一昨日の夜、腰痛で苦しんでいる時に、マイミクの「鈴木のびた」さんから私の携帯に電話がありました。ネットではなく携帯にわざわざ直接連絡してくるぐらいだから、よっぽど何かあったのだろうかと思いながら聞いてみると、自分の住んでいる兵庫県小野市で、下記の事態が進行中だとの事。「自分は生活保護受給者ではないが、自分の住んでいる町の市長が大変な事をやろうとしているのに、ローカルニュース故に、ネットで一部興味本位に話題になっているだけで、誰もこの事の本当の恐ろしさに気付いていない!」という話でした。
●生活保護費でパチンコだめ 兵庫・小野市が独自条例提案へ(神戸新聞)
兵庫県小野市が、生活保護費や児童扶養手当を、パチンコなどで生活が維持できなくなるまで浪費することを禁止する条例案を27日から始まる市議会に提案する方針であることが22日、分かった。
小野市によると、条例案は受給者の責務として「パチンコ、競輪、競馬などに費消し、生活が維持できなくなる事態を招いてはならない」と具体的に明記。市民が不正受給や浪費を見つけた場合、速やかな情報提供を求めている。不正は警察官OBが調査し、改善を目指すという。罰則はないが、改善されなければ最終的には支給を止める。(以上引用)
http://www.kobe-np.co.jp/news/zenkoku/compact/201302/0005760300.shtml
●小野市:生活保護に適正化条例案 情報提供、市民に求める/兵庫(毎日新聞 播磨・姫路版)
小野市は、生活保護や児童扶養手当といった公的給付受給者の生活の自立を促すことを掲げ「市福祉給付制度適正化条例」を定める方針を決めた。地域での支援や情報提供を「市民の責務」として市民の関わりを促す仕組みをつくり、困窮状態であっても受給が漏れている「漏給」や、パチンコなどの常習化で自立が難しくなっているケースの防止、改善を図る、としている。
条例案は4月施行を目指し、27日開会の定例市議会に提案。公的給付の適正化に関わる条例案は県内で初めて。小野市は「現在の受給者への配慮を求める意見なども含め、賛否両論になる可能性がある」としている。
条文では、市民の責務としては情報提供を示し、不正受給の疑いのほか「パチンコ、競輪、競馬その他の遊技、遊興、賭博などに費消」し、生活に支障が出ている状況を「常習的に引き起こしていると認めるときは、速やかに市にその情報を提供する」とした。提供情報は実態調査する。学識者らによる協議会も設置し福祉制度の適正な運用も図る。市内の11年度の生活保護受給世帯は122世帯(世帯人員156人)。不正受給は直近では09年度の1件という。
条例案について、厚生労働省社会保障審議会の生活保護基準部会委員を務める道中隆・関西国際大教授(社会保障論)は「適性化を検討する姿勢は評価できる」としながらも、情報提供は「漏給防止では一定の効果が期待できても、不適切な費消では、そもそも受給者か否かは個人情報に当たり情報提供が可能かどうか有効性が疑わしく、条例化の目的が問われる」と話し「現行法令の運用で家庭訪問などの体制を整えることが大切ではないか」と指摘している。(以上引用)
http://mainichi.jp/area/hyogo/news/20130222ddlk28010451000c.html
丁度腰痛で苦しんでいる時だったので、その時は早々に電話を切ってしまいました。鈴木さん、若し気を悪くされていたらゴメンナサイ。
その後、昨日に会社を休んで医者に診て貰い、薬も処方して貰ったので、腰痛もかなりマシになりました。その翌日の今日も、元々の定休日で休みなので、鈴木さんからの情報を基に、私の方でも色々と調べてみる事にしました。
●小野市の「生活保護でギャンブル禁止」条例 「なんて素晴らしい」「監視社会化が進む」の賛否両論(J-CASTニュース)
http://news.biglobe.ne.jp/domestic/0225/jc_130225_7993797778.html
確かに「小野市 生活保護 ギャンブル」で検索してみると、上記ニュースなどで話題になっている事が分かります。でも、その大半は、「生活保護」の「ギャンブル」消費の是非についての賛否両論(それも賛成のニュアンスの強い)しか取り上げていませんでした。
しかし、上記の新聞記事にもあるように、これは単に生活保護だけに限った問題ではありません。「児童福祉手当」や家賃補助などの「公的給付受給者」全てに対して、ギャンブル以外の「遊技、遊興」、つまり釣りやスポーツ、映画鑑賞、読書などの個人の趣味も含め、「無駄遣い」の通報・監視の対象とするものである事が分かります。(条例案の全文を参照の事)
更に小野市のHPを見ると、市長や市の行政が、福祉制度の受給者に対して、どういう態度で臨んでいるかが、はっきりと分かります。
●生活保護制度(小野市HP)
1 制度の趣旨
生活保護制度は、生活に困窮する方に対し、その困窮の程度に応じて必要な保護を行い、健康で文化的な最低限度の生活を保障するとともに、自立を助長することを目的としています。
2 保護の要件等
生活保護は世帯単位で行い、世帯員全員が、その利用し得る資産、能力その他あらゆるものを、その最低限度の生活の維持のために活用することが前提であり、また、扶養義務者の扶養は、生活保護法による保護に優先します。
(1)資産の活用
預貯金、生活に利用されていない土地・家屋、生命保険の解約返戻金等があれば、売却、解約し生活費に充ててください。
自動車は原則所有・使用は認められていません。
(2)能力の活用
働くことが可能な方は、その能力に応じて働いてください。
(3)あらゆるものの活用
年金や手当等他の制度でうけることができる場合は、まずそれらを活用してください。
(4)扶養義務者の扶養
親族等から援助を受けることができる場合は、援助を受けてください。
3 保護の種類(略)
4 生活保護の手続き
(1)事前の相談
社会福祉課にご相談ください。生活に困っている状況をお聞きしたり、活用できる制度、生活保護の制度についてご説明します。
(2)申請・調査
生活保護の申請をされた方について実地調査、預貯金、保険、不動産等の資産調査、扶養義務者による扶養の可否の調査、就労の可能性の調査を行います。
(3)支給決定
厚生労働大臣が定める基準に基づく最低生活費から収入を引いた金額を支給します。
保護受給中は自立を支援するために担当ケースワーカーから指導指示があります。
就労の可能性のある方は、就労に向けた助言・指導を行います。
世帯の収入と厚生労働大臣の定める基準で計算される最低生活費を比較して、収入が最低生活費に満たない場合に保護が適用されます。
・保護が受けられる場合
・保護が受けられない場合(収入が最低生活費を上回るため)(注:当該HPではそれぞれに図まで付けて解説)(以上引用)
http://www.city.ono.hyogo.jp/p/1/8/26/7/01/
はっきり言って、「あれもダメ、これもダメ」のオンパレードじゃないですか。お役所のHPなので、民間の福祉団体・市民団体のような事は書けないにしても、もう少し生活保護の趣旨なり、それを闘い取るまでの歴史(朝日訴訟の話など)も解説した上で、「同じ市民として自立に向けて頑張ろう」というメッセージ位は、あって然るべきではないでしょうか。それが何ですか。これでは完全に厄介者扱いじゃないですか!
例の芸能人の不正保護受給事件を契機に、生活保護の削減やあら捜しの風潮が強まっています。実際は、生活保護されて然るべき貧困者が制度の埒外に放置されている「漏給」こそが問題なのに(当ブログの過去記事なども参照の事)。
その中では、「不正受給によって、本当に救われなければならない”真の弱者”が困っている」「”真の弱者”とそうでない”ニセ弱者”をきちんと選別すべきだ」との議論が、まことしやかに語られています。
しかし、この小野市のHPを見ると、”真の弱者”が一体どういう扱いを受けているかが、はっきりと分かります。
人口4万9千余、世帯数1万6千余の自治体の中の、僅か120世帯の生活保護受給者に対して、励ましの言葉をかけるどころか、市が率先して、警察官OBも動員して「あら捜し」を奨励しているのです。これでは、かつてのナチスドイツのユダヤ人に対する扱いや、南アフリカのアパルトヘイト、北朝鮮の強制収容所に入れられた政治犯収容者、ハンセン病隔離施設に入れられた人々に対する扱いと同じじゃないですか!
かつてナチスがユダヤ人に犯罪者・不具者のレッテルを張り、「働けば自由になる(ARBEIT MACHT FREI)」と騙して強制収容所に隔離した。今の生活保護者への監視・レッテル張りや、「税金で面倒見てやってんだから早く自立しろ、生かしてやっているだけでも有難く思え」と言わんばかりの風潮も、当時のナチスと同じじゃないですか!一気にガス室で殺してしまうか、じわじわと飼い殺しにしていくかの違いだけで。
※画像はいずれもウィキペディアの強制収容所(ナチス)の項目より。
「現金で渡すとギャンブルに使ってしまうから、食料などの現物支給に切り替えろ」という議論も、まことしやかに語られていますが、これなぞも「最低限のエサさえ与えておけば良い」という扱いに他なりません。
しかし、果たして人間は動物なのか。ギャンブルや趣味のどこまでが「最低限度の健康で文化的な生活」で、どこからが「浪費」なのかという議論をする前に、そもそも「受給者を人間扱いしているのか」という、議論する人間のモラルこそが問われなければならないのと違いますか。
「福祉のパラドックス」という言葉があります。「真の弱者」と「ニセ弱者」を選別し、「真の弱者だけが救われなければならない」という議論は、一見「真の弱者」を慮っているようで、実際は「真の弱者」の人権や尊厳を損ない、憐みや見世物の対象にしているだけだという事を言い表した比喩です。
困窮者に最低限の「エサ」だけ与えといて、税金で面倒見て貰っているのだから、一刻も早く自立しろ。どんな時給の安いキツイ仕事でも、斡旋してくれただけマシだと思え。嫌ならホームレスになって暴走族の餌食にでもなれ・・・これが生活保護削減を支持する人間の本音です。いや生活保護だけに限りません。失業者・障害者・高齢者・母子家庭・奨学生・ニート・スネップ・ワーキングプアなど、およそ公的福祉制度のお世話にならざるを得ない人々全てに対する、この国の支配層・付和雷同層の本音です。
しかし、果たしてこんな国がまともな国でしょうか。安倍の言う「美しい国」でしょうか。こんな支配層・付和雷同層の本音をそのままにして、「絆」がどうの「助け合い」がこうのと言える資格が、果たしてこの国の国民にあるのでしょうか。
まだ腰痛が完治していないのでこれ位にしておきますが、これで私の言わんとする事は充分汲み取って頂けるのではないかと思います。
●生活保護費でパチンコだめ 兵庫・小野市が独自条例提案へ(神戸新聞)
兵庫県小野市が、生活保護費や児童扶養手当を、パチンコなどで生活が維持できなくなるまで浪費することを禁止する条例案を27日から始まる市議会に提案する方針であることが22日、分かった。
小野市によると、条例案は受給者の責務として「パチンコ、競輪、競馬などに費消し、生活が維持できなくなる事態を招いてはならない」と具体的に明記。市民が不正受給や浪費を見つけた場合、速やかな情報提供を求めている。不正は警察官OBが調査し、改善を目指すという。罰則はないが、改善されなければ最終的には支給を止める。(以上引用)
http://www.kobe-np.co.jp/news/zenkoku/compact/201302/0005760300.shtml
●小野市:生活保護に適正化条例案 情報提供、市民に求める/兵庫(毎日新聞 播磨・姫路版)
小野市は、生活保護や児童扶養手当といった公的給付受給者の生活の自立を促すことを掲げ「市福祉給付制度適正化条例」を定める方針を決めた。地域での支援や情報提供を「市民の責務」として市民の関わりを促す仕組みをつくり、困窮状態であっても受給が漏れている「漏給」や、パチンコなどの常習化で自立が難しくなっているケースの防止、改善を図る、としている。
条例案は4月施行を目指し、27日開会の定例市議会に提案。公的給付の適正化に関わる条例案は県内で初めて。小野市は「現在の受給者への配慮を求める意見なども含め、賛否両論になる可能性がある」としている。
条文では、市民の責務としては情報提供を示し、不正受給の疑いのほか「パチンコ、競輪、競馬その他の遊技、遊興、賭博などに費消」し、生活に支障が出ている状況を「常習的に引き起こしていると認めるときは、速やかに市にその情報を提供する」とした。提供情報は実態調査する。学識者らによる協議会も設置し福祉制度の適正な運用も図る。市内の11年度の生活保護受給世帯は122世帯(世帯人員156人)。不正受給は直近では09年度の1件という。
条例案について、厚生労働省社会保障審議会の生活保護基準部会委員を務める道中隆・関西国際大教授(社会保障論)は「適性化を検討する姿勢は評価できる」としながらも、情報提供は「漏給防止では一定の効果が期待できても、不適切な費消では、そもそも受給者か否かは個人情報に当たり情報提供が可能かどうか有効性が疑わしく、条例化の目的が問われる」と話し「現行法令の運用で家庭訪問などの体制を整えることが大切ではないか」と指摘している。(以上引用)
http://mainichi.jp/area/hyogo/news/20130222ddlk28010451000c.html
丁度腰痛で苦しんでいる時だったので、その時は早々に電話を切ってしまいました。鈴木さん、若し気を悪くされていたらゴメンナサイ。
その後、昨日に会社を休んで医者に診て貰い、薬も処方して貰ったので、腰痛もかなりマシになりました。その翌日の今日も、元々の定休日で休みなので、鈴木さんからの情報を基に、私の方でも色々と調べてみる事にしました。
●小野市の「生活保護でギャンブル禁止」条例 「なんて素晴らしい」「監視社会化が進む」の賛否両論(J-CASTニュース)
http://news.biglobe.ne.jp/domestic/0225/jc_130225_7993797778.html
確かに「小野市 生活保護 ギャンブル」で検索してみると、上記ニュースなどで話題になっている事が分かります。でも、その大半は、「生活保護」の「ギャンブル」消費の是非についての賛否両論(それも賛成のニュアンスの強い)しか取り上げていませんでした。
しかし、上記の新聞記事にもあるように、これは単に生活保護だけに限った問題ではありません。「児童福祉手当」や家賃補助などの「公的給付受給者」全てに対して、ギャンブル以外の「遊技、遊興」、つまり釣りやスポーツ、映画鑑賞、読書などの個人の趣味も含め、「無駄遣い」の通報・監視の対象とするものである事が分かります。(条例案の全文を参照の事)
更に小野市のHPを見ると、市長や市の行政が、福祉制度の受給者に対して、どういう態度で臨んでいるかが、はっきりと分かります。
●生活保護制度(小野市HP)
1 制度の趣旨
生活保護制度は、生活に困窮する方に対し、その困窮の程度に応じて必要な保護を行い、健康で文化的な最低限度の生活を保障するとともに、自立を助長することを目的としています。
2 保護の要件等
生活保護は世帯単位で行い、世帯員全員が、その利用し得る資産、能力その他あらゆるものを、その最低限度の生活の維持のために活用することが前提であり、また、扶養義務者の扶養は、生活保護法による保護に優先します。
(1)資産の活用
預貯金、生活に利用されていない土地・家屋、生命保険の解約返戻金等があれば、売却、解約し生活費に充ててください。
自動車は原則所有・使用は認められていません。
(2)能力の活用
働くことが可能な方は、その能力に応じて働いてください。
(3)あらゆるものの活用
年金や手当等他の制度でうけることができる場合は、まずそれらを活用してください。
(4)扶養義務者の扶養
親族等から援助を受けることができる場合は、援助を受けてください。
3 保護の種類(略)
4 生活保護の手続き
(1)事前の相談
社会福祉課にご相談ください。生活に困っている状況をお聞きしたり、活用できる制度、生活保護の制度についてご説明します。
(2)申請・調査
生活保護の申請をされた方について実地調査、預貯金、保険、不動産等の資産調査、扶養義務者による扶養の可否の調査、就労の可能性の調査を行います。
(3)支給決定
厚生労働大臣が定める基準に基づく最低生活費から収入を引いた金額を支給します。
保護受給中は自立を支援するために担当ケースワーカーから指導指示があります。
就労の可能性のある方は、就労に向けた助言・指導を行います。
世帯の収入と厚生労働大臣の定める基準で計算される最低生活費を比較して、収入が最低生活費に満たない場合に保護が適用されます。
・保護が受けられる場合
・保護が受けられない場合(収入が最低生活費を上回るため)(注:当該HPではそれぞれに図まで付けて解説)(以上引用)
http://www.city.ono.hyogo.jp/p/1/8/26/7/01/
はっきり言って、「あれもダメ、これもダメ」のオンパレードじゃないですか。お役所のHPなので、民間の福祉団体・市民団体のような事は書けないにしても、もう少し生活保護の趣旨なり、それを闘い取るまでの歴史(朝日訴訟の話など)も解説した上で、「同じ市民として自立に向けて頑張ろう」というメッセージ位は、あって然るべきではないでしょうか。それが何ですか。これでは完全に厄介者扱いじゃないですか!
例の芸能人の不正保護受給事件を契機に、生活保護の削減やあら捜しの風潮が強まっています。実際は、生活保護されて然るべき貧困者が制度の埒外に放置されている「漏給」こそが問題なのに(当ブログの過去記事なども参照の事)。
その中では、「不正受給によって、本当に救われなければならない”真の弱者”が困っている」「”真の弱者”とそうでない”ニセ弱者”をきちんと選別すべきだ」との議論が、まことしやかに語られています。
しかし、この小野市のHPを見ると、”真の弱者”が一体どういう扱いを受けているかが、はっきりと分かります。
人口4万9千余、世帯数1万6千余の自治体の中の、僅か120世帯の生活保護受給者に対して、励ましの言葉をかけるどころか、市が率先して、警察官OBも動員して「あら捜し」を奨励しているのです。これでは、かつてのナチスドイツのユダヤ人に対する扱いや、南アフリカのアパルトヘイト、北朝鮮の強制収容所に入れられた政治犯収容者、ハンセン病隔離施設に入れられた人々に対する扱いと同じじゃないですか!
かつてナチスがユダヤ人に犯罪者・不具者のレッテルを張り、「働けば自由になる(ARBEIT MACHT FREI)」と騙して強制収容所に隔離した。今の生活保護者への監視・レッテル張りや、「税金で面倒見てやってんだから早く自立しろ、生かしてやっているだけでも有難く思え」と言わんばかりの風潮も、当時のナチスと同じじゃないですか!一気にガス室で殺してしまうか、じわじわと飼い殺しにしていくかの違いだけで。
※画像はいずれもウィキペディアの強制収容所(ナチス)の項目より。
「現金で渡すとギャンブルに使ってしまうから、食料などの現物支給に切り替えろ」という議論も、まことしやかに語られていますが、これなぞも「最低限のエサさえ与えておけば良い」という扱いに他なりません。
しかし、果たして人間は動物なのか。ギャンブルや趣味のどこまでが「最低限度の健康で文化的な生活」で、どこからが「浪費」なのかという議論をする前に、そもそも「受給者を人間扱いしているのか」という、議論する人間のモラルこそが問われなければならないのと違いますか。
「福祉のパラドックス」という言葉があります。「真の弱者」と「ニセ弱者」を選別し、「真の弱者だけが救われなければならない」という議論は、一見「真の弱者」を慮っているようで、実際は「真の弱者」の人権や尊厳を損ない、憐みや見世物の対象にしているだけだという事を言い表した比喩です。
困窮者に最低限の「エサ」だけ与えといて、税金で面倒見て貰っているのだから、一刻も早く自立しろ。どんな時給の安いキツイ仕事でも、斡旋してくれただけマシだと思え。嫌ならホームレスになって暴走族の餌食にでもなれ・・・これが生活保護削減を支持する人間の本音です。いや生活保護だけに限りません。失業者・障害者・高齢者・母子家庭・奨学生・ニート・スネップ・ワーキングプアなど、およそ公的福祉制度のお世話にならざるを得ない人々全てに対する、この国の支配層・付和雷同層の本音です。
しかし、果たしてこんな国がまともな国でしょうか。安倍の言う「美しい国」でしょうか。こんな支配層・付和雷同層の本音をそのままにして、「絆」がどうの「助け合い」がこうのと言える資格が、果たしてこの国の国民にあるのでしょうか。
まだ腰痛が完治していないのでこれ位にしておきますが、これで私の言わんとする事は充分汲み取って頂けるのではないかと思います。
腰痛は〈怒り〉である 普及版 | |
クリエーター情報なし | |
春秋社 |
とうとう今日は腰痛で会社を休んでしまいました。
実は数日前から特に右の腰が重だるく、昨日の夕方ぐらいから痛みも出てきました。昨日も仕事帰りに、とりあえず応急処置だけでもして貰おうと、途中駅近くの通りがかりの整骨院に飛び込んで診て貰いました。しかし、そこはどうやら応急処置よりも、東洋医学本来の趣旨に則り気長に治療する事に重きを置く整骨院だったようで、「股関節が固くなっている」とか色々診断はしてくれたものの、余り応急処置はしてくれませんでした。
そして今朝、遂に腰が痛くて起き上がれなくなりました。「ぎっくり腰」という程でもなく、身体を横にすれば一応起き上がれるものの、起床に5分以上もかかってしまいました。靴下も履けなくなり、とうとう朝一番に会社に電話して休む事にしました。そして、どうにか起き上がって近所の整形外科に行きました。診断結果は腰の使痛みという事で、消炎鎮痛剤・胃薬と痛み止めの湿布薬と3日分処方して貰いました。
その後、先日記事にしたメニエール病の2度目の受診に耳鼻科に立ち寄り、こちらは立ちくらみもなくなり快方に向かっているという事で、漢方薬のみ処方して貰いました。
この2ヶ所の受診だけで午前中一杯かかり、午後からはずっと床に伏せっていました。その結果、鎮痛剤や湿布の効果もあり、まだ腰には若干違和感が残ってはいるものの、どうにか起き上がれるようになり、今この記事を書いています。
これで今月の交通費の支給はパーです。うちの会社は、契約社員のバイトにも一応交通費の支給はあります。しかし、それは上限1万円までで、しかも月20日以上出勤しなければ支給されません。この2月は28日までしかないので、そこから週休を引くと1日も休まず出勤しても20日しかなく、今日の休みで今月は交通費が出なくなりました。
何とせこい会社だと思いませんか。別に「有休使うな」と言っている訳ではないので、違法ではないでしょうが、たった1日休んでも交通費なしとは。実質使うなと言っているようなものです。しかも、31日ある月もあれば、今月のように28日しかない月もあるのだから、出勤規定日数の制限を設けるにしても、せめて有休付与の法定制限と同じ条件(2月なら20日の8割で16日以上)にするのが筋でしょう。「有休使うな」とは法律上言えない以上は。
幾らこんな制限を設けても、誰しも病気になる時はなるので、全然歯止めにはなりません。寧ろ、こんな制限を設けている為に、無理して出勤して大怪我したり、余計に病気をこじらせて回復を遅らせてしまったり、他の従業員に感染させて欠勤者を更に増やす事にもなりかねない。労務管理上も有害無益な、こんな交通費支給規定を設けているのは、もう嫌がらせだけが目的だとしか思えません。
そう言えば、この前も朝礼で所長が、「同じ日に同じ部署から当日欠勤者が4名も出た、これでは出勤者でフォローしようにもしきれない、体調管理は自己責任で」と言っていましたが、これもよく考えれば矛盾だらけな訓示です。
「体調管理は自己管理」、つまり「病気になるのはお前が悪い」「病は気の持ちよう」と言う事ですが、「そんな理屈で済むなら医者なぞ要らない」。予防も大事ですが、それだけで病気は防げません。幾らマスクしようが栄養剤飲もうが筋力トレーニングしようが、病気にかかる時はかかるのです。
それも、かかりたくてかかった病気ではない。交通費も出なくなるし、みんなにも迷惑がかかる。でも、誰しも生身の人間である以上、幾ら予防してもかかる時はかかるし、それは「お互い様」で仕方のない事です。
「同じ日に同じ部署から当日欠勤者が4名も出た」のも、会社側の労働安全・衛生管理が不十分だからじゃないですか。長時間・過重労働がはびこる職場に腰痛やうつ病の、過労運転のばびこる運送会社に事故の、アスベストの飛び散る石綿工場に中皮腫の、原発の下請け労働者に白血病やガンの、被災者が多発するのと同じです。
そりゃあ、体力には個人差がありますから、同じ職場でも病気になり易い人となり難い人がいる。でも、なり難い人も、たまたま今は病状が外に出ていないだけであって、後で長年の無理がたたって一気に出てくるとも限らない。そんな中で、誰が休みが多いの少ないのと言い争っても、何の解決にもならない。「お前らたるんどる」と言わんばかりの物言いに至っては、正に「白を黒と言いくるめる」ものでしかない。
「出勤者でフォローしようにもしきれない」のも、会社がコストダウン至上主義で必要な人員も配置せず、カツカツの人件費で回そうとするからであって、労働者には何の責任もありません。
私の腰痛にしても、その幾分かは今の会社の労働環境に原因があるのは明らかです。別に今の会社だけに限らず、過去の職業病だとしても、そんな職業病患者を大量に生み出すような働き方を強いる企業社会の方こそ問題にすべきです。最近とかく槍玉に挙げられる肥満や喫煙などの生活習慣病なども、その大半はストレスや不規則勤務から来るものです。それを労働者の自己責任だけに求める昨今の風潮は、どう考えても異常です。
「病は気から」という精神論・根性論や、「何事も自己管理、自己責任」「それが出来ないお前が悪い」という自己責任論が、何故「百害あって一利なし」なのか。それは、その事によって、過重労働などの真の原因が隠蔽・先送りされてしまう事で、後により酷い事故となって跳ね返り、労働者にも企業にも莫大な損害を与える事になってしまうからです。
そもそも、日本以外の先進国では、病欠は有給休暇の対象にすらなりません。「Sick Leave」などの病欠休暇の名目で、有休とは別に付与されます。勿論、有給で。「取りたくて取る訳じゃない病欠を、取りたくて取る有休と一緒にされる筋合いはない」という理屈です。寧ろ「忌引き」に近い感覚なのでしょうね。日本でも流石に「親の死に目でも仕事に穴が空くから会社に出てこい」なんて理屈は通らないでしょう。但し、一部のブラック企業では、それすらまかり通るようですし、実際にうちの会社も、慶弔休暇は喪主にしか認められず、それ以外は全て有休で処理されてしまいます。
そのブラック企業も、「終身雇用・年功序列なのだから、多少の長時間労働やサービス残業は仕方ない」と、今まで企業を散々甘やかしてきた結果、「終身雇用・年功序列」がなくなり「長時間労働やサービス残業」だけが更に酷くなって出てきた問題です。
今、韓国の受験競争や中国の大気汚染・食品公害などが問題になっていますが、それも戦後日本の経済至上主義・公害垂れ流しを見習ったから。その中国の脅威を煽りながら、労働基準法を中国などのレベルにまで引き下げようとしているのが、今の日本の政府・財界です。
この政府・財界の態度なぞ、自分でマッチに火を付けておきながら火事だと騒ぎ立てる「マッチポンプ」の好例ですが、うちの会社もいつそんなブラック企業に豹変するとも限りません。しかし、いつまでもそれに甘んじていたら、最後には企業だけでなく労働者まで、「迷惑な日本人」として世界から白い目で見られるようになる事でしょう。
来週3月3日の日曜日に、近鉄内部・八王子線の存続運動支援を兼ねた撮影会に参加してきます。
この内部・八王子線というのは、三重県四日市市を走っている近鉄の支線で、共に近鉄四日市から出て、途中駅の日永で別れ、それぞれ内部(うつべ)と西日野に至るミニ路線の総称です。前者が内部線(営業キロ5.7km)、後者が八王子線(同1.3km)です。西日野が終点の後者を八王子線と呼ぶのは、かつてはその先の伊勢八王子まで走っていたからです。同区間は1974年の集中豪雨による水害を機に廃止されてしまいました。
この路線の特徴は、何と言ってもその線路の特殊性にあります。特殊狭軌(ナローゲージ)と言って、線路の幅が非常に狭いのです。上記の撮影会案内チラシの車窓写真からも、その幅の狭さが実感できるかと思います。新幹線・近鉄(幹線)・阪急などの標準軌(1435mm)やJR在来線・名鉄・南海などの狭軌(1067mm)と比べ、僅か762mmしかありません。かつては、この様な特殊狭軌の軽便鉄道が日本各地にありましたが、今やこの内部・八王子線と、同じ県内の三岐鉄道北勢線(こちらもかつては近鉄の支線だった)、富山県の黒部峡谷鉄道の3路線しか残っていません。
この路線も他の線区と同様に、モータリゼーションや不況・少子化などの影響で乗客が減り(1970年722万人→2011年363万人)、特殊狭軌ゆえに輸送力増強や車両更新などもままならず、このままではずっと年間3億円弱もの赤字が続く事になるとして、近鉄ではBRT化(鉄道を廃止し専用レーンにしてバス転換)の検討に入りました。それに対して、地元では四日市市やPTAなどを中心に、今でも1日1万人もの利用があり、高校生の通学の足にもなっているのに、それをバス輸送だけで賄えるのかと、鉄道存続運動が広がっています。
今回の撮影会も、その存続運動を進めている地元の議員連盟や市民団体の方が中心になって企画されたものです。それを私もネットで偶然見つけ、最近何かと風当たりの強い「撮り鉄」行為も堂々と出来るという思惑もあり、日帰りだと少々ハードなスケジュールになりますが参加する事にしました。勿論それだけではなく、「営利事業としての私鉄経営に対して、公共交通を担う責任をどこまで問えるか」という問題意識を持って、撮影会に臨みたいと思っています。では、続きは次回の報告記事で。
(参考資料・備忘録)
・近鉄内部・八王子線(ウィキペディア)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%BF%91%E9%89%84%E5%86%85%E9%83%A8%E3%83%BB%E5%85%AB%E7%8E%8B%E5%AD%90%E7%B7%9A
・近鉄内部・八王子線存廃問題1 (名古屋・広隆堂ブログ)
http://kouryudo.blog61.fc2.com/blog-entry-1123.html
・近鉄内部・八王子線存廃問題2(同上)
http://kouryudo.blog61.fc2.com/blog-entry-1142.html
・近鉄内部・八王子線存廃問題3(同上)
http://kouryudo.blog61.fc2.com/blog-entry-1141.html
・近鉄内部・八王子線を訪ねる。(上)(編集長敬白)
http://rail.hobidas.com/blog/natori/archives/2010/07/post_22.html
・近鉄内部・八王子線を訪ねる。(下)(同上)
http://rail.hobidas.com/blog/natori/archives/2010/07/post_23.html
・『近鉄内部・八王子線』今後の行方⑫ 特別委員会が「両備ホールディングス㈱ 小嶋会長」を参考人招致(森智広のブログ)
http://ameblo.jp/mori-tomohiro/theme-10062127730.html
・近鉄内部線・八王子線のBRT化に疑問(堀内重人の交通研究室)
http://d.hatena.ne.jp/shoriuchi/20120829/1346234522
・近鉄内部線・八王子線を存続させる便益(同上)
http://d.hatena.ne.jp/shoriuchi/20121231/1356927056
この内部・八王子線というのは、三重県四日市市を走っている近鉄の支線で、共に近鉄四日市から出て、途中駅の日永で別れ、それぞれ内部(うつべ)と西日野に至るミニ路線の総称です。前者が内部線(営業キロ5.7km)、後者が八王子線(同1.3km)です。西日野が終点の後者を八王子線と呼ぶのは、かつてはその先の伊勢八王子まで走っていたからです。同区間は1974年の集中豪雨による水害を機に廃止されてしまいました。
この路線の特徴は、何と言ってもその線路の特殊性にあります。特殊狭軌(ナローゲージ)と言って、線路の幅が非常に狭いのです。上記の撮影会案内チラシの車窓写真からも、その幅の狭さが実感できるかと思います。新幹線・近鉄(幹線)・阪急などの標準軌(1435mm)やJR在来線・名鉄・南海などの狭軌(1067mm)と比べ、僅か762mmしかありません。かつては、この様な特殊狭軌の軽便鉄道が日本各地にありましたが、今やこの内部・八王子線と、同じ県内の三岐鉄道北勢線(こちらもかつては近鉄の支線だった)、富山県の黒部峡谷鉄道の3路線しか残っていません。
この路線も他の線区と同様に、モータリゼーションや不況・少子化などの影響で乗客が減り(1970年722万人→2011年363万人)、特殊狭軌ゆえに輸送力増強や車両更新などもままならず、このままではずっと年間3億円弱もの赤字が続く事になるとして、近鉄ではBRT化(鉄道を廃止し専用レーンにしてバス転換)の検討に入りました。それに対して、地元では四日市市やPTAなどを中心に、今でも1日1万人もの利用があり、高校生の通学の足にもなっているのに、それをバス輸送だけで賄えるのかと、鉄道存続運動が広がっています。
今回の撮影会も、その存続運動を進めている地元の議員連盟や市民団体の方が中心になって企画されたものです。それを私もネットで偶然見つけ、最近何かと風当たりの強い「撮り鉄」行為も堂々と出来るという思惑もあり、日帰りだと少々ハードなスケジュールになりますが参加する事にしました。勿論それだけではなく、「営利事業としての私鉄経営に対して、公共交通を担う責任をどこまで問えるか」という問題意識を持って、撮影会に臨みたいと思っています。では、続きは次回の報告記事で。
(参考資料・備忘録)
・近鉄内部・八王子線(ウィキペディア)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%BF%91%E9%89%84%E5%86%85%E9%83%A8%E3%83%BB%E5%85%AB%E7%8E%8B%E5%AD%90%E7%B7%9A
・近鉄内部・八王子線存廃問題1 (名古屋・広隆堂ブログ)
http://kouryudo.blog61.fc2.com/blog-entry-1123.html
・近鉄内部・八王子線存廃問題2(同上)
http://kouryudo.blog61.fc2.com/blog-entry-1142.html
・近鉄内部・八王子線存廃問題3(同上)
http://kouryudo.blog61.fc2.com/blog-entry-1141.html
・近鉄内部・八王子線を訪ねる。(上)(編集長敬白)
http://rail.hobidas.com/blog/natori/archives/2010/07/post_22.html
・近鉄内部・八王子線を訪ねる。(下)(同上)
http://rail.hobidas.com/blog/natori/archives/2010/07/post_23.html
・『近鉄内部・八王子線』今後の行方⑫ 特別委員会が「両備ホールディングス㈱ 小嶋会長」を参考人招致(森智広のブログ)
http://ameblo.jp/mori-tomohiro/theme-10062127730.html
・近鉄内部線・八王子線のBRT化に疑問(堀内重人の交通研究室)
http://d.hatena.ne.jp/shoriuchi/20120829/1346234522
・近鉄内部線・八王子線を存続させる便益(同上)
http://d.hatena.ne.jp/shoriuchi/20121231/1356927056
先日の記事の件で、国際人権団体アムネスティも抗議の声を上げました。今までアムネスティが人権侵害の対象にしてきた国と言えば、北朝鮮やミャンマーなどでしたが、今回の声明で、日本もそれらの国々と同列に取り上げられるまでになってしまいました。幾ら平和主義や基本的人権尊重を謳った憲法があっても、現実には憲法に反する政治が戦後ずっと行われてきたのですから、当然の帰結と言ってしまえばそれまででしょうが。以下転載。
(転載開始)
2013年2月22日 [日本支部声明] 国・地域:日本 トピック:女性の権利
アムネスティ・インターナショナル日本は、日本軍性奴隷制の問題に関わる市民団体の事務所に対し、憎悪行為を続ける団体の主張にもとづいて家宅捜索が行われたことに対し、重大な懸念を表明する。
アムネスティは、日本軍性奴隷制を生き延びた生存者に対して正義を与えるように、長年、日本政府に求めてきた。国際社会もまた、日本政府に対し、生存者に対する公式かつ適切な謝罪と賠償を求めている。しかし、日本政府がそれに充分応えないまま、政治家らによって、歴史的事実の否定、歪曲、生存者たちに対する非難などが横行し、放置されているのが現状である。
日本軍「慰安婦」制度の生存者の一人、金福童さんを韓国から迎えて2012年9月23日に行われた証言集会は、橋下大阪市長による日本軍性奴隷制の問題を否定する発言をただす趣旨で開催された。しかし、平和的に開催されたその集会に対して、在日朝鮮人など在日外国人の人びとを攻撃し、暴力の扇動や差別的発言を行うことで知られる団体「在日特権を許さない市民の会」(以下、在特会)による妨害行動が行われた。その後、在特会側は、その行動の最中に傷害の被害を受けたとして被害届を警察に提出した。(注1)
集会から半年近くたった2月13日、大阪府警察本部公安部第三課は、この在特会側からの被害届を理由として、日本軍性奴隷制の問題に取り組む市民団体「日本軍「慰安婦」問題・関西ネットワーク」(以下、関西ネット)の事務所など、6カ所に対する家宅捜索を行った。しかし、何ら押収物を得ることなく引き揚げた。翌日、さらに1カ所、家宅捜索された。
国や警察が、差別行為の扇動を助長してはならない
日本は、人種差別撤廃条約の締約国ではあるが、同条約の委員会からの再三の勧告にもかかわらず、条約第4条a)、b)の留保を撤回しておらず(注2)、依然として差別の扇動を処罰するための国内法整備を行っていない。そのため、こうした在特会の行為など、人種差別を助長し扇動する活動の禁止、処罰に向けた対応策を講じる条件が整っていない。国連の人種差別撤廃委員会は2010年に、第4条の留保を撤回することや、同条の差別を禁止する規定を完全に実施するため、日本国内の法律の欠如を是正するよう、日本政府に勧告している。
今回の捜索は、人種差別撤廃条約第4条a)、b)で禁止されている行為を日常的に続けている団体の主張にもとづき、その意図を実現する形で警察が市民団体の活動に対して示威的な介入を行ったと判断されてもやむを得ない。これは、人種差別撤廃条約第2条b)および第4条c)が禁止している、政府当局による人種差別の支持や助長に該当する可能性すらある(注3)。なお、第2条b)および第4条c)については、日本は留保を行っていない。
さらに、日本政府は、自由権規約第19条に基づき、表現の自由についての権利を行使する人びとを封じることを目的とした攻撃に対し、有効な措置を講じる国際的な義務を負っている(注4)。当局が、平和的な集会への妨害行動に対して有効な措置を講じない一方で、国際的な人権問題を否定する政治家の発言に対し平和的に抗議を行っていた市民団体に恣意的に介入することは、表現の自由を脅かすものであり、国際的にも重大な結果を引き起こす可能性のある措置である。
差別禁止法がない現状では、差別行為や扇動を日常的に続ける勢力に対する実効的な対応には限界がある。しかし、人種差別撤廃条約で規定されているように、国や警察が、そうした扇動を助長することはあってはならない。日本政府は、市民が平和的に集会を行う権利を保障し、差別や憎悪を扇動する活動に対して国際人権基準に基づく対応を取るべきである。
アムネスティ日本は日本政府に対し、事件の捜査にあたって、日本が遵守すべき国際人権基準に基づいた適切かつ慎重な対応を取るよう、強く要請する。さらに、自由権規約ならびに人種差別撤廃条約を遵守した職務を行うよう、各警察本部、現場捜査官に徹底するよう求める。また、人種差別撤廃条約第4条a)、b)の留保を撤廃するための検討を速やかに開始し、適切な国内法整備を行うことを要請する。
そして、日本軍性奴隷制をめぐる問題に対して、ただちに国際的な責任を果たすよう、日本政府に強く求めるものである。
注1:同団体はこれまでも、小競り合いを行う中で、たびたび自ら被害届を出し、平和的な主催団体側に対する示威行為を繰り返している。2月に新大久保で行われた、同団体が協賛したデモにおいても「良い韓国人も、悪い韓国人も、みな殺せ」などのプラカードを掲げ、公然と民族間憎悪を扇動して行動する姿が見られた。同団体の活動ではこれまで、京都の朝鮮学校に対する嫌がらせや暴力行為により、有罪判決も出されている。
注2:人種差別撤廃条約第4条a)、b)の条文は、以下を参照
http://www.nichibenren.or.jp/activity/international/library/human_rights/race_convention.html#04
注3:人種差別撤廃条約第2条(b)および第4条c)号の条文は、以下を参照
http://www.nichibenren.or.jp/activity/international/library/human_rights/race_convention.html#02
注4:自由権規約委員会 一般的意見34「19条:意見及び表現の自由」パラグラフ23
http://www.nichibenren.or.jp/library/ja/kokusai/humanrights_library/treaty/data/HRC_GC_34j.pdf
2013年2月22日
公益社団法人 アムネスティ・インターナショナル日本
(転載終了)
http://www.amnesty.or.jp/news/2013/0222_3835.html
(転載開始)
2013年2月22日 [日本支部声明] 国・地域:日本 トピック:女性の権利
アムネスティ・インターナショナル日本は、日本軍性奴隷制の問題に関わる市民団体の事務所に対し、憎悪行為を続ける団体の主張にもとづいて家宅捜索が行われたことに対し、重大な懸念を表明する。
アムネスティは、日本軍性奴隷制を生き延びた生存者に対して正義を与えるように、長年、日本政府に求めてきた。国際社会もまた、日本政府に対し、生存者に対する公式かつ適切な謝罪と賠償を求めている。しかし、日本政府がそれに充分応えないまま、政治家らによって、歴史的事実の否定、歪曲、生存者たちに対する非難などが横行し、放置されているのが現状である。
日本軍「慰安婦」制度の生存者の一人、金福童さんを韓国から迎えて2012年9月23日に行われた証言集会は、橋下大阪市長による日本軍性奴隷制の問題を否定する発言をただす趣旨で開催された。しかし、平和的に開催されたその集会に対して、在日朝鮮人など在日外国人の人びとを攻撃し、暴力の扇動や差別的発言を行うことで知られる団体「在日特権を許さない市民の会」(以下、在特会)による妨害行動が行われた。その後、在特会側は、その行動の最中に傷害の被害を受けたとして被害届を警察に提出した。(注1)
集会から半年近くたった2月13日、大阪府警察本部公安部第三課は、この在特会側からの被害届を理由として、日本軍性奴隷制の問題に取り組む市民団体「日本軍「慰安婦」問題・関西ネットワーク」(以下、関西ネット)の事務所など、6カ所に対する家宅捜索を行った。しかし、何ら押収物を得ることなく引き揚げた。翌日、さらに1カ所、家宅捜索された。
国や警察が、差別行為の扇動を助長してはならない
日本は、人種差別撤廃条約の締約国ではあるが、同条約の委員会からの再三の勧告にもかかわらず、条約第4条a)、b)の留保を撤回しておらず(注2)、依然として差別の扇動を処罰するための国内法整備を行っていない。そのため、こうした在特会の行為など、人種差別を助長し扇動する活動の禁止、処罰に向けた対応策を講じる条件が整っていない。国連の人種差別撤廃委員会は2010年に、第4条の留保を撤回することや、同条の差別を禁止する規定を完全に実施するため、日本国内の法律の欠如を是正するよう、日本政府に勧告している。
今回の捜索は、人種差別撤廃条約第4条a)、b)で禁止されている行為を日常的に続けている団体の主張にもとづき、その意図を実現する形で警察が市民団体の活動に対して示威的な介入を行ったと判断されてもやむを得ない。これは、人種差別撤廃条約第2条b)および第4条c)が禁止している、政府当局による人種差別の支持や助長に該当する可能性すらある(注3)。なお、第2条b)および第4条c)については、日本は留保を行っていない。
さらに、日本政府は、自由権規約第19条に基づき、表現の自由についての権利を行使する人びとを封じることを目的とした攻撃に対し、有効な措置を講じる国際的な義務を負っている(注4)。当局が、平和的な集会への妨害行動に対して有効な措置を講じない一方で、国際的な人権問題を否定する政治家の発言に対し平和的に抗議を行っていた市民団体に恣意的に介入することは、表現の自由を脅かすものであり、国際的にも重大な結果を引き起こす可能性のある措置である。
差別禁止法がない現状では、差別行為や扇動を日常的に続ける勢力に対する実効的な対応には限界がある。しかし、人種差別撤廃条約で規定されているように、国や警察が、そうした扇動を助長することはあってはならない。日本政府は、市民が平和的に集会を行う権利を保障し、差別や憎悪を扇動する活動に対して国際人権基準に基づく対応を取るべきである。
アムネスティ日本は日本政府に対し、事件の捜査にあたって、日本が遵守すべき国際人権基準に基づいた適切かつ慎重な対応を取るよう、強く要請する。さらに、自由権規約ならびに人種差別撤廃条約を遵守した職務を行うよう、各警察本部、現場捜査官に徹底するよう求める。また、人種差別撤廃条約第4条a)、b)の留保を撤廃するための検討を速やかに開始し、適切な国内法整備を行うことを要請する。
そして、日本軍性奴隷制をめぐる問題に対して、ただちに国際的な責任を果たすよう、日本政府に強く求めるものである。
注1:同団体はこれまでも、小競り合いを行う中で、たびたび自ら被害届を出し、平和的な主催団体側に対する示威行為を繰り返している。2月に新大久保で行われた、同団体が協賛したデモにおいても「良い韓国人も、悪い韓国人も、みな殺せ」などのプラカードを掲げ、公然と民族間憎悪を扇動して行動する姿が見られた。同団体の活動ではこれまで、京都の朝鮮学校に対する嫌がらせや暴力行為により、有罪判決も出されている。
注2:人種差別撤廃条約第4条a)、b)の条文は、以下を参照
http://www.nichibenren.or.jp/activity/international/library/human_rights/race_convention.html#04
注3:人種差別撤廃条約第2条(b)および第4条c)号の条文は、以下を参照
http://www.nichibenren.or.jp/activity/international/library/human_rights/race_convention.html#02
注4:自由権規約委員会 一般的意見34「19条:意見及び表現の自由」パラグラフ23
http://www.nichibenren.or.jp/library/ja/kokusai/humanrights_library/treaty/data/HRC_GC_34j.pdf
2013年2月22日
公益社団法人 アムネスティ・インターナショナル日本
(転載終了)
http://www.amnesty.or.jp/news/2013/0222_3835.html
自民党政権復活によって、かつて政権を投げ出した安倍晋三が再び首相に返り咲き、アベノミクスなる経済政策を打ち出し、財界・マスコミがそれを盛んに持ち上げています。その関連記事を下記に適当に抽出しました。
そのアベノミクスですが、どこが良いのかさっぱり分かりません。所詮は株価対策や金融緩和、インフレ誘導などの富裕層優遇策で、庶民にとっては寧ろ「賃下げとインフレのダブルパンチ」でしかない。そんな事ぐらい私だけでなく職場のバイト仲間もとっくに分かっています。でも、大企業の正社員や公務員が中心の労組は自分たちの雇用確保しか眼中になく、その為には非正規を見殺しにする事も厭わない。だからこそ、「資本家よりも寧ろ労働組合などの反日勢力こそが敵なんだ」とする在特会などが台頭してきたのでしょう。
そういう意味では、アベノミクスよりも志位・共産党委員長のアピールの方が遥かに共感を呼ぶ内容です。しかし共産党も、単に「非正規を正規雇用に」とか「非正規も正規も共に団結を」と総花的に主張しているだけではダメなんじゃないかと、最近では思い始めています。もっとインパクトのある公約を掲げないとダメなんじゃないかと。
例えば、①貧困層には「誰にも衣食住と職を」、②非正規層には「最低時給千円」、③正規層には「ブラック企業根絶」、④主婦層には「消費税廃止」という様に、誰もが望んでいる事を、層別にもっと具体的な言葉で端的に、それも「××を守れ」ではなく「××を勝ち取る」と攻めの姿勢で、語らなければならないのではないでしょうか。
●首相「好業績企業は報酬増を」 経済界トップに要請(共同通信)
安倍首相は12日、官邸で開いた経団連の米倉会長ら経済3団体のトップとの意見交換会で「業績が改善している企業は報酬の引き上げなどの取り組みをして頂きたい」と述べ、労働者の賃金引き上げへの協力を求めた。
13年春闘では連合が給与総額などの引き上げを求めているが、経営側は慎重姿勢。首相は賃上げへの協力を経済界に直接要請し、金融緩和などを進める安倍政権の経済政策「アベノミクス」の成果を暮らしに波及させる狙いがある。
米倉会長は意見交換会の終了後、記者団に「業績が良くなれば一時金や賞与に反映される」と述べ、基本的な給与の引き上げは景気状況次第との認識を示した。
http://www.47news.jp/CN/201302/CN2013021201001823.html
●障害者支援4億円消えた 景気優先で冷遇(東京新聞)
文部科学省が、障害者の大学教育支援のために要望していた予算四億四千万円が、二○一三年度予算案から削除された。この予算は民主党政権時の昨年九月、同省が概算要求。政権交代後のことし一月にやりなおした概算要求でも同額を求めていたが、財務省に認められなかった。安倍政権は景気対策を最重視、一二年度補正予算案と一三年度予算で計約七兆七千億円を公共事業に充てているが、経済浮揚にあまり結びつかない障害者施策には熱心さが足りないことが浮き彫りになった。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2013022102000143.html
●ガソリン・灯油高騰で「油泥棒」横行!タンク付き車で大量抜き取り―北海道(J-CASTニュース)
「円安、円安で、ホントにいいのかな」と司会のみのもんたが目隠しをめくると、ガソリンが11週連続、灯油が12週連続の値上がりとある。北海道では灯油泥棒が横行という。アベノミクスの当然の帰結だが、「株が上がっても、私らには関係ない」と東日本大震災の仮設住宅の住民が嘆いていた。
http://www.j-cast.com/tv/2013/02/21166228.html
●賃上げと安定した雇用の拡大で暮らしと経済を立て直そう 志位委員長が記者会見 共産党が「働くみなさんへのアピール」(しんぶん赤旗)
志位氏は、賃下げが続き雇用不安が広がり続ける日本社会の現状が世界の流れからみていかに異常かを紹介。賃金が連続的に減り続け、最低賃金が最低水準で、非正規雇用の割合が異常に高いなど、世界の流れからみて二重三重に異常だと指摘し、労働者の生活実態からみても賃上げは当然の要求だと述べました。
賃下げと非正規雇用の拡大はデフレ不況の悪循環の元凶となっていると述べ、働く人の「使い捨て」は産業の競争力さえも脅かしていると批判。大企業がため込んでいる内部留保の多くは有価証券など換金可能な資産の形で保有されており、その1%程度で大きな賃上げを実施できることを表(別掲)で具体的に示して、賃上げと雇用の安定がデフレ不況打開の一番のカギだと述べました。
企業の経営者には、目先の利益や株主への配当だけでなく、「日本経済の成長の中で業績の回復をはかる」視点が必要ではないかと提起しました。
志位氏は、政府が「企業まかせ」にせず、「インフレターゲット(物価上昇目標)」ではなく「賃上げターゲット(目標)」をもち、それを実現する政策を実行するときだと主張。▽賃下げなど財界の間違った行動をただす▽違法・脱法の退職強要・解雇・雇い止めを根絶する▽賃上げを促進する政策をすすめる―ことを提言しました。
そして、日本経済後退と所得減少の根底には国民の暮らしを守るルールがないか、あっても弱いという問題があるとして、人間らしい暮らしと働き方を保障する「ルールある経済社会」への転換が日本経済を土台から強くする道だと強調しました。
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik12/2013-02-15/2013021501_01_1.html
●「賃上げ」騒ぎはデフレ脱却にはつながらない(Yahoo!ニュース 前屋 毅)
2月5日、安倍首相は経済財政諮問会議の場で、「業績が改善している企業には、賃金の引き上げを通じて所得の増加につながるよう協力をお願いしていく」と述べて、賃金引き上げを求めた。これに応えるように2月7日、政府の経済成長戦略を策定する産業競争力会議のメンバーでもある新浪剛史が社長を務めるローソンは、「デフレ脱却を目指して!」と銘打って、消費意欲の高い世代(20代後半~40代)の社員の年収を平均3%アップすると発表した。
ローソンでは「新浪社長のもともとの持論に基づく」として安倍首相の要請に応えたわけではないと説明するものの、絶妙すぎるタイミングで、「出来レース」と受け取られても仕方ないだろう。さらに2月8日の衆議院予算委員会で、ローソンの例をあげて「3ヶ月前に考えられたか。われわれの政策が経済を変えていく」と安倍首相が胸をはってみせたのだから、シナリオ臭くなる。
問題なのは、ローソンの「賃上げ」が正社員だけを対象にしているということだ。正社員とアルバイトなど非正規雇用者とを合わせると、ローソングループでは約20万人が働いている。しかし今回の「賃上げ」の対象となるのは、約3300人の正社員だけである。約18万5000人の非正規雇用者は対象外なのだ。
賃金を上げることで消費を活発化させてデフレ脱却につなげるには、3000人の社員を対象にするより18万人の非正規雇用者を対象にするほうが効果が大きいことは誰が考えてもわかる。そこを無視して、「デフレ脱却のための賃上げ」と誇れるのだろうか。「われわれの政策の成果」と胸をはるにいたっては、あきれるしかない。
http://bylines.news.yahoo.co.jp/maeyatsuyoshi/20130220-00023558/
●日本的雇用からブラック企業が生まれた(Yahoo!ニュース 橘 玲)
日本の裁判所は、解雇については労働者の味方ですが、転勤や配置転換などを不服とした訴えにはきわめて厳しい態度で臨みます。「生活の面倒を見てもらっているのだから、多少理不尽なことをされてもガマンしなさい」というわけです。最低賃金や有給など、法に定められた最低限の労働条件を満たしていれば、会社は正社員に対してどんな無理な要求をしても許されるのです。
ところがここ数年、会社と正社員のこの歪な関係を利用した新しいビジネスモデルが登場してきました。飲食やアパレルなど多数の働き手を必要とする業界で、新卒を大量に正社員で採用し、最低賃金とサービス残業で徹底的に酷使すれば、アルバイトを時給で雇うよりずっと人件費コストが安いことが発見されたのです。もちろんこんな労働条件ではみんな辞めていきますが、「正社員」に憧れる新卒はいくらでもいるので、翌年また大量に採用すればいいのです。
日本的雇用とは、会社と労働者との間で「生活保障」と「会社への従属」を交換することでした。しかしこれはたんなる慣習なので、正社員の形式さえ整っていれば、「会社への従属」だけを要求したとしてもなんの問題もないのです。
いまでは名だたる大企業でも社員が過労死したり、「追い出し部屋」で退職を強要されることが社会問題になっています。このようにして、うるわしき日本的雇用からブラック企業が誕生し、増殖していくのです。
http://bylines.news.yahoo.co.jp/tachibanaakira/20130213-00023467/
●大企業ブラック化、アベノミクスでも賃金上がらないワケ…ストしない連合の怠慢(Yahoo!ニュース 大塚将司)
連合が本気で賃上げを目指す気があるなら、ストライキ権という「伝家の宝刀」を使わない手はないはずだ。しかし、今春闘でもストライキはないだろう。
なぜか?
一定額以上の所得を得ている者には、なだらかなデフレは心地よい面がある。経営者はもちろん、連合首脳陣はじめ大労組幹部の “労働貴族”もそうした所得階層の人間だ。連合は組合員に最大限の努力をしたと見せれば事足りる。経営者側と同じ穴の貉なのだ。だから、サラリーマンの賃金がダラダラ減り続ける。
連合の怠慢は賃金問題だけではない。65歳までの雇用を義務付けた改正高年齢者雇用安定法の4月施行を控え、名だたる大企業で“追い出し部屋”を作って自主退職を迫る動きが目立ち、ブラック企業並みのサービス残業が横行しているという。
間違っても、安倍首相に期待などしてはいけない。首相にとって大事なのは、今年夏の参議院議員選挙で自民党が勝利することであり、経済3団体のトップに賃上げを要請した、という証拠になるパフォーマンスが必要なのだ。実現しようがしまいが、どうでもよいのだ。3団体のトップもその辺を見透かしており、賃上げの言質を与えていない。
緊張感のない労使関係は企業を堕落させる。それが20年以上も続けば、企業の力は衰える。責任の一端は労働者側にもある。20~40歳代前半までのサラリーマンの多くにとってストライキは外国の出来事で、自分たちがその武器を持っていることすら知らないのではないか? 今春闘で連合がストライキもせず、経営者側に歩み寄るならば、首脳陣は総退陣すべきだ。
http://newsbiz.yahoo.co.jp/detail?a=20130218-00010000-biz_bj-nb
●非正規労働者の割合、過去最高に 35%、福祉の仕事増で(共同通信)
総務省が19日発表した2012年平均の労働力調査の詳細集計によると、役員以外の雇用者のうち、アルバイトなどの非正規労働者の割合は前年より0・1ポイント増の35・2%と、3年連続で過去最高を更新した。同省は「医療・福祉を中心としたサービス分野で、非正規の仕事が増えたため」と説明している。
パートや契約社員、派遣社員などの非正規労働者は1813万人で、2万人増えた。男女別の非正規割合は、男性が0・2ポイント減の19・7%で3年ぶりに低下。景気の回復や、退職年齢の引き上げが影響した。一方、女性は54・5%と0・1ポイント増えた。
http://www.47news.jp/CN/201302/CN2013021901001887.html
そのアベノミクスですが、どこが良いのかさっぱり分かりません。所詮は株価対策や金融緩和、インフレ誘導などの富裕層優遇策で、庶民にとっては寧ろ「賃下げとインフレのダブルパンチ」でしかない。そんな事ぐらい私だけでなく職場のバイト仲間もとっくに分かっています。でも、大企業の正社員や公務員が中心の労組は自分たちの雇用確保しか眼中になく、その為には非正規を見殺しにする事も厭わない。だからこそ、「資本家よりも寧ろ労働組合などの反日勢力こそが敵なんだ」とする在特会などが台頭してきたのでしょう。
そういう意味では、アベノミクスよりも志位・共産党委員長のアピールの方が遥かに共感を呼ぶ内容です。しかし共産党も、単に「非正規を正規雇用に」とか「非正規も正規も共に団結を」と総花的に主張しているだけではダメなんじゃないかと、最近では思い始めています。もっとインパクトのある公約を掲げないとダメなんじゃないかと。
例えば、①貧困層には「誰にも衣食住と職を」、②非正規層には「最低時給千円」、③正規層には「ブラック企業根絶」、④主婦層には「消費税廃止」という様に、誰もが望んでいる事を、層別にもっと具体的な言葉で端的に、それも「××を守れ」ではなく「××を勝ち取る」と攻めの姿勢で、語らなければならないのではないでしょうか。
●首相「好業績企業は報酬増を」 経済界トップに要請(共同通信)
安倍首相は12日、官邸で開いた経団連の米倉会長ら経済3団体のトップとの意見交換会で「業績が改善している企業は報酬の引き上げなどの取り組みをして頂きたい」と述べ、労働者の賃金引き上げへの協力を求めた。
13年春闘では連合が給与総額などの引き上げを求めているが、経営側は慎重姿勢。首相は賃上げへの協力を経済界に直接要請し、金融緩和などを進める安倍政権の経済政策「アベノミクス」の成果を暮らしに波及させる狙いがある。
米倉会長は意見交換会の終了後、記者団に「業績が良くなれば一時金や賞与に反映される」と述べ、基本的な給与の引き上げは景気状況次第との認識を示した。
http://www.47news.jp/CN/201302/CN2013021201001823.html
●障害者支援4億円消えた 景気優先で冷遇(東京新聞)
文部科学省が、障害者の大学教育支援のために要望していた予算四億四千万円が、二○一三年度予算案から削除された。この予算は民主党政権時の昨年九月、同省が概算要求。政権交代後のことし一月にやりなおした概算要求でも同額を求めていたが、財務省に認められなかった。安倍政権は景気対策を最重視、一二年度補正予算案と一三年度予算で計約七兆七千億円を公共事業に充てているが、経済浮揚にあまり結びつかない障害者施策には熱心さが足りないことが浮き彫りになった。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2013022102000143.html
●ガソリン・灯油高騰で「油泥棒」横行!タンク付き車で大量抜き取り―北海道(J-CASTニュース)
「円安、円安で、ホントにいいのかな」と司会のみのもんたが目隠しをめくると、ガソリンが11週連続、灯油が12週連続の値上がりとある。北海道では灯油泥棒が横行という。アベノミクスの当然の帰結だが、「株が上がっても、私らには関係ない」と東日本大震災の仮設住宅の住民が嘆いていた。
http://www.j-cast.com/tv/2013/02/21166228.html
●賃上げと安定した雇用の拡大で暮らしと経済を立て直そう 志位委員長が記者会見 共産党が「働くみなさんへのアピール」(しんぶん赤旗)
志位氏は、賃下げが続き雇用不安が広がり続ける日本社会の現状が世界の流れからみていかに異常かを紹介。賃金が連続的に減り続け、最低賃金が最低水準で、非正規雇用の割合が異常に高いなど、世界の流れからみて二重三重に異常だと指摘し、労働者の生活実態からみても賃上げは当然の要求だと述べました。
賃下げと非正規雇用の拡大はデフレ不況の悪循環の元凶となっていると述べ、働く人の「使い捨て」は産業の競争力さえも脅かしていると批判。大企業がため込んでいる内部留保の多くは有価証券など換金可能な資産の形で保有されており、その1%程度で大きな賃上げを実施できることを表(別掲)で具体的に示して、賃上げと雇用の安定がデフレ不況打開の一番のカギだと述べました。
企業の経営者には、目先の利益や株主への配当だけでなく、「日本経済の成長の中で業績の回復をはかる」視点が必要ではないかと提起しました。
志位氏は、政府が「企業まかせ」にせず、「インフレターゲット(物価上昇目標)」ではなく「賃上げターゲット(目標)」をもち、それを実現する政策を実行するときだと主張。▽賃下げなど財界の間違った行動をただす▽違法・脱法の退職強要・解雇・雇い止めを根絶する▽賃上げを促進する政策をすすめる―ことを提言しました。
そして、日本経済後退と所得減少の根底には国民の暮らしを守るルールがないか、あっても弱いという問題があるとして、人間らしい暮らしと働き方を保障する「ルールある経済社会」への転換が日本経済を土台から強くする道だと強調しました。
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik12/2013-02-15/2013021501_01_1.html
●「賃上げ」騒ぎはデフレ脱却にはつながらない(Yahoo!ニュース 前屋 毅)
2月5日、安倍首相は経済財政諮問会議の場で、「業績が改善している企業には、賃金の引き上げを通じて所得の増加につながるよう協力をお願いしていく」と述べて、賃金引き上げを求めた。これに応えるように2月7日、政府の経済成長戦略を策定する産業競争力会議のメンバーでもある新浪剛史が社長を務めるローソンは、「デフレ脱却を目指して!」と銘打って、消費意欲の高い世代(20代後半~40代)の社員の年収を平均3%アップすると発表した。
ローソンでは「新浪社長のもともとの持論に基づく」として安倍首相の要請に応えたわけではないと説明するものの、絶妙すぎるタイミングで、「出来レース」と受け取られても仕方ないだろう。さらに2月8日の衆議院予算委員会で、ローソンの例をあげて「3ヶ月前に考えられたか。われわれの政策が経済を変えていく」と安倍首相が胸をはってみせたのだから、シナリオ臭くなる。
問題なのは、ローソンの「賃上げ」が正社員だけを対象にしているということだ。正社員とアルバイトなど非正規雇用者とを合わせると、ローソングループでは約20万人が働いている。しかし今回の「賃上げ」の対象となるのは、約3300人の正社員だけである。約18万5000人の非正規雇用者は対象外なのだ。
賃金を上げることで消費を活発化させてデフレ脱却につなげるには、3000人の社員を対象にするより18万人の非正規雇用者を対象にするほうが効果が大きいことは誰が考えてもわかる。そこを無視して、「デフレ脱却のための賃上げ」と誇れるのだろうか。「われわれの政策の成果」と胸をはるにいたっては、あきれるしかない。
http://bylines.news.yahoo.co.jp/maeyatsuyoshi/20130220-00023558/
●日本的雇用からブラック企業が生まれた(Yahoo!ニュース 橘 玲)
日本の裁判所は、解雇については労働者の味方ですが、転勤や配置転換などを不服とした訴えにはきわめて厳しい態度で臨みます。「生活の面倒を見てもらっているのだから、多少理不尽なことをされてもガマンしなさい」というわけです。最低賃金や有給など、法に定められた最低限の労働条件を満たしていれば、会社は正社員に対してどんな無理な要求をしても許されるのです。
ところがここ数年、会社と正社員のこの歪な関係を利用した新しいビジネスモデルが登場してきました。飲食やアパレルなど多数の働き手を必要とする業界で、新卒を大量に正社員で採用し、最低賃金とサービス残業で徹底的に酷使すれば、アルバイトを時給で雇うよりずっと人件費コストが安いことが発見されたのです。もちろんこんな労働条件ではみんな辞めていきますが、「正社員」に憧れる新卒はいくらでもいるので、翌年また大量に採用すればいいのです。
日本的雇用とは、会社と労働者との間で「生活保障」と「会社への従属」を交換することでした。しかしこれはたんなる慣習なので、正社員の形式さえ整っていれば、「会社への従属」だけを要求したとしてもなんの問題もないのです。
いまでは名だたる大企業でも社員が過労死したり、「追い出し部屋」で退職を強要されることが社会問題になっています。このようにして、うるわしき日本的雇用からブラック企業が誕生し、増殖していくのです。
http://bylines.news.yahoo.co.jp/tachibanaakira/20130213-00023467/
●大企業ブラック化、アベノミクスでも賃金上がらないワケ…ストしない連合の怠慢(Yahoo!ニュース 大塚将司)
連合が本気で賃上げを目指す気があるなら、ストライキ権という「伝家の宝刀」を使わない手はないはずだ。しかし、今春闘でもストライキはないだろう。
なぜか?
一定額以上の所得を得ている者には、なだらかなデフレは心地よい面がある。経営者はもちろん、連合首脳陣はじめ大労組幹部の “労働貴族”もそうした所得階層の人間だ。連合は組合員に最大限の努力をしたと見せれば事足りる。経営者側と同じ穴の貉なのだ。だから、サラリーマンの賃金がダラダラ減り続ける。
連合の怠慢は賃金問題だけではない。65歳までの雇用を義務付けた改正高年齢者雇用安定法の4月施行を控え、名だたる大企業で“追い出し部屋”を作って自主退職を迫る動きが目立ち、ブラック企業並みのサービス残業が横行しているという。
間違っても、安倍首相に期待などしてはいけない。首相にとって大事なのは、今年夏の参議院議員選挙で自民党が勝利することであり、経済3団体のトップに賃上げを要請した、という証拠になるパフォーマンスが必要なのだ。実現しようがしまいが、どうでもよいのだ。3団体のトップもその辺を見透かしており、賃上げの言質を与えていない。
緊張感のない労使関係は企業を堕落させる。それが20年以上も続けば、企業の力は衰える。責任の一端は労働者側にもある。20~40歳代前半までのサラリーマンの多くにとってストライキは外国の出来事で、自分たちがその武器を持っていることすら知らないのではないか? 今春闘で連合がストライキもせず、経営者側に歩み寄るならば、首脳陣は総退陣すべきだ。
http://newsbiz.yahoo.co.jp/detail?a=20130218-00010000-biz_bj-nb
●非正規労働者の割合、過去最高に 35%、福祉の仕事増で(共同通信)
総務省が19日発表した2012年平均の労働力調査の詳細集計によると、役員以外の雇用者のうち、アルバイトなどの非正規労働者の割合は前年より0・1ポイント増の35・2%と、3年連続で過去最高を更新した。同省は「医療・福祉を中心としたサービス分野で、非正規の仕事が増えたため」と説明している。
パートや契約社員、派遣社員などの非正規労働者は1813万人で、2万人増えた。男女別の非正規割合は、男性が0・2ポイント減の19・7%で3年ぶりに低下。景気の回復や、退職年齢の引き上げが影響した。一方、女性は54・5%と0・1ポイント増えた。
http://www.47news.jp/CN/201302/CN2013021901001887.html
この間、病気治療や仕事にかまけて、なかなか社会的発言が出来ませんでしたが、マイミクさんが教えてくれた下記の告知を、遅まきながら転載・拡散します。本日午後6時には個人署名の受付を締切るとの事で、余りにも遅きに失した転載の感は否めませんが(幸い私はギリギリ間に合った)、たとえ署名には至らなくとも、この蛮行を記録に止め広めるだけの価値はあると思います。
「在特会」の一部には自らの活動を階級闘争に準える向きもある様ですが、正に笑止千万。「在日特権」よりも遥かに強大で巨悪な「米軍特権」「原子力マフィア」の盾を買って出ながら、何が「階級闘争」か。お前らこそが「労働者の敵」「国家権力の手先」「アンクルトムの出来損ない」の、只の「安倍犬」じゃないか。そんな「在特会」とグルの警察も、自警団や民兵と組んで虐殺を行ったナチスドイツやルワンダ・スーダン辺りの政府軍と同じ。
(転載開始)
昨年9月に行われた「慰安婦」被害者証言集会を妨害しに来た在特会メンバーによる「被害届」を理由に、大阪府警は、日本軍「慰安婦」問題・関西ネットワークの連絡先を含め、計7箇所に対して家宅捜索を強行、4名の「被疑者」の逮捕、起訴を狙っています。
アジア女性資料センターは以下の関西ネットワークの抗議文に団体賛同しました。
2月21日(金)まで団体・個人の賛同を募っています。ご協力ください。
団体賛同
メール:info@ianfu-kansai-net.org
個人賛同
こちらのフォームより
https://ssl.form-mailer.jp/fms/63c4df8b236058
+++++++++++++++++++++++++++++++
大阪府曽根崎警察署長
抗議文
日本軍「慰安婦」問題に対するヘイトスピーチを容認、便乗した大阪府警の弾圧に抗議します
私たちはかつて日本軍によって戦場で性奴隷とされた被害者の訴えに応えるよう、日本政府の誠実な対応を求めて運動を行ってきました。数年前より「在日特権を許さない市民の会」(在特会)をはじめとする右翼市民団体が出現し、在日朝鮮人への攻撃をはじめ「慰安婦」問題についても歴史を全否定し、被害者を侮蔑するヘイトスピーチを繰り返しており、その手口は暴力や恐喝など犯罪化してきていることはご存知の通りです。
私たちは、「慰安婦」問題と関連して被害者を貶める発言を行った橋下大阪市長の「証拠があるなら(韓国側に)出してもらいたい」との暴言を受けて来日した、日本軍「慰安婦」被害者の金福童さんを迎えて昨年の9月23日、証言集会を開催しました。会場は多くの参加者であふれ、86歳の被害者が橋下市長の発言の撤回と謝罪を求め、歴史の事実を証言しました。この日も、在特会メンバーらが集会妨害のため会場にやってきましたが、多数の仲間が場内整理にあたり、集会は混乱もなく無事に開催されました。
ところが、集会から半年近くたった2月13日早朝、大阪府警(公安三課)は、昨年9月のその集会に参加していた4名の仲間を在特会メンバーからの「被害届」にしたがって「傷害事件」の「被疑者」としてでっちあげ、個人宅及び関係事務所など5ヶ所の家宅捜索を強行しました。一方的に「被疑者」とされた4名のうちには、昨年反原発や放射能がれき受け入れ反対の闘いの中で拘束・起訴され、今も大阪拘置所に勾留中のHさんも含まれています。警察権力による弾圧はこれにとどまりませんでした。集会の主催者である私たち関西ネットに対しても攻撃の手を伸ばし、連絡先としている「Cafeナビ」に、同時に強制捜査が行われたのです。さらに翌日にもう1箇所の強制捜査がありました。
あろうことか大阪府警は在特会メンバーの「被害届」をもって、7ヶ所もの家宅捜索を行うとともに、「被疑者」とされた人たちに対して任意出頭を要求したのです。私たち関西ネット関係者に対しても、事情聴取を求めています。これでは、問題が逆展開ではないですか。大阪府警は、在特会メンバーらによる妨害・暴力・暴言によって市民集会が円滑に開催できていない事態をこそ問題にすべきです。「加害者」は在特会であって、彼らの暴力行為こそ罪が問われるべきです。大阪府警が、物理的・精神的被害を受け続けてきた私たちに刃を向けることは、民主主義社会の破壊以外の何ものでもありません。罪のない人間を犯罪者に仕立てあげる警察の横暴は、決して許されるものではありません。国際社会あげて解決を求めている「慰安婦」問題に対する今回の大阪府警の弾圧がまかり通るなら、日本はヘイトスピーチや暴力の無法地帯となり、大阪府警とこの国は国際社会からの非難と嘲笑を免れないでしょう。
今回「被疑者」とされたメンバーは私たちの仲間でもあり、4名の「被疑者」に対する逮捕・起訴は絶対に容認できません。あわせて、Hさんを直ちに釈放するよう求めるとともに、「慰安婦」問題の解決を求める市民運動への露骨で悪質な弾圧に怒りを持って断固抗議します。
2013年2月22日
日本軍「慰安婦」問題・関西ネットワーク
〒544-0033 大阪市生野区勝山北4-9-12 Caféナビ気付
(転載終了)
TEL080-6185-9995 FAX06-6741-6032
http://ajwrc.org/jp/modules/bulletin/index.php?page=article&storyid=783
「在特会」の一部には自らの活動を階級闘争に準える向きもある様ですが、正に笑止千万。「在日特権」よりも遥かに強大で巨悪な「米軍特権」「原子力マフィア」の盾を買って出ながら、何が「階級闘争」か。お前らこそが「労働者の敵」「国家権力の手先」「アンクルトムの出来損ない」の、只の「安倍犬」じゃないか。そんな「在特会」とグルの警察も、自警団や民兵と組んで虐殺を行ったナチスドイツやルワンダ・スーダン辺りの政府軍と同じ。
(転載開始)
昨年9月に行われた「慰安婦」被害者証言集会を妨害しに来た在特会メンバーによる「被害届」を理由に、大阪府警は、日本軍「慰安婦」問題・関西ネットワークの連絡先を含め、計7箇所に対して家宅捜索を強行、4名の「被疑者」の逮捕、起訴を狙っています。
アジア女性資料センターは以下の関西ネットワークの抗議文に団体賛同しました。
2月21日(金)まで団体・個人の賛同を募っています。ご協力ください。
団体賛同
メール:info@ianfu-kansai-net.org
個人賛同
こちらのフォームより
https://ssl.form-mailer.jp/fms/63c4df8b236058
+++++++++++++++++++++++++++++++
大阪府曽根崎警察署長
抗議文
日本軍「慰安婦」問題に対するヘイトスピーチを容認、便乗した大阪府警の弾圧に抗議します
私たちはかつて日本軍によって戦場で性奴隷とされた被害者の訴えに応えるよう、日本政府の誠実な対応を求めて運動を行ってきました。数年前より「在日特権を許さない市民の会」(在特会)をはじめとする右翼市民団体が出現し、在日朝鮮人への攻撃をはじめ「慰安婦」問題についても歴史を全否定し、被害者を侮蔑するヘイトスピーチを繰り返しており、その手口は暴力や恐喝など犯罪化してきていることはご存知の通りです。
私たちは、「慰安婦」問題と関連して被害者を貶める発言を行った橋下大阪市長の「証拠があるなら(韓国側に)出してもらいたい」との暴言を受けて来日した、日本軍「慰安婦」被害者の金福童さんを迎えて昨年の9月23日、証言集会を開催しました。会場は多くの参加者であふれ、86歳の被害者が橋下市長の発言の撤回と謝罪を求め、歴史の事実を証言しました。この日も、在特会メンバーらが集会妨害のため会場にやってきましたが、多数の仲間が場内整理にあたり、集会は混乱もなく無事に開催されました。
ところが、集会から半年近くたった2月13日早朝、大阪府警(公安三課)は、昨年9月のその集会に参加していた4名の仲間を在特会メンバーからの「被害届」にしたがって「傷害事件」の「被疑者」としてでっちあげ、個人宅及び関係事務所など5ヶ所の家宅捜索を強行しました。一方的に「被疑者」とされた4名のうちには、昨年反原発や放射能がれき受け入れ反対の闘いの中で拘束・起訴され、今も大阪拘置所に勾留中のHさんも含まれています。警察権力による弾圧はこれにとどまりませんでした。集会の主催者である私たち関西ネットに対しても攻撃の手を伸ばし、連絡先としている「Cafeナビ」に、同時に強制捜査が行われたのです。さらに翌日にもう1箇所の強制捜査がありました。
あろうことか大阪府警は在特会メンバーの「被害届」をもって、7ヶ所もの家宅捜索を行うとともに、「被疑者」とされた人たちに対して任意出頭を要求したのです。私たち関西ネット関係者に対しても、事情聴取を求めています。これでは、問題が逆展開ではないですか。大阪府警は、在特会メンバーらによる妨害・暴力・暴言によって市民集会が円滑に開催できていない事態をこそ問題にすべきです。「加害者」は在特会であって、彼らの暴力行為こそ罪が問われるべきです。大阪府警が、物理的・精神的被害を受け続けてきた私たちに刃を向けることは、民主主義社会の破壊以外の何ものでもありません。罪のない人間を犯罪者に仕立てあげる警察の横暴は、決して許されるものではありません。国際社会あげて解決を求めている「慰安婦」問題に対する今回の大阪府警の弾圧がまかり通るなら、日本はヘイトスピーチや暴力の無法地帯となり、大阪府警とこの国は国際社会からの非難と嘲笑を免れないでしょう。
今回「被疑者」とされたメンバーは私たちの仲間でもあり、4名の「被疑者」に対する逮捕・起訴は絶対に容認できません。あわせて、Hさんを直ちに釈放するよう求めるとともに、「慰安婦」問題の解決を求める市民運動への露骨で悪質な弾圧に怒りを持って断固抗議します。
2013年2月22日
日本軍「慰安婦」問題・関西ネットワーク
〒544-0033 大阪市生野区勝山北4-9-12 Caféナビ気付
(転載終了)
TEL080-6185-9995 FAX06-6741-6032
http://ajwrc.org/jp/modules/bulletin/index.php?page=article&storyid=783
(出典)NHK健康ホームページ(http://www.nhk.or.jp/kenko/kenkotoday/archives/2012/08/0807.html)
私事ですが、数日前から急に、起床後や仕事中に立ちくらみがするようになりました。立ちくらみと言っても、目がぐるぐる回る程のめまいではなく、軽い船酔いみたいな感じですが、昨日の夕方からは吐き気も催すようになりました。立ちくらみや吐き気は昨日のうちに治まりましたが、血圧も正常値で今まで立ちくらみなぞ殆ど経験した事がなかったので、今日の休みに近所の医者に診て貰いました。
最初は行きつけの内科で診て貰ったのですが、「メニエール病ではないか」という事で、直ぐ近くの耳鼻科で改めて見て貰った所、やはりメニエール病の初期症状でした。
メニエール病というのは、内耳(耳の奥)にある三半規管や蝸牛(かぎゅう)にリンパ液が溜まる病気です。上記画像にもあるカタツムリの様な形をした器官の上の部分(三半規管)で身体のバランス感覚を司り、下の渦巻きの部分(蝸牛)で音を聞き分けます。そこを流れるリンパ液の水位・流量・振動から、身体の傾きや音を感知し、脳に信号を送っているのです。
その三半規管や蝸牛を流れるリンパ液が、何らかの原因で詰まり、そこが水膨れみたいになって、バランス感覚が保てなくなり、立ちくらみ・難聴・耳鳴りなどの症状を生じるのがメニエール病です。
何故そんな目詰まりが起こるのか、詳しい事はまだ分かっていませんが、過労やストレス、睡眠不足、脱水症状などが関係すると言われています。家事に追われる主婦や中間管理職、パソコン作業・流れ作業に従事する人や、ストレスをため込みやすい几帳面な人や短気な人がかかり易いと言われています。
一口にメニエール病と言っても、リンパ液の目詰まりを起こす場所や量によって、ぐるぐる目が回って歩けなくなり意識が飛ぶ事もある重症者から、単なる船酔い程度のものまで様々です。いずれも原因不明という事で、厚生労働省から一応難病指定はされていますが、生命に別条のある病気ではありません。重症者以外はもっぱら投薬治療だけで症状を抑える事が出来ます。但し、メニエール病以外の、脳梗塞などのより重大な疾患の場合でも、立ちくらみは起こるので注意が必要です。素人判断は避け、信頼のおける医療機関に相談した方が良いでしょう。
以上、今だからこそこんな事も書けますが、それまでは大変でした。最初は軽い立ちくらみだと思っていたのが、何日も続くようになり、昨日なぞは帰りの電車内で吐き気を抑えるのに必死でした。家にも直ぐには帰れず、症状が収まるまで途中のマクドナルドで、刺激物のコーヒーは避け紅茶を飲みながら休憩していました。やがて症状が治まり帰宅したものの、年老いた親を心配させたくないので、今もメニエール病の事はまだ告知していません。明日の朝食後にでも言う事にします。
それで今日も、たまたま休みだから良かったものの、出勤日だったらどうしようかと思っていた。その一方で、症状も治まった事だし、わざわざ高い金払って医者に行く事もないかと、最初は安易に考えていた(^^)が、やっぱり不安になって医者に行く事に。
耳鼻科では2時間近く待たされ、正午過ぎにようやく診察開始。鼻に管を通され耳と一緒に掃除され、ゴーグルみたいな眼鏡をかけて眼球の動きを調べられた後、聴力検査で重低音の音域が聞き取りにくくなっている事が判明(下記画像参照)。聴力レベル0~20dBで正常なのに対し、私の場合は500Hz以下と4000Hzの音域で、30dBまで聞き取れずという結果に。
そして漢方薬も含め4種類の薬を処方して貰い、一週間後に再び経過を見る事になりました。
今後はもう、夜更かしは止めてネットも程々にして、睡眠や水分補給に心がけ、無理をしないようにしようと思っています。急な動作は避けるように言われたので、起床時もゆっくり起き上がるようにするつもりです。
今の仕事も、暫く続けてみて身体が持たないようなら、休業申請するなり最悪退職も考えなければならないかも。寒い所での流れ作業が身体に良い筈がない。今までの生活習慣や持病の腰痛・頚肩腕症の影響もあるので、100%今の仕事が原因だとは言えないにしても、その何割かは影響しているのは明らかです。同僚の中にも同じような立ちくらみ経験者が何人もいます。この人たちにとっても、決して他人事ではない筈です。自分の身は自分で守る。必要な知識を仕入れ周囲にも相談する事が必要です。
もうすぐ建国記念の日も終わるが、最近は奉祝・反対どちらの集会も余り目にしなくなったし、マスコミも余り取り上げなくなった。しかし、これは決して国民の間に民主主義が根付いたからではない。今さら史実に反する建国神話に頼らずとも、北朝鮮の拉致・ミサイルや尖閣問題など右傾化扇動の材料に事欠かなくなったからだろう。以下転載。
(転載開始)
差別はネットの娯楽なのか(10)―不逞鮮人追放!韓流撲滅 デモ in 新大久保「良い韓国人も 悪い韓国人も どちらも殺せ」(ガジェット通信)
旧正月を控え、3連休の初日である2月9日に、またしても新大久保で新社会運動主催、在特会協賛での反韓デモが行われると聞いた。前回、1月12日に行われたデモについて記事にしたこともあって、このことがとても気になっていた。
しかし、前回の記事について桜井誠会長が激怒しているらしく、現地に行くことは混乱を起こすことにもなりかねない、かえって地域に迷惑をかけるのではないかとして、知人たちからは上京をやんわりと止められていた。
そんなある日、ツイッター上で「レイシストしばき隊 隊員募集」といったつぶやきを見た。これは、「金曜官邸前抗議」のスタッフの一人であり、同名の本の著者である野間易通さんが結成し、呼びかけたものだった。
在特会などのレイシストは、新大久保での反韓デモ後、「お散歩」という形を取りながらデモの許可を得ていない商店街などに侵入し、暴言を吐いたり店舗や韓流ファンの日本人に嫌がらせをしたりすることがある。
「レイシストしばき隊」は一見物騒な名称とは裏腹に、反韓デモ自体は放置し、非暴力だという。その目的は、レイシストがデモ終了後にそうした行動に出た場合にいちはやく止めに入り、地域の安全を守るというものだった。
名称を巡っての誤解もあり、しばらくの間は賛否両論が飛び交った。在日コリアンからも否定的な意見が相次いだ。でも、私はこのつぶやきを見て面白いと思い、野間さん自身から直接話を聞いてみたかった。
私が野間さんを初めて見かけたのが、3年前の2月26日に代々木公園で行われた朝鮮学校無償化除外を反対するデモの時だった。なので、因縁のようなものを勝手に感じていたことも背景にある。
そして、取材させてほしいと申し込んだ。しかし、残念ながら返事はNOだった。できるだけ活動の内容については、秘密にしたいとのことだった。その代り、当日に時間を取ってもらえることにはなった。
だが、当日は野間さんにほぼ時間がなく、会話はほんのあいさつ程度に終わった。私が取材前までにつかんだ「レイシストしばき隊」の情報は、野間さんがツイッターでつぶやいた
「警視庁からしばき隊への問い合わせがあったので、総人員500名、ロケットランチャー5台、AK-47が30丁、MP5が50丁、青龍刀部隊20名超と答えておきました」
「警視庁警備課『どこに集合すんの?』しばき隊『規定時刻に300名が落下傘で降下する』」
といったものだけだった。
そして、直前に合流したジャーナリストの安田浩一さんとともに、デモ隊の集合場所である大久保公園に向かった。大久保公園を出発した在特会は、職安通りへ向かった。その間、私は南北に走るイケメン通りを通り抜けた。「レイシストしばき隊」は、この通りに在特会らを入らせないようにするらしい、というのは途中で耳にした。
そして、大久保通りでデモ隊が来るのを待った。大久保交番の前で、カメラを構えようとすると白いダウンベストを着て自転車に乗った年配の男性と目が合った。男性は突然、「朝鮮人は出て行ったらいい、ゴキブリだ」と大声で云いながら通り過ぎた。
その直後、デモ隊がやってきた。その中でコールしていた男性が「自分は大阪から来たが、大阪の鶴橋にもコリアタウンがある。夜になったらレイプが多発する」と叫んでいた。私は小さいころからずっとその街を知っているが、そんな話は初耳だ。そういうデマを振りまくために大阪から来たのか、それとも恥を重ねに来たのだろうか。
ツイッターでその後、話題になっていたプラカードや横断幕の「良い韓国人も悪い韓国人もどちらも殺せ」「害虫駆除」などは、撮影した写真にはっきりと写っている。私はデモ隊と反対側にいたにもかかわらず、だ。それを持った人々はカメラを持つ私に向かってそれを掲げた。マスクの人はさておき、多くの人はカメラに笑顔を向け得意そうに笑った。その笑顔を見て、背筋が凍るような気持ちになった。
目の前にいた中年の女性たちは、ヘイトスピーチを繰り広げるデモ隊の男性について、「いくら正しいことを云っても、あの巻き舌じゃあかえって。ね?」と話していた。「発言の内容は問題にしないの?」と、問いかけたい気持ちを、ぐっとこらえた。絶望はどこにでも転がっている。
最初はツイッターで実況でもしようかと思っていたが、いざデモを見たら動画の何万倍も酷すぎて何も出来なかった。呆然としていたら、直前に知り合った韓国料理店のオーナーに「大丈夫か?」と声を掛けられた。その途端、道端で号泣してしまった。一人ぼっちで取り残されたような気分にもなったし、人間はどこまでも残酷になれるという、それが本当に怖かった。
しばらくして落ち着いた後、気を取り直してデモを最後まで追いかけた。
在特会の関係者とみられる人物が、ずっと私を映していたので、私も映し返してみた。
当然、私はその人を映した動画や写真を公開するつもりはない。ブレノこと松本修一は、自身ら在特会の活動を撮影した動画をネット上にたびたび公開していた。それは一種の暴力であり、差別に加担する行為として京都朝鮮学校の裁判でも追及された。そのことについて、何一つ学ばない人たちが目の前にいた。
この日、在特会のデモを見て、怒り、悲しむ日本人に何人も出会った。「レイシストしばき隊」に参加していた数人とも、途中で話すことができた。皆、デモを目前にして怒りを隠しきれない様子だった。それが嬉しいと思う反面、怒ることより恐怖が先に来た自分だけが、どこか取り残されているような気分にもなった。
安田さんには、デモが終了後「名指しされなかった?大丈夫?」と声を掛けられた。心配していただいたにもかかわらず、「名指しされなくても、すべて自分のことに聞こえた。そうでしょ?」と云ってしまった。まるで八つ当たりみたいだった。今考えると、とても申し訳なかったと思う。
そして、「レイシストしばき隊」の活動はここからが本番になるのだが、女性の参加は禁止(在特会関係者は弱い立場の者を狙うのが得意)ということや、外国籍であるのが自分ひとりだけであり、万が一トラブルが発生した時に逮捕という不安があったのでその場を離れることにした。
帰り道の新宿の交差点で、和服でデモに参加していた人が別の参加者と談笑しながら目の前を通り過ぎた。「朝鮮人を殺せ」と叫ぶデモにわざわざ和服で参加した彼にとって、いったいこのデモはなんだったのか。「殺したい朝鮮人は目の前ですよ」と声を掛けたかった。
私は在特会と差別に関して、やっぱり冷静に語れない。感情的になるし、また冷静に語ろうとする人に対しても、憤りのような憎しみに似たものを感じる。語る前に、一度ちゃんと傷ついて、黙って一緒に泣いて欲しいと思うのだ。そのために記事を書いているのかもしれない。
大阪の自宅に戻った瞬間、京都の裁判などにもかかわる東京の知人から電話があり、新大久保に行ったことについて怒られると思ったが「お帰り、御苦労さん」と云われて、安心してまた泣いた。
「レイシストしばき隊」は、9日は無事にレイシストたちの「お散歩」を阻止した。そして10日には前日の効果もあって「お散歩」自体が行われなかったという。
私は9日から10日に日付が変わる時、「それにしても、新大久保の上空からレイシストしばき隊の落下傘部隊が次々と地上に降り立った時は、本当に圧巻だった」とつぶやいた。これはもちろん冗談だが、2日間にわたって新大久保の街には、「レイシストしばき隊」をはじめ、安田さん、新大久保に関わる人々、多くの人々の善意が降り注いだと思っている。
(転載終了)
http://news.livedoor.com/article/detail/7399167/?utm_source=m_news&utm_medium=rd
転載部分が長くなったので感想は手短に書く。
「在特会」などのネオナチ・極右レイシストが、市民運動を装うために「救う会」「フリーチベット」などのデモに混入、時には主導する事もあると最近よく聞くが、正に噴飯物だ。仮に自民党的な反北朝鮮の立場に立つとしても、写真のようなプラカードや主張を掲げているようでは、韓国をみすみす北朝鮮の側に押しやる事にしかならない。また、かつての日本の中国侵略を美化する立場で、中国のチベット侵略を非難した所で、これも所詮は「目くそ鼻くそ」でしかない。これでは中国や韓国の反日デモと「同じ穴のムジナ」だ。
これはもはや愛国デモでも何でない。反北朝鮮や反韓国にかこつけて弱い者虐めをしているだけだ。つまり体罰やハラスメントと同じ犯罪であり、「表現の自由」などの理由で決して容認されるべきものではない。
先日の通勤時間帯に、大阪市営地下鉄の駅で駅員が民営化宣伝のチラシを撒いていました。上記がそのチラシの表紙と1ページ目の紙面ですが、はっきり言って読む気になりませんでした。だって、こんなモノクロの社内会議資料みたいなものを、そのままクリアファイルに入れて、何の説明もなく「これどうぞ」といきなり渡されても、誰が読もうと言う気になりますか。こちらは社外の人間です。その社外の人間に本気で訴える気があるなら、こんな無味乾燥な資料をろくに説明もせずいきなり配ったりはしません。もっと多色刷りの分かりやすいパンフにして宣伝もしながら配ります。そんな事ぐらい、選挙の時に各陣営が街頭で配るビラを見ても分かるでしょう。その一事を以ても、大阪市営地下鉄の民営化が、如何に民意とは無関係に上から強引に押し付けられた「お仕着せの議論」であるかがよく分かります。
その民営化宣伝のビラですが、大阪市交通局のHPからもダウンロードできるので、詳しく知りたければそちらを参照して下さい。
私もざっと目を通しましたが、書いている事も配り方にたがわず支離滅裂でした。大阪市の地下鉄もバスも、運賃が高くサービスが悪いのは全て公営企業で「お役所仕事」だから。民営化して職員にコスト意識を持たせれば、運賃も値下げできるしサービスももっと良くなる、と。しかし、果たして本当にそうでしょうか?
私が利用するのはもっぱら地下鉄なので、ここでは主に地下鉄の場合で考えて見ます。
確かに地下鉄の運賃は高いです。初乗り1区間200円もしますから。でも、それは別に地下鉄が公営だからではなく、多額の建設費がいるからじゃないでしょうか。特に新線建設の場合は、既設路線を避ける為により深く掘り進まなければならなくなる。大手私鉄の運賃はなるほど地下鉄よりも安いですが、JRはもっと安い。それはJRが私鉄以上に長大なネットワークを有し、スケールメリットが活かせるからであって(だから旧国鉄時代から運賃は安かった)、「公営・民営の別」は余り関係ない。
地下鉄と私鉄の相互乗り入れが進まないのも、私鉄王国の関西は私鉄の方が先に発達して、後発の地下鉄は寧ろその私鉄ターミナル同士を結ぶ形で、大阪市内に路線網が形成されてきたからではないでしょうか。それを今から東京並みに相互乗り入れを図るとなると、集電方式(一部を除き第三軌条を採用しており私鉄の架線式とは異なる)や鉄軌道の幅も全部変えなければならなくなり(標準軌の阪急・近鉄と狭軌の南海の一体どちらに合せるのかという点も含め)、そのコストは膨大なものになります。
終電の時間がJR・私鉄に比べ早いのも、ドーナツ化現象の進んだ大阪市内を走る地下鉄に乗る人が深夜にはそんなにいないという、ごく単純な理由によるものでは。私鉄も郊外に向かう下りに比べ、中心部に向かう上りの終発時間は早い。それと同じ理由では。だから、地下鉄の終発時間をより遅くしても、郊外に向かう私鉄の終発時間を更に遅くしなければならなくなる。これでは深夜残業の蔓延に加担する(自らの首を絞める)事にもなりかねないw。
地下鉄の運転手は高給を食んでいると言いますが、それは私鉄ほどには非正規雇用への置き換えが進んでいないという事もあると思います。関西の各私鉄では駅職員や車掌が時給800円、900円の非正規雇用によって担われています。コンビニ・バイト並みの低賃金で、安全運行を支える責任や事故時のリスクだけを労働者に負わせる方が、逆に「虫が良すぎる」のではないでしょうか。そんな低待遇と比較して地下鉄職員の「高給」ばかり言い募るのでは、「為にする議論」だと言われても仕方ないでしょう。確かに経営努力は必要です。その為には一定の賃金カットもやむを得ないでしょう。でも、その際に比較すべきなのは、あくまでも「乗客の安全や労働者の生計が維持できるかどうか」であって、それ抜きに「ただ安けりゃあ良い」という話にはなりません。
そもそも、今の大阪の地下鉄・市バスは、急いで民営化しなければいけないほど赤字なのでしょうか。確かにバスや一部の地下鉄路線は赤字ですが、全体では大幅な黒字超過です。しかも、この数年の経営努力で財政収支は大幅に改善されてきています。それは他の大都市の地下鉄と比較しても抜きんでています。そんな状態の中で、何故今ことさら民営化を急がなければならないのでしょうか。
(参考資料)
・大阪市営地下鉄の路線別経常収支
http://www.city.osaka.lg.jp/hodoshiryo/cmsfiles/contents/0000093/93476/100909_kousoku-chuuryou.pdf
・林横浜市長が市営交通の民営化否定「今後も黒字続けられる」/神奈川(カナロコ)
http://news.kanaloco.jp/localnews/article/1202290023/
・都市公共交通の在り方~民営化の可能性について~
http://www.ipp.hit-u.ac.jp/lectures/PPS1_2011/files/presentation20110714.pdf
民営化推進論者はそれに対して、「黒字は市財政からの補助金によるもの」「少子高齢化で利用客が頭打ち・減少気味で、今のうちに民営化で低コスト体質に転換しておかなければならない」と言います。
しかし、そもそも補助金は何の為にあるのでしょうか。赤字でも必要な路線を維持する事で地域を活性化させ、市の税収も増やして市民サービスに再び還元する為でしょう。採算性だけで議論するなら、千日前線も四つ橋線もニュートラムも全て廃止しなければならなくなりますが、そんな事をすれば大変な事になります。
少子高齢化対策にしても、一民間企業だけで解決できる問題ではありません。その背景には格差拡大による生活困窮があり、子どもを育てたり老人を介護する余裕が社会から失われつつあるからこそ、この問題も起こってきたのです。その根本に手を付けずに、一企業の財務状況だけに問題を矮小化するのでは、「会社エゴ」の謗りは免れません。
そもそも、運賃値下げやサービス向上は、民営でなければ出来ない訳ではありません。幾ら民営化しても、御堂筋線やそれと並行する堺筋線・四つ橋線も同じ会社のままで、他に競合する私鉄路線もなければ、「お役所」が東電やJRのような「独占企業」にとって代わるだけです。東電やJRも決して褒められた会社でない事は、福島原発事故や福知山線事故からも明らかです。では地下鉄もJRの様に分割しますか。そんな事をすれば、残るのは御堂筋線だけか谷町線・中央線と合わせた黒字三路線だけになってしまいます。
「お役所仕事」や「大企業病」の弊害は、決してこれらだけに固有のものではありません。中小企業にも存在します。それが証拠に、中小企業のうちの会社も、「事なかれ主義」や「臭いモノに蓋」体質では決して役所や東電・JRに引けを取りません。トップがいい加減であればどんな組織にも起こり得る弊害なのです。
運賃値下げもサービス向上も、決して公営だから出来ないという物ではありません。「トップに本気でそれを実行する気があるかどうか」で決まります。寧ろ下手に民営化して行政・議会や市民の監視の目が行き届かなくなる方が、逆に放漫財政を招くでしょう。
奴隷脱出と銘打って在職しながら休日などに転職活動を開始したものの、やはり現実はそう甘くはありません。
社会福祉協議会の仕事がダメだったので、次にハローワークで見つけた物流コンサルタントの仕事に応募しました。今の職場からホンのすぐ近くの物流倉庫を拠点に、新たに設立された会社での、自動仕分けなどの物流システムの開発・営業職です。月収18万から30万円での正社員雇用です。「物流経験者求む」とあったので、「また新たに正社員に復帰して、今度はシステムに使われる側ではなく使う側から、業務や労働環境の改善が図れるならば」と、履歴書をその会社に送付しました。私が応募した時点で、2名の採用枠に既に11名も応募していたので、余り期待はしていませんでしたが、やはり書類選考の段階ではねられてしまいました。どちらかと言えばマイナーなイメージの物流業界にわざわざ応募してくるのだから、海千山千のプロも少なくないであろう中で、幾ら物流経験者とは言えども、自分の狭い経験だけで通用するほど甘くはなかったようで。返送されてきた履歴書と共に、丁寧なお断りの礼状が添えられていたのが、せめてもの救いでした。
次に応募したのが、本の買取りセンターでの本やDVDの集荷・出荷・ネット出品の仕事。こちらは求人誌から応募。こちらも創業まもない会社で、場所も今の職場から数駅の所にありました。しかし、地図を頼りに面接に行ったものの、そこにはレンタカー屋やマンションの間に寂れた貸し倉庫があるのみで。不安になって電話すると、やにわに倉庫の扉が開いて若い女性が「こっちこっち」と。聞けば、その女性がパート勤めを辞めてネット通販で立ち上げた会社だとか。面接では「私も今あなたが勤めている会社でバイトしていた事がある、そこに嫌気が差して、もっと個人が生き生きと働ける仕事がしたくて今の会社を立ち上げた、あなたの会社の事なかれ主義の体質は今も昔も変わらないわね~」と、会社批判で盛り上がりましたw。なので「これはてっきり行ける」と、職場の仲間にも「いよいよ脱出するぞ」と告知したものの、これも結局不採用に。求人誌の内容(添付画像)から、どうやら日払い・Wワークの短時間勤務希望者を求めていたのではないかと。それならそうと、面接の時に言ってくれれば良かったのに。
その以上二件の求人までは、社会貢献企業やNGO(非営利組織)、民間企業でも派遣・請負でない所を中心に(これらは所詮使い捨てだから)、場所も比較的時給の高い大阪市内などを中心に探していましたが、三件目からは「もう背に腹は変えれない」と、請負企業や地元企業も選択肢に含めるようになりました。そこでネットで応募したのが、「大手企業での軽作業」請負業務。時給千円以上でしかも三か月毎に入社祝金支給と、当該地域では破格の厚遇に逆に胡散臭さを感じ、会社に電話すると「工事用パネルの貸出・補修・塗装」業務で「重量物も扱う」と。「ははん、だから求人欄には仕事内容の詳しい説明も殆どないくせに、入社祝金とかばかりやたら強調していたのか」と妙に納得。まだ会社から面接日時の連絡がないものの、これは避けた方が賢明でしょう。
来週以降も、一応求職活動は続けようと思いますが、その一方で、今の会社に最後まで居座るのも一法かと思い始めています。確かに、事なかれ主義の「臭いモノに蓋」体質で、幾ら頑張っても全然仕事が楽にならないし、幾ら努力しても無駄なので居れば居るほどバカになる、そんなロクでもない会社ではありますが。しかし、もうそれならそれで、自分が真にやりたい事の「飯の種」と割り切って、自己研鑽は「自分が真にやりたい事」の中で実現を図るようにすれば良いかなと。会社の私に対する態度も、私が面と向かって会社に抗議すれば「文句があるならいつでも辞めて良い」とは言うものの、周囲を見渡せば、はっきり言って他社では使い物にならないような従業員でも、喧嘩でもしない限りずっとそのまま「ほったらかし」にしているだけで。要は無責任なのです。それならそれで、こちらも最低限の義務だけ果たして、他の分野で自分を磨く方が良いかなと。
それに、このまえ私の会社のバイト面接に来た人が、何と私の生協時代の後輩だったのです。実際に私が仕事を教えた事のある人でした。そのK君が、面接の後、所長に引率されて現場を見廻っていた時に、偶然私と目が合ったのです。相手は見学中、私も作業中で、お互い会話は交わせなかったものの、先方も私である事には直ぐ気が付いた様子でした。若し採用された暁には、早速組合にオルグしようと思っています。ただ大人しい後輩なので、どこまで私の話を聞いてくれるか分かりませんが。それ以前に、うちの会社の流れ作業に果たしてついて来れるか、という心配があるのですが。
最後に、「そんなに派遣や請負が嫌なら正社員になれば良いのに」と思われるかも知れませんが、正社員も「使い捨て」という点では同じです。「東洋経済オンライン」の記事「25.3%――過去3年間でパワハラを受けた従業員の比率」でも、「上司から部下」へのパワハラが77.7%、以下「先輩から後輩」15.7%、「正社員から正社員以外」10.6%と、正社員間の虐め(パワハラ)のとばっちりを正社員以外(派遣・請負)が受けている構図が窺えます。パワハラや「使い捨て」自体を無くさない限り、たとえ派遣・請負から正社員に「身分」が変わっても同じ事。実際、「うちの会社の正社員みたいになりたい」なんて絶対に思わないし。
以前「ブログでグダグダ書いている暇があるなら正社員に就職しろ」というアホな荒らしコメントがありましたが(即削除)、そんな単純な問題じゃない。「どんな身分で働くか」ではなく「どんな職場で働くか」こそが肝心。マスコミも、学校やスポーツ界・芸能界の体罰を問題にするなら、企業内のパワハラや過労死も、もっと積極的に取り上げるべきでしょう。
社会福祉協議会の仕事がダメだったので、次にハローワークで見つけた物流コンサルタントの仕事に応募しました。今の職場からホンのすぐ近くの物流倉庫を拠点に、新たに設立された会社での、自動仕分けなどの物流システムの開発・営業職です。月収18万から30万円での正社員雇用です。「物流経験者求む」とあったので、「また新たに正社員に復帰して、今度はシステムに使われる側ではなく使う側から、業務や労働環境の改善が図れるならば」と、履歴書をその会社に送付しました。私が応募した時点で、2名の採用枠に既に11名も応募していたので、余り期待はしていませんでしたが、やはり書類選考の段階ではねられてしまいました。どちらかと言えばマイナーなイメージの物流業界にわざわざ応募してくるのだから、海千山千のプロも少なくないであろう中で、幾ら物流経験者とは言えども、自分の狭い経験だけで通用するほど甘くはなかったようで。返送されてきた履歴書と共に、丁寧なお断りの礼状が添えられていたのが、せめてもの救いでした。
次に応募したのが、本の買取りセンターでの本やDVDの集荷・出荷・ネット出品の仕事。こちらは求人誌から応募。こちらも創業まもない会社で、場所も今の職場から数駅の所にありました。しかし、地図を頼りに面接に行ったものの、そこにはレンタカー屋やマンションの間に寂れた貸し倉庫があるのみで。不安になって電話すると、やにわに倉庫の扉が開いて若い女性が「こっちこっち」と。聞けば、その女性がパート勤めを辞めてネット通販で立ち上げた会社だとか。面接では「私も今あなたが勤めている会社でバイトしていた事がある、そこに嫌気が差して、もっと個人が生き生きと働ける仕事がしたくて今の会社を立ち上げた、あなたの会社の事なかれ主義の体質は今も昔も変わらないわね~」と、会社批判で盛り上がりましたw。なので「これはてっきり行ける」と、職場の仲間にも「いよいよ脱出するぞ」と告知したものの、これも結局不採用に。求人誌の内容(添付画像)から、どうやら日払い・Wワークの短時間勤務希望者を求めていたのではないかと。それならそうと、面接の時に言ってくれれば良かったのに。
その以上二件の求人までは、社会貢献企業やNGO(非営利組織)、民間企業でも派遣・請負でない所を中心に(これらは所詮使い捨てだから)、場所も比較的時給の高い大阪市内などを中心に探していましたが、三件目からは「もう背に腹は変えれない」と、請負企業や地元企業も選択肢に含めるようになりました。そこでネットで応募したのが、「大手企業での軽作業」請負業務。時給千円以上でしかも三か月毎に入社祝金支給と、当該地域では破格の厚遇に逆に胡散臭さを感じ、会社に電話すると「工事用パネルの貸出・補修・塗装」業務で「重量物も扱う」と。「ははん、だから求人欄には仕事内容の詳しい説明も殆どないくせに、入社祝金とかばかりやたら強調していたのか」と妙に納得。まだ会社から面接日時の連絡がないものの、これは避けた方が賢明でしょう。
来週以降も、一応求職活動は続けようと思いますが、その一方で、今の会社に最後まで居座るのも一法かと思い始めています。確かに、事なかれ主義の「臭いモノに蓋」体質で、幾ら頑張っても全然仕事が楽にならないし、幾ら努力しても無駄なので居れば居るほどバカになる、そんなロクでもない会社ではありますが。しかし、もうそれならそれで、自分が真にやりたい事の「飯の種」と割り切って、自己研鑽は「自分が真にやりたい事」の中で実現を図るようにすれば良いかなと。会社の私に対する態度も、私が面と向かって会社に抗議すれば「文句があるならいつでも辞めて良い」とは言うものの、周囲を見渡せば、はっきり言って他社では使い物にならないような従業員でも、喧嘩でもしない限りずっとそのまま「ほったらかし」にしているだけで。要は無責任なのです。それならそれで、こちらも最低限の義務だけ果たして、他の分野で自分を磨く方が良いかなと。
それに、このまえ私の会社のバイト面接に来た人が、何と私の生協時代の後輩だったのです。実際に私が仕事を教えた事のある人でした。そのK君が、面接の後、所長に引率されて現場を見廻っていた時に、偶然私と目が合ったのです。相手は見学中、私も作業中で、お互い会話は交わせなかったものの、先方も私である事には直ぐ気が付いた様子でした。若し採用された暁には、早速組合にオルグしようと思っています。ただ大人しい後輩なので、どこまで私の話を聞いてくれるか分かりませんが。それ以前に、うちの会社の流れ作業に果たしてついて来れるか、という心配があるのですが。
最後に、「そんなに派遣や請負が嫌なら正社員になれば良いのに」と思われるかも知れませんが、正社員も「使い捨て」という点では同じです。「東洋経済オンライン」の記事「25.3%――過去3年間でパワハラを受けた従業員の比率」でも、「上司から部下」へのパワハラが77.7%、以下「先輩から後輩」15.7%、「正社員から正社員以外」10.6%と、正社員間の虐め(パワハラ)のとばっちりを正社員以外(派遣・請負)が受けている構図が窺えます。パワハラや「使い捨て」自体を無くさない限り、たとえ派遣・請負から正社員に「身分」が変わっても同じ事。実際、「うちの会社の正社員みたいになりたい」なんて絶対に思わないし。
以前「ブログでグダグダ書いている暇があるなら正社員に就職しろ」というアホな荒らしコメントがありましたが(即削除)、そんな単純な問題じゃない。「どんな身分で働くか」ではなく「どんな職場で働くか」こそが肝心。マスコミも、学校やスポーツ界・芸能界の体罰を問題にするなら、企業内のパワハラや過労死も、もっと積極的に取り上げるべきでしょう。