かつては汐見橋駅が最も少なかったです。盲腸線で他路線と連絡していない都会のローカル線だから当然です。
 
ところが、コロナ禍以後の近年の動向を見ると、観光頼みの後者2駅の乗降者数が足踏み状態であるのに対し、汐見橋駅は2010年ぐらいから数年おきに100人ずつ乗降者数と確実に増やして行ってます。(上記グラフ参照。左が汐見橋駅、右が加太駅の乗降客数推移)
 
これは阪神なんば線が西九条から近鉄大阪難波まで繋がり、奈良から神戸まで乗換なしに行けるようになったからです。南海から阪神へは大阪難波でも乗り換える事が出来ますが、それぞれの駅が割と離れているので、10分ほど歩かなくてはなりません。それに対し、汐見橋駅は、すぐ隣に阪神なんば線の桜川駅があるので、はるかに早く乗り換えが出来るのです。
 
その為に、桜川駅から汐見橋駅にも、乗降客の一部が流れるようになりました。その結果、今や汐見橋駅の1日平均乗降者数は、南海電鉄が「さかな線」キャンペーンで「めでたい電車」を走らせている加太線加太駅や、「猫の駅長」でブレイクして外国人観光客が押し寄せるようになった和歌山電鉄貴志駅と、同じ600人台で肩を並べる所まで回復しました。
 
勿論、これでも赤字路線には違いありません。しかし、観光客頼みでコロナ禍による利用客減少が激しい後者2路線とは違い、通勤・通学者が主体で、コロナの影響も比較的少なかった汐見橋線の方が、より将来性があると思います。
 
もし私が地方の赤字ローカル私鉄や第三セクターの経営者なら、これだけ乗客数が増えていたら絶対に増収を図ります。でも大企業病に侵された南海電鉄の経営者は、相変わらず汐見橋線に赤字路線の烙印を押し続けたまま、ダイヤ見直しや設備投資をサボり続けているのです。
 
南海電鉄は、今も汐見橋線を30分に1本の定時ダイヤで2両編成の中古車両を機織り運行させるだけで、駅施設の更新もやろうとはしません。そろどころか終電の時刻を40分も早めてしまいました。これでは鉄道を利用したくても利用出来ません。
 
今の不便な30分間隔のダイヤのままでも、乗客はずっと増え続けているのですから、昔のように15~20分間隔で電車を走らせるべきです。しかも、昔の幹線時代の名残りで、今も岸里玉出駅以外は複線のレールが残っているのですから、機織り運行なんかではなく、途中駅で上下電車がすれ違うようにすべきです。
 
そうすれば、2両で1編成の電車が2編成確保出来ます。合計のべ4両です。この4両の電車を、ラッシュアワー以外は1両の単行運行にすれば、上下行き違いダイヤで15分間隔で走らせたとしても、まだ残り2両を予備車として車庫に待機させる事が出来ます。
 
南海電鉄は、汐見橋線やその他の支線を赤字路線として厄介者扱いしています。しかし、今まで私が乗って来た地方の赤字ローカル線と比べたら、まだまだ乗客数は多いです。汐見橋線よりはるかに乗客の少ない地方のローカル線でも、地域住民の為に頑張っているのに、大手私鉄の南海が、支線切り捨て一辺倒で果たして良いのでしょうか?出来る事は他にもまだまだあるはずです。
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分かりやすい地図で岸里玉出駅・商店街の活性化を!

2025年01月12日 22時13分07秒 | 身辺雑記・ちょいまじ鉄ネタ

親父が亡くなり高石の実家から再び通勤する事になりました。来月には実家に戻るつもりです。そこで住之江区の職場までの通勤時間を改めて調べてみました。その結果、最初は早朝出勤なぞ無理だと諦めていたのが、実際は今よりも15分遅くなるだけで済むと分かりました。

実家から通っていた時は南海線天下茶屋から地下鉄四つ橋線岸里まで歩いて乗り換えていました。それが最短距離だと思い込んでいたから。でも実際に歩いてみると、一つ手前の岸里玉出から地下鉄玉出まで歩いた方が、乗車時間も歩く距離も短縮出来る事が分かったのです。

左図の赤マークが岸里玉出と玉出。青マークが天下茶屋と岸里。図上では赤マークコンビの駅間距離の方がはるかに長いように思えます。でも実際は、赤コンビも青コンビも互いに約400メートルしか離れていません(右図参照)。歩いても約8~9分で到着します。それなら一駅手前でショートカットして乗り換える方がはるかに早く着きます。

勿論、各停しか停まらない岸里玉出よりも、急行も停まる天下茶屋で乗り換えた方がはるかに便利です。でも私が出勤する早朝にはまだ各停しか走っていないので、各停しか停まらなくても別に構いません。なのに、急行も停まる天下茶屋で乗り換えた方が、早く着くと思い込み、今まで無駄に遠回りしていたのです。

これはひとえに私の思い込みによるものですが、グーグルマップの駅表示が駅事務所中心になっている為に、縦長構造の駅では、実際の出入口との間に、表示のズレが生じるからでもあります。この点については、グーグルも表示方法を見直すべきだと考えますが、如何でしょうか?

岸里玉出駅の近くにも木村屋というパン屋の名店があり、雨の日でも玉出本通り商店街のアーケードを潜れば、濡れずに国道26号線まで出る事が出来ます。それが地図で分かれば、岸里玉出経由で乗り換える人も増え、商店街の活性化に結びつくのではないでしょうか。

岸里玉出駅が誕生したのも、阪堺鉄道と高野鉄道が合併して南海鉄道(今の南海電鉄)の岸里駅となり、一時は乗換駅となったものの、南海本線の高架化で高野線の末端部分が汐見橋線として分断され、隣の玉出駅と統合して今の駅に。これだけ紆余曲折した歴史を持つ駅も珍しいです。鉄道ファン対象に、この駅から出る汐見橋線を都会の秘境路線としてアピールすれば、この駅の利用者ももっと増えるのではないでしょうか。

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金杯で 馬の社の 花咲かず

2025年01月08日 08時26分18秒 | 身辺雑記・ちょいまじ鉄ネタ

正月も私は普段通り仕事で、競馬の神様としても有名な京都の藤森神社に初詣に行った事以外には何も書く事がないので、初競馬の報告だけ。1月5日に京都金杯と中山金杯の馬券を買って両方とも外してしまいましたw。

今年の京都金杯は京都競馬場改修で中京開催。冬場のハンデGⅢ予想が更に難解に。軸不在の混戦状態の中で、成績安定株の中京開催ポートアイランドステークス勝ち馬◎アスクコンナモンダから、〇ロジリオン、▲シャドウフゥーリー、☆ウォーターリヒト、△その他の中京マイル巧者に三連複フォーメーションで流すも。〇ロジリオン2着、☆ウォーターリヒト3着も、1着サクラトゥジュール無印でタテ目不的中。この馬で東京新聞杯を勝ったレイチェル・キング騎手が今回も騎乗するので、ヒモで買う事も考えましたが、高齢8歳で中京実績もない馬が58キロの重いハンデで出てきたので、消しにしてしまいました。キング騎手の、女性騎手とは思えない筋肉質の体をもっと間近で見ていたら、決して消しにはしなかったでしょう。

軸不在の京都金杯に対し、中山金杯は紫苑ステークスレコード勝ち◎クリスマスパレード本命にすんなり決まるも、相手の有力先行馬〇シンリョクカ、▲ボーンディスウェイ、△ホウオウビスケッツ、△リカンカブール全て外枠に。開幕週の小回り中山はあくまで内枠先行有利が鉄則なので、△内・中枠の軽ハンデ馬数頭と☆中山二千巧者(ダービー卿チャレンジトロフィー勝ち馬)パラレルヴィジョンに、こちらも三連複フォーメーションで流すも。勝ったのは☆パラレルヴィジョン隣の無印アルナシームでした。この馬は中山二千の成績はさっぱりですが、GⅢ・オープンクラスの千八コースで好走していて、今回は二千メートルコース向けにしまいを伸ばす調教にも力を入れていたので、消しにしてはいけませんでした。

京都・中山ともに◎は4着止まりのタテ目で外してしまいました(京都金杯の4着は2頭同着)。どちらも2・3着馬は印の打った馬が来ていただけに、惜しい結果となりました。私のこれまでの予想パターンを振り返ってみると、コースデータ偏重で消してはいけない馬を消しにしてしまい、タテ目で外す失敗が多いように思います。「1年の計は金杯にあり」と言いますので、今年はこの弱点克服に力を入れようと思います。

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蛇年も 馬の社に 初詣

2025年01月01日 21時00分42秒 | 身辺雑記・ちょいまじ鉄ネタ

新年2025年の幕が開けました。今年は蛇年ですが、私は昨年と同じ京都市伏見区の藤森(ふじのもり)神社に初詣に行きました。この神社は伏見稲荷の近くにあります。伏見稲荷ほど有名ではありませんが、ここも割と名が知られた神社で、大勢の人が参拝に訪れていました。何故、大阪に住んでいる私が、わざわざ京都の神社に初詣に来たのか?それは、ここは昔から武運長久の神様として有名だった事から、勝負運にも恵まれるようにと、競馬関係者の方が多く訪れるようになった、いわば「馬の社(やしろ)」だからです。

もっとも、最初は武運長久を祈って、単に軍馬の安全を祈願しただけだったのが、やがて「競馬の神様」としても有名になり、後付けで競馬のファンファーレが鳴る飲料自販機が置かれ、歴代GI馬の肖像画が絵馬殿に掲げられるようになったようです。私はそこで昨年買って帰って自分の部屋に飾っていた昨年の絵馬を奉納し、今年も新しい絵馬を買って帰って一年間部屋に飾るようにしました。(神社のご利益は絵馬を部屋に飾っておくだけでも有効だそうです)

そして早速一句したためました。<蛇年も 馬の社に 初詣>

俳句は今で言うX(旧ツイッター)のつぶやきのようなものですが、両者には大きな違いがあります。ツイッターにはルールも何もなく、誹謗中傷・罵詈雑言何でもありの、いわば「言った者勝ち」の世界です。それに引き換え、俳句には明確な二つのルールがあります。五・七・五の韻を踏む事と、季語を含む事の二つです。この二つのルールがある事で、ツイッターにはない季節感や奥深さ、ある種の粋さが醸し出される事になります。

年末のニュースで、西成警察署の防犯課が、地域のNGO団体と協力して、あいりん地区の労働者から俳句を集め、それをカレンダーに載せて無料配布している事を知りました。私は今まで西成警察に対しては、余り良いイメージを持っていませんでした。あいりん地区のど真ん中に、要塞のような警察署の建物を作り、これ見よがしに、労働者を威嚇する。それに怒って労働者が暴動を起こそうものなら、真っ先に鎮圧に乗り出す。その一方で、地域の暴力団やヤクザに対しては、取り締まるよりもむしろ適当に泳がせて、暴動弾圧の手先として利用している。そんなイメージでいました。

「じゃあ、労働者の暴動を肯定するのか?」と聞かれたら、それも違います。労働者の暴動についても、裏で極左の過激派が扇動して、警察とイタチごっこを繰り返しているだけだと見ていました。いわば「どっちもどっち」で、「そんな危ない所には近寄るな」というイメージでいました。少なくとも、親父と喧嘩して実家を飛び出し、あいりん地区に住むようになるまでは。

でも、その後数年間、あいりん地区に住むようになってから、そのイメージはだいぶ変わりました。最初は「近寄りがたい」と思っていた住民も、「確かにガラは悪いし、初対面の人に対しては警戒感をあらわにする」、でも「裏表がないから、一旦仲良くなれば、こちらも自分を素直にさらけ出せる」というイメージに、徐々に変わって行きました。

労働者の暴動に対しても、単に「過激派にそそのかされた」だけでなく、「路上で行き倒れても、飯場で暴力振るわれても誰も助けてくれない」中で、「助けてくれたのは『過激派』だけだった」からこそ、あんな「過激派」でも労働者からは一目置かれるようになったのだと、認識を徐々に変えていきました。

その中で、警察も労働者も、いつまでもいがみ合っているだけでは、地域でともに生きていく事は出来ない。だからこそ、警察も取り締まり一辺倒ではなく、労働者に寄り添うようになっていったのだ、俳句募集も、その一環として行われるようになったと知りました。

今年は私も、なるべく俳句を作るような感じで、記事を書こうと思います。その方が、同じ事を書くにしても、奥深さや粋さが醸し出されるように感じます。その手始めに、次回からは、なるべく記事のタイトルは俳句で締めようと思います。今後は、鉄道と競馬だけでなく、俳句も新たな趣味に加えようと思います。新年のカレンダーの句を手本にして。では本年も宜しくお願い申し上げます。

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部屋の鍵が無い!

2024年12月29日 18時41分42秒 | 身辺雑記・ちょいまじ鉄ネタ
 
マンションの部屋の鍵を失くしてしまいました。いつもズボンのポケットに入れて、自転車で通勤しているので、自転車を漕いでいるうちにどこかに落としたかも。折角自宅まで戻って来たのに、また会社に戻って、ロッカールームの中を探したが見つからず。会社に連絡しても、落とし物の届出は出ておらず。
 
年の瀬でマンション管理会社も休みに入っていて連絡が取れず。おまけに、スーパーで買い物して帰って来て初めて鍵の紛失に気が付いたので、手にはスーパーで買ったパンや肉、野菜も。食材を冷蔵庫に入れなければならないが、これも部屋の鍵がないと、どうしようもない。
 
私はすっかり動転してしまい、慌ててスマホで「鍵の110番」業者を検索。もう夜も更けて、営業終了の業者も相次ぐ中で、24時間営業の業者とようやく繋がり。夜8時半ごろに業者に来てもらい、部屋のドアを開けてもらいました。業者さんは鍵師の資格保持者で、長くて細い棒の先に胃カメラみたいな物を付けて、ドアスコープの穴から棒を差し込み、遠隔操作で開錠。およそ45分後には部屋に入る事が出来ました。
 
でも、その代わりに、開錠技術費や出張費、シリンダー錠交換費の名目で、5万円以上も支払う羽目になってしまいました。後でパソコンで業者の評判や鍵サポート代金の世間相場を調べたら、どの業者も数万円はかかるようです。私も流石にこれには驚きました。幾ら何でも高過ぎるのではないかと。でも、逆の立場に立って考えれば、24時間営業なので深夜の2時や3時でも電話がかかって来たら出かけなければなりません。もし変な客からの電話だったら、深夜の出先で一人で対応しなければなりません。そう考えると、この高額な料金もやむを得ないのかも知れません。
 
今後は絶対に部屋の鍵を失くさないようにしなければなりません。これからは鍵はチャック式のポケットに入れて通勤する事にします。何はともあれ善は急げと、早速翌日に近所のワークマンでカラビナ式のキーホルダーを買って来ました。カラビナの先端をズボンの帯革に通せば今まで通りポケットに入れても落ちませんが、万一リール(カラビナとホルダーを繋ぐ紐)が切れた時の事も考えて、防寒ジャンバーのチャックのフックに装着し、キーホルダー部分はジャンバーの胸ポケットに入れる事にしました。
 
世間はもう年末で休みに入りますが、エッセンシャルワーカーの私たちは年末・年始も通常の公休日以外は仕事です。逆に年末繁忙期で普段以上にてんてこ舞いです。おまけに親父の葬儀も重なり、今月はブログ更新もままなりませんでした。今ようやく徐々に落ち着きを取り戻しつつあります。そういう事で、大した事は何も書けませんでしたが、皆様良いお年を。
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次の朝日杯は必ず取る!

2024年12月10日 19時36分18秒 | 身辺雑記・ちょいまじ鉄ネタ
 
先週末に開催された阪神ジュベナイルフィリーズは
1着△アルマヴェローチェ 1分33秒4
2着△ビップデイジー 1.1/4馬身 
3着○テリオスララ 1.3/4馬身
4着◎ショウナンザナドゥ アタマ
 
上記の着順に決まりました。しかも○◎は僅かアタマ差。これが△○◎か△◎○なら三連複の高配当をゲット出来たのに。
 
当レースは、例年開催される阪神競馬場が改修工事の為に、今年は京都開催となりました。同じ芝1600メートルでも、阪神と京都ではコース形態が大きく異なります。簡単に言うと、阪神はゴール前200メートル付近が一番低い、スタート地点より約2メートルも。私はこれを便宜上「谷」と表現しました。そこからゴールまで急な上り坂となります。先行馬はこの上り坂で失速し、差し馬に追い抜かれる事が多いのです。

それに対して、京都は3コーナーに高さ約4メートルの丘があり、そこから4コーナーまで下り坂が続き、ゴール前の直線は平坦です。先行馬は、この丘さえ越えれば、後はひたすら逃げるのみ。勝つ為には、差し切る瞬発力よりも長く走れるスタミナが要求される。だから、今回はこれまでのジンクスにはとらわれずに、京都向きの、持続力に秀でたスタミナ勝負に強い馬を中心に買い目を決めました。
 
でも、その一方で、GIレースという事もあり、軸馬には今まで通り王道ステップのアルテミスステークス組に厚い印を打ちました。
◎ショウナンザナドゥ(同レース3着)
▲ミストレス(同じく2着)
★ブラウンラチェット(同じく1着)
 
着順だけ見れば、同レース1着のブラウンラチェットが最強です。でも同馬は関東馬で、調教時ですら前走より10キロも馬体が減少している。その上、関西までの輸送で更に馬体が減る可能性がある。それならむしろ、大型馬のミストレスや、京都も連続好走したショウナンザナドゥの方が有望です。

しかし、如何に王道のステップレースと言えども、所詮は牝馬限定GⅢ。ショウナンザナドゥこそ4着に粘ったものの、それ以外は惨憺たる結果に。それとは対照的に、前走GⅢ札幌2歳ステークス(距離1800メートルの重馬場で牡馬も出走)を2着に好走した△アルマヴェローチェが、外を回して鮮やかな差し切り勝ちに。
 
でも、それ以外は新馬戦勝ち、馬体重480キロ超、距離短縮組(芝1800→1600メートル)、NF(ノーザンファーム)生産馬など私がマークした馬が結構来ています。印を打った馬が全て馬券内に入っているが、フォーメーションの組み合わせをミスってタテメで外してしまっただけで。
 
次のGIレース朝日杯フューチュリティステークスも、牡馬と牝馬の違いだけで、同じ2歳馬限定レースで、開催場所も同じ京都芝外回り1600メートル。次は必ず取ります!
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JR福知山線廃線跡ハイキングで紅葉狩り

2024年11月28日 21時21分23秒 | 身辺雑記・ちょいまじ鉄ネタ
 
気が付けばもう11月27日。このままでは今年は紅葉も見ずに終わってしまうと思い、公休日の当日に急きょ兵庫県の武庫川渓谷に行って来ました。ここは武庫川に沿って昔のJR福知山線の廃線跡がハイキングコースに指定されています。武田尾温泉も近くにあります。紅葉・渓谷美・鉄道・温泉と見所満載の行楽地です。行って正解でした。京阪神の郊外に、まだこんな秘境感漂う深山幽谷の地があるとは思いませんでした。その一方で、単なる思い付きで行ける所ではない事も同時に思い知らされました。次からはそれなりの装備で行かなければなりません。
 
武庫川渓谷の最寄駅はJR福知山線の生瀬・西宮名塩・武田尾の3駅です。どの駅からもスタート出来ますが、私のお勧めは西宮名塩です。西宮名塩の駅前にはスーパーの阪急オアシスがあるので、ランチや弁当はそこで調達出来ます。私が駅に着いた時は丁度お昼時だったので、オアシスのイートインコーナーでランチを済ます事が出来ました。
 
それに対し、生瀬の駅前には小さなコンビニがあるだけです。武田尾の駅前に至っては何もありません。もし武田尾駅からスタートする場合は、弁当は必ず持参しなければなりません。但し、一点気を付けておかなければならない事も。生瀬や武田尾の駅からだと目の前に武庫川が流れているので廃線跡のハイキングコースにたどり着くのも比較的簡単ですが、西宮名塩からだと離れているのでナビは必須です。西宮名塩の駅には案内チラシの類は一切置いていません。駅員に聞けば、ひょっとしたら道順教えてくれるかも知れませんが。私はナビで調べました。
 
 
駅前ロータリーの阪急オアシスの横を、武庫川支流の名塩川に沿ってひたすら下ります。川の左側には新興住宅街が広がりますが、川はもう深山幽谷の風景そのもの。そのコントラストの対比にまず驚かされます。しかも、その新興住宅地の傾斜の急な事。これでは災害で土砂崩れの恐怖と隣り合わせです。日本で災害が多発するのは、この住宅政策の貧困も一因にあるのかも知れません。名塩道路の高架が見えて来る辺りまで来ると廃線跡に向かう道標が現れますので、その矢印の方向に進みます。但し、田舎道で分かりやすい目印もないので、ナビとの併用は必要です。幹線道路を通る時は自動車にも注意。
 
弁当以外に、もう一つ持参必須の物があります。それは懐中電灯です。廃線跡のハイキングコースでは長いトンネルを何ヶ所も潜ります。トンネル内には照明は一切ありません。スマホのか細い灯りではとても照明代わりにはなりません。私は他の方の懐中電灯の灯りを頼りに何とかトンネルを踏破出来ましたが、それでも無灯火のハイカーに危うくぶつかりそうになりました。足元にも大きな砂利や水たまりが何ヶ所もありました。靴も出来れば登山靴の方が良いでしょう。
 
この廃線跡のトンネルは夜は真っ暗闇になるので、地元では心霊スポットの噂もあります。実際ここではトンネル工事の際に大勢の労働者が落盤事故で亡くなっています。その労働者の大半は朝鮮半島から日本に連れて来られた在日朝鮮人の日雇い人夫です。ハイキングコースの武田尾寄りにある「越鳥南枝」の碑は、その朝鮮人日雇い人夫の慰霊碑です。
 
「越鳥南枝(えっちょうなんし)」の意味:中国南方の越の国(今のベトナム)から渡って来た鳥は、木の枝に止まる時も、故郷を思い出して南の方の枝に止まる。鳥ですら、そうやって自分の故郷を懐かしむのだ。→望郷の念を詠った中国の故事成語だそうです。
 
思えば、近鉄奈良線生駒トンネルも、旧トンネルは心霊スポットとして有名ですが、興味本位で訪ねるのではなく、慰霊の気持ちで、もう二度と戦争や植民地支配の負の歴史を繰り返さないようにしなければなりません。そうしてこそ初めて、トンネル工事で亡くなった朝鮮人労働者の霊も浮かばれるでしょう。
 
 
気を付けておかなければならない事は他にもあります。トイレも事前に必ず済ませておかなければなりません。駅を抜けるとゴール付近までトイレはありません。私は出発前に駅でトイレを済ませましたが、それでも山間部は市街地より冷えるので、ハイク途中でもよおし、トイレ確保に苦労しました。
 
そして近くにある武田尾温泉の営業時間も把握しておく必要があります。武田尾温泉には旅館が2軒ありますが、そのうち1軒は土日祝日しか日帰り入浴のサービスがありません。もう1軒は平日も日帰り入浴のサービスをやっていますが、営業は15時までです。私が着いた時は平日で15時も過ぎていたので、入浴は諦めざるを得ませんでした。しかし、その点さえクリアすれば、紅葉・渓谷美・鉄道・温泉と四拍子揃った絶景を堪能する事が出来ます。次は準備万端で臨みたいと思います。(グーグルマップのクチコミにも同じ文章を投稿しました。写真もそちらの方が多いです)
 
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