※拙ブログの、それぞれ別個にアップされた二つのエントリー「プレカリアートの阪神なんば線」「介護問題も実は貧困問題だった」に寄せられた、「ぼんくらおじさん」の一連のコメントですが、現代の介護実態を余す所なく伝えてくれていると感じましたので、急遽一つのエントリーにまとめさせてもらいました。ここで私が言いたい事は、ただ一つ、表題に記した事だけです。
●挫折の西九条駅 (ぼんくらおじさん、2009-04-09 23:20:22)
(前略)
【余談】母の容態が一層悪くなりました。反応も鈍く、言語能力がほとんど機能しなくなりました。摂食から排泄まで全介助になってしまいました。ところで、「ねたきり」は介助不要とみなす―という今度の要介護認定基準の改正(改悪)、ご存知でしょうか。「ねたきり」だから歩かなくていい。したがって介助はいらないというのが厚労省の官僚の言い分だそうです。
●「ねたきり」介護認定の件 (ぼんくらおじさん、2009-04-20 22:32:54)
新介護認定制度の情報ありがとうございます。私自身は「みのもんたの朝ズバ」で知ったのですが、日本共産党の小池晃参院議員が活躍してくれたとのことで、それはそれでありがたく思います。この件については、介護職の方々や自治体の担当職員の間でも相当な反発があるようです。私の母のケアマネさんも憤慨していました。
母は現在、要介護4ですが、先日、要介護認定の変更申請をし、市の職員の訪問調査も受けました。その職員の話では、「容態は悪くなっているので、介護度が下がるということはないと思います。調査用紙の特記事項欄に一筆書いておきます」とのことでした。介護度が下がるのを防いでくれるようです。
ところで、残念ながら母の場合、もう手の施しようがない段階に達してしまいました。母は誤嚥の危険があるので、点滴を受けていましたが、「連休明けまで持たないだろう」と訪問看護師から言われてしまいました。自宅介護ではひと月に2週間という制限があるそうで、それを過ぎてしまったからです。きょうから連休明けまで3週間ほどありますが、それまでは点滴できないのです。
「阪神なんば線」のコメントとしては、これ以の詳しいことは遠慮しなければなりませんが、公立病院からは追い出され、自宅介護でも制限を受けるなんて、おかしな制度だなと思っています。
できれば介護とか医療関係の話題を立てていただけたらと思っております。
●母の最期 (ぼんくらおじさん、2009-04-30 14:51:09)
4月24日(金)夜9時過ぎ、母は息を引き取りました。27日に葬式を終えました。お骨はまだ家にあります。
死を決定的にしたのは、私が誤嚥させたからです。与えないほうがいい」と言われていたのに、見かねて経口補水液ゼリーを与えました。ほんの2、30ミリリットルですが、おそらくほとんど気管の方へ入ってしまったのではないかと思います。苦しみあえぎながら死んで行きました。
「阪神なんば線」のコメントでふれましたように、自宅介護では、ひと月にに2週間までしか点滴できない規則になっているそうなのです。それで、5月(しかも連休明け)にならないと点滴を再開できなかったのです。そういうわけで、その間、自己責任で水分・栄養補給を続けなければなりませんでした。最後の点滴が終わってちょうど一週間でした。
入院させれば、もう少し延命できたかもしれません。苦しまずに死を迎えられたと思います。私は躊躇しました。かかりつけ医も、「ここまで、自宅介護でがんばってきたのだから、このまま自宅で見取ったほうが悔いが残らないと個人的には思いますよ」と言う意見でした。私もそう思いました。死が目前に迫っている患者を、病院へ預けるか、このまま自宅で見取るかの選択は、どちらがよいのか、なんとも言えません。ただ、結果的に、最後まで介護したという満足感より、最後に私の手で誤嚥させてしまったという悔いのほうが勝ってしまいました。
人は、「あまり自分を責めてはいけないよ」と慰めてくれますが、この罪悪感は一生消えそうもありません。介護という負荷が突然なくなって、虚脱感と蓄積した疲労がどっと出て、体の調子がよくありません。涙ばかり出てきます。
●挫折の西九条駅 (ぼんくらおじさん、2009-04-09 23:20:22)
(前略)
【余談】母の容態が一層悪くなりました。反応も鈍く、言語能力がほとんど機能しなくなりました。摂食から排泄まで全介助になってしまいました。ところで、「ねたきり」は介助不要とみなす―という今度の要介護認定基準の改正(改悪)、ご存知でしょうか。「ねたきり」だから歩かなくていい。したがって介助はいらないというのが厚労省の官僚の言い分だそうです。
●「ねたきり」介護認定の件 (ぼんくらおじさん、2009-04-20 22:32:54)
新介護認定制度の情報ありがとうございます。私自身は「みのもんたの朝ズバ」で知ったのですが、日本共産党の小池晃参院議員が活躍してくれたとのことで、それはそれでありがたく思います。この件については、介護職の方々や自治体の担当職員の間でも相当な反発があるようです。私の母のケアマネさんも憤慨していました。
母は現在、要介護4ですが、先日、要介護認定の変更申請をし、市の職員の訪問調査も受けました。その職員の話では、「容態は悪くなっているので、介護度が下がるということはないと思います。調査用紙の特記事項欄に一筆書いておきます」とのことでした。介護度が下がるのを防いでくれるようです。
ところで、残念ながら母の場合、もう手の施しようがない段階に達してしまいました。母は誤嚥の危険があるので、点滴を受けていましたが、「連休明けまで持たないだろう」と訪問看護師から言われてしまいました。自宅介護ではひと月に2週間という制限があるそうで、それを過ぎてしまったからです。きょうから連休明けまで3週間ほどありますが、それまでは点滴できないのです。
「阪神なんば線」のコメントとしては、これ以の詳しいことは遠慮しなければなりませんが、公立病院からは追い出され、自宅介護でも制限を受けるなんて、おかしな制度だなと思っています。
できれば介護とか医療関係の話題を立てていただけたらと思っております。
●母の最期 (ぼんくらおじさん、2009-04-30 14:51:09)
4月24日(金)夜9時過ぎ、母は息を引き取りました。27日に葬式を終えました。お骨はまだ家にあります。
死を決定的にしたのは、私が誤嚥させたからです。与えないほうがいい」と言われていたのに、見かねて経口補水液ゼリーを与えました。ほんの2、30ミリリットルですが、おそらくほとんど気管の方へ入ってしまったのではないかと思います。苦しみあえぎながら死んで行きました。
「阪神なんば線」のコメントでふれましたように、自宅介護では、ひと月にに2週間までしか点滴できない規則になっているそうなのです。それで、5月(しかも連休明け)にならないと点滴を再開できなかったのです。そういうわけで、その間、自己責任で水分・栄養補給を続けなければなりませんでした。最後の点滴が終わってちょうど一週間でした。
入院させれば、もう少し延命できたかもしれません。苦しまずに死を迎えられたと思います。私は躊躇しました。かかりつけ医も、「ここまで、自宅介護でがんばってきたのだから、このまま自宅で見取ったほうが悔いが残らないと個人的には思いますよ」と言う意見でした。私もそう思いました。死が目前に迫っている患者を、病院へ預けるか、このまま自宅で見取るかの選択は、どちらがよいのか、なんとも言えません。ただ、結果的に、最後まで介護したという満足感より、最後に私の手で誤嚥させてしまったという悔いのほうが勝ってしまいました。
人は、「あまり自分を責めてはいけないよ」と慰めてくれますが、この罪悪感は一生消えそうもありません。介護という負荷が突然なくなって、虚脱感と蓄積した疲労がどっと出て、体の調子がよくありません。涙ばかり出てきます。
●NHK総合「追跡!AtoZ」:「無届け老人ホームの闇」
>渋川市で発生し10人が亡くなった老人ホーム火災。ここに入居していた人の多くは都内から移り住んだ生活保護受給者だ。
今、介護の必要な低所得者をターゲットにした悪質な無届け老人ホームが急増している。一部屋に何人もが押し込まれ、食費は一日300円といった悲惨な生活。
さらに、監督する立場にある行政が、施設不足を理由に、行き場のない低所得者にこうした無届けホームを斡旋してきたという問題も浮かび上がった。自ら訴え出られない高齢者を狙った悪徳ビジネスの実態とその背景を追う。
http://www.nhk.or.jp/tsuiseki/file/list/090425.html(公式サイト)
http://veohdownload.blog37.fc2.com/blog-entry-2112.html(「TV小僧」提供動画)
●映画「遭難フリーター」
>岩淵弘樹・23歳。平日は製造派遣大手の日研総業からキヤノンの工場に派遣され、時給1250円での単純労働、週末は憧れの東京でフルキャストの日雇い派遣。不安定な労働環境から抜け出せない彼は、フリーターの権利を求めるデモに参加し、マスメディアの取材を受ける。しかし、テレビ画面に映し出されたのは、ただただ“不幸で貧しい若者”でしかなかった―。
大手レコード会社に就職した友人に自己責任論調の説教を受け、居酒屋でおっちゃんに「あなたは奴隷なんだよ!」と罵られる。「俺は誰に負けた?俺は誰の奴隷だ?」岩淵は、拾った自転車で夜の東京を疾走する。
http://www.sounan.info/(公式サイト)
この間、上記のテレビ番組と映画を続けて見ました。それを見ての感想ですが、それぞれに書きたい事は多々あれども、今はそれだけの時間的余裕もないので、敢えて両方まとめた形で書かせて貰います。
まず何よりも思ったのが、「介護問題にしろ、ワーキングプアの問題にしろ、結局は、やっぱり貧困の問題に行き着いてしまうじゃないか」という事です。
前者のテレビ番組で取り上げられた、群馬県渋川市の無届け老人施設における火災事故の問題でも、犠牲になったのは低所得者の老人たちでした。高額の有料老人ホームにも特養にも入れない生活保護受給者が、あちこちたらい回しにされた末に、他の地方から吹き寄せられる形で、この姥捨て山に集められ、劣悪な扱いを受け続けた挙句に、失火で焼き殺されたのです。
かつて、介護問題が表面化してきた当初は、少子化や世代間格差や家族の在り方にスポットが当てられ、ワーキングプアなどの貧困問題とは、別個に扱われていました。斯く言う私も、つい最近までは、どちらかと言えば、そういう認識でした。
しかし、幾ら社会の少子化が進もうと、カネのある人は、幾らでも好条件の介護が受けられる訳です。これらの「勝ち組」にとっては、介護問題なんて実は全然関係ないのです。老老介護の問題にしても、介護虐待の問題にしても、当事者の悲哀を味わされるのは、常に「負け組」だけで。
後者の映画で取り上げられた、非正規雇用のワーキングプアの問題も、当初は「就職氷河期vs団塊世代」という様に、寧ろ世代対立に重きを置いた形で、取り上げられる事が多かったように思います。実際に、その頃はまだまだ、団塊世代には正社員が多くて、彼らは組合に組織され、会社からボーナスを貰いながら、就職氷河期世代に対して、「怠け者」だの「無能力者」だのと、罵っていられたのですから。それに対して、就職氷河期世代は、社員食堂はおろか、会社のゴミ箱すら自由に使わせてもらえず(!)、身包み派遣会社に管理され、バカ高い寮費をピンハネされていたのですから。
しかし、その後も正社員から非正規雇用への置き換えが進み、今や労働者の3人に1人が非正規職になるに従って、前述の捉え方も徐々に変わってきます。映画の主人公の、就職氷河期世代の派遣フリーター・岩淵君も、当初は、ただひたすら正社員願望に囚われていたのが、彼を取材しているNHK社員も、自分と同様に「こんな仕事なぞちっとも面白くねえ」「辞める事ばかりが頭をよぎる」と悩んでいるのを知るに及んで、「ただ正社員に這い上がる事だけを考えていても、決して問題は解決しない」という事に、少しずつ気付き始めます。
・・・・という事を、このぞれぞれのテレビと映画を見て、改めて気付かされた私でしたが、それでもまた明日から出勤すれば、若者も中高年も入り乱れて働いている、我が派遣・請負の職場で、「仕事のスピードが遅い60歳代のワーカーに対して、自分にそのしわ寄せが掛かってくる事に、心の中で苛立つ自分」が居るのです。「そういう自分も、そんなに若くはなく、遅かれ早かれ、その60歳代ワーカーと同じ立場に立たされるのが分かっているのに、それでも苛立ってしまう自分」の愚かさにも、無性に腹を立てながら。
勿論、その根底には「福祉の貧困」がある事も、当然分かっています。そもそも、60歳や70歳になっても、馬車馬の如く働かなければ食べていけないという事自体が、異常なのです。本来は、そうならない為にあった筈の、年金制度が全然機能しておらず、官僚の天下りや大型公共事業や金持ち減税や軍事費に化けてしまっている所に、そもそもの原因がある事ぐらい、百も承知の上です。
憲法25条(生存権規程)が全然守られていない。そんな現状が捨て置かれている限り、幾ら「日本は経済大国」だの「国際貢献」だの「国を守れ」だのと上から言われても、我々プレカリアートにとっては、「それは一体何処の国の話か?」という事にしかならない。
しかし、それらの事実を踏まえても、当該問題にまず第一線で向き合わなければならないのは、やはり当事者たる私自身であって、国や大企業ではない。
これは又聞きですが、「派遣村」村長の湯浅誠さん(NPO法人もやい代表)が、4月21日の大阪・西淀川区労連主催による青年集会で、生存競争に脱落し始めた仲間(先の60歳代ワーカーなどの)に対して、「どれだけ団結の立場に立てるのかが、単にイデオロギーや知識としてでなく、自分自身の生き方の問題として問われ始めている」という趣旨の事を仰られたそうです。その発言もかみしめながら、くだんのテレビ番組と映画の内容を、今改めて思い返しています。
この他にも、元タレント・清水由貴子さんの介護疲れによる自殺のニュースについても、実際に色々と思う所はあるのですが、それ以前のレベルで逡巡している私如きが、あれこれ言う気には到底なれないので、ここでは何も言いません。
以下、4月24日(金)付・朝日新聞(大阪版)朝刊・テレビ番組欄より、「草なぎ剛逮捕」関連分をピックアップした一覧。
・NHK総合
4:30「おはよう日本」草なぎ容疑者・送検へ
・毎日テレビ
5:30「みのもんた朝ズバッ!」”酒酔い裸で騒ぎ…”草なぎ容疑者自宅も捜索/逮捕一報にファンは?
11:00「ひるおび!」草なぎ剛容疑者最新情報
14:55「ちちんぷいぷい」続報…スマップ草なぎ剛容疑者逮捕の余波は?
18:45「THE・NEWS」草なぎ容疑者…ファンの失望と社会への影響と
・ABCテレビ
6:45「おはよう朝日です」衝撃・草なぎ容疑者に何があった?
8:00「スーパーモーニング」スマップ草なぎ剛容疑者/深夜の泥酔全裸大騒ぎ/通報者が語る大捕物!!/同時刻現場を追跡取材
12:00「スクランブル」公園で全裸…草なぎ容疑者逮捕泥酔を追跡
・関西テレビ
5:25「めざましテレビ」草なぎ容疑者逮捕の波紋
8:00「とくダネ!」スマップ草なぎ容疑者①泥酔して全裸で奇声…わいせつ容疑の動機②顔青ざめ移送の瞬間表情③自宅捜索…CMも中止続々/今後活動は
16:53「ニュースアンカー」全裸で…公然わいせつの訳は?草なぎ容疑者逮捕の波紋
23:58「ニュースJAPAN」全裸草なぎ容疑者送検へ
・読売テレビ
5:20「ズームインSUPER」草なぎ容疑者全裸で逮捕①CM中止…韓国速報②検証酒量どれだけ?
8:00「スッキリ!!」泥酔全裸スマップ草なぎ容疑者が深夜に公然わいせつで逮捕
13:55「ミヤネ屋」自宅を捜索/草なぎ容疑者の逮捕で各界に衝撃…
23:55「ニュースZERO」捜査は?草なぎ容疑者
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上記が、23日夜から24日にかけての、例の、SMAP所属タレント草なぎ剛が泥酔で全裸姿になって公然わいせつで逮捕されたニュースについての、テレビでの取り上げられ方ですが。苗字クサナギのナギの字は、よくある「薙」ではなく「」という難しい漢字だった事を、この事件で始めて知りました(注:当該漢字は、PC・携帯の機種によっては文字化けしてしまうので、先程全てひらがなに置き換えました)が、それは兎も角として。
「泥酔した位で逮捕されるか?」という素朴な疑問はみんな抱きつつも、「海賊対処法案が衆院通過」よりも「草なぎ逮捕」の方が大事なニュースだとは到底思えないのに、マスコミが我も我もと書きたてて。
それに加えて、総務相の鳩山が、散々「地デジ推進」PRにこのタレントを起用しておきながら、自身の任命責任を棚の上げての「最低の人間」発言に、こちらも民主党の鳩山が、それまで政府・与党と馴れ合って右傾化・警察国家化を散々推進してきた一蓮托生ぶりを棚に上げての「揚げ足取り」に、これまた政府・与党の犬のネットウヨクが噛み付いて、もうシッチャカメッチャカになっているのを横目に。
「果たしてわざわざブログで取り上げるような事か」と思いながらも、マスコミの体たらくが余りにもアンマリなので、このエントリーを書いています。
そんな私が今回のこのニュースにつけて思うのは、上っ面だけを面白おかしく取り上げるしか能が無い三流スポーツ紙の中で、殆ど唯一「日刊ゲンダイ」だけが、辛うじて「社会の木鐸」としての機能を果たしている事については、率直に評価しつつも、下手にこの問題でキイキイ叫べば叫ぶほど、先の「海賊法案」などのもっと大事なニュースがどんどん陰に隠れてしまい、逆に政府・与党の思う壺となりつつあるのではないか、という事です。
そこで、ここは少し視点を変えて、この様な「ニュースの芸能化、バラエティ番組化、2ちゃんねる化」が、一体何処から始まったのか、という問題意識を抱いて、その次の定休日に、図書館で過去の新聞記事やテレビ番組欄を、ちょっと調べて来ました。
その結果は、やはり予想通りでした。80年代中頃の、久米宏や小宮悦子が司会をしていたテレビ朝日「ニュースステーション(Nステ)」を皮切りに、テレビのニュース番組がバラエティ番組の形式を取り出す以前は、ニュースとバラエティ番組の棲み分けがはっきりしていて、今の様な、視聴率稼ぎがミエミエの、奇をてらった様な番組タイトル命名も、殆ど在りませんでした。
「Nステ」放送開始に当たっては、ともすればお堅いイメージを持たれていたニュース番組を、お茶の間の視聴者にも分かりやすい形で提供するという事で、それなりに期待を持たれていた筈なのですが。
それが、類似の番組が次々と登場するに連れて、何時の頃からか「2ちゃんねる化」の道を辿る様になって。ただひたすら安いコストで、外注の番組制作会社に丸投げする形で、ひたすら視聴率稼ぎの、「センセーショナリズム」「安かろう悪かろう」に走る中で、「やらせ」の問題も起こってきたのではないでしょうか。
特に酷いのが、平日昼の主婦層をターゲットにした、後に「!」や「?」をやたら付けた、長ったらしいタイトルの、芸能番組だかニュース番組だかよく分からない番組です。中には延々と、スポーツ新聞の三流記事の解説を、公共の電波でやっているものまである。そんなモン、わざわざ公共の電波を使ってやるものではないと、思うのですが。
本来、マスコミと言うのは、「社会の木鐸」として機能すべきものでしょう。それは一流全国紙であろうと、三流スポーツ新聞であろうと、変わらない筈です。但し、対象とする読者層が自ずと違うので、大事なニュースを伝えるのに、逆に三流紙の方こそ、「必ずしも分かりやすい事柄ばかりとは限らないが、それでも知っておかなければならない大事なニュースを、ポイントを外す事無く、分かりやすく伝える」工夫と努力が、一流紙以上に求められなければならない筈です。本来であれば。
ところが実際は逆で、全国放送がわざわざ公共の電波を使って三流スポーツ新聞の解説をやっているのを見ても分かる様に、一流紙が三流の後塵を拝するが体たらくとなってしまっているのが、現状ではないですか。
その結果、「こんなニュースばかりなら一層の事見ないほうがマシ」という事で、それがやがて転じて、「こんな政治家ばかりなら投票に行くだけムダ」という事になっているのが、日本の政治ではないでしょうか。正に政府・財界の思う壺というか。
日本や欧米諸国では、「政治の右傾化・保守化」が叫ばれて久しいですが、更に憂慮すべきなのは、長年に渡るマスコミの世論操作によって、単なる「右傾化・保守化」に止まらず、「パロディ化・白痴化」とも言うべき政治状況にまで、立ち至っている事ではないでしょうか。
そうでも考えなければ、アフリカが大陸の名前か国の名前か町の名前かも分からない様なバカウヨ女が、アラスカ州知事から副大統領候補にまで上り詰める事の出来る米国ネオコン政治の体たらくや、「太平洋戦争開戦は日本を陥れようとする米国の謀略だった」と盛んに言い募りながら、現代の米国発謀略戦とも言えるイラク戦争への加担については平気で居直る、田母神某のトンデモ雑文が大手を振ってまかり通ったり、これだけ格差社会の弊害が誰の目にも顕になっても、未だに小泉純一郎や橋下徹などの新自由主義デマゴーグが人気を博し、自己責任論が蔓延る日本国内政治の異常さが、何故生まれてきたのか、説明が付きません。単に「ベルリンの壁崩壊や北朝鮮・拉致問題顕在化によって世論の右傾化・反動化が促された」といった捉え方だけでは、説明が付かない部分がある。
こんな状況にまともに対抗していくには、「草なぎ逮捕が警察国家化への道だ」という事はきちんと押さえつつも、徒に相手の土俵に乗って同じ様にキイキイ叫ぶのではなく、「そんな土俵は贋物で、本物の土俵は寧ろこちらにある」という事を、何度も何度も繰り返し言っていくしか無いのではないかと、私は思うのですが。
ネオナチが得意げにアップしたヘイト・デモの動画
先日、拙ブログでも取り上げた「在特会」なるネオナチ集団による在日外国人虐めに対して、左右を問わず各方面から、抗議の声が当該集団に寄せられつつあります。そう、文字通り「左右を問わず」です。私の所の様な左派・リベラル系ブログだけでなく、まじめな右派・保守派からも、あの集団に対して、激烈な抗議の声が寄せられ始めているのです。例えば下記の如くに(追記有り)。
・13歳の少女にデモをしかける人たち(喜八ログ)
http://kihachin.net/klog/archives/2009/04/warabi_demo.html
・「きれいごと主張」、「奇麗事保守」批判を考える(凪論)
http://blog.livedoor.jp/patriotism_japan/archives/51496276.html
・カルデロン一家へのデモに嘆く(しあわせのかたち)
http://d.hatena.ne.jp/sho_ta/20090414/1239715505
・Youtube「カルデロン一家追い出せデモ 蕨市わらびし」の文章(電脳補完録)
http://nyt.trycomp.com/modules/news/article.php?storyid=7942
・在特会のカルデロン一家へのデモ(K3 The Alternative)※注:在特会・元副会長のブログ
http://d.hatena.ne.jp/k3alt/20090414/1239710812
上記に挙げたブログが、必ずしも「右派・保守系」であるかどうかは議論の分かれる所でしょうが、少なくとも、私の所よりは若干スタンスが「右寄り」なのは確かでしょう。しかし、そういうブログでも(或いは、そういうブログだからこそ、なのかも)、今回のネオナチどもの嫌がらせには、押しなべて非難の声を上げておられるのです。
そりゃあ、そうでしょう。今回ネオナチによるバッシングのターゲットにされたカルデロンのり子さんは、13歳の中学1年生。何と、北朝鮮工作員に拉致された当時の横田めぐみさんとも、奇しくも同じ年齢なのです。拉致とバッシング、それぞれ加えられた危害の様態は違えども、「在特会」も、北朝鮮工作員と同じ様な行為をやってのけたのですから。これが、家族愛や郷土愛といった価値に、我々以上に敏感な「奇麗事保守」の、逆鱗に触れない筈がありません。
実際に、今回の事で、懇意にしている「救う会」支援者にも、「この度の事をどう思うのか」「こんな事をしでかす人物を、依然として地方幹部や活動家として多数抱えている様では、幾ら拉致問題や北朝鮮・中国・東アジアの人道・人権を云々した所で、誰が耳を貸すでしょうか」と、メールで率直に疑問をぶつけさせて貰った所、豈図らんや、その方はもうとっくに、このネオナチ集団を懲らしめるべく行動中で、逆に「お前の方こそ動きが鈍いのではないか」と言外に言われる有様で、私の方が気恥ずかしくなった位でした。
そういう動きが広がって来るにつれて、くだんのネオナチ団体が、次第に言い訳に回り始めています。その言い訳というのが下記の内容ですが、はっきり言って、全然言い訳になっていません。これでは、却って墓穴を掘る結果になっているのでは、とすら思えてきます。
・2009年4月18日(土曜日) どちらが卑劣なのか(在特会ブログ)
http://www.zaitokukai.com/modules/wordpress/
>そもそも何故カルデロン・ノリコが可哀想な存在になったのか、考えてみれば、カルデロン一家を支援する反日左翼と悪徳弁護士の連中がノリコを使って裁判闘争や政治闘争を仕掛けたからではないでしょうか。
>子供が言論活動の最前線に出てきたらその子供が批判の的になるかもしれない事は、支援者の側も最初からわかっていた事です。しかも、今回はカルデロン一家が自分達の権利の拡張を主張していた訳で、そんな事すれば他人の権利とぶつかり合って、必ず反論が出てきます。そこに子供を巻き込んだらどうなるかも、周りの大人はわかっていて、あえてノリコを使ってきた訳です。本来ならば、子供はそのような批判の的から保護されなければなりません。(以上、奴らの言い訳・その1)
何か、カルデロンさんたちの方から、先に喧嘩を吹っかけてきたかの様な物言いですね。まるで、悪いのはカルデロン一家であって、自分たちこそ被害者だと言わんばかりの様な感じで。
しかし、「カルデロン一家の主張が他人の権利主張とぶつかり合って」云々と言うのは勝手ですが、そんなモノはあくまで「在特会の理屈」でしかない。そんな、自分たちの身内にしか通用しない理屈を振りかざして、被害・加害の関係を逆転させ、白を黒と言い包めるとは。
これは、右翼ファシストがよく使う手ですね。大は、戦前の満州事変・盧溝橋事件勃発の責任を中国側に擦り付けた例から、身近な小さい範囲では、かつて拉致板の論理を外の掲示板にまで強要してきた「ラ帝・勝共豚」や、一方的に暴力を振るっておいて恰もこちらに非があるかの様に言い為した「森のキチガイ」の言い草に至るまで、枚挙に暇がありません。
こんなモノは、虐めが発覚した時に、虐めっ子が「虐められる方も悪い」と言って、自らの虐め行為を正当化する、子供レベルの詭弁でしかありません。虐めや暴力は、その原因を幾ら云々しようとも、免罪する事は出来ません。何故ならば、それ自体が人権侵害の犯罪行為なのですから。
>不法入国・不法在留・不法就労というのは、(在特会の)桜井会長も言っておりますように、悪質な犯罪であります。そして、同時に、深刻な人権問題です。国際社会は協力して不法入国・不法在留・不法就労のビジネスを根絶しなければなりません。そのためにすべての移住労働者とその家族の権利保護に関する条約があり、その前文に不正規な移住を行わせないようにすべき旨が書かれております。問題は不法入国・不法在留・不法就労のビジネスが犯罪者から犯罪者に継承されている事で、私達はこの悪の連鎖を何としても絶たなければなりません。
>可哀想を演出しているノリコに同情し、カルデロン一家のゴネ得を通してしまえば、本当に悲惨な不法入国・不法在留・不法就労の人を増やしてしまう結果となり、もっと可哀想な子供がもっともっと多く生み出される結果になります。(以上、奴らの言い訳・その2)
さも、移住労働者の置かれた境遇を心配してやっているかの様な素振りをとっていますが、そんなモノは全て「後付の理屈」による「為にする行為」でしかありません。
「深刻な人権問題」?「移住労働者の権利保護」だって?はて、そんな事、今まで「在特会」が主張した事があったでしょうか?
普段は「3K労働の穴埋め・沈め石」として体よくこき使われながら、何かある度に「ガス抜きのスケープゴート」に仕立て上げられてきたのが、これらの在日外国人・移住労働者だった訳ですが、それに対して「在特会」が、帝国主義やグローバリゼーションの非を詰り、第三世界連帯や公正経済、フェアトレードを唱えたりした事が、一度でもあったでしょうか?
否ですね。過去も現在も未来も、ひたすら「帝国主義の手先」「資本主義の用心棒」「新自由主義の補完物」として、移住労働者・在日外国人を、「犯罪の温床」だの何だのと貶めて、バッシングしてきただけだった癖に。それを今頃になって何を言うか。盗人猛々しいにも程がある。そんな事は、奴らが今まで散々得意げにアップしてきたユーチューブの動画を見れば、直ぐに分かる。
これも、古くは、第二次大戦中に、天然資源強奪の為に、東南アジアにまで戦火を広げておきながら、国際世論を欺く為に、後付で「アジアの解放」だの「大東亜共栄圏」だの言って屁理屈こね回した例から、現代における、人間使い捨ての派遣労働法改悪を、恰も労働者側のニーズや要望に因るものだと言い為す政府・財界の詭弁に至るまで、枚挙に暇がありません。
この例を見ても分かる様に、彼の人たちの「論理」というのは、全然「論理」になっていない=理屈が通っていない、ただの「揚げ足取り」でしかありません。そりゃあ、そうでしょう。こいつらは、元々は匿名のインターネットで、同類相食むで傷口舐めあう仲でしかなかったネットウヨク・嫌韓厨が、ネットだけでは次第に飽き足らなくなって、ネットと実在世界との区別もつかなくなって、世に彷徨い出てきただけなのですから。
こんな「揚げ足取り」を、「言論の自由」の名の下に合理化する事なぞ、到底許されません。他者の「言論の自由」「内心の自由」を侵害する「自由」、「人権侵害の自由」「差別の自由」なぞは、何処にもありません。
少なくとも欧米諸国では、ネオナチやKKK如きなぞ、全て「人権の敵」として、殲滅の対象でしか無いのです。ネオナチやKKKにまで市民権を与え、言いたい放題、やりたい放題させている国は、先進国では日本ぐらいのものです。「ノー・パサラン!」(「奴らを通すな!」という意味の、スペイン戦争当時の反ファシズム・スローガン)
先日、拙ブログでも取り上げた「在特会」なるネオナチ集団による在日外国人虐めに対して、左右を問わず各方面から、抗議の声が当該集団に寄せられつつあります。そう、文字通り「左右を問わず」です。私の所の様な左派・リベラル系ブログだけでなく、まじめな右派・保守派からも、あの集団に対して、激烈な抗議の声が寄せられ始めているのです。例えば下記の如くに(追記有り)。
・13歳の少女にデモをしかける人たち(喜八ログ)
http://kihachin.net/klog/archives/2009/04/warabi_demo.html
・「きれいごと主張」、「奇麗事保守」批判を考える(凪論)
http://blog.livedoor.jp/patriotism_japan/archives/51496276.html
・カルデロン一家へのデモに嘆く(しあわせのかたち)
http://d.hatena.ne.jp/sho_ta/20090414/1239715505
・Youtube「カルデロン一家追い出せデモ 蕨市わらびし」の文章(電脳補完録)
http://nyt.trycomp.com/modules/news/article.php?storyid=7942
・在特会のカルデロン一家へのデモ(K3 The Alternative)※注:在特会・元副会長のブログ
http://d.hatena.ne.jp/k3alt/20090414/1239710812
上記に挙げたブログが、必ずしも「右派・保守系」であるかどうかは議論の分かれる所でしょうが、少なくとも、私の所よりは若干スタンスが「右寄り」なのは確かでしょう。しかし、そういうブログでも(或いは、そういうブログだからこそ、なのかも)、今回のネオナチどもの嫌がらせには、押しなべて非難の声を上げておられるのです。
そりゃあ、そうでしょう。今回ネオナチによるバッシングのターゲットにされたカルデロンのり子さんは、13歳の中学1年生。何と、北朝鮮工作員に拉致された当時の横田めぐみさんとも、奇しくも同じ年齢なのです。拉致とバッシング、それぞれ加えられた危害の様態は違えども、「在特会」も、北朝鮮工作員と同じ様な行為をやってのけたのですから。これが、家族愛や郷土愛といった価値に、我々以上に敏感な「奇麗事保守」の、逆鱗に触れない筈がありません。
実際に、今回の事で、懇意にしている「救う会」支援者にも、「この度の事をどう思うのか」「こんな事をしでかす人物を、依然として地方幹部や活動家として多数抱えている様では、幾ら拉致問題や北朝鮮・中国・東アジアの人道・人権を云々した所で、誰が耳を貸すでしょうか」と、メールで率直に疑問をぶつけさせて貰った所、豈図らんや、その方はもうとっくに、このネオナチ集団を懲らしめるべく行動中で、逆に「お前の方こそ動きが鈍いのではないか」と言外に言われる有様で、私の方が気恥ずかしくなった位でした。
そういう動きが広がって来るにつれて、くだんのネオナチ団体が、次第に言い訳に回り始めています。その言い訳というのが下記の内容ですが、はっきり言って、全然言い訳になっていません。これでは、却って墓穴を掘る結果になっているのでは、とすら思えてきます。
・2009年4月18日(土曜日) どちらが卑劣なのか(在特会ブログ)
http://www.zaitokukai.com/modules/wordpress/
>そもそも何故カルデロン・ノリコが可哀想な存在になったのか、考えてみれば、カルデロン一家を支援する反日左翼と悪徳弁護士の連中がノリコを使って裁判闘争や政治闘争を仕掛けたからではないでしょうか。
>子供が言論活動の最前線に出てきたらその子供が批判の的になるかもしれない事は、支援者の側も最初からわかっていた事です。しかも、今回はカルデロン一家が自分達の権利の拡張を主張していた訳で、そんな事すれば他人の権利とぶつかり合って、必ず反論が出てきます。そこに子供を巻き込んだらどうなるかも、周りの大人はわかっていて、あえてノリコを使ってきた訳です。本来ならば、子供はそのような批判の的から保護されなければなりません。(以上、奴らの言い訳・その1)
何か、カルデロンさんたちの方から、先に喧嘩を吹っかけてきたかの様な物言いですね。まるで、悪いのはカルデロン一家であって、自分たちこそ被害者だと言わんばかりの様な感じで。
しかし、「カルデロン一家の主張が他人の権利主張とぶつかり合って」云々と言うのは勝手ですが、そんなモノはあくまで「在特会の理屈」でしかない。そんな、自分たちの身内にしか通用しない理屈を振りかざして、被害・加害の関係を逆転させ、白を黒と言い包めるとは。
これは、右翼ファシストがよく使う手ですね。大は、戦前の満州事変・盧溝橋事件勃発の責任を中国側に擦り付けた例から、身近な小さい範囲では、かつて拉致板の論理を外の掲示板にまで強要してきた「ラ帝・勝共豚」や、一方的に暴力を振るっておいて恰もこちらに非があるかの様に言い為した「森のキチガイ」の言い草に至るまで、枚挙に暇がありません。
こんなモノは、虐めが発覚した時に、虐めっ子が「虐められる方も悪い」と言って、自らの虐め行為を正当化する、子供レベルの詭弁でしかありません。虐めや暴力は、その原因を幾ら云々しようとも、免罪する事は出来ません。何故ならば、それ自体が人権侵害の犯罪行為なのですから。
>不法入国・不法在留・不法就労というのは、(在特会の)桜井会長も言っておりますように、悪質な犯罪であります。そして、同時に、深刻な人権問題です。国際社会は協力して不法入国・不法在留・不法就労のビジネスを根絶しなければなりません。そのためにすべての移住労働者とその家族の権利保護に関する条約があり、その前文に不正規な移住を行わせないようにすべき旨が書かれております。問題は不法入国・不法在留・不法就労のビジネスが犯罪者から犯罪者に継承されている事で、私達はこの悪の連鎖を何としても絶たなければなりません。
>可哀想を演出しているノリコに同情し、カルデロン一家のゴネ得を通してしまえば、本当に悲惨な不法入国・不法在留・不法就労の人を増やしてしまう結果となり、もっと可哀想な子供がもっともっと多く生み出される結果になります。(以上、奴らの言い訳・その2)
さも、移住労働者の置かれた境遇を心配してやっているかの様な素振りをとっていますが、そんなモノは全て「後付の理屈」による「為にする行為」でしかありません。
「深刻な人権問題」?「移住労働者の権利保護」だって?はて、そんな事、今まで「在特会」が主張した事があったでしょうか?
普段は「3K労働の穴埋め・沈め石」として体よくこき使われながら、何かある度に「ガス抜きのスケープゴート」に仕立て上げられてきたのが、これらの在日外国人・移住労働者だった訳ですが、それに対して「在特会」が、帝国主義やグローバリゼーションの非を詰り、第三世界連帯や公正経済、フェアトレードを唱えたりした事が、一度でもあったでしょうか?
否ですね。過去も現在も未来も、ひたすら「帝国主義の手先」「資本主義の用心棒」「新自由主義の補完物」として、移住労働者・在日外国人を、「犯罪の温床」だの何だのと貶めて、バッシングしてきただけだった癖に。それを今頃になって何を言うか。盗人猛々しいにも程がある。そんな事は、奴らが今まで散々得意げにアップしてきたユーチューブの動画を見れば、直ぐに分かる。
これも、古くは、第二次大戦中に、天然資源強奪の為に、東南アジアにまで戦火を広げておきながら、国際世論を欺く為に、後付で「アジアの解放」だの「大東亜共栄圏」だの言って屁理屈こね回した例から、現代における、人間使い捨ての派遣労働法改悪を、恰も労働者側のニーズや要望に因るものだと言い為す政府・財界の詭弁に至るまで、枚挙に暇がありません。
この例を見ても分かる様に、彼の人たちの「論理」というのは、全然「論理」になっていない=理屈が通っていない、ただの「揚げ足取り」でしかありません。そりゃあ、そうでしょう。こいつらは、元々は匿名のインターネットで、同類相食むで傷口舐めあう仲でしかなかったネットウヨク・嫌韓厨が、ネットだけでは次第に飽き足らなくなって、ネットと実在世界との区別もつかなくなって、世に彷徨い出てきただけなのですから。
こんな「揚げ足取り」を、「言論の自由」の名の下に合理化する事なぞ、到底許されません。他者の「言論の自由」「内心の自由」を侵害する「自由」、「人権侵害の自由」「差別の自由」なぞは、何処にもありません。
少なくとも欧米諸国では、ネオナチやKKK如きなぞ、全て「人権の敵」として、殲滅の対象でしか無いのです。ネオナチやKKKにまで市民権を与え、言いたい放題、やりたい放題させている国は、先進国では日本ぐらいのものです。「ノー・パサラン!」(「奴らを通すな!」という意味の、スペイン戦争当時の反ファシズム・スローガン)
今回は余りにも低レベルの話題なので、エントリーも軽めに済ませます。本当は取り上げる価値も無いニュースなのですが、それでも、如何にミエミエの提灯記事と言えども、そんな記事にも騙される人が依然として後を絶たないので。
・麻生さん「ガハハ」上機嫌、バー通い復活…側近は失言警戒(読売新聞)
>小沢民主党代表の資金管理団体を巡る政治資金規正法違反事件の影響で、自民党内に吹き荒れた「麻生降ろし」がほぼ収束したことや、内閣支持率の回復に気を良くしているようだ。首相に近い議員からは「いい気になり過ぎて、失言が心配だ」と懸念する声も出ている。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090418-00000758-yom-pol
・民主敵失で「麻生離れ」一服=不支持、なお高水準-時事世論調査(時事通信)
>首相周辺は十七日、内閣支持率が持ち直したことについて「定額給付金の支給と高速道路料金の値下げが浸透した」と分析。一方、自民党幹部は「第一に小沢問題、第二に北朝鮮のミサイル発射だ」として、民主党の小沢一郎代表の進退問題がくすぶり、同党への期待が後退したことが影響したとの見方を示した。
http://www.jiji.com/jc/zc?k=200904/2009041700846&rel=y&g=pol
麻生も自民党も今までと何も変わっていないのに、単に「小沢問題」といった敵失や、「北朝鮮のミサイル発射」といった偶然に助けられた形で、定額給付金・高速道路料金値下げといった子供だましのバラマキや、軍需産業の金儲けの為の「ミサイル防衛」扇動にも簡単に靡いてしまうようなミーハーB層が、「あんな人物や党でも支持するしかないか」という形で、しょうことなしに(注:「仕方なく」という意味合いの大阪弁)、一時的に支持に回っただけなのに。
それを、お花見会場で「ガハハ上機嫌」だの「バー通い復活」だのと、何を浮かれているのだが。「内閣支持率が25%まで回復」にしても、不支持率は依然としてその倍以上もあるのに。
高校の定期考査で、それまで10点や15点しか取れずに、このままでは赤点・留年確実な生徒が、「今度は25点も取れた」とはしゃぎ回っているのと、全く同じでw。逆に、「今までの成績がどれほど酷いものだったか」や、「国民の生活苦も顧みず、ひたすら自身の人気取りの為に、バラマキに汲々としている醜い姿」が、より一層引き立つ結果になってしまっている事にも気が付かず。
・麻生さん「ガハハ」上機嫌、バー通い復活…側近は失言警戒(読売新聞)
>小沢民主党代表の資金管理団体を巡る政治資金規正法違反事件の影響で、自民党内に吹き荒れた「麻生降ろし」がほぼ収束したことや、内閣支持率の回復に気を良くしているようだ。首相に近い議員からは「いい気になり過ぎて、失言が心配だ」と懸念する声も出ている。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090418-00000758-yom-pol
・民主敵失で「麻生離れ」一服=不支持、なお高水準-時事世論調査(時事通信)
>首相周辺は十七日、内閣支持率が持ち直したことについて「定額給付金の支給と高速道路料金の値下げが浸透した」と分析。一方、自民党幹部は「第一に小沢問題、第二に北朝鮮のミサイル発射だ」として、民主党の小沢一郎代表の進退問題がくすぶり、同党への期待が後退したことが影響したとの見方を示した。
http://www.jiji.com/jc/zc?k=200904/2009041700846&rel=y&g=pol
麻生も自民党も今までと何も変わっていないのに、単に「小沢問題」といった敵失や、「北朝鮮のミサイル発射」といった偶然に助けられた形で、定額給付金・高速道路料金値下げといった子供だましのバラマキや、軍需産業の金儲けの為の「ミサイル防衛」扇動にも簡単に靡いてしまうようなミーハーB層が、「あんな人物や党でも支持するしかないか」という形で、しょうことなしに(注:「仕方なく」という意味合いの大阪弁)、一時的に支持に回っただけなのに。
それを、お花見会場で「ガハハ上機嫌」だの「バー通い復活」だのと、何を浮かれているのだが。「内閣支持率が25%まで回復」にしても、不支持率は依然としてその倍以上もあるのに。
高校の定期考査で、それまで10点や15点しか取れずに、このままでは赤点・留年確実な生徒が、「今度は25点も取れた」とはしゃぎ回っているのと、全く同じでw。逆に、「今までの成績がどれほど酷いものだったか」や、「国民の生活苦も顧みず、ひたすら自身の人気取りの為に、バラマキに汲々としている醜い姿」が、より一層引き立つ結果になってしまっている事にも気が付かず。
在特会国民大行進 小学校前「追い出しデモ」
・「娘1人で残留」=フィリピン一家、入管に回答-強制退去問題(時事通信)
http://www.jiji.com/jc/zc?k=200903/2009031300705&rel=j&g=soc
・カルデロン・アラン・クルズ一家に在留特別許可を!
http://blog.goo.ne.jp/izumibashilaw
http://blog.goo.ne.jp/izumibashilaw/e/79205ba093cc070798b5e603c4b39c49
・カルデロン家3人と友人達の願い「日本で暮らし続けたい」埼玉県蕨市(JANJAN)
http://www.news.janjan.jp/living/0811/0811270365/1.php
・カルデロン一家に在留特別許可を(村野瀬玲奈の秘書課広報室)
http://muranoserena.blog91.fc2.com/blog-entry-1002.html
・「カルデロン・比一家」国外退去(せと弘幸blog「日本よ何処へ」)
http://blog.livedoor.jp/the_radical_right/archives/52167035.html
・ 【報告】犯罪外国人・犯罪助長メディアを許さない国民大行進 in 蕨市(在日特権を許さない市民の会)
http://www.zaitokukai.com/modules/news/article.php?storyid=221
・西村修平・瀬戸弘幸一派の財布係こと増木重夫が逮捕された。(C.I.L)
http://ameblo.jp/oharan/entry-10237144013.html
・真の多民族多文化共生社会を目指して(難キ連サポーターズ)
http://nankiren.squares.net/?p=283
・速報 : 蕨の「外国人排除デモ」に反対する行動で逮捕者!(レイバーネット日本)
http://www.labornetjp.org/news/2009/1239441848168staff01
・外国人追い出しデモ反対行動救援会
http://d.hatena.ne.jp/oidashino/
遅まきながら、カルデロンさん一家の問題と、一家に嫌がらせをしている在特会(在日特権を許さない市民の会)なるネオナチ集団の蛮行について。
はっきり言って、私は今、ものすごく怒っています。一つは、彼奴らの蛮行に対して。もう一つは、こんな蛮行を見過ごしてきた己の無知について。同じ日本人として、恥ずかしい限りです。
カルデロンさん一家のニュースについては、私も、うろ覚えながらも、知ってはいました。
カルデロンさんという在日フィリピン人の一家がいる。親は数十年前に不法入国したが、今は職も得て税金も払っている。そこで改めて正規の入国手続きをしようとしていた矢先に、親が入管法違反で捕まった。普通なら強制送還されて終わりなのだが、そこで子供の処遇が問題となった。その一家には「のり子」さんという中学生の女の子がいる。彼女は日本で生まれ育ったので、日本語しか知らない。このまま親と一緒にフィリピンに強制送還されても、母国の言葉を知らないので、生きていく術がない。かといって、子供だけ日本に置き去りにするのも、人として忍び難い。さて、どうしたものか・・・その程度の認識でした。
だから、右翼がこの問題で執拗に騒ぎ立てている事を、聞き及んだ段階においても、「嫌な動きだなあ」と思いながらも、また一方では、「不正入国だから仕方が無いのかな」という思いも、正直言って、心の片隅にありました。
しかし、やがて、その右翼の蛮行が、単なるネットでの差別落書きだけに止まらず、実際に、特定個人、それもいたいけな女子中学生を狙って、彼女が卒業した小学校や、今も通学している中学校の門前まで押しかけての嫌がらせにまでエスカレートするに及んで、流石に黙ってはいられなくなりました。そこで、遅まきながら、この問題についても、改めて一から勉強をし直し始めている所です。
カルデロンさん一家の国外追放を叫びたてる輩の主張というのは、有体に言えば「カルデロンは不正入国者だから」というものです。「犯罪外国人は日本から出て行け」というのが、これらの輩の言い分です。
しかし、幾ら「不正」だの「犯罪」だの言い募っても、その様態はピンからキリまであります。大はオウム真理教による地下鉄サリン事件から、小は食い詰めてのコンビニ強盗や万引きまで、その背景も様態も様々です。その様な、情状酌量の余地が殆ど無いものから、多分にあるものまでを、十把一絡げに一緒くたにして、「犯罪者だから出て行け」というのが、果たしてまともな主張なのでしょうか。
確かに、たとえ盗んだのがオニギリ1個だったとしても、犯罪は犯罪です。しかし、その人がどういう理由で、そこまで追い詰められたのか、派遣切りにあって不当解雇され寮も追い出された末の犯行なのか、或いは、単なる出来心やゲーム感覚での犯罪なのか、その内容によって、犯罪の性質はがらりと変わってきます。それを抜きにして、バカの一つ覚えみたいに「犯罪者だから」と言い募るだけの「議論」は、凡そ議論の名に値しないと思います。
そんな「議論」なぞ、私から見たら、単なる「弱いもの虐め」の口実に、「犯罪者」云々を言い立てているだけだとしか思えません。「民」とか「朝鮮人」とか言う代わりに、「犯罪者」云々を言い立てているだけにしか過ぎません。極端に言えば、ただ己たちの日頃の鬱憤晴らしの為に、差別や虐めをしたいだけであって、口実は何だって良い訳です。
このカルデロンさん一家の場合にしても同じです。一家の国外追放を叫ぶ輩は、二言目には「不正入国」を問題にしますが、では何故そこまでしてまで日本に入国せざるを得なかったのかは、一切不問にしたままです。暴力団の一味として麻薬密輸に手を染めていたのか、或いは、母国のフィリピンには職らしい職もなく、食い詰めて、やむを得ず日本に入国しようとしたのか。
若し後者が原因であるならば、フィリピンが何故貧困なのか、当事国の政策によるものか、援助国としての日本には一切責任は無いのか。そこまで見なければ、問題は解決しません。若し前者の場合だったとしても、失業や低賃金労働が蔓延する中で、それを食い物にする日本の暴力団の餌食にされた訳で、謂わば、先進国による第三世界搾取の、もっとも醜悪な姿がそこに現れていると、言えなくもない。
凡そ、そういう問題を一切抜きにして、幾ら「不正」だの「犯罪者」だの言い募られても、ただの「煽り」としか思えません。
そして、仮に百歩譲って、心ならずも、そういう「不正」なり「犯罪」に少しでも手を染めていたとしても、今は犯罪組織とは一切無関係に、正式に在住申請をしようとしていた外国人に、幾らなんでもこの仕打ちは無いだろうと、私は思うのですが。
また、この在日外国人追放を言い立てている「在特会」や「主権回復を目指す会」には、「救う会」地方組織の幹部や熱心な会員も多数おられる訳ですが、そういう人は、横田めぐみ拉致事件解明に決定的役割を果たした金賢姫・元死刑囚や、安明進・元北朝鮮工作員については、一体どう評価しているのでしょうか。
少なくとも、「犯罪外国人は日本から出て行け」という論理に立脚する限り、大韓航空機爆破テロ実行犯だった金賢姫・元死刑囚や、韓国で麻薬所持容疑で逮捕された安明進・元工作員についても、「今後は日本入国一切まかりならぬ」という対応をしなければ、ダブル・スタンダードになってしまいます。如何に、彼女の犯行が北朝鮮の洗脳に因るものであり、彼の行為が生活困窮の末の犯罪であったとしても、「犯罪者」には違いないのですから。
しかし、そんな事まで言いだしたら、凡そ北朝鮮難民の救援なぞ、一切出来なくなってしまいます。この活動も、場合によってはブローカーと金銭取引をしてでも、脱北者を救い出ださなければならない、そういう活動なのですから。とても、上辺だけの道徳や奇麗事だけでは済まない、そういう事例に対してまで、十把一絡げに一緒くたにして、一律に「犯罪者だから出て行け」という、彼の輩こそが、実は金正日体制を裏から支えている「護金派」(金正日サポーターを揶揄した拙ブログ読者の造語)ではないでしょうか。
そんな「反人権」のネオナチ・民間ファシストが、幾ら北朝鮮や中国の「人権問題」を言い募っても、私からすれば、「」「在日」「犯罪者」叩きと同じノリで、単にバッシングの口実として、彼の国々の「人権問題」を言い募っているだけにしか見えないですが。若し、今とは逆に、第二次大戦で日本が中国に勝利していたとしたら、恐らく、今頃はこういう輩が、今の中国共産党政府以上の弾圧を、チベット人民に加えている事でしょう。
当該の輩がどう言い繕うと、それはただの「嫌がらせ」でしかない。そんな犯罪行為を、「言論の自由」なぞと言い包める行為を、到底許す事は出来ない。
・「娘1人で残留」=フィリピン一家、入管に回答-強制退去問題(時事通信)
http://www.jiji.com/jc/zc?k=200903/2009031300705&rel=j&g=soc
・カルデロン・アラン・クルズ一家に在留特別許可を!
http://blog.goo.ne.jp/izumibashilaw
http://blog.goo.ne.jp/izumibashilaw/e/79205ba093cc070798b5e603c4b39c49
・カルデロン家3人と友人達の願い「日本で暮らし続けたい」埼玉県蕨市(JANJAN)
http://www.news.janjan.jp/living/0811/0811270365/1.php
・カルデロン一家に在留特別許可を(村野瀬玲奈の秘書課広報室)
http://muranoserena.blog91.fc2.com/blog-entry-1002.html
・「カルデロン・比一家」国外退去(せと弘幸blog「日本よ何処へ」)
http://blog.livedoor.jp/the_radical_right/archives/52167035.html
・ 【報告】犯罪外国人・犯罪助長メディアを許さない国民大行進 in 蕨市(在日特権を許さない市民の会)
http://www.zaitokukai.com/modules/news/article.php?storyid=221
・西村修平・瀬戸弘幸一派の財布係こと増木重夫が逮捕された。(C.I.L)
http://ameblo.jp/oharan/entry-10237144013.html
・真の多民族多文化共生社会を目指して(難キ連サポーターズ)
http://nankiren.squares.net/?p=283
・速報 : 蕨の「外国人排除デモ」に反対する行動で逮捕者!(レイバーネット日本)
http://www.labornetjp.org/news/2009/1239441848168staff01
・外国人追い出しデモ反対行動救援会
http://d.hatena.ne.jp/oidashino/
遅まきながら、カルデロンさん一家の問題と、一家に嫌がらせをしている在特会(在日特権を許さない市民の会)なるネオナチ集団の蛮行について。
はっきり言って、私は今、ものすごく怒っています。一つは、彼奴らの蛮行に対して。もう一つは、こんな蛮行を見過ごしてきた己の無知について。同じ日本人として、恥ずかしい限りです。
カルデロンさん一家のニュースについては、私も、うろ覚えながらも、知ってはいました。
カルデロンさんという在日フィリピン人の一家がいる。親は数十年前に不法入国したが、今は職も得て税金も払っている。そこで改めて正規の入国手続きをしようとしていた矢先に、親が入管法違反で捕まった。普通なら強制送還されて終わりなのだが、そこで子供の処遇が問題となった。その一家には「のり子」さんという中学生の女の子がいる。彼女は日本で生まれ育ったので、日本語しか知らない。このまま親と一緒にフィリピンに強制送還されても、母国の言葉を知らないので、生きていく術がない。かといって、子供だけ日本に置き去りにするのも、人として忍び難い。さて、どうしたものか・・・その程度の認識でした。
だから、右翼がこの問題で執拗に騒ぎ立てている事を、聞き及んだ段階においても、「嫌な動きだなあ」と思いながらも、また一方では、「不正入国だから仕方が無いのかな」という思いも、正直言って、心の片隅にありました。
しかし、やがて、その右翼の蛮行が、単なるネットでの差別落書きだけに止まらず、実際に、特定個人、それもいたいけな女子中学生を狙って、彼女が卒業した小学校や、今も通学している中学校の門前まで押しかけての嫌がらせにまでエスカレートするに及んで、流石に黙ってはいられなくなりました。そこで、遅まきながら、この問題についても、改めて一から勉強をし直し始めている所です。
カルデロンさん一家の国外追放を叫びたてる輩の主張というのは、有体に言えば「カルデロンは不正入国者だから」というものです。「犯罪外国人は日本から出て行け」というのが、これらの輩の言い分です。
しかし、幾ら「不正」だの「犯罪」だの言い募っても、その様態はピンからキリまであります。大はオウム真理教による地下鉄サリン事件から、小は食い詰めてのコンビニ強盗や万引きまで、その背景も様態も様々です。その様な、情状酌量の余地が殆ど無いものから、多分にあるものまでを、十把一絡げに一緒くたにして、「犯罪者だから出て行け」というのが、果たしてまともな主張なのでしょうか。
確かに、たとえ盗んだのがオニギリ1個だったとしても、犯罪は犯罪です。しかし、その人がどういう理由で、そこまで追い詰められたのか、派遣切りにあって不当解雇され寮も追い出された末の犯行なのか、或いは、単なる出来心やゲーム感覚での犯罪なのか、その内容によって、犯罪の性質はがらりと変わってきます。それを抜きにして、バカの一つ覚えみたいに「犯罪者だから」と言い募るだけの「議論」は、凡そ議論の名に値しないと思います。
そんな「議論」なぞ、私から見たら、単なる「弱いもの虐め」の口実に、「犯罪者」云々を言い立てているだけだとしか思えません。「民」とか「朝鮮人」とか言う代わりに、「犯罪者」云々を言い立てているだけにしか過ぎません。極端に言えば、ただ己たちの日頃の鬱憤晴らしの為に、差別や虐めをしたいだけであって、口実は何だって良い訳です。
このカルデロンさん一家の場合にしても同じです。一家の国外追放を叫ぶ輩は、二言目には「不正入国」を問題にしますが、では何故そこまでしてまで日本に入国せざるを得なかったのかは、一切不問にしたままです。暴力団の一味として麻薬密輸に手を染めていたのか、或いは、母国のフィリピンには職らしい職もなく、食い詰めて、やむを得ず日本に入国しようとしたのか。
若し後者が原因であるならば、フィリピンが何故貧困なのか、当事国の政策によるものか、援助国としての日本には一切責任は無いのか。そこまで見なければ、問題は解決しません。若し前者の場合だったとしても、失業や低賃金労働が蔓延する中で、それを食い物にする日本の暴力団の餌食にされた訳で、謂わば、先進国による第三世界搾取の、もっとも醜悪な姿がそこに現れていると、言えなくもない。
凡そ、そういう問題を一切抜きにして、幾ら「不正」だの「犯罪者」だの言い募られても、ただの「煽り」としか思えません。
そして、仮に百歩譲って、心ならずも、そういう「不正」なり「犯罪」に少しでも手を染めていたとしても、今は犯罪組織とは一切無関係に、正式に在住申請をしようとしていた外国人に、幾らなんでもこの仕打ちは無いだろうと、私は思うのですが。
また、この在日外国人追放を言い立てている「在特会」や「主権回復を目指す会」には、「救う会」地方組織の幹部や熱心な会員も多数おられる訳ですが、そういう人は、横田めぐみ拉致事件解明に決定的役割を果たした金賢姫・元死刑囚や、安明進・元北朝鮮工作員については、一体どう評価しているのでしょうか。
少なくとも、「犯罪外国人は日本から出て行け」という論理に立脚する限り、大韓航空機爆破テロ実行犯だった金賢姫・元死刑囚や、韓国で麻薬所持容疑で逮捕された安明進・元工作員についても、「今後は日本入国一切まかりならぬ」という対応をしなければ、ダブル・スタンダードになってしまいます。如何に、彼女の犯行が北朝鮮の洗脳に因るものであり、彼の行為が生活困窮の末の犯罪であったとしても、「犯罪者」には違いないのですから。
しかし、そんな事まで言いだしたら、凡そ北朝鮮難民の救援なぞ、一切出来なくなってしまいます。この活動も、場合によってはブローカーと金銭取引をしてでも、脱北者を救い出ださなければならない、そういう活動なのですから。とても、上辺だけの道徳や奇麗事だけでは済まない、そういう事例に対してまで、十把一絡げに一緒くたにして、一律に「犯罪者だから出て行け」という、彼の輩こそが、実は金正日体制を裏から支えている「護金派」(金正日サポーターを揶揄した拙ブログ読者の造語)ではないでしょうか。
そんな「反人権」のネオナチ・民間ファシストが、幾ら北朝鮮や中国の「人権問題」を言い募っても、私からすれば、「」「在日」「犯罪者」叩きと同じノリで、単にバッシングの口実として、彼の国々の「人権問題」を言い募っているだけにしか見えないですが。若し、今とは逆に、第二次大戦で日本が中国に勝利していたとしたら、恐らく、今頃はこういう輩が、今の中国共産党政府以上の弾圧を、チベット人民に加えている事でしょう。
当該の輩がどう言い繕うと、それはただの「嫌がらせ」でしかない。そんな犯罪行為を、「言論の自由」なぞと言い包める行為を、到底許す事は出来ない。
前回エントリーで、バイト先の桜の話題を取り上げたら、無性に桜を見に行きたくなりました。しかし、ただ桜を見に行くだけではつまらない。やはり「鉄ちゃん」としては、「鉄道+桜」でなくては物足りない。そこで、インターネットで幾つかピックアップした中で、最終的に京都・嵐電(らんでん)の「桜のトンネル」に行く事にしました。
嵐電というのは京福電鉄の愛称です。この会社は、元々は嵐山への観光・参詣客輸送を目的に、明治時代に開業した「嵐山電気軌道」という名のチンチン電車が母体で、愛称もそれに由来しています。それが、ほどなく京都電灯という電力会社の傘下に入る事で、電力供給先として福井県にも路線網を広げていく事になりました。「京福」電鉄という社名の由来もそこから来ています。第二次大戦中の戦時統合によって、今の電力会社数社による寡占状態が生まれる前は、こういう全国各地の電力会社によって、都市に電気が供給され、一部には私鉄経営も担われていたのです。
こうして京福電鉄は、一時期は嵐電以外にも、京都では鞍馬線・叡山(えいざん)本線、福井県内にも越前本線・三国芦原線などの鉄道路線を有していました。しかし、その後は紆余曲折を経て、前者は叡山電鉄として、後者は第三セクターのえちぜん鉄道として、いずれも再び京福の手を離れ、今は昔の嵐電の区間(嵐山本線・北野線)だけで鉄道を運行するに至っています。
それなら、社名も旧称に復して愛称とのミスマッチを是正したらというのが、誰しも考える事なのでしょうが、さにあらず。鉄道部門こそ、それぞれ独立したものの、叡山ケーブル・福井バスや、果ては三国競艇に至るまで、他部門では依然として京福電鉄が経営を担っているのです。そういう意味では、現社名でも、それなりに実態を反映しているのでは、という事も言えるのでは。
京福電鉄の鉄道路線図は、記事冒頭写真の「嵐電一日フリー切符」の記載を参照して下さい。四条大宮から嵐山までの路線が嵐山本線で、途中の帷子ノ辻(かたびらのつじ)から分かれて北野白梅町まで走っているのが、支線の北野線です。
フリー切符にも記載されているように、古都故に歴史由来の地名が多い関係で、難読駅名も多く存在します。中には西院(さいいん:阪急/さい:京福)の様に、同じ漢字の乗換駅でありながら、読み方の違うものもあります。
ではその路線網に沿って、下記写真の説明をしていきます。今回も各写真に通し番号を添付した上で、当日の足取り順に沿っての説明となります。また、ただ桜を見に行ってきただけでなく、「鉄オタ・プレカリアート」の視点から、感じたままに、色々と批評を加えさせて貰いました。
(1)西大路三条から蚕ノ社(かいこのやしろ)までの併用区間(道路上を走る)。かつての京都市電も、この様にして走っていたのでしょうか。
(2)北野線、鳴滝・宇多野間にある通称「桜のトンネル」。HPで見る限りでは、恰も桜並木が延々と続いている様に見えますが、実際は僅か200m程の区間でしかない。そこに当日も子供・女性を入れて10人位のパパラッチが、押し合いへし合い写真を撮るものだから、なかなか良いアングルを狙えませんでした。そもそも、携帯なんかで写真を撮っているのは私ぐらいのもので、中には三脚まで持ち込んで本格的に撮っている人もいました。
(3)やっと撮れたワンシーン。当該地点は土手上の緩いカーブの単線区間で、左右交互に電車がやって来ます。電車の接近音に耳をそばだてての撮影となりました。
(4)車両の最後尾から当該区間を撮りました。
(5)「近畿の駅百選」にも選ばれた御室仁和寺(おむろにんなじ)駅。駅名表示は、改称前の御室のままです。世界文化遺産・仁和寺の最寄駅で、多くの観光客が乗降し、臨時改札が設けられていました。
(6)その御室仁和寺駅名で売られていた京福電鉄直営のバーガーショップ。既に昼食は済ませていたのですが、物は試しにと、ここで抹茶入り豚饅もついでに買いました。味はまあまあでしたが、何か、銚子電鉄の濡れ煎餅ブームを上辺だけ真似た感じで、少々インパクトには欠けます。外人観光客も多く、彼の人たちの口にも合うものを、という事で、勢いこの様なメニューになるのも分からなくはないのですが・・・。
(7)嵐山駅のプラットホームに開設されていた足湯。ものすごく賑わっていました。
(8)足湯には売店も併設されており、私はそこで250円の抹茶アイスクリームを買ったのですが。値段の割には量が少な過ぎる!何せカップの大きさがミニスプーン位しか無いのだから。如何にも「ただ売れれば良い」という感じで、一遍に興ざめしてしまいました。
(9)・(10)御室の直営バーガーショップや、足湯で売っていた抹茶アイスの時にも感じたのですが、経営姿勢が何か「中途半端」なのです。
その一例が、この車両編成にも現れています。折角レトロ電車と銘打っておきながら、実際にレトロなのはニ両目(9)だけで、一両目(10)は通常車両。これではインパクトも半減。そして、会社HPに公開された財務諸表を見ても、決して経営に窮している訳ではないのに、未だにパンタグラフではなく、ピューゲルで電車を走らせているという点も、非常に気になりました。
これは、以前の阪堺線の取材の時にも感じた事ですが、会社として「進取の気性」に少々欠ける所があるのでは、という気がしてならないのです。
勿論、嵐山駅の足湯や「はんなり・ほっこりステーション」、レンタサイクルなどの好調に推移している看板事業や、地下鉄東西線延伸に伴う新駅設置(嵐電天神川)、多分に集客を意識した駅名改称(御室→御室仁和寺、太秦→太秦広隆寺)などの、それなりの積極策にも打って出てはいるのですが・・・。それらを支える「百年の大計・ビジョン」が一向に見えて来ないので、折角のそれらの策にも、逆に彌縫策に汲々としているかの印象すら感じてしまいます。
(11)当日午後の、四条大宮発嵐山行き(嵐山本線)電車ニ両目車内の様子。一両目はもっと混雑していた様に思います。
(12)同日午後の、北野白梅町発帷子ノ辻行き(北野線)電車一両目車内の様子。この時はまだこの程度の混雑で収まっていたのですが、この後、御室仁和寺駅からは多くの行楽・観光客が乗り込んできて、一気にラッシュアワー状態に。もはや単線では輸送力に限界があるのでは。
(13)その北野線と比べると、嵐山本線は一応、全線複線なのですが、鉄道設備が全然更新されていないのが、非常に気になります。写真でも明らかな様に、直接吊架式の「ヘロヘロ一本架線」と、木製架線柱というイデタチなのですが、これではまるで、銚子電鉄やかつての野上電鉄と同水準ではないかと。それに、集電装置も未だにピューゲルというのも(70年代の古い雑誌写真を見たら未だポールだった)。今日び、銚子電鉄ですらパンタグラフに更新済だというのに。
寧ろ北野線の方が、単線で架線の磨耗が激しい分、架線は嵐山線の様な「ヘロヘロ一本架線」ではなく、一応シンプル・カテナリー方式(パンタグラフが接触するトロリー線と吊架線の二重構造)に更新されてはいましたが。
しかし、行楽多客期と閑散期の乗客変動を考慮に入れても、北野線が未だに単線という所に、そもそも無理があるのではないでしょうか。
だから、折角の北野白梅町から嵐山まで直通ダイヤを組むなどの融通性のある対応も、GWなどの期間限定で終わってしまい、日常的な取り組みにはなっていないのでは。勿論、その為には、乗換駅である帷子ノ辻駅の配線改良・駅設備のリニューアルや、手狭な西院車庫の拡張にも、早晩着手していかなければいけないと思います。
何故、それらの設備投資や更新が、今まで放置されていたのか、素朴に疑問に思います。公開財務諸表で見る限り、決して、銚子電鉄の様な青息吐息の経営状態ではなく、内部留保もそれなりに在り、少なくとも、設備投資資金が全く捻出できない様な状態では無いと思うのですが。
(14)この後、嵯峨野トロッコ列車にも乗ろうと行ったのですが、既に2時間後はで切符(指定席)は全て売り切れとなっていました。そこで已む無く撮ってきたのが、トロッコ嵯峨駅で展示していた、縮尺1/20での現物トラック列車の模型。トロッコ列車に乗るには、特に多客期の休日には、絶対に予約が必要だと、身に染みて感じました。
(参考資料)
・京福電鉄(嵐電)公式サイト
京阪電鉄グループの大証二部上場会社です。財務状況を見る限りでは、設備投資の余地も充分にあると思います。
http://www.keifuku.co.jp/
・京福電気鉄道の駅(全駅)
「鉄道雑学研究所」サイトの収録ページです。数年前の資料なので、一部の駅名は旧称のままですが、西院車庫の様子や「踏切信号機」の説明をはじめ、沿線施設が詳細に渡って紹介されています。私のつたないルポなぞ、足元にも及びません。
http://ku-gyou.net/shitetsu/eki-rd.html
嵐電というのは京福電鉄の愛称です。この会社は、元々は嵐山への観光・参詣客輸送を目的に、明治時代に開業した「嵐山電気軌道」という名のチンチン電車が母体で、愛称もそれに由来しています。それが、ほどなく京都電灯という電力会社の傘下に入る事で、電力供給先として福井県にも路線網を広げていく事になりました。「京福」電鉄という社名の由来もそこから来ています。第二次大戦中の戦時統合によって、今の電力会社数社による寡占状態が生まれる前は、こういう全国各地の電力会社によって、都市に電気が供給され、一部には私鉄経営も担われていたのです。
こうして京福電鉄は、一時期は嵐電以外にも、京都では鞍馬線・叡山(えいざん)本線、福井県内にも越前本線・三国芦原線などの鉄道路線を有していました。しかし、その後は紆余曲折を経て、前者は叡山電鉄として、後者は第三セクターのえちぜん鉄道として、いずれも再び京福の手を離れ、今は昔の嵐電の区間(嵐山本線・北野線)だけで鉄道を運行するに至っています。
それなら、社名も旧称に復して愛称とのミスマッチを是正したらというのが、誰しも考える事なのでしょうが、さにあらず。鉄道部門こそ、それぞれ独立したものの、叡山ケーブル・福井バスや、果ては三国競艇に至るまで、他部門では依然として京福電鉄が経営を担っているのです。そういう意味では、現社名でも、それなりに実態を反映しているのでは、という事も言えるのでは。
京福電鉄の鉄道路線図は、記事冒頭写真の「嵐電一日フリー切符」の記載を参照して下さい。四条大宮から嵐山までの路線が嵐山本線で、途中の帷子ノ辻(かたびらのつじ)から分かれて北野白梅町まで走っているのが、支線の北野線です。
フリー切符にも記載されているように、古都故に歴史由来の地名が多い関係で、難読駅名も多く存在します。中には西院(さいいん:阪急/さい:京福)の様に、同じ漢字の乗換駅でありながら、読み方の違うものもあります。
ではその路線網に沿って、下記写真の説明をしていきます。今回も各写真に通し番号を添付した上で、当日の足取り順に沿っての説明となります。また、ただ桜を見に行ってきただけでなく、「鉄オタ・プレカリアート」の視点から、感じたままに、色々と批評を加えさせて貰いました。
(1)西大路三条から蚕ノ社(かいこのやしろ)までの併用区間(道路上を走る)。かつての京都市電も、この様にして走っていたのでしょうか。
(2)北野線、鳴滝・宇多野間にある通称「桜のトンネル」。HPで見る限りでは、恰も桜並木が延々と続いている様に見えますが、実際は僅か200m程の区間でしかない。そこに当日も子供・女性を入れて10人位のパパラッチが、押し合いへし合い写真を撮るものだから、なかなか良いアングルを狙えませんでした。そもそも、携帯なんかで写真を撮っているのは私ぐらいのもので、中には三脚まで持ち込んで本格的に撮っている人もいました。
(3)やっと撮れたワンシーン。当該地点は土手上の緩いカーブの単線区間で、左右交互に電車がやって来ます。電車の接近音に耳をそばだてての撮影となりました。
(4)車両の最後尾から当該区間を撮りました。
(5)「近畿の駅百選」にも選ばれた御室仁和寺(おむろにんなじ)駅。駅名表示は、改称前の御室のままです。世界文化遺産・仁和寺の最寄駅で、多くの観光客が乗降し、臨時改札が設けられていました。
(6)その御室仁和寺駅名で売られていた京福電鉄直営のバーガーショップ。既に昼食は済ませていたのですが、物は試しにと、ここで抹茶入り豚饅もついでに買いました。味はまあまあでしたが、何か、銚子電鉄の濡れ煎餅ブームを上辺だけ真似た感じで、少々インパクトには欠けます。外人観光客も多く、彼の人たちの口にも合うものを、という事で、勢いこの様なメニューになるのも分からなくはないのですが・・・。
(7)嵐山駅のプラットホームに開設されていた足湯。ものすごく賑わっていました。
(8)足湯には売店も併設されており、私はそこで250円の抹茶アイスクリームを買ったのですが。値段の割には量が少な過ぎる!何せカップの大きさがミニスプーン位しか無いのだから。如何にも「ただ売れれば良い」という感じで、一遍に興ざめしてしまいました。
(9)・(10)御室の直営バーガーショップや、足湯で売っていた抹茶アイスの時にも感じたのですが、経営姿勢が何か「中途半端」なのです。
その一例が、この車両編成にも現れています。折角レトロ電車と銘打っておきながら、実際にレトロなのはニ両目(9)だけで、一両目(10)は通常車両。これではインパクトも半減。そして、会社HPに公開された財務諸表を見ても、決して経営に窮している訳ではないのに、未だにパンタグラフではなく、ピューゲルで電車を走らせているという点も、非常に気になりました。
これは、以前の阪堺線の取材の時にも感じた事ですが、会社として「進取の気性」に少々欠ける所があるのでは、という気がしてならないのです。
勿論、嵐山駅の足湯や「はんなり・ほっこりステーション」、レンタサイクルなどの好調に推移している看板事業や、地下鉄東西線延伸に伴う新駅設置(嵐電天神川)、多分に集客を意識した駅名改称(御室→御室仁和寺、太秦→太秦広隆寺)などの、それなりの積極策にも打って出てはいるのですが・・・。それらを支える「百年の大計・ビジョン」が一向に見えて来ないので、折角のそれらの策にも、逆に彌縫策に汲々としているかの印象すら感じてしまいます。
(11)当日午後の、四条大宮発嵐山行き(嵐山本線)電車ニ両目車内の様子。一両目はもっと混雑していた様に思います。
(12)同日午後の、北野白梅町発帷子ノ辻行き(北野線)電車一両目車内の様子。この時はまだこの程度の混雑で収まっていたのですが、この後、御室仁和寺駅からは多くの行楽・観光客が乗り込んできて、一気にラッシュアワー状態に。もはや単線では輸送力に限界があるのでは。
(13)その北野線と比べると、嵐山本線は一応、全線複線なのですが、鉄道設備が全然更新されていないのが、非常に気になります。写真でも明らかな様に、直接吊架式の「ヘロヘロ一本架線」と、木製架線柱というイデタチなのですが、これではまるで、銚子電鉄やかつての野上電鉄と同水準ではないかと。それに、集電装置も未だにピューゲルというのも(70年代の古い雑誌写真を見たら未だポールだった)。今日び、銚子電鉄ですらパンタグラフに更新済だというのに。
寧ろ北野線の方が、単線で架線の磨耗が激しい分、架線は嵐山線の様な「ヘロヘロ一本架線」ではなく、一応シンプル・カテナリー方式(パンタグラフが接触するトロリー線と吊架線の二重構造)に更新されてはいましたが。
しかし、行楽多客期と閑散期の乗客変動を考慮に入れても、北野線が未だに単線という所に、そもそも無理があるのではないでしょうか。
だから、折角の北野白梅町から嵐山まで直通ダイヤを組むなどの融通性のある対応も、GWなどの期間限定で終わってしまい、日常的な取り組みにはなっていないのでは。勿論、その為には、乗換駅である帷子ノ辻駅の配線改良・駅設備のリニューアルや、手狭な西院車庫の拡張にも、早晩着手していかなければいけないと思います。
何故、それらの設備投資や更新が、今まで放置されていたのか、素朴に疑問に思います。公開財務諸表で見る限り、決して、銚子電鉄の様な青息吐息の経営状態ではなく、内部留保もそれなりに在り、少なくとも、設備投資資金が全く捻出できない様な状態では無いと思うのですが。
(14)この後、嵯峨野トロッコ列車にも乗ろうと行ったのですが、既に2時間後はで切符(指定席)は全て売り切れとなっていました。そこで已む無く撮ってきたのが、トロッコ嵯峨駅で展示していた、縮尺1/20での現物トラック列車の模型。トロッコ列車に乗るには、特に多客期の休日には、絶対に予約が必要だと、身に染みて感じました。
(参考資料)
・京福電鉄(嵐電)公式サイト
京阪電鉄グループの大証二部上場会社です。財務状況を見る限りでは、設備投資の余地も充分にあると思います。
http://www.keifuku.co.jp/
・京福電気鉄道の駅(全駅)
「鉄道雑学研究所」サイトの収録ページです。数年前の資料なので、一部の駅名は旧称のままですが、西院車庫の様子や「踏切信号機」の説明をはじめ、沿線施設が詳細に渡って紹介されています。私のつたないルポなぞ、足元にも及びません。
http://ku-gyou.net/shitetsu/eki-rd.html
長かった冬や花冷えの時期の寒さもようやく過ぎ、工場地帯で働くプレカリアートたちにも、春は確実にやって来てくれました。
上記写真は、いずれも私のバイト先の会社の桜です。左の写真が正門横の桜で、今日撮った分です。右は、休憩室横の桜で、昨日撮りました。正門横の桜は、多分今日が満開だと思います。昨日はこんなに咲いていなかった様な気がします。休憩室横の方は、昨日の方が満開だった様に思う。
ウチの会社の定休日は、1ヶ月毎の会社カレンダーに沿って、それぞれ交代で取ります。土・日・祝日が必ず休みとは限らず、GWや盆・暮れの連休とも無縁なので、出歩くのも勢い近場に限られます。その代わりに、休憩時間には好きなだけお花見が出来る。
これだけを聞くと、休みが少なくて大変な様ですが、逆に時給制のバイトにとっては、祝日の重なるGWや盆・暮れの方が、収入が大幅に目減りして、大変になる。5月のGWなぞ、会社によっては12連休の所もあり、日頃からサービス残業でこき使われている「名ばかり管理職」にとっては、つかの間の休息となるのでしょうが。しかし、バイトにとっては、場合によっては収入半減といったケースもある。またしても、派遣村に失業者が押し寄せる事態となるのか。
幸いにして、ウチの職場は、前述した様に、その様な長期休暇とは無縁な所なので、GWや盆・暮れも大幅な収入減に見舞われる事はないのですが、これもいつまで続くのやら・・・(実はウチにも、「派遣切り・請負切り」の計画があるのですが、これについては、話しがもっと具体的になってから、言及する事にします)。
WBCからこの方、北朝鮮ミサイル騒動に至るまで、ブログ記事の更新に追われていたので、一々ブログのエントリーにはアップしなかったのですが・・・。少々カチンと来る事がありました。
それは、会社の健保組合が送ってくる「医療費のお知らせ」という葉書。そこには、「私たちと会社からの保険料で医療費が賄われているので、無駄に医療費を使わないように」みたいな注意書きが書かれていました。しかし、一体誰が医療費のムダ遣いをしているのか? 実際は寧ろ逆で、なかなか休めず、ついつい無理して働くかざるを得ないので、いざぶっ倒れたら、回復まで余計に長引いてしまいというのが、実状ではないのか。それがこの書き方では、「人命よりもカネの心配が先立っている」と言われても仕方ないでしょう。
さて、次の私の定休日は、今週の土曜日。桜でお花見+鉄道ネタで楽しめる所にでも、出掛けて来る事にします。京都の京福電鉄(嵐電)北野線沿線の桜並木か、和歌山電鉄の「ネコの駅長・たま」+大池遊園の桜か、どちらかを堪能して来よう。
メディアジャックによる情報操作とか世論操作というのは、斯くの如く行われるのでしょうか。「今更そんな事は言わずもがな」と、頭では分かったつもりでいたものの、それでも現物を目の当たりにすると、改めてその恐ろしさを身に染みて感じています。何の事かと言うと、この間の一連の北朝鮮ミサイル騒動についてです。
私は、4月5日に同騒動についてのエントリーを書き上げた時点では、まだ「世論は逆に意外な程冷めている」という評価に止まっていました。それが、5日に北朝鮮が「飛翔体」を発射した後の、翌6日付全国紙4紙の朝刊第1面が、下記の如く「横並び」状態を呈するとは、私の想像を遥かに超えるものがあります(左上から右下に、順に朝日・毎日・産経・読売)。
取り上げているニュースの扱いや視点が、4紙とも「似たり寄ったり」であるのみならず、記事のレイアウト・見出し・構図までが、似通っています。朝日・毎日の記事が他の2紙と比べて「衛星打ち上げ失敗」を強調しているきらいはあるものの、それ以外は殆ど同じです。
確かに、北朝鮮は日本の周辺国で、過去には日本が植民地支配した地域でもあり、また拉致問題などについても未解決なので、4紙とも取り上げても、何ら不思議ではないかも知れません。また、時事通信あたりの配信記事を、4紙とも、そのまま載せているのかも知れません。しかし、こうも「似たり寄ったり」の紙面になるものでしょうか。
しかも面白いのは、6日にこれだけ大きく取り上げたニュースを、翌7日には早速、下記の如く、京都・舞鶴での女子高生殺害事件の容疑者逮捕のニュースに切り替えて、こちらも判で押したように、「似たり寄ったり」の紙面構成で取り上げている事です(記事の並び順は、先の北朝鮮ミサイルの場合と同じ)。
あれだけ大騒ぎしておきながら、ミサイルを発射した途端に、もう別の記事に差し替えて、同じニュースを同じ様に取り上げて。北朝鮮の問題は、決して拉致やミサイルだけではないのにも関わらず。
この中の、毎日については、実は朝刊ではなく夕刊の第1面なのですが、それでも「容疑者逮捕か」という予測記事から「逮捕」確定の記事に代わっただけで、「横並び」の報道姿勢については、何ら変わりありません。
この様に、恰も「世論はこうあるべきだ」といった想定の下に、権力にとって都合の良い、判で押したように加工・編集された情報ばかり、一方的に流されて。次の日には、また別の、同じ様に編集された情報を流されて。
そうして、北朝鮮の問題について言えば、脱北者支援関係者の間ですら麻生内閣の今回の「強硬姿勢」については異論がある事や、ミサイル防衛システムによる軍需利権や税負担の問題、11人の政府認定拉致被害者以外の特定失踪者の存在や、帰国事業の暗部などの、権力にとっては必ずしも都合の良いとは言えない情報は、きっちり人の目に付かない所に隠蔽されるのです。
そもそも、それ以前の問題として、今回の「飛翔体」がミサイルか人工衛星かすら分かっていない段階で、幾ら制裁だの何だのと声を張り上げても、傍から見れば「裸の王様」にしか映りません。
それは、その翌日の、舞鶴の女子高生殺害事件容疑者逮捕のニュースにしても、同じ事が言えます。未だ容疑者の段階であるにも関わらず、逮捕情報が事前に警察からマスコミにリークされる事の妥当性や、現代よりも戦前や戦後一時期の方が遥かに凶悪犯罪の発生率も高く検挙率も低かった事は、ことさら無視されて、徒に治安不安を煽るかの様な情報ばかりが流されています。こんな報道を幾ら流されても、世論は煽られるばかりで、真摯な議論が深まる筈がないのです。
「朝日・毎日は左寄りで、産経・読売は右寄り」という事が、よく引き合いに出されます。確かに、細かい点については、色々と違いがあるのは事実です。例えば、個別事例では、田母神・元幕僚長の書いた論文に対する取り上げ方で、産経と他の3紙とでは、明らかに立場の違いが認められる、などの場合もあります。しかし、それ以外のケースについては、取り上げられているニュースの内容も取り上げられ方も、殆ど同じだと、私は思います。
先にも書いた様に、「そういう事ぐらい、一々言われなくても知っている」と、私も今まで思っていましたが、こうして実際に見比べて見ると、改めてそれがよく分かりました。
そりゃあ、これだけ画一的な情報の流され方をされたら、麻生内閣の姿勢が全然変わっていないにも関わらず、先の小沢献金問題や今回のミサイル騒動だけで、内閣支持率が10ポイント近く上昇するのも、無理ないですわ。それでも、依然として7割以上の世論が不支持を決め込んでいる、という点も、決して過小評価されるべきではないとは思いますが。
私は、4月5日に同騒動についてのエントリーを書き上げた時点では、まだ「世論は逆に意外な程冷めている」という評価に止まっていました。それが、5日に北朝鮮が「飛翔体」を発射した後の、翌6日付全国紙4紙の朝刊第1面が、下記の如く「横並び」状態を呈するとは、私の想像を遥かに超えるものがあります(左上から右下に、順に朝日・毎日・産経・読売)。
取り上げているニュースの扱いや視点が、4紙とも「似たり寄ったり」であるのみならず、記事のレイアウト・見出し・構図までが、似通っています。朝日・毎日の記事が他の2紙と比べて「衛星打ち上げ失敗」を強調しているきらいはあるものの、それ以外は殆ど同じです。
確かに、北朝鮮は日本の周辺国で、過去には日本が植民地支配した地域でもあり、また拉致問題などについても未解決なので、4紙とも取り上げても、何ら不思議ではないかも知れません。また、時事通信あたりの配信記事を、4紙とも、そのまま載せているのかも知れません。しかし、こうも「似たり寄ったり」の紙面になるものでしょうか。
しかも面白いのは、6日にこれだけ大きく取り上げたニュースを、翌7日には早速、下記の如く、京都・舞鶴での女子高生殺害事件の容疑者逮捕のニュースに切り替えて、こちらも判で押したように、「似たり寄ったり」の紙面構成で取り上げている事です(記事の並び順は、先の北朝鮮ミサイルの場合と同じ)。
あれだけ大騒ぎしておきながら、ミサイルを発射した途端に、もう別の記事に差し替えて、同じニュースを同じ様に取り上げて。北朝鮮の問題は、決して拉致やミサイルだけではないのにも関わらず。
この中の、毎日については、実は朝刊ではなく夕刊の第1面なのですが、それでも「容疑者逮捕か」という予測記事から「逮捕」確定の記事に代わっただけで、「横並び」の報道姿勢については、何ら変わりありません。
この様に、恰も「世論はこうあるべきだ」といった想定の下に、権力にとって都合の良い、判で押したように加工・編集された情報ばかり、一方的に流されて。次の日には、また別の、同じ様に編集された情報を流されて。
そうして、北朝鮮の問題について言えば、脱北者支援関係者の間ですら麻生内閣の今回の「強硬姿勢」については異論がある事や、ミサイル防衛システムによる軍需利権や税負担の問題、11人の政府認定拉致被害者以外の特定失踪者の存在や、帰国事業の暗部などの、権力にとっては必ずしも都合の良いとは言えない情報は、きっちり人の目に付かない所に隠蔽されるのです。
そもそも、それ以前の問題として、今回の「飛翔体」がミサイルか人工衛星かすら分かっていない段階で、幾ら制裁だの何だのと声を張り上げても、傍から見れば「裸の王様」にしか映りません。
それは、その翌日の、舞鶴の女子高生殺害事件容疑者逮捕のニュースにしても、同じ事が言えます。未だ容疑者の段階であるにも関わらず、逮捕情報が事前に警察からマスコミにリークされる事の妥当性や、現代よりも戦前や戦後一時期の方が遥かに凶悪犯罪の発生率も高く検挙率も低かった事は、ことさら無視されて、徒に治安不安を煽るかの様な情報ばかりが流されています。こんな報道を幾ら流されても、世論は煽られるばかりで、真摯な議論が深まる筈がないのです。
「朝日・毎日は左寄りで、産経・読売は右寄り」という事が、よく引き合いに出されます。確かに、細かい点については、色々と違いがあるのは事実です。例えば、個別事例では、田母神・元幕僚長の書いた論文に対する取り上げ方で、産経と他の3紙とでは、明らかに立場の違いが認められる、などの場合もあります。しかし、それ以外のケースについては、取り上げられているニュースの内容も取り上げられ方も、殆ど同じだと、私は思います。
先にも書いた様に、「そういう事ぐらい、一々言われなくても知っている」と、私も今まで思っていましたが、こうして実際に見比べて見ると、改めてそれがよく分かりました。
そりゃあ、これだけ画一的な情報の流され方をされたら、麻生内閣の姿勢が全然変わっていないにも関わらず、先の小沢献金問題や今回のミサイル騒動だけで、内閣支持率が10ポイント近く上昇するのも、無理ないですわ。それでも、依然として7割以上の世論が不支持を決め込んでいる、という点も、決して過小評価されるべきではないとは思いますが。
今、世間では、新聞もテレビも、北朝鮮による「ミサイル」発射の話題で持ちきりだそうで。私は、このニュースには興味も関心も殆どないものの、マスコミが余りにも囃し立てるので、この件に関しても、一応意見表明だけはしておこうと思います。
昨日のテレビ番組欄(4月4日・大阪版)の見出しを見ても、朝と晩のニュースでは、定番の様に取上げられていました。主なものだけでも、NHKでは朝の「おはよう日本」と夜の「ニュース7」、毎日は朝の「サタズバッ」と夕方の「報道ネクスト」、関西テレビ(フジ・産経系列)は午前中の「めざまし土曜日」と「ぶったま!」、読売に至っては朝から「ズームイン!!サタデー」「ウェーク」「あさパラ!」と三連発も、という取上げ方をされていました。
しかし、その割には、職場の休憩時間でも、意外な程、雑談の話題には上りません。意外と、みんな冷めているのです。勿論、春に入って仕事が俄然忙しくなってきた所為もあるのでしょうが。ただ、それだけでなく、マスコミがこのニュースを、興味本位で取上げているのを、みんなも薄々感じ始めているからではないでしょうか。
だって、毎日なんかにしても、早朝5時半の「サタズバッ」で「ミサイルか、北朝鮮きょうにも発射、列島が緊迫」と散々煽っておきながら、その後の7時半からの「知っとこ!」では桜満開・ランチ・ドライブなど、9時25分からの「せやねん!」では高速料金値下げ・プロ野球・グルメなどという様に、お気楽バラエティ番組を延々と垂れ流しているのですから。夜も夜で、「報道特集ネクスト」で煽った後に、夕方6時半から深夜12時前まで延々と、オールスターと銘打って、長沢まさみから東国原やオバマまで引っ張り出して、訳の分からない特番を組んだりしているのですから。
関西テレビや読売テレビに至っては、北朝鮮「ミサイル」発射の話題を取上げたその同じ番組で、芸能ネタやら猫の話題やらプロ野球やら穴場ランチの話題を、一緒くたに取上げているのですから。これで、幾ら北朝鮮のコーナーで「情勢緊迫!」とか言われても、視聴者からすれば「お前ら、寄って集ってワシ等をバカにしているのか!」という事にしかならない訳で。
大体、北朝鮮の打ち上げようとしているのが、ミサイルか人工衛星かの区別もつかないで、政府も公式には「飛翔体」などという造語でお茶を濁している様な、真偽も定かでないものに対して、やたら大騒ぎしすぎです。そんなに大事なニュースなら、こんな野次馬根性丸出しの茶番ではなく、もっとちゃんと正確に取上げて、避難勧告などの、それなりの然るべき措置を執っているいる筈です。それで、挙句の果てに、「発射は確認されませんでした」で、言われた方も「くたびれ損」の何とやらで終わりとは。これが東南海沖地震の速報やら津波警報なら、行政・マスコミ・国民のこんな対応は、まず在り得ない。
だから、以前に国会で社民党の福島党首が、「北朝鮮のミサイルを下手に撃ち落して破片が落ちてきたらどうする」なんて下らない質問をして、産経新聞によるリベラル叩きの格好の標的にされていましたが、あれも「目くそ鼻くそを笑う」の典型でしかありません。まずミサイルには当たらないし、当たっても破片など落ちてきません。
そりゃあ、どんな事にも100%や0%の確率は在り得ませんから、「絶対に」とは言えませんが、まずそういう事は在り得ない。若し、それを心配しなければいけないというのであれば、米国・インドが打ち上げる人工衛星やミサイルに対しても、同様に心配して然るべきですが、現実にはそんな事は全くないでしょう。結局それは、「米国の核は汚いがソ連の核は清い」という、かつての旧左翼のダブル・スタンダードの、全く「裏返し」でしか無い。
そう言うと必ず出てくるのが、「日・米・印は民主国家であって、北朝鮮の様な独裁国家ではない」という反論ですが、果たして、そう簡単に割り切れるものでしょうか。確かに、前者と後者は全く同じではありません。しかし、ブッシュ前政権支持の米国深南部のネオコン有権者や、この21世紀にもなっても未だに天皇やら靖国やらに固執しているバカウヨの物言いを聞くと、左右が真逆しているだけで、金正日の精神構造と瓜二つだと、私は思うのですが。
本当は、みんなも分かっているのでしょう。「あんなモン、迎撃出来る訳が無いし、迎撃する程のモンでも無い」という事が。
当の北朝鮮が言うには、これはあくまで試験衛星で、国際機関にも通告し、弾道やら落下予定地点も公表しているものを、碌に調べもせずに、「大気圏再突入で燃え尽きなかった破片が落ちてきたら大変だから、迎撃ミサイルだか地対空誘導弾(パトリオット)だかで打ち落とすのダーッ!」と息巻いて。しかし、たかだか射程高度が数十キロ(後者)から数百キロ(前者)しかない、それらの兵器で、上空数千キロの成層圏から、どこに落ちてくるか分からない(多分、大気圏突入時に全部燃え尽きてしまうであろう)ものを、どうやって撃ち落す事が出来るのか。そんな事、冷静に考えれば直ぐに分かろうものを。
言っておきますが、これは別に、北朝鮮を弁護するつもりで、私は書いているのではありません。北朝鮮の打ち上げるのが、人工衛星であろうとミサイルであろうと、碌な性能もないモノである事は、確かでしょう。それでもあの国は、米国がイラクに侵攻したのを見て、「通常戦争での圧倒的劣勢を跳ね返すには、もうこれしかない」と、ハマスがイスラエルに射ち込んでいるのに毛が生えた様な「ミサイル」を、せっせと量産しているのでしょう。自国の経済状況や国民生活をも度外視して。イラクでの米国の劣勢が、軍事力の差なんかではなく、イラク人民の抵抗や反戦世論に因るものである事にも、思い及ばないで。
そんな、どこに飛んでくるかも分からず、多分大気圏再突入時に殆ど燃えてしまうような、チャチな代物を相手に、こちらも技術的に未完成な「当たるも八卦、当たらぬも八卦」の兵器でしかない、迎撃ミサイルやパトリオットで、やれ撃ち落すの何だのと、大騒ぎする事自体が、バカらしいと言っているのです。スターウォーズのSF映画や、競馬の予想じゃあるまいしw。
そんな事は、日米も当の北朝鮮も百も承知の上で、茶番を演じているのです。若しも仮に、北朝鮮が本気で戦争をおっ始めようとしたら、まず米国や中国が黙っていません。そんな事になる前に、何としてでも北朝鮮を黙らせます。たとえ金正日の首を挿げ替えてでも。北朝鮮も、それを充分分かっているからこそ、その米・中の許容範囲内で、国際社会の出方を伺いながら、経済援助や見返りを引き出そうと、「瀬戸際外交」で突っ張っているのです。そういう意味では、金正日も、かつてのブッシュや安倍も、只の「軍事バカ」という点では、全く「同じ穴のムジナ」に他なりません。田母神なんて、その最たるもので。
そうして、北朝鮮が米・中の掌の中で抗っている限り、周辺諸国にとっては、北朝鮮というのは、逆に何かと便利な存在なのです。必要悪と言い換えても良い。
まず米国にとっては、冷戦終結以降は何かとダブツキ気味の武器を、日本や韓国に法外な値段で売りつける為の、格好の口実に使えます。中国にとっても、北朝鮮が自国の許容範囲内でごねまくってくれる限り、逆に日米や国際社会に対して、北朝鮮の後見人として自国を高く売りつける為の取引材料に使えます。日本や韓国にとっては、もはや言わずもがなでしょう。麻生・自民党政権や韓国の李明博政権にとっては、表向きは政府に対する不平不満を逸らす事の出来る格好の「はけ口」として、裏に回れば経済利権の取引先として、今後も重宝していく事でしょう。
単に、改憲・右傾化扇動や朝鮮人差別の口実として、北朝鮮・拉致問題を利用するのではなく、本当に人権・人道の観点から、今の北朝鮮の体制を何とか変革したいというのであれば、自ずから進むべき道は決まる筈です。日米の政府や軍産複合体のお先棒を担いで、こんな「当たるも八卦、当たらぬも八卦」の軍事バクチにのめり込むのではなく、具体的な難民救済に踏み出す事です。
中国に数十万人、韓国に数万人、この日本にも在日コリアン系を中心に千人以上の脱北者がいるのですから、その人たちの難民認定・生活支援・定住支援を図る事が、まず第一ではないでしょうか。東ドイツが崩壊した原因も、戦争ではなく難民の流出でした。
その為にやるべき事は、山ほどあります。中国にジュネーブ難民条約の遵守を迫ったり、周辺国だけではなく、国連も動かしての国際的な取り組みにする事も重要でしょう。日本について言えば、脱北者も含めた政治亡命者や経済難民への支援を、広く在日外国人支援策の一環として、取り組むべき段階に既に来ているのではないでしょうか。それが現実には、まともな定住支援策はほぼ皆無に等しく、辛うじて生活保護制度だけが機能しているのが、実情ではないですか。
本来、生活保護というのは、あくまでも、「セーフティネットの最後の砦」である筈です。そこに至るまでの段階として、失業給付や奨学金制度の拡充が、もっと図られて然るべきなのです。ところが政府は、この数十年間に渡り、逆にセーフティネットの削減に血道を上げてきました。日本国民や在日外国人の生存権を広く保障する立場には立たずに、19世紀的な救貧政策のレベルに、福祉施策を後退させてきました。今の派遣村の惨状が、その何よりの証です。
最近ニュースで取り沙汰される偽装難民や、脱北者が心ならずも犯罪に手を染めてしまう事例も、単に個人のモラルの問題だけに解消されるものではなく、そういう経済的・社会的背景から取り上げられるべき問題です。
本当に北朝鮮の問題を何とかしたいのであれば、そういう問題は避けて通れない筈です。それを抜きにして、こんな「当たるも八卦、当たらぬも八卦」の軍事バクチにのめり込んだり、ネオナチ紛いの在日外国人虐めに精を出せば出すほど、国民の生活権保障も、在日外国人や難民に対する支援も、全て等閑にされ、自らの首を絞める事にしかならない事に、いい加減気付くべきです。
昨日のテレビ番組欄(4月4日・大阪版)の見出しを見ても、朝と晩のニュースでは、定番の様に取上げられていました。主なものだけでも、NHKでは朝の「おはよう日本」と夜の「ニュース7」、毎日は朝の「サタズバッ」と夕方の「報道ネクスト」、関西テレビ(フジ・産経系列)は午前中の「めざまし土曜日」と「ぶったま!」、読売に至っては朝から「ズームイン!!サタデー」「ウェーク」「あさパラ!」と三連発も、という取上げ方をされていました。
しかし、その割には、職場の休憩時間でも、意外な程、雑談の話題には上りません。意外と、みんな冷めているのです。勿論、春に入って仕事が俄然忙しくなってきた所為もあるのでしょうが。ただ、それだけでなく、マスコミがこのニュースを、興味本位で取上げているのを、みんなも薄々感じ始めているからではないでしょうか。
だって、毎日なんかにしても、早朝5時半の「サタズバッ」で「ミサイルか、北朝鮮きょうにも発射、列島が緊迫」と散々煽っておきながら、その後の7時半からの「知っとこ!」では桜満開・ランチ・ドライブなど、9時25分からの「せやねん!」では高速料金値下げ・プロ野球・グルメなどという様に、お気楽バラエティ番組を延々と垂れ流しているのですから。夜も夜で、「報道特集ネクスト」で煽った後に、夕方6時半から深夜12時前まで延々と、オールスターと銘打って、長沢まさみから東国原やオバマまで引っ張り出して、訳の分からない特番を組んだりしているのですから。
関西テレビや読売テレビに至っては、北朝鮮「ミサイル」発射の話題を取上げたその同じ番組で、芸能ネタやら猫の話題やらプロ野球やら穴場ランチの話題を、一緒くたに取上げているのですから。これで、幾ら北朝鮮のコーナーで「情勢緊迫!」とか言われても、視聴者からすれば「お前ら、寄って集ってワシ等をバカにしているのか!」という事にしかならない訳で。
大体、北朝鮮の打ち上げようとしているのが、ミサイルか人工衛星かの区別もつかないで、政府も公式には「飛翔体」などという造語でお茶を濁している様な、真偽も定かでないものに対して、やたら大騒ぎしすぎです。そんなに大事なニュースなら、こんな野次馬根性丸出しの茶番ではなく、もっとちゃんと正確に取上げて、避難勧告などの、それなりの然るべき措置を執っているいる筈です。それで、挙句の果てに、「発射は確認されませんでした」で、言われた方も「くたびれ損」の何とやらで終わりとは。これが東南海沖地震の速報やら津波警報なら、行政・マスコミ・国民のこんな対応は、まず在り得ない。
だから、以前に国会で社民党の福島党首が、「北朝鮮のミサイルを下手に撃ち落して破片が落ちてきたらどうする」なんて下らない質問をして、産経新聞によるリベラル叩きの格好の標的にされていましたが、あれも「目くそ鼻くそを笑う」の典型でしかありません。まずミサイルには当たらないし、当たっても破片など落ちてきません。
そりゃあ、どんな事にも100%や0%の確率は在り得ませんから、「絶対に」とは言えませんが、まずそういう事は在り得ない。若し、それを心配しなければいけないというのであれば、米国・インドが打ち上げる人工衛星やミサイルに対しても、同様に心配して然るべきですが、現実にはそんな事は全くないでしょう。結局それは、「米国の核は汚いがソ連の核は清い」という、かつての旧左翼のダブル・スタンダードの、全く「裏返し」でしか無い。
そう言うと必ず出てくるのが、「日・米・印は民主国家であって、北朝鮮の様な独裁国家ではない」という反論ですが、果たして、そう簡単に割り切れるものでしょうか。確かに、前者と後者は全く同じではありません。しかし、ブッシュ前政権支持の米国深南部のネオコン有権者や、この21世紀にもなっても未だに天皇やら靖国やらに固執しているバカウヨの物言いを聞くと、左右が真逆しているだけで、金正日の精神構造と瓜二つだと、私は思うのですが。
本当は、みんなも分かっているのでしょう。「あんなモン、迎撃出来る訳が無いし、迎撃する程のモンでも無い」という事が。
当の北朝鮮が言うには、これはあくまで試験衛星で、国際機関にも通告し、弾道やら落下予定地点も公表しているものを、碌に調べもせずに、「大気圏再突入で燃え尽きなかった破片が落ちてきたら大変だから、迎撃ミサイルだか地対空誘導弾(パトリオット)だかで打ち落とすのダーッ!」と息巻いて。しかし、たかだか射程高度が数十キロ(後者)から数百キロ(前者)しかない、それらの兵器で、上空数千キロの成層圏から、どこに落ちてくるか分からない(多分、大気圏突入時に全部燃え尽きてしまうであろう)ものを、どうやって撃ち落す事が出来るのか。そんな事、冷静に考えれば直ぐに分かろうものを。
言っておきますが、これは別に、北朝鮮を弁護するつもりで、私は書いているのではありません。北朝鮮の打ち上げるのが、人工衛星であろうとミサイルであろうと、碌な性能もないモノである事は、確かでしょう。それでもあの国は、米国がイラクに侵攻したのを見て、「通常戦争での圧倒的劣勢を跳ね返すには、もうこれしかない」と、ハマスがイスラエルに射ち込んでいるのに毛が生えた様な「ミサイル」を、せっせと量産しているのでしょう。自国の経済状況や国民生活をも度外視して。イラクでの米国の劣勢が、軍事力の差なんかではなく、イラク人民の抵抗や反戦世論に因るものである事にも、思い及ばないで。
そんな、どこに飛んでくるかも分からず、多分大気圏再突入時に殆ど燃えてしまうような、チャチな代物を相手に、こちらも技術的に未完成な「当たるも八卦、当たらぬも八卦」の兵器でしかない、迎撃ミサイルやパトリオットで、やれ撃ち落すの何だのと、大騒ぎする事自体が、バカらしいと言っているのです。スターウォーズのSF映画や、競馬の予想じゃあるまいしw。
そんな事は、日米も当の北朝鮮も百も承知の上で、茶番を演じているのです。若しも仮に、北朝鮮が本気で戦争をおっ始めようとしたら、まず米国や中国が黙っていません。そんな事になる前に、何としてでも北朝鮮を黙らせます。たとえ金正日の首を挿げ替えてでも。北朝鮮も、それを充分分かっているからこそ、その米・中の許容範囲内で、国際社会の出方を伺いながら、経済援助や見返りを引き出そうと、「瀬戸際外交」で突っ張っているのです。そういう意味では、金正日も、かつてのブッシュや安倍も、只の「軍事バカ」という点では、全く「同じ穴のムジナ」に他なりません。田母神なんて、その最たるもので。
そうして、北朝鮮が米・中の掌の中で抗っている限り、周辺諸国にとっては、北朝鮮というのは、逆に何かと便利な存在なのです。必要悪と言い換えても良い。
まず米国にとっては、冷戦終結以降は何かとダブツキ気味の武器を、日本や韓国に法外な値段で売りつける為の、格好の口実に使えます。中国にとっても、北朝鮮が自国の許容範囲内でごねまくってくれる限り、逆に日米や国際社会に対して、北朝鮮の後見人として自国を高く売りつける為の取引材料に使えます。日本や韓国にとっては、もはや言わずもがなでしょう。麻生・自民党政権や韓国の李明博政権にとっては、表向きは政府に対する不平不満を逸らす事の出来る格好の「はけ口」として、裏に回れば経済利権の取引先として、今後も重宝していく事でしょう。
単に、改憲・右傾化扇動や朝鮮人差別の口実として、北朝鮮・拉致問題を利用するのではなく、本当に人権・人道の観点から、今の北朝鮮の体制を何とか変革したいというのであれば、自ずから進むべき道は決まる筈です。日米の政府や軍産複合体のお先棒を担いで、こんな「当たるも八卦、当たらぬも八卦」の軍事バクチにのめり込むのではなく、具体的な難民救済に踏み出す事です。
中国に数十万人、韓国に数万人、この日本にも在日コリアン系を中心に千人以上の脱北者がいるのですから、その人たちの難民認定・生活支援・定住支援を図る事が、まず第一ではないでしょうか。東ドイツが崩壊した原因も、戦争ではなく難民の流出でした。
その為にやるべき事は、山ほどあります。中国にジュネーブ難民条約の遵守を迫ったり、周辺国だけではなく、国連も動かしての国際的な取り組みにする事も重要でしょう。日本について言えば、脱北者も含めた政治亡命者や経済難民への支援を、広く在日外国人支援策の一環として、取り組むべき段階に既に来ているのではないでしょうか。それが現実には、まともな定住支援策はほぼ皆無に等しく、辛うじて生活保護制度だけが機能しているのが、実情ではないですか。
本来、生活保護というのは、あくまでも、「セーフティネットの最後の砦」である筈です。そこに至るまでの段階として、失業給付や奨学金制度の拡充が、もっと図られて然るべきなのです。ところが政府は、この数十年間に渡り、逆にセーフティネットの削減に血道を上げてきました。日本国民や在日外国人の生存権を広く保障する立場には立たずに、19世紀的な救貧政策のレベルに、福祉施策を後退させてきました。今の派遣村の惨状が、その何よりの証です。
最近ニュースで取り沙汰される偽装難民や、脱北者が心ならずも犯罪に手を染めてしまう事例も、単に個人のモラルの問題だけに解消されるものではなく、そういう経済的・社会的背景から取り上げられるべき問題です。
本当に北朝鮮の問題を何とかしたいのであれば、そういう問題は避けて通れない筈です。それを抜きにして、こんな「当たるも八卦、当たらぬも八卦」の軍事バクチにのめり込んだり、ネオナチ紛いの在日外国人虐めに精を出せば出すほど、国民の生活権保障も、在日外国人や難民に対する支援も、全て等閑にされ、自らの首を絞める事にしかならない事に、いい加減気付くべきです。