高田純という人物がいます。札幌医科大学教授・物理学者で、かつて広島大学原爆放射能医学研究所に在職していた事もありました。核物理学・放射線防護学の専門家で、「核爆発災害 そのとき何が起こるのか」(中公新書)などの著作があります。また、NGO・放射線防護情報センターの代表として、中国・ロプノール核実験場周辺の核被害・核汚染の実態を告発してきました(下記参照)。
・中国の核実験 シルクロードで発生した地表核爆発災害(放射線防護情報センター)
>中国は地下核実験を1990年代に11回を実施した。その1回は、1メガトンと大型だった。特に、一部の浅い地下実験は、地表実験と同様に分類されるべき、危険な実験である。これらが、胎児影響による奇形の発生や、若い世代の白血病発生を引き起こしている可能性がある。現在進行形のこうした健康被害が多数、シルクロードの地にあると考えられる。
http://www15.ocn.ne.jp/~jungata/NEDonSilkRoadJap1.html
しかし、その同じ口で、日本の靖国右翼や米国のネオコンを露骨に擁護し、日本の再軍備・核武装を主張しているのですから、開いた口が塞がりません(同上)。
・どうする日本!「核と刀」(放射線防護情報センター)
>現代の黒船は核武装している
核兵器の威力は、携帯型の1キロトン以下から大型のメガトン級まで色々
憲法9条により竹光以下との説もあるわが国の自衛隊
核兵器の拡散により、米国の核の傘の効果は低下している
>核爆発に対しても防護は可能!
諦めるな、知恵を持とう!
広島でも空襲警報後に防空壕退避さえしていれば、
半数近くは生存でたはずである。
http://www15.ocn.ne.jp/~jungata/DosuruNippon1.html
「核戦争恐れるに足らず」「爆心地で戦闘を継続せよ」なぞと言っているのですから、お話になりません。万が一核爆発の熱線・爆風をやり過ごせたとしても、放射能でやがて全員死んでしまいます。アトミック・ソルジャーの悲劇も知らないとは、とんだ「核の専門家」です。
これを荒唐無稽のトンデモ話と、一笑に付す事は簡単です。しかし、では次の例はどうでしょうか。
・[CML 000095] Fw:[調査会NEWS 781](21.5.25)記者会見(河嶋さん情報・核実験・しおかぜ)
http://list.jca.apc.org/public/cml/2009-May/000092.html
・[CML 000096] Fw:★☆救う会全国協議会ニュース★☆( 2009.05.25 )北朝鮮の核実験に全面制裁の発動を-家族会・救う会声明
http://list.jca.apc.org/public/cml/2009-May/000093.html
・[CML 000097] Fw:守る会NEWS :北朝鮮核実験は政治犯収容所囚人の犠牲の上に行われている
http://list.jca.apc.org/public/cml/2009-May/000094.html
いずれも、RENK・「救う会」・「守る会」などの北朝鮮・拉致問題関連NGOの重複会員である原良一さんのCML投稿です。上記3本の投稿とも、CML運営委員会の判断で非表示扱いとされてしまいましたが、いずれの投稿とも、殆ど当該表題に掲げられた北朝鮮関連NGO団体ニュースからの転載です。転載元ニュースへのリンクも併せて表示しておきます。
・[調査会NEWS 781](21.5.25)記者会見(河嶋さん情報・核実験・しおかぜ)
http://www.chosa-kai.jp/090525.html
・★☆救う会全国協議会ニュース★☆( 2009.05.25 )北朝鮮の核実験に全面制裁の発動を-家族会・救う会声明
http://www.sukuukai.jp/mailnews.php?itemid=1901
・守る会NEWS :北朝鮮核実験は政治犯収容所囚人の犠牲の上に行われている
http://hrnk.trycomp.net/news.php?eid=00102
原さんが上記3本の投稿をCMLで配信した動機は、以下の通りです。原稿自体は非表示で読めませんが、それに対する別の会員からの返信投稿に、その原文が残っていましたので、そこから引用します。
>北朝鮮の核実験から半日が経っても、こちらでは広島在住の伊達 純氏のコメント一本のみ(呆)。
>CMLに変わっても、護金派どものお花畑に変わりはないようで、当方もこのテーマでは、敵対的な関与を続けることにします。
>暴金膺懲!
>○○○○に刃物、麻原にサリン、金正日に核兵器はあってはならない悪夢です。
>北朝鮮とは「核兵器を持ったポルポト派」です。
http://list.jca.apc.org/public/cml/2009-May/000095.html
要するに、「北朝鮮では、政治犯強制収容所に囚われた良心の囚人が、核実験の人身御供にまでされたというのに、お前ら左派リベラルの無関心ぶりは一体何だ!」と言いたいのでしょう。しかし、その後に続いて「非核三原則の見直し」や「日本核武装」を主張している「家族会・救う会声明」も一緒に投稿するに至っては、もう何をか況やです。これでは、前述の高田純の立場とも、そう変わらないではないですか。
原さんは、おそらく「家族会・救う会はこれだけ怒っているのだ」と言うつもりで、この投稿を配信したのでしょうが、これでは逆効果にしかなりません。只管「目には目を、歯には歯を」と、北朝鮮に対する復仇感情を煽っているだけなのですから。実際に核戦争にでもなれば、単に拉致被害者だけでなく、多数の朝鮮半島の人々が犠牲になると言うのに。これでは、それをごり押しする為に、徒に拉致被害者や脱北者を踏み絵に利用しているだけと、言われても仕方ないでしょう。
しかも、その腹いせに、場違いな場で「八つ当たり」に及ぶに至っては、お門違いも甚だしいと言わざるを得ません。一体全体、これが「救う会」の活動スタイルなのでしょうか。
そんな一見勇ましい「非核三原則見直し」「日本核武装」論ですが、それが実際には、どれだけ非現実的な空論であるか、冷静に国際政治の現実に照らし合わせてみれば、直ぐに分かります。
まず、「核武装」を主張するからには、当然NPT(核拡散防止条約)脱退も織り込み済でしょうが、そうなれば、米国も含め現在の核保有国全てを敵に回す事になります。かと言って、イランの様に「米帝やイスラエルの蛮行を非難する」のでもなく、引き続き米国の属国に止まり、アフガン・イラク戦争にも加担していくのでしょうから、非核保有国や第三世界諸国も、敵に回りこそすれ、味方になる事はまず在り得ない。
斯様に、核兵器は、実際の戦争には事実上使えないのですから、幾ら持っていても意味がありません。下手に戦略核を使おうものなら地球滅亡、たとえそれが戦術核・小型核であったとしても、使ったが最後、その国は「核戦争の引き金を引いた戦争犯罪人」として、世界から完全に孤立してしまいます。そんな「無用の長物」の為に、国民生活は全て犠牲にされる。消費税も10%位の増税では済まなくなる。旧ソ連が崩壊し米国経済がガタガタになったのも、偏にこの軍拡の所為では無かったのか。
そもそも、それ以前の問題として、「そんな主張が人権問題解決の手段として、果たして成り立つのかどうか」という疑問も在ります。
広島・長崎の原爆被爆者や沖縄集団自決の遺族が、果たして同じ様な事を口にするでしょうか。また、それらの犠牲者・遺族に対しても、「また同じ目に遭え」と、果たして口に出来るでしょうか。
こんな主張は、かつての「米国の核は汚いが、ソ連の核は清い」の、全く裏返しでしかありません。「北朝鮮の核は汚いが、米国・イスラエルの核は清い」という、ダブル・スタンダードの際たるものです。
それはまた、「欧米のアジア侵略は悪だが、日本のアジア侵略は善だった」とする、安倍・靖国派の主張とも重なります。なるほど、原さんは、一方では「日本の戦争責任資料センター」会員の顔も併せ持ち、そういう意味では、他の「救う会」会員とは異色の立場に在りますが、これではもう靖国派と全く同じではないですか。
そして、忘れてはならないのは、これは別に過去の話でもなければ、単に「戦争と平和」に限った話でもないという事です。軍拡論者は「財源は消費税で」位に考えているのかも知れませんが、その消費税の負担に、庶民がどれだけ汲々としているのか、これらの政治家は考えた事があるのでしょうか。今のワーキングプアや「派遣切り」の実状を、果たしてどれだけ知っているのでしょうか。
知っていたら、国民には偉そうに道徳や愛国心の説教を垂れながら、自分は平気で公務中に泥酔したり、公舎に愛人を住まわせたりなぞ、出来ない筈です。そんな自民党政治を、幾ら「拉致被害者救出の為だから」と言われても、そう簡単に支持なぞ出来ない筈です。国民の人権・生存権要求に対して、上から目線で「生活よりも国防」だの「奴隷の平和」だのと、一方的に貶める様な真似なぞ、出来ない筈です。
しかし、それが出来るという事は、これらのうちの少なくない部分が、実際は「平和」でも「人権」でも「正義」でもなく、「戦争」と「搾取」を望んでいるからに他なりません。だから、かつての被爆者や今の劣化ウラン弾被災者も含めて、全国民に対して、「再び同じ目に遭え、それでも戦え」と、平然と言ってのける事が出来るのです。また、自分の気に入らない者は全て「反日分子」「北朝鮮工作員」と看做しているので、北朝鮮・拉致問題とは何の関係も無いカルデロンさん一家やDV被害者への嫌がらせなぞと言う、ファッショ紛いの行為に及んだりも平気で出来るのです。「北朝鮮・拉致問題に冷淡な左派リベラル」よりも、寧ろこちらの主張の方が、よっぽど冷淡で非人間的ではないでしょうか。
・中国の核実験 シルクロードで発生した地表核爆発災害(放射線防護情報センター)
>中国は地下核実験を1990年代に11回を実施した。その1回は、1メガトンと大型だった。特に、一部の浅い地下実験は、地表実験と同様に分類されるべき、危険な実験である。これらが、胎児影響による奇形の発生や、若い世代の白血病発生を引き起こしている可能性がある。現在進行形のこうした健康被害が多数、シルクロードの地にあると考えられる。
http://www15.ocn.ne.jp/~jungata/NEDonSilkRoadJap1.html
しかし、その同じ口で、日本の靖国右翼や米国のネオコンを露骨に擁護し、日本の再軍備・核武装を主張しているのですから、開いた口が塞がりません(同上)。
・どうする日本!「核と刀」(放射線防護情報センター)
>現代の黒船は核武装している
核兵器の威力は、携帯型の1キロトン以下から大型のメガトン級まで色々
憲法9条により竹光以下との説もあるわが国の自衛隊
核兵器の拡散により、米国の核の傘の効果は低下している
>核爆発に対しても防護は可能!
諦めるな、知恵を持とう!
広島でも空襲警報後に防空壕退避さえしていれば、
半数近くは生存でたはずである。
http://www15.ocn.ne.jp/~jungata/DosuruNippon1.html
「核戦争恐れるに足らず」「爆心地で戦闘を継続せよ」なぞと言っているのですから、お話になりません。万が一核爆発の熱線・爆風をやり過ごせたとしても、放射能でやがて全員死んでしまいます。アトミック・ソルジャーの悲劇も知らないとは、とんだ「核の専門家」です。
これを荒唐無稽のトンデモ話と、一笑に付す事は簡単です。しかし、では次の例はどうでしょうか。
・[CML 000095] Fw:[調査会NEWS 781](21.5.25)記者会見(河嶋さん情報・核実験・しおかぜ)
http://list.jca.apc.org/public/cml/2009-May/000092.html
・[CML 000096] Fw:★☆救う会全国協議会ニュース★☆( 2009.05.25 )北朝鮮の核実験に全面制裁の発動を-家族会・救う会声明
http://list.jca.apc.org/public/cml/2009-May/000093.html
・[CML 000097] Fw:守る会NEWS :北朝鮮核実験は政治犯収容所囚人の犠牲の上に行われている
http://list.jca.apc.org/public/cml/2009-May/000094.html
いずれも、RENK・「救う会」・「守る会」などの北朝鮮・拉致問題関連NGOの重複会員である原良一さんのCML投稿です。上記3本の投稿とも、CML運営委員会の判断で非表示扱いとされてしまいましたが、いずれの投稿とも、殆ど当該表題に掲げられた北朝鮮関連NGO団体ニュースからの転載です。転載元ニュースへのリンクも併せて表示しておきます。
・[調査会NEWS 781](21.5.25)記者会見(河嶋さん情報・核実験・しおかぜ)
http://www.chosa-kai.jp/090525.html
・★☆救う会全国協議会ニュース★☆( 2009.05.25 )北朝鮮の核実験に全面制裁の発動を-家族会・救う会声明
http://www.sukuukai.jp/mailnews.php?itemid=1901
・守る会NEWS :北朝鮮核実験は政治犯収容所囚人の犠牲の上に行われている
http://hrnk.trycomp.net/news.php?eid=00102
原さんが上記3本の投稿をCMLで配信した動機は、以下の通りです。原稿自体は非表示で読めませんが、それに対する別の会員からの返信投稿に、その原文が残っていましたので、そこから引用します。
>北朝鮮の核実験から半日が経っても、こちらでは広島在住の伊達 純氏のコメント一本のみ(呆)。
>CMLに変わっても、護金派どものお花畑に変わりはないようで、当方もこのテーマでは、敵対的な関与を続けることにします。
>暴金膺懲!
>○○○○に刃物、麻原にサリン、金正日に核兵器はあってはならない悪夢です。
>北朝鮮とは「核兵器を持ったポルポト派」です。
http://list.jca.apc.org/public/cml/2009-May/000095.html
要するに、「北朝鮮では、政治犯強制収容所に囚われた良心の囚人が、核実験の人身御供にまでされたというのに、お前ら左派リベラルの無関心ぶりは一体何だ!」と言いたいのでしょう。しかし、その後に続いて「非核三原則の見直し」や「日本核武装」を主張している「家族会・救う会声明」も一緒に投稿するに至っては、もう何をか況やです。これでは、前述の高田純の立場とも、そう変わらないではないですか。
原さんは、おそらく「家族会・救う会はこれだけ怒っているのだ」と言うつもりで、この投稿を配信したのでしょうが、これでは逆効果にしかなりません。只管「目には目を、歯には歯を」と、北朝鮮に対する復仇感情を煽っているだけなのですから。実際に核戦争にでもなれば、単に拉致被害者だけでなく、多数の朝鮮半島の人々が犠牲になると言うのに。これでは、それをごり押しする為に、徒に拉致被害者や脱北者を踏み絵に利用しているだけと、言われても仕方ないでしょう。
しかも、その腹いせに、場違いな場で「八つ当たり」に及ぶに至っては、お門違いも甚だしいと言わざるを得ません。一体全体、これが「救う会」の活動スタイルなのでしょうか。
そんな一見勇ましい「非核三原則見直し」「日本核武装」論ですが、それが実際には、どれだけ非現実的な空論であるか、冷静に国際政治の現実に照らし合わせてみれば、直ぐに分かります。
まず、「核武装」を主張するからには、当然NPT(核拡散防止条約)脱退も織り込み済でしょうが、そうなれば、米国も含め現在の核保有国全てを敵に回す事になります。かと言って、イランの様に「米帝やイスラエルの蛮行を非難する」のでもなく、引き続き米国の属国に止まり、アフガン・イラク戦争にも加担していくのでしょうから、非核保有国や第三世界諸国も、敵に回りこそすれ、味方になる事はまず在り得ない。
斯様に、核兵器は、実際の戦争には事実上使えないのですから、幾ら持っていても意味がありません。下手に戦略核を使おうものなら地球滅亡、たとえそれが戦術核・小型核であったとしても、使ったが最後、その国は「核戦争の引き金を引いた戦争犯罪人」として、世界から完全に孤立してしまいます。そんな「無用の長物」の為に、国民生活は全て犠牲にされる。消費税も10%位の増税では済まなくなる。旧ソ連が崩壊し米国経済がガタガタになったのも、偏にこの軍拡の所為では無かったのか。
そもそも、それ以前の問題として、「そんな主張が人権問題解決の手段として、果たして成り立つのかどうか」という疑問も在ります。
広島・長崎の原爆被爆者や沖縄集団自決の遺族が、果たして同じ様な事を口にするでしょうか。また、それらの犠牲者・遺族に対しても、「また同じ目に遭え」と、果たして口に出来るでしょうか。
こんな主張は、かつての「米国の核は汚いが、ソ連の核は清い」の、全く裏返しでしかありません。「北朝鮮の核は汚いが、米国・イスラエルの核は清い」という、ダブル・スタンダードの際たるものです。
それはまた、「欧米のアジア侵略は悪だが、日本のアジア侵略は善だった」とする、安倍・靖国派の主張とも重なります。なるほど、原さんは、一方では「日本の戦争責任資料センター」会員の顔も併せ持ち、そういう意味では、他の「救う会」会員とは異色の立場に在りますが、これではもう靖国派と全く同じではないですか。
そして、忘れてはならないのは、これは別に過去の話でもなければ、単に「戦争と平和」に限った話でもないという事です。軍拡論者は「財源は消費税で」位に考えているのかも知れませんが、その消費税の負担に、庶民がどれだけ汲々としているのか、これらの政治家は考えた事があるのでしょうか。今のワーキングプアや「派遣切り」の実状を、果たしてどれだけ知っているのでしょうか。
知っていたら、国民には偉そうに道徳や愛国心の説教を垂れながら、自分は平気で公務中に泥酔したり、公舎に愛人を住まわせたりなぞ、出来ない筈です。そんな自民党政治を、幾ら「拉致被害者救出の為だから」と言われても、そう簡単に支持なぞ出来ない筈です。国民の人権・生存権要求に対して、上から目線で「生活よりも国防」だの「奴隷の平和」だのと、一方的に貶める様な真似なぞ、出来ない筈です。
しかし、それが出来るという事は、これらのうちの少なくない部分が、実際は「平和」でも「人権」でも「正義」でもなく、「戦争」と「搾取」を望んでいるからに他なりません。だから、かつての被爆者や今の劣化ウラン弾被災者も含めて、全国民に対して、「再び同じ目に遭え、それでも戦え」と、平然と言ってのける事が出来るのです。また、自分の気に入らない者は全て「反日分子」「北朝鮮工作員」と看做しているので、北朝鮮・拉致問題とは何の関係も無いカルデロンさん一家やDV被害者への嫌がらせなぞと言う、ファッショ紛いの行為に及んだりも平気で出来るのです。「北朝鮮・拉致問題に冷淡な左派リベラル」よりも、寧ろこちらの主張の方が、よっぽど冷淡で非人間的ではないでしょうか。
下記(A)が、今回の北朝鮮核実験に際しての、朝鮮中央通信の報道文です。読売新聞からの転載です。
(A)わが方の科学者、技術者らの要求に従い、共和国の自衛的核抑止力を各方面から強化するための措置の一環として、主体98(2009)年5月25日、いま一度の地下核実験を成功裏に行った。
今回の核実験は、爆発力と操縦技術において新たな高い段階で安全に実施され、実験の結果、核兵器の威力をさらに高め、核技術を絶えず発展させる上での科学技術的問題を円満に解決することになった。
今回の核実験の成功は、強盛大国の大きな扉を開くための新たな革命的大高潮の炎を力強く燃え上がらせ、150日戦闘に一丸となって立ち上がったわが軍隊と人民を大きく鼓舞している。
核実験は、軍事優先の威力で国と民族の自主権と社会主義を守護し、朝鮮半島と周辺地域の平和と安全を保障する上に寄与するであろう。
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20090525-OYT1T00533.htm?from=rss&ref=newsrss
そして下記(B)が、1933年国際連盟脱退時の、日本政府の通告文です。その2年前に起こった満州事変のキッカケとなった鉄道爆破事件(柳条湖事件)を、日本軍の仕業と結論付けたリットン調査団の報告に抗議して、当時の外相・松岡洋右が、「連盟よさらば」の捨て台詞を残して、連盟脱退に踏み切った時のものです。往時の原文は余りにも長文の上に、読みにくい文語体なので、下記の口語訳の方を転載しておきます。
(B)1933年2月24日,国際連盟臨時総会が採択したリットン報告書は,日本帝国が東洋平和を確保する以外はなんら他意ないという考えを顧慮しないだけでなく,事実認定と結論づけでも大きな誤りをしている。なかでも9月18日の柳条湖事件当時およびその後の日本軍の軍事行動を自衛権の発動でないと誤った判断をし,また柳条湖事件前の緊張状態や事後の事態の悪化が支那側に全責任があることを見過ごし,その結果東洋の政情に新しい紛争の原因を作り出している。他方では満州国成立の真相を無視し,同国を承認した日本の立場を否定し,東洋の政情安定の基礎を破壊しようとするものである。
http://www2.ocn.ne.jp/~hiroseki/shiryou/dattai.html
ちなみに、当時の原文、ならびに松岡洋右・外相による連盟脱退演説の全文は、下記を参照の事。特に外相演説の方は、日本の置かれた立場を殉教者イエス・キリストに準えての「名演説」だったそうです。
・国際連盟脱退通告文(大正・昭和・平成事件簿)
http://homepage1.nifty.com/zpe60314/jikenbo16.htm
・松岡洋右演説「十字架上の日本」(日本近代史勉強メモ)
http://seagull07.blog51.fc2.com/blog-entry-55.html
・軍歌になっていた松岡洋右「連盟よさらば」(きまぐれな日々)
http://caprice.blog63.fc2.com/?mode=m&no=110
実は、私が前記(A)の報を聞いて、真っ先に頭に思い浮かんだのが、この(B)の史実でした。そして、実際に上記(A)(B)2つの文章を読み比べてみて、論理構成が余りにも似通っている事に、改めて気付かされました。
まず第一に、どちらも「旧秩序打破」の立場に立っている点が、非常に似通っています。(A)では米・露・中・英・仏5カ国による核兵器の独占を、(B)では欧米諸国によるアジアの植民地統治を、それぞれ論い、そこからの「解放」を主張している点について。
そして第二に、それら旧秩序に対抗する為に、それぞれ自衛権を主張している点が、目を引きます。曰く「自衛的核抑止力の強化」(A)や「自衛権の発動」(B)という様に。
しかし第三に、「旧秩序打破」と言いながら、そこからまた別の、より進んだ段階に移行するのでは決してなく、只管「自分たちにも旧秩序の分け前をよこせ」と言っているに過ぎない点についても、非常に似通っています。それは、「核独占打破」と言いながら、肝心の「核廃絶」には一切触れずに、単に「自国の核武装」のみに汲々としている(A)の立場にも、「欧米のアジア支配」を非難しながら、「帝国主義・植民地主義の廃絶」には一切触れずに、単に「自国の勢力圏拡大」のみに汲々としていた(B)の立場にも、両方共に言える事です。
その結果として、第四に、その様なエゴイスティックな姿勢が、とうに国際世論からも見透かされ、次第に孤立状態に陥っている(いった)という点についても。
つまり、(A)も(B)も、「旧秩序の非」を盛んに詰り、そしてその言い分にも一理あるが、しかし所詮は「奴隷が主人に取って代わろうとする復讐心」から出たものにしか過ぎない。「奴隷制度そのものの廃絶」を目指したものではなかったので、第三者から「そういうお前は一体どうやねん?」と突っ込まれたら、もうそこで終わり。そういう立場でしかない、という事です。
この際敢えて言いますが、北朝鮮の主張にも「一分の理」があります。それは、米・露・中・英・仏の5大核保有国が、自国の膨大な核兵器や、インド・パキスタン・イスラエルの核保有には、頬かむりしたままで、何故、北朝鮮やイランの核保有ばかりが、槍玉に挙げられなければならないのか、という事です。
それに対して、「米・露・インドなどは民主主義国だが、北朝鮮は独裁国だから」というのは、理由になりません。国家の本質においては、前者も後者も、そう変わるものではありません。イラク戦争やパレスチナ・ガザの虐殺を行ったのも、一応「民主国家」と認知されている国々です。
北朝鮮の核実験を非難する以上は、どんな国に対しても核廃絶を主張しなければ、凡そ説得力ある議論にはなりません。「米国の核は汚いがソ連の核は清い」なんて事は、実際は在り得ませんでした。勿論、その逆も在り得なかった事は、広島・長崎の例からも明らかです。「米ソどちらの核も汚かった」というのが、唯一の真実です。
それを弁えずに、しかも、色々限界はあっても、今や当の米国大統領すら核廃絶を口にする様になった時代に、徒に「日本核武装」や「敵基地攻撃論」を主張した所で、逆に今度は日本が、世界から「北朝鮮と同類扱い」されるだけでしか無いのに、何故そんな事も分からないのだろうか。
・[CML 000101] 【転送】北朝鮮の核実験への抗議
原水協・原水禁による抗議談話の紹介。
http://list.jca.apc.org/public/cml/2009-May/000098.html
・オバマ核廃絶構想 被爆国日本が呼応すべき(長崎新聞・社説)
http://www.nagasaki-np.co.jp/press/ronsetu/09/022.shtml
・一気に前進期待できず 広島から具体的提言を(広島平和研究所)
http://serv.peace.hiroshima-cu.ac.jp/fkiroku/article49.htm
(A)わが方の科学者、技術者らの要求に従い、共和国の自衛的核抑止力を各方面から強化するための措置の一環として、主体98(2009)年5月25日、いま一度の地下核実験を成功裏に行った。
今回の核実験は、爆発力と操縦技術において新たな高い段階で安全に実施され、実験の結果、核兵器の威力をさらに高め、核技術を絶えず発展させる上での科学技術的問題を円満に解決することになった。
今回の核実験の成功は、強盛大国の大きな扉を開くための新たな革命的大高潮の炎を力強く燃え上がらせ、150日戦闘に一丸となって立ち上がったわが軍隊と人民を大きく鼓舞している。
核実験は、軍事優先の威力で国と民族の自主権と社会主義を守護し、朝鮮半島と周辺地域の平和と安全を保障する上に寄与するであろう。
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20090525-OYT1T00533.htm?from=rss&ref=newsrss
そして下記(B)が、1933年国際連盟脱退時の、日本政府の通告文です。その2年前に起こった満州事変のキッカケとなった鉄道爆破事件(柳条湖事件)を、日本軍の仕業と結論付けたリットン調査団の報告に抗議して、当時の外相・松岡洋右が、「連盟よさらば」の捨て台詞を残して、連盟脱退に踏み切った時のものです。往時の原文は余りにも長文の上に、読みにくい文語体なので、下記の口語訳の方を転載しておきます。
(B)1933年2月24日,国際連盟臨時総会が採択したリットン報告書は,日本帝国が東洋平和を確保する以外はなんら他意ないという考えを顧慮しないだけでなく,事実認定と結論づけでも大きな誤りをしている。なかでも9月18日の柳条湖事件当時およびその後の日本軍の軍事行動を自衛権の発動でないと誤った判断をし,また柳条湖事件前の緊張状態や事後の事態の悪化が支那側に全責任があることを見過ごし,その結果東洋の政情に新しい紛争の原因を作り出している。他方では満州国成立の真相を無視し,同国を承認した日本の立場を否定し,東洋の政情安定の基礎を破壊しようとするものである。
http://www2.ocn.ne.jp/~hiroseki/shiryou/dattai.html
ちなみに、当時の原文、ならびに松岡洋右・外相による連盟脱退演説の全文は、下記を参照の事。特に外相演説の方は、日本の置かれた立場を殉教者イエス・キリストに準えての「名演説」だったそうです。
・国際連盟脱退通告文(大正・昭和・平成事件簿)
http://homepage1.nifty.com/zpe60314/jikenbo16.htm
・松岡洋右演説「十字架上の日本」(日本近代史勉強メモ)
http://seagull07.blog51.fc2.com/blog-entry-55.html
・軍歌になっていた松岡洋右「連盟よさらば」(きまぐれな日々)
http://caprice.blog63.fc2.com/?mode=m&no=110
実は、私が前記(A)の報を聞いて、真っ先に頭に思い浮かんだのが、この(B)の史実でした。そして、実際に上記(A)(B)2つの文章を読み比べてみて、論理構成が余りにも似通っている事に、改めて気付かされました。
まず第一に、どちらも「旧秩序打破」の立場に立っている点が、非常に似通っています。(A)では米・露・中・英・仏5カ国による核兵器の独占を、(B)では欧米諸国によるアジアの植民地統治を、それぞれ論い、そこからの「解放」を主張している点について。
そして第二に、それら旧秩序に対抗する為に、それぞれ自衛権を主張している点が、目を引きます。曰く「自衛的核抑止力の強化」(A)や「自衛権の発動」(B)という様に。
しかし第三に、「旧秩序打破」と言いながら、そこからまた別の、より進んだ段階に移行するのでは決してなく、只管「自分たちにも旧秩序の分け前をよこせ」と言っているに過ぎない点についても、非常に似通っています。それは、「核独占打破」と言いながら、肝心の「核廃絶」には一切触れずに、単に「自国の核武装」のみに汲々としている(A)の立場にも、「欧米のアジア支配」を非難しながら、「帝国主義・植民地主義の廃絶」には一切触れずに、単に「自国の勢力圏拡大」のみに汲々としていた(B)の立場にも、両方共に言える事です。
その結果として、第四に、その様なエゴイスティックな姿勢が、とうに国際世論からも見透かされ、次第に孤立状態に陥っている(いった)という点についても。
つまり、(A)も(B)も、「旧秩序の非」を盛んに詰り、そしてその言い分にも一理あるが、しかし所詮は「奴隷が主人に取って代わろうとする復讐心」から出たものにしか過ぎない。「奴隷制度そのものの廃絶」を目指したものではなかったので、第三者から「そういうお前は一体どうやねん?」と突っ込まれたら、もうそこで終わり。そういう立場でしかない、という事です。
この際敢えて言いますが、北朝鮮の主張にも「一分の理」があります。それは、米・露・中・英・仏の5大核保有国が、自国の膨大な核兵器や、インド・パキスタン・イスラエルの核保有には、頬かむりしたままで、何故、北朝鮮やイランの核保有ばかりが、槍玉に挙げられなければならないのか、という事です。
それに対して、「米・露・インドなどは民主主義国だが、北朝鮮は独裁国だから」というのは、理由になりません。国家の本質においては、前者も後者も、そう変わるものではありません。イラク戦争やパレスチナ・ガザの虐殺を行ったのも、一応「民主国家」と認知されている国々です。
北朝鮮の核実験を非難する以上は、どんな国に対しても核廃絶を主張しなければ、凡そ説得力ある議論にはなりません。「米国の核は汚いがソ連の核は清い」なんて事は、実際は在り得ませんでした。勿論、その逆も在り得なかった事は、広島・長崎の例からも明らかです。「米ソどちらの核も汚かった」というのが、唯一の真実です。
それを弁えずに、しかも、色々限界はあっても、今や当の米国大統領すら核廃絶を口にする様になった時代に、徒に「日本核武装」や「敵基地攻撃論」を主張した所で、逆に今度は日本が、世界から「北朝鮮と同類扱い」されるだけでしか無いのに、何故そんな事も分からないのだろうか。
・[CML 000101] 【転送】北朝鮮の核実験への抗議
原水協・原水禁による抗議談話の紹介。
http://list.jca.apc.org/public/cml/2009-May/000098.html
・オバマ核廃絶構想 被爆国日本が呼応すべき(長崎新聞・社説)
http://www.nagasaki-np.co.jp/press/ronsetu/09/022.shtml
・一気に前進期待できず 広島から具体的提言を(広島平和研究所)
http://serv.peace.hiroshima-cu.ac.jp/fkiroku/article49.htm
例えば、下記のニュースなども、本来はもっと注目されて然るべきでしょう。
本当は在日米軍の再編強化だけが狙いで、「沖縄の負担軽減」なんて口先だけのゴマカシにしか過ぎない、普天間基地の「辺野古移設」「グアム移転」に、沖縄県民や日本国民の税金が湯水の様に使われようとしているのに、何故みんなもっと怒らないだろう。そもそも、沖縄の米軍基地そのものが、沖縄戦のドサクサに紛れて、米軍が土地を好き勝手に強奪して作り上げたものでしょう。だから、無条件で沖縄県民に返還されて然るべき土地であって、何かと交換で返して貰う様なものではない筈です。
こういう巨悪に目を瞑りながら、幾ら「脱官僚政治」だの「政治改革」だの言われても、所詮は「ガス抜き」でしかない事ぐらい、少し考えれば分かりそうなものを。
●普天間アセス 準備書への意見書 約6000件(沖縄テレビ放送)
>普天間基地代替施設建設に伴う環境アセスメントの準備書に対する住民意見がきょう提出期限を迎え、沖縄防衛局にはこれまでにおよそ6千件の意見書が寄せられています。
>意見書では、影響予測の計算方法の誤りや矛盾を指摘する学識者の意見の他方法書にはないヘリパッドの例を挙げて調査のやり直し求めていて海外からも多数提出されています。沖縄ジュゴン環境アセスメント監視団・東恩納琢磨団長コメント:「このような計画でいいのか、根本的にやり直せということなんですよ。
http://www.otv.jp/newstxt/news.cgi?mode=detail&code=20090515190263
●沖縄平和行進:本土復帰37年で県内3カ所でスタート(毎日新聞)
>沖縄が米軍統治から日本に復帰して37年になる15日、沖縄本島を歩いて平和を願う「5・15平和行進」(沖縄平和運動センターなど実行委主催)が沖縄県内3カ所でスタートした。
>北部実行委員長の玉城義和県議は、95年に起きた海兵隊員の少女暴行事件による反基地運動の高揚と、普天間飛行場移設問題の経緯を説明。「移設は13年間、県民に重くのしかかっている。これ以上、このきれいな海を埋め立てて基地を造らせない決意を固めよう」とあいさつした。参加者らは「辺野古新基地建設反対」などとシュプレヒコールを上げながら行進を始めた。
http://mainichi.jp/select/wadai/news/20090515k0000e040055000c.html
●復帰37年、沖縄で平和集会「基地たらい回し」に抗議(河北新報)
>沖縄の本土復帰から15日で37年となったことを受け、普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の県内移設に反対する「平和とくらしを守る県民大会」が17日、同市内で開かれた。主催団体のひとつ、沖縄平和運動センターの崎山嗣幸議長は「基地のたらい回しを糾弾しよう」と日米両政府に対する抗議の訴えを行った。
>沖縄県東村への米軍ヘリコプター離着陸帯の移設に反対の座り込みを続ける伊佐真次さん(47)は「沖縄にいらないものはどこであってもいらない。米国に帰ってもらおう」と訴えた。
http://www.kahoku.co.jp/news/2009/05/2009051701000520.htm
本当は在日米軍の再編強化だけが狙いで、「沖縄の負担軽減」なんて口先だけのゴマカシにしか過ぎない、普天間基地の「辺野古移設」「グアム移転」に、沖縄県民や日本国民の税金が湯水の様に使われようとしているのに、何故みんなもっと怒らないだろう。そもそも、沖縄の米軍基地そのものが、沖縄戦のドサクサに紛れて、米軍が土地を好き勝手に強奪して作り上げたものでしょう。だから、無条件で沖縄県民に返還されて然るべき土地であって、何かと交換で返して貰う様なものではない筈です。
こういう巨悪に目を瞑りながら、幾ら「脱官僚政治」だの「政治改革」だの言われても、所詮は「ガス抜き」でしかない事ぐらい、少し考えれば分かりそうなものを。
●普天間アセス 準備書への意見書 約6000件(沖縄テレビ放送)
>普天間基地代替施設建設に伴う環境アセスメントの準備書に対する住民意見がきょう提出期限を迎え、沖縄防衛局にはこれまでにおよそ6千件の意見書が寄せられています。
>意見書では、影響予測の計算方法の誤りや矛盾を指摘する学識者の意見の他方法書にはないヘリパッドの例を挙げて調査のやり直し求めていて海外からも多数提出されています。沖縄ジュゴン環境アセスメント監視団・東恩納琢磨団長コメント:「このような計画でいいのか、根本的にやり直せということなんですよ。
http://www.otv.jp/newstxt/news.cgi?mode=detail&code=20090515190263
●沖縄平和行進:本土復帰37年で県内3カ所でスタート(毎日新聞)
>沖縄が米軍統治から日本に復帰して37年になる15日、沖縄本島を歩いて平和を願う「5・15平和行進」(沖縄平和運動センターなど実行委主催)が沖縄県内3カ所でスタートした。
>北部実行委員長の玉城義和県議は、95年に起きた海兵隊員の少女暴行事件による反基地運動の高揚と、普天間飛行場移設問題の経緯を説明。「移設は13年間、県民に重くのしかかっている。これ以上、このきれいな海を埋め立てて基地を造らせない決意を固めよう」とあいさつした。参加者らは「辺野古新基地建設反対」などとシュプレヒコールを上げながら行進を始めた。
http://mainichi.jp/select/wadai/news/20090515k0000e040055000c.html
●復帰37年、沖縄で平和集会「基地たらい回し」に抗議(河北新報)
>沖縄の本土復帰から15日で37年となったことを受け、普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の県内移設に反対する「平和とくらしを守る県民大会」が17日、同市内で開かれた。主催団体のひとつ、沖縄平和運動センターの崎山嗣幸議長は「基地のたらい回しを糾弾しよう」と日米両政府に対する抗議の訴えを行った。
>沖縄県東村への米軍ヘリコプター離着陸帯の移設に反対の座り込みを続ける伊佐真次さん(47)は「沖縄にいらないものはどこであってもいらない。米国に帰ってもらおう」と訴えた。
http://www.kahoku.co.jp/news/2009/05/2009051701000520.htm
・国内感染者、40人に=大阪、兵庫の高校生ら-地域へ拡大の恐れ・新型インフル(時事通信)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090517-00000059-jij-soci
・学校批判300件超 新型インフル「停留」生徒ら帰阪へ(産経関西)
http://www.sankei-kansai.com/2009/05/15/20090515-009828.php
・新型インフル、国内感染者173人に 新たに1歳女児も(日経ネット)
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20090519AT1G1901M19052009.html
とうとう関西からもNAFTA(豚・新型)インフルエンザの感染者が出てしまいました。神戸でバレーボールの試合に出場した公立高校生から集団感染者が出たのを皮切りに、大阪の茨木・八尾でも感染者が出て、大阪・神戸では、寄ると触るともう、この話題で持ちきりです。
私のバイト先でも、一昨日の朝礼で全従業員に対して、手洗い・うがいの励行と、通勤・業務時でのマスク着用が義務付けられました。私は、その日は定休日だったので、昨日出勤時にその話を聞き、仕事帰りにコンビニ・薬局でマスクを買い求めるも、既に何処も品切れ状態で、入荷の目途も立たないとの事でした。それで今日出勤すると、当日定休日で休みだったバイトは、全員がマスクを買う事が出来なかったとの事。会社に確認すると、「勤務中については、近日中に全員にマスクを配布するので、それを着用せよ、通勤時と業務外については各自で購入せよ」との事でした。
以前にも書きましたが、マスクなんて、基本的には既に感染してしまった人が、自分から更に他の人に感染させてしまうのを防ぐ為にするものでしょう。マスクで予防なんてどだい無理、気休めにしかならない。そう思っていました。
それでも、こうして「お達し」が出てしまったので、改めてマスクの効能について、自分なりに調べて見ました。すると、日経メディカルの記事に、「直ちに結論付けることはできない」が、「ある一定のインフルエンザ予防効果がある事が確認された」とありました。
そういう事なので、業務命令が出た事でもあるし、一応マスクはする事にします。但し、「マスクなんて気休めにしかならない」という考えに変わりはありません。日経メディカルの件の記事にしても、「しないよりはした方がマシ」程度のニュアンスでしか無かったし。第一、幾らマスクした所で、接触感染は防ぎようが無いし、汚れた手でマスクを取り外ししていたら、同じ事ではないかと(笑)。
実際、マスクなんてしていたら、はっきり言って仕事になりません。着用者曰く、荷物の持ち運びにマスクなんてしていると、息苦しくて堪らない、喉もカラカラに渇くわ、冷蔵庫に出入りする度に眼鏡が曇るわで、ついついマスクを顎に下に外してしまう、と。しかし、それではマスクをしている意味が無いではないか(笑)。
このマスク着用命令の例一つとっても、「頭隠して尻隠さず」なのが、もうミエミエなのです。これも以前から何度も書いてきた事ですが、「マスク」にしろ「うがい」「手洗い」にしろ、所詮は対症療法にしか過ぎません。どうあがいても、病気に罹る時は罹るのです。そうであるならば、感染を避けるよりも、感染しても発症しない様に、発症しても出来るだけ早期に回復出来る様に、普段から身体の抵抗力を高めておくのが、一番の予防策ではないですか。暴飲暴食や不規則な生活を避け、無理をしないのが。
しかし、それを言い出すと「労働者をこき使えなくなる」から、会社はそういう事は一切言わず、ひたすら「マスク・うがい・手洗い」と、労働者の自己責任で済ませられる範囲の事しか言わないのです。
しかし、それが如何に「頭隠して尻隠さず」であるのかは、少し考えれば誰でも直ぐに分かります。そもそも、今回のインフルエンザが、一説には「NAFTAインフルエンザ」と言われている如く、メキシコの劣悪な労働・衛生環境に端を発している事を、挙げるまでもなく。
仮に、そういう問題はとりあえず脇に置いて考えたとしても、派遣村やネットカフェ難民、お産・介護難民の問題を放置したままで、幾ら水際チェックを強めた所で、ザルにしかならない事ぐらい、直ぐに分かりそうなものを。住む家もなく三度の食事にも事欠く人や、病院から追い出されて国保料も滞納している人を放っておいて、何が「感染予防」かと思いますね。自民党政治の廃絶こそ、最大のインフルエンザ対策でしょう。
http://blog.goo.ne.jp/afghan_iraq_nk/e/e0a0c2b3a5b095699c240072687e0d5a
若し「いや違う、政府は本気で国民の事を考えている」というのであれば、前述の社会的弱者への救済策に、もっと早くから本格的に取り組んでいる筈です。これらの人たちこそが、感染リスクも救済優先度も、最も高いのですから。ところが実際は全く正反対。話題になったのは年末年始の派遣村のニュースの時だけで、今や誰も見向きもしない。その挙句に、マスコミが取り上げないのを良い事に、国民には外出自粛や耐乏生活を説きながら、当の自分たちは、議員特権を使って只でJRに乗り、熱海に愛人としけこんでいたではないか。これでは、口先で幾ら奇麗事を言おうとも、「パフォーマンスしか念頭に無い」と思われても当然でしょう。
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20090513k0000m010160000c.html
麻生・自民党政権の、この様な行状は、何も今に始まった事ではないとは言え、流石に最近の体たらくには、いい加減頭にきていました。よって、職場の親しい人には、こういう事についても、雑談の中で既に折に触れて言いまくっています。前号エントリーで述べた事も含めて。NTFTAやスミスフィールドの話や、ラムズフェルド・前米国防長官が会長を勤めていた製薬企業ギリアド社がタミフルで大儲けしている話なども含めて。みんなびっくりしていました。
http://hiddennews.cocolog-nifty.com/gloomynews/2005/11/post_38a5.html
そりゃあそうでしょう、今回の政府のインフルエンザ対策が、それまでの感染者隔離策から一転して軽症者は自宅療養の方針に二転三転している事一つとっても明らかな様に、単なる「点数稼ぎ」の「付け焼刃」でしかない事は、本音では大抵の人が思っている事です。それが証拠に、今回のマスク騒動にしても、上から言われるから渋々従っているのが、傍から見ても丸分かりなのですから。何なら、こちらも感染予防の「順法闘争」で行きますか。
この際何度でも言います、最大の予防対策はマスクでもうがいでもない、それは自民党政治の廃絶だと。
※記事冒頭の画像は、地元のローソン店頭(左:5月18日撮影)・JR駅頭(右:5月21日撮影)に張り出された「お知らせ」。
■AMLからCMLへ
かつて、AML(Alternative Information for People's Movements Mailing List)というメーリング・リスト(以下MLと略す)が在りました。「Alternative」という言葉からも分かる様に、「大手商業メディアには流れない、様々な市民運動・人権運動に関する貴重な情報交換の場」として、長らく機能してきたMLでしたが、諸般の事情により、今年3月を以って閉鎖となりました。しかし、その後も、前述の交換の場を求める元AML会員有志の尽力によって、その精神を発展継承すべく、新たに「市民のML」(略称CML)が、近日中に立ち上がります。
下記がその案内文ですが、私も早速、会員登録させてもらいました。AMLの時は、もっぱら閲覧のみの「お客さん」に止まっていましたが、今後は自らも積極的に発言していこうと考えています。この間のマスコミ報道の胡散臭さは、北朝鮮ミサイル・草なぎ逮捕・豚インフルエンザ騒動からも明らかです。その様な「お仕着せ・御用」色を排した市民メディアが、今求められています。
とは言え、カネや時間の余裕も無く、自分のブログ更新で手一杯で、今までその種の集まりに誘われても、大抵は名前を連ねるだけに終わっていた私の事ゆえ、どこまで出来るか、保証の限りではありませんが。
■CMLの当該案内文(四トロ同窓会二次会掲示板より引用)
新AMLは明日15日から会員登録受付を開始させていただきます。横断的な民衆の情報発信・情報交換の場の再構築のためにも多くのみなさまのご参加を期待しております。
以下は、14日22:00段階で新AML発足の呼びかけ人になっていただいた方々です。
呼びかけ人:
青柳行信 在野真麻 伊藤孝司 Esaman 大津留公彦 小川みさ子 長内経男 長船青治 加藤和博 楠正昭 小池/パンチョ 坂井貴司 酒井信 高田健 鷹嘴 田口敬三 田口弘子 田中宏 寺尾光身 寺町知正 冨田杏二 豊田義信 中田妙佳 南雲和夫 仁井谷明 林田力 東本高志 平野慶次 二見孝一 藤谷英男 前田朗 前田純一 増田都志美 増田都子 まっぺん 毛利正道 八木隆次 薮田徹、横田英明
*発起人を含んでいます。また、上記のハンドルネームは発表用としてのものです。
さて、当初、新AMLはその名称を「民衆のML」(PML)として発足させる予定で事務を進めてきましたが、私たち発起人委員会の事務手続き上の不手際で、明日15日の新ML会員登録開始を控え、その名称を変更しなければならなくなりました。改めて発起人委員会として新AMLの名称を「市民のML」(Civil mailing list/CML」ということにすることで合意し、JCAにも正式に登録しました。私たちの不手際をお詫び申し上げますとともに、この新AMLの名称の変更についてご理解をいただければ幸いです。
上記名称の変更にともない明日15日からの会員登録受付の送信先メールアドレス等も以下のとおり変更しました。この点についてもご周知していただければ幸いです。
1.変更後の新AMLの名称を以下のとおりとします。
変更後の新AMLの名称:CML(Civil mailing list/市民のML)
2.新CMLの「会員登録」受付の開始日時及び送信先メールアドレス、参加要領は以下のとおりとします。
[1]「会員登録」受付の開始日時:5月15日午前0時~
[2]「会員登録」受付の送信先メールアドレス:cml-owner@list.jca.apc.org
[3] 参加要領:以下の事項を記入の上、件名欄に「登録希望」と明記して、上記の「会員登録」受付送信先メールアドレスにメールを送ってください((4)以外は必須)。住所はML管理者以外には公開されません。また、参加資格も特にありません。
(1)住所
(2)氏名
(3)メールアドレス
(4)使用するハンドルネーム
折り返し「"Cml" メーリングリスト へようこそ」というタイトルのメールを返信します。約一週間経っても返信のない場合は恐れ入りますが再度上記手続きを繰り返してください。
3.新CMLの投稿先アドレスと投稿開始日時は以下のとおりとします。
[1] 新CMLの投稿先アドレス:cml@list.jca.apc.org
[2] 新CML立ち上げの開始日時:2009年5月20日午前9時
なお、新AML(CML)の賛同人(呼びかけ人)募集は明日の24:00まで引き続いて行っています。さらにいっそうのご応募、ご協力をお願いするものです。
たびたびの追記、変更でご迷惑をおかけしていることを深くお詫び申し上げます。
■参考:AML掲載記事から、この間の経過が分かるものを抜粋。
・[AML 25045] 今後についての提案(まっぺん、3月 12日)
http://list.jca.apc.org/public/aml/2009-March/024478.html
・[AML 25051] [AML] について意見表明(伊達 純、2009年 3月 12日)
http://list.jca.apc.org/public/aml/2009-March/024484.html
・[AML 25052] 14日夕方 AML よもやま話の会の提案(くすのき、3月 12日)
http://list.jca.apc.org/public/aml/2009-March/024485.html
・[AML 25098] 3・14 AML よもやま話の会のご報告(くすのき、3月 15日)
http://list.jca.apc.org/public/aml/2009-March/024531.html
・[AML 25136] 管理人より閉鎖の日程のお知らせ(小倉利丸、3月 16日)
http://list.jca.apc.org/public/aml/2009-March/024568.html
・[AML 25164] [AML] の今後について提案(伊達 純、3月 17日)
http://list.jca.apc.org/public/aml/2009-March/024595.html
・[AML 25238] 第2回、 AML よもやま話の会報告(くすのき、3月 19日)
http://list.jca.apc.org/public/aml/2009-March/024665.html
・[AML 25325] aml の閉鎖にあたって(NOMURA Tomoyuki、3月 22日)
http://list.jca.apc.org/public/aml/2009-March/024747.html
・AML 2009年3月 保存書庫 スレッド
http://list.jca.apc.org/public/aml/2009-March/thread.html#24478
かつて、AML(Alternative Information for People's Movements Mailing List)というメーリング・リスト(以下MLと略す)が在りました。「Alternative」という言葉からも分かる様に、「大手商業メディアには流れない、様々な市民運動・人権運動に関する貴重な情報交換の場」として、長らく機能してきたMLでしたが、諸般の事情により、今年3月を以って閉鎖となりました。しかし、その後も、前述の交換の場を求める元AML会員有志の尽力によって、その精神を発展継承すべく、新たに「市民のML」(略称CML)が、近日中に立ち上がります。
下記がその案内文ですが、私も早速、会員登録させてもらいました。AMLの時は、もっぱら閲覧のみの「お客さん」に止まっていましたが、今後は自らも積極的に発言していこうと考えています。この間のマスコミ報道の胡散臭さは、北朝鮮ミサイル・草なぎ逮捕・豚インフルエンザ騒動からも明らかです。その様な「お仕着せ・御用」色を排した市民メディアが、今求められています。
とは言え、カネや時間の余裕も無く、自分のブログ更新で手一杯で、今までその種の集まりに誘われても、大抵は名前を連ねるだけに終わっていた私の事ゆえ、どこまで出来るか、保証の限りではありませんが。
■CMLの当該案内文(四トロ同窓会二次会掲示板より引用)
新AMLは明日15日から会員登録受付を開始させていただきます。横断的な民衆の情報発信・情報交換の場の再構築のためにも多くのみなさまのご参加を期待しております。
以下は、14日22:00段階で新AML発足の呼びかけ人になっていただいた方々です。
呼びかけ人:
青柳行信 在野真麻 伊藤孝司 Esaman 大津留公彦 小川みさ子 長内経男 長船青治 加藤和博 楠正昭 小池/パンチョ 坂井貴司 酒井信 高田健 鷹嘴 田口敬三 田口弘子 田中宏 寺尾光身 寺町知正 冨田杏二 豊田義信 中田妙佳 南雲和夫 仁井谷明 林田力 東本高志 平野慶次 二見孝一 藤谷英男 前田朗 前田純一 増田都志美 増田都子 まっぺん 毛利正道 八木隆次 薮田徹、横田英明
*発起人を含んでいます。また、上記のハンドルネームは発表用としてのものです。
さて、当初、新AMLはその名称を「民衆のML」(PML)として発足させる予定で事務を進めてきましたが、私たち発起人委員会の事務手続き上の不手際で、明日15日の新ML会員登録開始を控え、その名称を変更しなければならなくなりました。改めて発起人委員会として新AMLの名称を「市民のML」(Civil mailing list/CML」ということにすることで合意し、JCAにも正式に登録しました。私たちの不手際をお詫び申し上げますとともに、この新AMLの名称の変更についてご理解をいただければ幸いです。
上記名称の変更にともない明日15日からの会員登録受付の送信先メールアドレス等も以下のとおり変更しました。この点についてもご周知していただければ幸いです。
1.変更後の新AMLの名称を以下のとおりとします。
変更後の新AMLの名称:CML(Civil mailing list/市民のML)
2.新CMLの「会員登録」受付の開始日時及び送信先メールアドレス、参加要領は以下のとおりとします。
[1]「会員登録」受付の開始日時:5月15日午前0時~
[2]「会員登録」受付の送信先メールアドレス:cml-owner@list.jca.apc.org
[3] 参加要領:以下の事項を記入の上、件名欄に「登録希望」と明記して、上記の「会員登録」受付送信先メールアドレスにメールを送ってください((4)以外は必須)。住所はML管理者以外には公開されません。また、参加資格も特にありません。
(1)住所
(2)氏名
(3)メールアドレス
(4)使用するハンドルネーム
折り返し「"Cml" メーリングリスト へようこそ」というタイトルのメールを返信します。約一週間経っても返信のない場合は恐れ入りますが再度上記手続きを繰り返してください。
3.新CMLの投稿先アドレスと投稿開始日時は以下のとおりとします。
[1] 新CMLの投稿先アドレス:cml@list.jca.apc.org
[2] 新CML立ち上げの開始日時:2009年5月20日午前9時
なお、新AML(CML)の賛同人(呼びかけ人)募集は明日の24:00まで引き続いて行っています。さらにいっそうのご応募、ご協力をお願いするものです。
たびたびの追記、変更でご迷惑をおかけしていることを深くお詫び申し上げます。
■参考:AML掲載記事から、この間の経過が分かるものを抜粋。
・[AML 25045] 今後についての提案(まっぺん、3月 12日)
http://list.jca.apc.org/public/aml/2009-March/024478.html
・[AML 25051] [AML] について意見表明(伊達 純、2009年 3月 12日)
http://list.jca.apc.org/public/aml/2009-March/024484.html
・[AML 25052] 14日夕方 AML よもやま話の会の提案(くすのき、3月 12日)
http://list.jca.apc.org/public/aml/2009-March/024485.html
・[AML 25098] 3・14 AML よもやま話の会のご報告(くすのき、3月 15日)
http://list.jca.apc.org/public/aml/2009-March/024531.html
・[AML 25136] 管理人より閉鎖の日程のお知らせ(小倉利丸、3月 16日)
http://list.jca.apc.org/public/aml/2009-March/024568.html
・[AML 25164] [AML] の今後について提案(伊達 純、3月 17日)
http://list.jca.apc.org/public/aml/2009-March/024595.html
・[AML 25238] 第2回、 AML よもやま話の会報告(くすのき、3月 19日)
http://list.jca.apc.org/public/aml/2009-March/024665.html
・[AML 25325] aml の閉鎖にあたって(NOMURA Tomoyuki、3月 22日)
http://list.jca.apc.org/public/aml/2009-March/024747.html
・AML 2009年3月 保存書庫 スレッド
http://list.jca.apc.org/public/aml/2009-March/thread.html#24478
下記は忌野清志郎のユーチューブ動画。上から順に「IMAGINE」「君が代」「あこがれの北朝鮮」。
前回のエントリーでソウル・フラワー・ユニオンに触れたついでに、つい最近亡くなったロック・ミュージシャンの、忌野清志郎(いまわの・きよしろう)の曲も幾つか聴きました。それまでは、清志郎の曲といえば「雨上がりの夜空に」しか知らなかった私ですが、上記の曲を聴き、改めて彼を見直しました。特に、最初の「IMAGINE」に込められたメッセージには感動しました。
しかし、最後の「あこがれの北朝鮮」については、人によって毀誉褒貶が大きく異なるだろうと思います。北朝鮮を徒にパロディー化、或いは美化するかの様な歌詞の部分に対しては、私も正直言って抵抗はあります。あこがれの対象を金正日体制と取る限り、確かにそのまま受け入れる事は出来ません。
しかし、そうではなく、対象を北朝鮮民衆と捉えるならば、「民衆同士ともに理解し合おう」という事で、何ら違和感はありません。確かに、前述のソウル・フラワーの「うたは自由をめざす!」よりは後退的な歌詞内容かも知れませんが、そういう見方もあって良いとは思います。
私は、それよりも、東京・青山での彼の「ロック葬」に、4万人以上のファンが詰め掛けたという点に、注目しています。最近の新入社員に対する意識調査でも、「上司の業務命令には、たとえそれが産地偽装や粉飾決算などの反社会的なものであっても、無条件で従う」という回答が4割以上も占めた様に(海舌さんのブログ記事参照)、この不況下で、単に右傾化・保守化というだけに止まらず、「社畜化・奴隷化」とも言うべき状況が広がっています。
しかし、その中でも、「蟹工船」ブームの底流とも響き合う、「社会の不正や不平等には簡単には従わない」という意識も、少なくとも、忌野清志郎のロック葬に集まったファンの中では、無意識のうちにも共有されていたのは、確かだろうと思います。「そう簡単に飼い馴らされて堪るか!」という民衆意志の表れとして。
いずれにしても、今は亡き故人を偲んで、黙祷。今日、例のソウル・フラワーのアルバム「シャローム・サラーム」も、ネットで注文しました。ああいうアルバムは、ツタヤ辺りには殆ど置いていない事も、初めて知りました。
―希望は本来有というものでもなく、無というものでもない。これこそ地上の道のように、初めから道があるのではないが、歩く人が多くなると初めて道が出来る。―(魯迅・作「故郷」より)
前回のエントリーでソウル・フラワー・ユニオンに触れたついでに、つい最近亡くなったロック・ミュージシャンの、忌野清志郎(いまわの・きよしろう)の曲も幾つか聴きました。それまでは、清志郎の曲といえば「雨上がりの夜空に」しか知らなかった私ですが、上記の曲を聴き、改めて彼を見直しました。特に、最初の「IMAGINE」に込められたメッセージには感動しました。
しかし、最後の「あこがれの北朝鮮」については、人によって毀誉褒貶が大きく異なるだろうと思います。北朝鮮を徒にパロディー化、或いは美化するかの様な歌詞の部分に対しては、私も正直言って抵抗はあります。あこがれの対象を金正日体制と取る限り、確かにそのまま受け入れる事は出来ません。
しかし、そうではなく、対象を北朝鮮民衆と捉えるならば、「民衆同士ともに理解し合おう」という事で、何ら違和感はありません。確かに、前述のソウル・フラワーの「うたは自由をめざす!」よりは後退的な歌詞内容かも知れませんが、そういう見方もあって良いとは思います。
私は、それよりも、東京・青山での彼の「ロック葬」に、4万人以上のファンが詰め掛けたという点に、注目しています。最近の新入社員に対する意識調査でも、「上司の業務命令には、たとえそれが産地偽装や粉飾決算などの反社会的なものであっても、無条件で従う」という回答が4割以上も占めた様に(海舌さんのブログ記事参照)、この不況下で、単に右傾化・保守化というだけに止まらず、「社畜化・奴隷化」とも言うべき状況が広がっています。
しかし、その中でも、「蟹工船」ブームの底流とも響き合う、「社会の不正や不平等には簡単には従わない」という意識も、少なくとも、忌野清志郎のロック葬に集まったファンの中では、無意識のうちにも共有されていたのは、確かだろうと思います。「そう簡単に飼い馴らされて堪るか!」という民衆意志の表れとして。
いずれにしても、今は亡き故人を偲んで、黙祷。今日、例のソウル・フラワーのアルバム「シャローム・サラーム」も、ネットで注文しました。ああいうアルバムは、ツタヤ辺りには殆ど置いていない事も、初めて知りました。
―希望は本来有というものでもなく、無というものでもない。これこそ地上の道のように、初めから道があるのではないが、歩く人が多くなると初めて道が出来る。―(魯迅・作「故郷」より)
極東戦線異状なし!? - ソウル・フラワー・ユニオン Soul Flower Union
「北朝鮮帰国者の生命と人権を守る会」(通称:守る会)関係者の方から、下記声明文の転送依頼がありました。緊急の転送・紹介依頼という事で、当ブログでも急遽ここに紹介する事にします。
----------------------------------------------------
緊急声明文
中国政府はただちに脱北者の北朝鮮強制送還を中止せよ
報道によれば、去る4月28日、中国の青島にて脱北者約30人が中国公安により不当逮捕され、今にも北朝鮮に強制送還される方向である。逮捕者の中には、生後8ヶ月の乳児を含めて7人の児童が含まれている。脱北者が北朝鮮に強制送還されれば、厳しい拷問や強制労働が待ち受けていること、たとえそれに耐えて生き延びたとしても、その後の北朝鮮国内での生活基盤は消失することが、脱北者の多くの証言により明らかである。
脱北者を難民として保護することは、難民条約を批准している中国政府の当然の国際的責務であるにも拘らず、中国政府は幼い子供を含めた彼らを強制送還しようとしている。
私たちは北朝鮮の人権問題に取り組む市民団体として、この難民条約違反と人権無視の犯罪行為に強く抗議し、直ちに脱北者たちを希望する第三国に出国させることを中国政府に要請する。また、日本政府には、人権・平和外交の理念から、直ちに中国政府に抗議し、脱北者の送還中止を要請することを求める。
2009年5月8日
北朝鮮帰国者の生命と人権を守る会
代表 三浦小太郎
http://hrnk.trycomp.net/index.php
※上記声明文の元記事
・中国で脱北者30人以上拘束(時事通信)
【ソウル7日時事】韓国の対北朝鮮ラジオ「開かれた北朝鮮放送」は7日のニュースレターで、中国公安関係者の話として、同国山東省青島で4月28日、脱北者30人以上が公安当局に拘束され、北朝鮮に送還される予定だと伝えた。
それによると、拘束された脱北者の中には生後8~10カ月の乳児ら子供7人が含まれている。脱北者は朝鮮族のブローカーの手引きで集まり、団体の観光客に偽装。バスで雲南省昆明に向かう計画だったという。(2009/05/07-17:35)
http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2009050700728
----------------------------------------------------
世間の人は大抵、「脱北者」と来れば、その次には「北朝鮮・拉致問題・核・ミサイル」、或いは「改憲・核武装・愛国心」といった話題を連想するのでしょうが、私は少し違います。私の根底にあるのは、常に「被抑圧者の人権」「被抑圧者の解放」の視点です。
日本の非正規労働者も、北朝鮮の脱北者も、チベット・イラク・パレスチナの民衆も、共に平和・自由・人権が守られる社会を目指すというのが、私の立場です。だから、これらとは相容れない「改憲」志向の「救う会」系の運動とは一線を画しつつも、脱北者救援活動には、人権擁護の立場から取り組みます。
そんな私が、「脱北者」と聞いてまず思い浮かぶのは、下記の「うたは自由をめざす!」という歌の歌詞です。ニュー・エスト系のミュージシャン「ソウル・フラワー・ユニオン」の歌で、「シャローム・サラーム」というアルバムに収録されています。(歌詞は、「少年少女思春期中毒。」さんのブログに掲載されていたものを、そのまま引用させてもらいました)
ソウル・フラワーといえば、その歌詞の内容から、人によっては「左巻きの偏向ミュージシャン」と捉える向きも居られるかも知れませんが、どうしてどうして、彼の人たちは彼の人たちなりに、北朝鮮の事もきちんと考えている事が、下記の歌詞からも分かります。以前の9条世界会議のエントリーでも紹介した通り、歌のメッセージも、「アフガン・イラク戦争も金正日もNO!」という、当ブログの運営方針と完全に合致しています。
この歌は、音楽サイトで検索すれば、試聴やダウンロードが可能です。しかし、ユーチューブにはアップされていないので、このエントリーで直接紹介する事は出来ません。代わりに、似たような感じの曲を冒頭に紹介しますので、そちらで曲の雰囲気に浸って下さい。
----------------------------------------------------
うたは自由をめざす!
ちらばって うたは自由をめざす
混ざりあって うたは自由をめざす
傷つけあって うたは自由をめざす
手を取りあって うたは自由をめざす
デタラメだらけの神々 家畜の歌合戦
世界の終わりのはなしが 茶の間に花そえる
ゲットーから うたは世界をめざす
戦場から うたは自由をめざす
這いつくばって うたは自由をめざす
こんがらがって うたは自由をめざす
とっちらかって うたは自由をめざす
体を張って うたは自由をめざす
デタラメだらけの神々 家畜の歌合戦
世界の終わりのはなしが 茶の間に花そえる
ゲットーから うたは自由をめざす
戦場から うたは自由をめざす
路地裏から うたは自由をめざす
ドヤ街から うたは自由をめざす
傷つけあって うたは自由をめざす
手を取りあって うたは自由をめざす
バグダッドで うたは自由をめざす
ノース・コリアで うたは自由をめざす
辺境から うたは自由をめざす
バビロンから うたは自由をめざす
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「北朝鮮帰国者の生命と人権を守る会」(通称:守る会)関係者の方から、下記声明文の転送依頼がありました。緊急の転送・紹介依頼という事で、当ブログでも急遽ここに紹介する事にします。
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緊急声明文
中国政府はただちに脱北者の北朝鮮強制送還を中止せよ
報道によれば、去る4月28日、中国の青島にて脱北者約30人が中国公安により不当逮捕され、今にも北朝鮮に強制送還される方向である。逮捕者の中には、生後8ヶ月の乳児を含めて7人の児童が含まれている。脱北者が北朝鮮に強制送還されれば、厳しい拷問や強制労働が待ち受けていること、たとえそれに耐えて生き延びたとしても、その後の北朝鮮国内での生活基盤は消失することが、脱北者の多くの証言により明らかである。
脱北者を難民として保護することは、難民条約を批准している中国政府の当然の国際的責務であるにも拘らず、中国政府は幼い子供を含めた彼らを強制送還しようとしている。
私たちは北朝鮮の人権問題に取り組む市民団体として、この難民条約違反と人権無視の犯罪行為に強く抗議し、直ちに脱北者たちを希望する第三国に出国させることを中国政府に要請する。また、日本政府には、人権・平和外交の理念から、直ちに中国政府に抗議し、脱北者の送還中止を要請することを求める。
2009年5月8日
北朝鮮帰国者の生命と人権を守る会
代表 三浦小太郎
http://hrnk.trycomp.net/index.php
※上記声明文の元記事
・中国で脱北者30人以上拘束(時事通信)
【ソウル7日時事】韓国の対北朝鮮ラジオ「開かれた北朝鮮放送」は7日のニュースレターで、中国公安関係者の話として、同国山東省青島で4月28日、脱北者30人以上が公安当局に拘束され、北朝鮮に送還される予定だと伝えた。
それによると、拘束された脱北者の中には生後8~10カ月の乳児ら子供7人が含まれている。脱北者は朝鮮族のブローカーの手引きで集まり、団体の観光客に偽装。バスで雲南省昆明に向かう計画だったという。(2009/05/07-17:35)
http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2009050700728
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世間の人は大抵、「脱北者」と来れば、その次には「北朝鮮・拉致問題・核・ミサイル」、或いは「改憲・核武装・愛国心」といった話題を連想するのでしょうが、私は少し違います。私の根底にあるのは、常に「被抑圧者の人権」「被抑圧者の解放」の視点です。
日本の非正規労働者も、北朝鮮の脱北者も、チベット・イラク・パレスチナの民衆も、共に平和・自由・人権が守られる社会を目指すというのが、私の立場です。だから、これらとは相容れない「改憲」志向の「救う会」系の運動とは一線を画しつつも、脱北者救援活動には、人権擁護の立場から取り組みます。
そんな私が、「脱北者」と聞いてまず思い浮かぶのは、下記の「うたは自由をめざす!」という歌の歌詞です。ニュー・エスト系のミュージシャン「ソウル・フラワー・ユニオン」の歌で、「シャローム・サラーム」というアルバムに収録されています。(歌詞は、「少年少女思春期中毒。」さんのブログに掲載されていたものを、そのまま引用させてもらいました)
ソウル・フラワーといえば、その歌詞の内容から、人によっては「左巻きの偏向ミュージシャン」と捉える向きも居られるかも知れませんが、どうしてどうして、彼の人たちは彼の人たちなりに、北朝鮮の事もきちんと考えている事が、下記の歌詞からも分かります。以前の9条世界会議のエントリーでも紹介した通り、歌のメッセージも、「アフガン・イラク戦争も金正日もNO!」という、当ブログの運営方針と完全に合致しています。
この歌は、音楽サイトで検索すれば、試聴やダウンロードが可能です。しかし、ユーチューブにはアップされていないので、このエントリーで直接紹介する事は出来ません。代わりに、似たような感じの曲を冒頭に紹介しますので、そちらで曲の雰囲気に浸って下さい。
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うたは自由をめざす!
ちらばって うたは自由をめざす
混ざりあって うたは自由をめざす
傷つけあって うたは自由をめざす
手を取りあって うたは自由をめざす
デタラメだらけの神々 家畜の歌合戦
世界の終わりのはなしが 茶の間に花そえる
ゲットーから うたは世界をめざす
戦場から うたは自由をめざす
這いつくばって うたは自由をめざす
こんがらがって うたは自由をめざす
とっちらかって うたは自由をめざす
体を張って うたは自由をめざす
デタラメだらけの神々 家畜の歌合戦
世界の終わりのはなしが 茶の間に花そえる
ゲットーから うたは自由をめざす
戦場から うたは自由をめざす
路地裏から うたは自由をめざす
ドヤ街から うたは自由をめざす
傷つけあって うたは自由をめざす
手を取りあって うたは自由をめざす
バグダッドで うたは自由をめざす
ノース・コリアで うたは自由をめざす
辺境から うたは自由をめざす
バビロンから うたは自由をめざす
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今回のエントリーは、当初は憲法記念日の報告を考えていました。5月3日の憲法記念日当日は、「9条の会」主催による講演会を聞いた後、夜にもNHKの特集番組を2つも立て続けに見て、正に「憲法三昧」の一日でしたから。
しかし、朝日新聞に掲載された伊勢崎賢治さんのコラムを読んで、考えを変えました。「憲法9条は日本人にはもったいない」と題されたそのコラムを読んで、私も、その通りだと思いましたから。
「海賊対処法案への反対の声が小さいのは、日本人が、自分の国さえ平和であればそれで良いと、思っているからだ」「そんな身勝手な国民に、憲法9条などもったいない」という、伊勢崎さんの意見については、勿論私の方も言い分はあります。海賊法案のニュースについても、私も、もっと早目にブログで取り上げるつもりでいたものの、北朝鮮ミサイル騒動や、草なぎ逮捕、豚インフルエンザなど、次から次へとニュースが飛び込んできて、対処に追われたというのが、実際の所です。如何にアホみたいなニュースと言えども、「こんなアホみたいなニュースに騙されるな」という事は、最低限言わなければいけませんので。
しかし、それでも、9条の会の講演でも、その夜のNHK番組でも、海賊法案については、殆ど言及が無かったと言うのも、残念ながら事実です。身近な派遣切りの話題には比較的敏感に反応するが、遠い外国の話となると、其処に日本の自衛隊も派兵しようとしているにも関わらず、途端に関心が下がるというのでは、確かに「島国根性」と揶揄されても仕方が無いでしょう。
そこで、これから海賊法案について書く訳ですが、もとより、「武器使用は何処まで許されるのか」と言った枝葉末節の”神学論争”には、私は全く興味が在りません。そもそも、私は、「自衛隊による海賊対処・ソマリア派兵そのものが、違憲・不正行為である」という認識でいますので。
最近の海賊対処法案を巡る論議を聞いていると、日本の国益ばかりが前面に出て来て、もうウンザリしています。国益といえば聞こえは良いですが、「海賊が何故ソマリア沖に出没するようになったのか」「海賊を武装解除するには何が必要か」という、尤も肝心な議論が抜け落ちたまま、只ひたすら「日本が上手く立ち回るにはどうすれば良いか」という自国エゴだけが鼻について、もう、みっともない事この上もありません。
そうではなく、此処ではあくまでも、「海賊の出自」と「武装解除に向けての方策」について、考えていく事にします。
その為には、海賊が出没するに至った、ソマリアやその周辺の「アフリカの角」地域の近現代史を、まず見ていく必要があります。
ソマリア自体は、アフリカ大陸東端の、「アフリカの角」の異名を持つソマリア半島に位置する、遊牧民族(ソマリ人)が主体の国です。他のアフリカ諸国とは違い、ソマリ人主体の単一民族国家なのですが、そのソマリ人自身が、血縁関係によって区分された60以上もの氏族に分かれ、今まで相争って来ました。それが災いして、植民地時代には、伊・英・仏の3宗主国によって領土が分割統治されていました。そこから、旧伊・英領地域が統合・独立して出来たのが、今の無政府状態になる前のソマリア共和国です。
また、第三世界諸国の常として、ソマリアとその周辺諸国との国境線も、植民地時代に恣意的に引かれたもので、実際の民族分布を反映したものでは、一切ありませんでした。その結果、ソマリア外縁部のエチオピア・ケニアにも多くのソマリ人が居住し、ソマリアの領土拡張主義(大ソマリア主義)の要因ともなっていました。
その中でも、取り分けソマリアとエチオピアとは、国境付近のオガデン地域の領有権を巡り、激しく対立してきました。60年代末から70年代にかけて、ソマリアでは社会主義を掲げるバーレ軍事政権が成立し、エチオピアでも、飢饉に無策だった帝政が倒され、その後に、同じく社会主義を掲げるメンギスツ軍事政権が成立します。
両国は、国境のオガデン地域の領有を巡り、70年代から80年代にかけて、互いに戦火を交えます(オガデン紛争)。その両国の紛争を煽ったのが、当初はソマリアのバーレ政権を後押しし、その後にエチオピアのメンギスツ政権に乗り換えたソ連と、当初はエチオピアの前皇帝政府を支援し、ソ連の変節後はソマリアのバーレ政権に乗り換えた米国です。
ソ連がソマリアからエチオピアに乗り換えたのは、単に、ソマリアと比べたら、まだエチオピアの方が大国だったからに他なりません。そして、米ソが相次いで両国の軍事政権に梃入れを図ったのも、偏にこの地域が、スエズ運河から紅海・アデン湾を経てインド洋に抜ける、海上交通の要衝に位置するからに他なりません。
要するに、ソ連も米国も、この地域の民生安定の事なぞは、これっぽっちも考えておらず、只ひたすら海上交通の要衝確保の為に、両国に莫大な軍事援助を与え続ける事で、当該地域を巨大な武器市場に変貌させてしまったのです。その中でも取り分け、自国本位の都合でソマリアの革命を裏切ったソ連の所業は、強く非難されて然るべきでしょう。
これら両国の軍事政権は、いずれも革命や社会主義を掲げはしたものの、人民に依拠せずに、軍事力だけを頼りに「上からの革命」をごり押しした結果、最後には両国の政権ともに、肝心の人民から見放されて、あえなく瓦解してしまいます。
両国の軍事政権が相次いで崩壊した後、エチオピアでは親米政権が成立し、引き続き国内を実効支配します。
問題はソマリアです。ソマリアでは、バーレ政権以後の受け皿となる政治勢力が育たないまま、群雄割拠の戦国時代を迎えます。氏族間の対立も更に激化し、やがて、北部の旧英領地域はソマリランド共和国、中部地域はプントランド共和国、南部地域は南西ソマリア自治政府として、それぞれ分離独立を宣言するに至ります。
その後の、取り分けソ連崩壊以降は、国連・米国・エチオピアなどが、相次いでソマリアに乗り込んで来たものの、最終的には、いずれも現地の軍閥勢力(アイディード派・イスラム法廷会議など)によって、放逐されてしまいます。映画「ブラックホーク・ダウン」は、当時の様子を描いたものです。
全国を束ねる形の暫定政府も一応はあるものの、この暫定政府は、周辺諸外国のお膳立てによる亡命政権にしか過ぎず、国内基盤を殆ど有してはいません。
ソマリアでは、その様な事実上の無政府状態が、かれこれ20年以上も続いているのです。国内経済は崩壊して久しく、国民の大半が外国からの食糧援助に縋る状態が続いています。しかも、その無政府状態を良い事に、ソマリア沖の海上に、産業廃棄物や核廃棄物を不法投棄する国や企業も、後を絶ちません。そうして、生活の糧を失ったソマリ人たちが、生きていく為に始めたのが、海賊行為なのです。
今日、海賊の発生原因と考えられるものには、主に次の二つが考えられています。一つは、前述の環境破壊によって、漁場を失った漁民が、海賊に転化したというもの。もう一つは、前述のプントランド自治政府の沿岸警備隊(英国の警備会社が訓練を担当)が、次第に夜盗化したものだとする説。
そのどちらが正しいかは、今後の解明に待たれる所ですが、確実に言える事は、ソマリア国民を、この様な状態に追い込んだ者こそが、海賊発生の責任を追及されて然るべきだと言う事でしょう。
植民地時代に引かれた恣意的な国境線、氏族間の対立を煽る分断統治、軍事独裁政権に対する武器供与、東西冷戦の代理戦争の様相を示す国境紛争、その時々の都合で支援先を簡単に乗り換える大国の身勝手さ、等々。これらが、ソマリアを海賊が跋扈する国に変えてしまった、真の原因です。
内戦の遠因であると言われる氏族対立にしても、確かに遊牧民社会特有の族長支配に伴う矛盾であり、バーレ政権時代の縁故政治によってそれが更に煽られた面もあるにせよ、必ずしもそれだけではなく、植民地時代に意図的に作られた面もあるのではないかと、私は思っています。映画「ホテル・ルワンダ」の舞台となった、アフリカ・ルワンダにおけるフツ・ツチ両部族の対立も、植民地時代に、分割支配の道具として、意図的に仕組まれたものでした。
その結果、このソマリアという国は、資源に乏しい半乾燥地帯の国でありながらも、アフリカには珍しい一民族・一言語の単一民族国家として、ひょっとしたら、今よりもっと発展していたかも知れないのに、新・旧の植民地主義の所為で、今の様な惨状に至ったのかと思うと、如何に遠い他国の事とは言え、同じ人間として心が痛みます。
ところが、この日本では、そういう問題の背景については、一切顧みられる事なく、貧困を生み出し内戦に介入した大国の責任も、一切不問にされたまま、ひたすら「国益」の美名の下に、「海賊退治」に問題が矮小化されようとしているのです。ホームレス問題の背景たる貧困・格差の問題を等閑にしたまま、ホームレスを長居公園や靱公園から強制排除したのと、全く同じ論理で。
ソマリア派兵と言いながら、肝心のソマリア国民についての言及は一切無く、只在るのは、派兵のアリバイ作りと、日本政府の点数稼ぎ・損得勘定の思惑ばかりで。それが国益追求だと、言ってしまえばそれまでですが、他国の不幸と引き換えに得られる「国益」に、一体どれほどの価値があるのか。そこには自国民の血も流されると言うのに。その行き着く先が、「ソマリアのアフガン・イラク化」でしかない事は、もはや誰の目にも明らかでしょう。
この様に、戦前の満州事変当時さならがに、「紅海・アデン湾は日本の生命線」と謂わんばかりの、帝国主義・植民地主義そのものの論理が、今や堂々と横行するに至っています。しかし、かつて60年代の第三次中東戦争時に、スエズ運河を数年間にわたって閉鎖したイスラエルや、それを後押ししていた米国には何も言えずに、往時は喜望峰回りで欧州と海上交易を行っていた日本が、今更何を言うのかと思いますね。当のソマリア国民の生活をどう立て直すのか、あの国をどう立て直すのかの議論を抜きにして、「海賊問題」の解決なぞ出来る訳がないのに。
(参考資料)
・ソマリア海賊対策の欺瞞性を突く─新法は恒久法・憲法改正への一歩(NPJ通信)
http://www.news-pj.net/npj/kimura/011.html
・ソマリア沖の海賊と自衛隊(水島朝穂HP)
http://www.asaho.com/jpn/bkno/2008/1208.html
・ソマリア沖・アデン湾における海賊対処について(防衛省・自衛隊)
http://www.mod.go.jp/j/somaria/index.html
・ソマリア
http://bhdaamov.hp.infoseek.co.jp/somalia.html
・ソマリア内戦(ウィキペディア)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%BD%E3%83%9E%E3%83%AA%E3%82%A2%E5%86%85%E6%88%A6
・ソマリア沖の海賊(ウィキペディア)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%BD%E3%83%9E%E3%83%AA%E3%82%A2%E6%B2%96%E3%81%AE%E6%B5%B7%E8%B3%8A
・ソマリア海賊を軍艦で制圧することが出来るのか? ――国家再建と地域航行安全体制への支援が先決(ニュース・スパイラル)
http://www.the-journal.jp/contents/newsspiral/2008/12/post_177.html
・海賊の国ソマリアはどうなっているのか(世界の底流)
http://www.jca.apc.org/~kitazawa/undercurrent/2009/piratenation_somalia_today.htm
しかし、朝日新聞に掲載された伊勢崎賢治さんのコラムを読んで、考えを変えました。「憲法9条は日本人にはもったいない」と題されたそのコラムを読んで、私も、その通りだと思いましたから。
「海賊対処法案への反対の声が小さいのは、日本人が、自分の国さえ平和であればそれで良いと、思っているからだ」「そんな身勝手な国民に、憲法9条などもったいない」という、伊勢崎さんの意見については、勿論私の方も言い分はあります。海賊法案のニュースについても、私も、もっと早目にブログで取り上げるつもりでいたものの、北朝鮮ミサイル騒動や、草なぎ逮捕、豚インフルエンザなど、次から次へとニュースが飛び込んできて、対処に追われたというのが、実際の所です。如何にアホみたいなニュースと言えども、「こんなアホみたいなニュースに騙されるな」という事は、最低限言わなければいけませんので。
しかし、それでも、9条の会の講演でも、その夜のNHK番組でも、海賊法案については、殆ど言及が無かったと言うのも、残念ながら事実です。身近な派遣切りの話題には比較的敏感に反応するが、遠い外国の話となると、其処に日本の自衛隊も派兵しようとしているにも関わらず、途端に関心が下がるというのでは、確かに「島国根性」と揶揄されても仕方が無いでしょう。
そこで、これから海賊法案について書く訳ですが、もとより、「武器使用は何処まで許されるのか」と言った枝葉末節の”神学論争”には、私は全く興味が在りません。そもそも、私は、「自衛隊による海賊対処・ソマリア派兵そのものが、違憲・不正行為である」という認識でいますので。
最近の海賊対処法案を巡る論議を聞いていると、日本の国益ばかりが前面に出て来て、もうウンザリしています。国益といえば聞こえは良いですが、「海賊が何故ソマリア沖に出没するようになったのか」「海賊を武装解除するには何が必要か」という、尤も肝心な議論が抜け落ちたまま、只ひたすら「日本が上手く立ち回るにはどうすれば良いか」という自国エゴだけが鼻について、もう、みっともない事この上もありません。
そうではなく、此処ではあくまでも、「海賊の出自」と「武装解除に向けての方策」について、考えていく事にします。
その為には、海賊が出没するに至った、ソマリアやその周辺の「アフリカの角」地域の近現代史を、まず見ていく必要があります。
ソマリア自体は、アフリカ大陸東端の、「アフリカの角」の異名を持つソマリア半島に位置する、遊牧民族(ソマリ人)が主体の国です。他のアフリカ諸国とは違い、ソマリ人主体の単一民族国家なのですが、そのソマリ人自身が、血縁関係によって区分された60以上もの氏族に分かれ、今まで相争って来ました。それが災いして、植民地時代には、伊・英・仏の3宗主国によって領土が分割統治されていました。そこから、旧伊・英領地域が統合・独立して出来たのが、今の無政府状態になる前のソマリア共和国です。
また、第三世界諸国の常として、ソマリアとその周辺諸国との国境線も、植民地時代に恣意的に引かれたもので、実際の民族分布を反映したものでは、一切ありませんでした。その結果、ソマリア外縁部のエチオピア・ケニアにも多くのソマリ人が居住し、ソマリアの領土拡張主義(大ソマリア主義)の要因ともなっていました。
その中でも、取り分けソマリアとエチオピアとは、国境付近のオガデン地域の領有権を巡り、激しく対立してきました。60年代末から70年代にかけて、ソマリアでは社会主義を掲げるバーレ軍事政権が成立し、エチオピアでも、飢饉に無策だった帝政が倒され、その後に、同じく社会主義を掲げるメンギスツ軍事政権が成立します。
両国は、国境のオガデン地域の領有を巡り、70年代から80年代にかけて、互いに戦火を交えます(オガデン紛争)。その両国の紛争を煽ったのが、当初はソマリアのバーレ政権を後押しし、その後にエチオピアのメンギスツ政権に乗り換えたソ連と、当初はエチオピアの前皇帝政府を支援し、ソ連の変節後はソマリアのバーレ政権に乗り換えた米国です。
ソ連がソマリアからエチオピアに乗り換えたのは、単に、ソマリアと比べたら、まだエチオピアの方が大国だったからに他なりません。そして、米ソが相次いで両国の軍事政権に梃入れを図ったのも、偏にこの地域が、スエズ運河から紅海・アデン湾を経てインド洋に抜ける、海上交通の要衝に位置するからに他なりません。
要するに、ソ連も米国も、この地域の民生安定の事なぞは、これっぽっちも考えておらず、只ひたすら海上交通の要衝確保の為に、両国に莫大な軍事援助を与え続ける事で、当該地域を巨大な武器市場に変貌させてしまったのです。その中でも取り分け、自国本位の都合でソマリアの革命を裏切ったソ連の所業は、強く非難されて然るべきでしょう。
これら両国の軍事政権は、いずれも革命や社会主義を掲げはしたものの、人民に依拠せずに、軍事力だけを頼りに「上からの革命」をごり押しした結果、最後には両国の政権ともに、肝心の人民から見放されて、あえなく瓦解してしまいます。
両国の軍事政権が相次いで崩壊した後、エチオピアでは親米政権が成立し、引き続き国内を実効支配します。
問題はソマリアです。ソマリアでは、バーレ政権以後の受け皿となる政治勢力が育たないまま、群雄割拠の戦国時代を迎えます。氏族間の対立も更に激化し、やがて、北部の旧英領地域はソマリランド共和国、中部地域はプントランド共和国、南部地域は南西ソマリア自治政府として、それぞれ分離独立を宣言するに至ります。
その後の、取り分けソ連崩壊以降は、国連・米国・エチオピアなどが、相次いでソマリアに乗り込んで来たものの、最終的には、いずれも現地の軍閥勢力(アイディード派・イスラム法廷会議など)によって、放逐されてしまいます。映画「ブラックホーク・ダウン」は、当時の様子を描いたものです。
全国を束ねる形の暫定政府も一応はあるものの、この暫定政府は、周辺諸外国のお膳立てによる亡命政権にしか過ぎず、国内基盤を殆ど有してはいません。
ソマリアでは、その様な事実上の無政府状態が、かれこれ20年以上も続いているのです。国内経済は崩壊して久しく、国民の大半が外国からの食糧援助に縋る状態が続いています。しかも、その無政府状態を良い事に、ソマリア沖の海上に、産業廃棄物や核廃棄物を不法投棄する国や企業も、後を絶ちません。そうして、生活の糧を失ったソマリ人たちが、生きていく為に始めたのが、海賊行為なのです。
今日、海賊の発生原因と考えられるものには、主に次の二つが考えられています。一つは、前述の環境破壊によって、漁場を失った漁民が、海賊に転化したというもの。もう一つは、前述のプントランド自治政府の沿岸警備隊(英国の警備会社が訓練を担当)が、次第に夜盗化したものだとする説。
そのどちらが正しいかは、今後の解明に待たれる所ですが、確実に言える事は、ソマリア国民を、この様な状態に追い込んだ者こそが、海賊発生の責任を追及されて然るべきだと言う事でしょう。
植民地時代に引かれた恣意的な国境線、氏族間の対立を煽る分断統治、軍事独裁政権に対する武器供与、東西冷戦の代理戦争の様相を示す国境紛争、その時々の都合で支援先を簡単に乗り換える大国の身勝手さ、等々。これらが、ソマリアを海賊が跋扈する国に変えてしまった、真の原因です。
内戦の遠因であると言われる氏族対立にしても、確かに遊牧民社会特有の族長支配に伴う矛盾であり、バーレ政権時代の縁故政治によってそれが更に煽られた面もあるにせよ、必ずしもそれだけではなく、植民地時代に意図的に作られた面もあるのではないかと、私は思っています。映画「ホテル・ルワンダ」の舞台となった、アフリカ・ルワンダにおけるフツ・ツチ両部族の対立も、植民地時代に、分割支配の道具として、意図的に仕組まれたものでした。
その結果、このソマリアという国は、資源に乏しい半乾燥地帯の国でありながらも、アフリカには珍しい一民族・一言語の単一民族国家として、ひょっとしたら、今よりもっと発展していたかも知れないのに、新・旧の植民地主義の所為で、今の様な惨状に至ったのかと思うと、如何に遠い他国の事とは言え、同じ人間として心が痛みます。
ところが、この日本では、そういう問題の背景については、一切顧みられる事なく、貧困を生み出し内戦に介入した大国の責任も、一切不問にされたまま、ひたすら「国益」の美名の下に、「海賊退治」に問題が矮小化されようとしているのです。ホームレス問題の背景たる貧困・格差の問題を等閑にしたまま、ホームレスを長居公園や靱公園から強制排除したのと、全く同じ論理で。
ソマリア派兵と言いながら、肝心のソマリア国民についての言及は一切無く、只在るのは、派兵のアリバイ作りと、日本政府の点数稼ぎ・損得勘定の思惑ばかりで。それが国益追求だと、言ってしまえばそれまでですが、他国の不幸と引き換えに得られる「国益」に、一体どれほどの価値があるのか。そこには自国民の血も流されると言うのに。その行き着く先が、「ソマリアのアフガン・イラク化」でしかない事は、もはや誰の目にも明らかでしょう。
この様に、戦前の満州事変当時さならがに、「紅海・アデン湾は日本の生命線」と謂わんばかりの、帝国主義・植民地主義そのものの論理が、今や堂々と横行するに至っています。しかし、かつて60年代の第三次中東戦争時に、スエズ運河を数年間にわたって閉鎖したイスラエルや、それを後押ししていた米国には何も言えずに、往時は喜望峰回りで欧州と海上交易を行っていた日本が、今更何を言うのかと思いますね。当のソマリア国民の生活をどう立て直すのか、あの国をどう立て直すのかの議論を抜きにして、「海賊問題」の解決なぞ出来る訳がないのに。
(参考資料)
・ソマリア海賊対策の欺瞞性を突く─新法は恒久法・憲法改正への一歩(NPJ通信)
http://www.news-pj.net/npj/kimura/011.html
・ソマリア沖の海賊と自衛隊(水島朝穂HP)
http://www.asaho.com/jpn/bkno/2008/1208.html
・ソマリア沖・アデン湾における海賊対処について(防衛省・自衛隊)
http://www.mod.go.jp/j/somaria/index.html
・ソマリア
http://bhdaamov.hp.infoseek.co.jp/somalia.html
・ソマリア内戦(ウィキペディア)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%BD%E3%83%9E%E3%83%AA%E3%82%A2%E5%86%85%E6%88%A6
・ソマリア沖の海賊(ウィキペディア)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%BD%E3%83%9E%E3%83%AA%E3%82%A2%E6%B2%96%E3%81%AE%E6%B5%B7%E8%B3%8A
・ソマリア海賊を軍艦で制圧することが出来るのか? ――国家再建と地域航行安全体制への支援が先決(ニュース・スパイラル)
http://www.the-journal.jp/contents/newsspiral/2008/12/post_177.html
・海賊の国ソマリアはどうなっているのか(世界の底流)
http://www.jca.apc.org/~kitazawa/undercurrent/2009/piratenation_somalia_today.htm
豚(A型・新型)インフルエンザ流行のニュースが報じられ始めた頃、職場で仕事の合間に、仲間と冗談半分で、「北朝鮮ミサイル騒動の次にメディアジャックされるのは、多分この話題だろう」と、言い合っていたものでした。確かに、自分の足で取材せず、自分の頭でモノを考える事もせずに、ただひたすら右へ倣えの番記者報道に徹して、楽して視聴率を稼ぐには、打ってつけの話題でしたから。そして、実際にその通りになってしまいました。
・新型インフルエンザ発表、「大臣が“突っ走った”」と横浜市長が桝添批判!(情報流通促進計画 by ヤメ記者弁護士(ヤメ蚊))
http://blog.goo.ne.jp/tokyodo-2005/e/5e1b6453ec7ddddfa933e12f6fd95c15
・海外メディアがswine(豚)fluと言っているのに、新型インフルエンザと呼び名変更し不安を煽り政局に悪用する自公政権。(雑談日記(徒然なるままに、。))
http://soba.txt-nifty.com/zatudan/2009/05/swineflu-59c9.html
・舛添大臣に各方面から批判が集中(きっこのブログ)
http://kikko.cocolog-nifty.com/kikko/2009/05/post-6a32.html
・豚インフルエンザ 備えておくこと、忘れてはいけないこと(お玉おばさんでもわかる 政治のお話)
http://potthi.blog107.fc2.com/blog-entry-642.html
その時も確か、「うがいやマスクぐらいなら、まあ我々貧乏人でも用意できる、早期受診もなるべく心がけるとしよう、しかし、それ以上の備蓄やら何やらまで言われても、そんな事まで手が回らない」「病気にかかったからと言っても、簡単には休めない多くのサラリーマンや、保険料の支払いはおろか、日々の食費にすら汲々としている失業者・低所得者にとっては、こんな説教を幾らされても、何の意味も無い」「そもそも、派遣切りや入院・介護制限、生活保護切捨てで、国民をここまで食うや食わずの生活に追い込んでおきながら、何を今頃になって”いい子”ぶっているのか」と、愚痴をこぼしていましたっけ。
「インフルエンザ対策についても、政府やマスコミは、とかく防災・治安の観点でしか物を考えないが、食生活や労働環境の問題を解決しない限り、本当の予防なんて出来ないじゃないか」と、心の中で思っていましたから。
そうしたら、やっはり、こんなニュースが出てきました。
・【新型インフル】発生源は南部養豚場?メキシコ政府は否定(産経新聞)
http://sankei.jp.msn.com/world/america/090428/amr0904282315017-n1.htm
・〔豚インフルエンザ〕発生源?の養豚場は衛生状態が最悪 (低気温のエクスタシーbyはなゆー)
http://alcyone.seesaa.net/article/118329633.html
・豚インフルエンザ、メキシコの社会的危機を深める(マスコミに載らない海外記事)
http://eigokiji.justblog.jp/blog/2009/05/post-125b.html
・世界の流れは食糧主権と家族農業/日本・メキシコ自由貿易協定(農民連)
http://www.nouminren.ne.jp/dat/200310/2003101306.htm#01
・月刊「養豚情報」’08年2月号所収、米国スミスフィールド社と住商フーズの業務提携契約記事
http://www.keiran-niku.co.jp/youton-br08.html
・豚インフルエンザと、より貧しい国へ大規模な養鶏・養豚場が進出していったこと(とむ丸の夢)
http://pokoapokotom.blog79.fc2.com/blog-entry-1093.html
今回の豚インフルエンザ・ウイルスの、最初の発生源と目されている、メキシコ・ベラクルス州の山村ラグロリアにある、米系大手資本スミス・フィールドの子会社が経営する巨大養豚場の実態が、実は糞尿垂れ流し、不衛生な処理、抗生物質・遺伝子組み換え飼料使いまくりの公害企業で、次に病原菌変異による奇病が発生するのは此処ではないかと、現地では以前から問題視されていた、との話です。記事冒頭の写真は、地元メディアが撮影したものの一部ですが、糞尿が何の下水処理もされないまま、池に垂れ流しされているのがよく分かります。
米国の食肉加工業といえば、昔も今も、典型的な3K業種で、食い詰めて流れ込んできた不法移民の足元を見透かして、最低賃金以下の待遇で、「蟹工船」さながらの働かせ方をさせているのでしょう。働く環境も最悪で、糞尿も垂れ流しで。そういう実態が、後にやがて世論の指弾を浴びるようになり、今までの様な大っぴらな形では、本国で操業出来なくなった企業が、今や米国の事実上の経済植民地と化してしまったメキシコに進出し、労働・環境問題を拡大再生産してしまっているというのが、インフルエンザ発生の経済的背景としてあるのでしょう。
だから、本当は豚インフルエンザでもA型インフルエンザでもなく、北米インフルエンザ・NAFTA(注)インフルエンザと呼ぶべきだ、という意見もある位です。
(注)NAFTA:北米自由貿易協定(North American Free Trade Agreement)の略称。米国・カナダ・メキシコの3国で締結され、1994年に発効。域内貿易関税の99%撤廃(金額ベース)などが謳われている。
http://www.weblio.jp/content/NAFTA
しかも、そういう形で作られたミートを、スミス・フィールドと独占販売契約を結んだ住友商事の系列会社が、10年以上も前から米国から日本に輸入し、外食産業やスーパー・コンビニに卸し続けていたと、言うではありませんか。
業界紙では、それをさも画期的事業であるかの様に、自画自賛していますが、何をか況やです。幾らトレーサビリティ(流通履歴確認)やHACCP(ハサップ、重要管理点管理)の手法を導入した所で、当のチェックする側が雪印・不二家や三笠フーズみたいな企業だったら、ザルも同然です。ISO認証という形で、日々のチェックは企業任せになっているので、企業の自浄努力が働かない場合は、逆に、とことんまで暴走してしまう危険性があるのにも関わらず。
日本のマスコミは、こういう問題には一切触れる事無く、楽して視聴率稼ぎに走れる番記者報道に、のめり込んで行っているのです。だから、例えばアフリカのエイズ禍の問題なども、本当はインフルエンザ以上に深刻な問題であるにも関わらず、飛沫感染の心配が殆ど無い(直接関わり合いにならなくても済む=視聴率が稼げない)ので、取り上げようとはしないのでしょう。
エイズ禍の問題も、発端は確かにサル・エイズ・ウイルスの突然変異による感染問題ですが、その裏には、往年の植民地支配に伴う経済・社会構造の歪みや、それを背景に持つ部族紛争・内戦の頻発、それに介入する大国や、暗躍する死の商人、開発に伴う環境破壊の影響が、絶対にある筈です。その結果、当該国民の半数以上がエイズ保菌者となってしまい、地域社会や国家が崩壊の瀬戸際にまで追い詰められているというのに。
豚インフルエンザの脅威が「国家の危機である」と言う以上は、当然エイズ禍の問題も同程度に取り上げなければ、釣り合いが取れません。しかし、そこまで問題を掘り下げて行くと、当然自分たちの国や企業との、それまでの関わり合いも、取り上げざるを得なくなります。
しかし、それでは、下手をすれば「虎の尾を踏む」事にも為りかねません。だから、ひたすら無視するか、若し取り上げる事があっても、「あれはアフリカ・メキシコ・中国・・・の問題で、自分たちとは無関係なのだ」「自分たちは”先進国”の国民として、哀れな”後進国”の体たらくを批判しておれば、それで良いのだ」という報道になるのでしょう。
それで、外国の報道や政府の発表を、そのまま垂れ流すだけの報道が巷にあふれ、政府・与党による点数稼ぎや右往左往に、否応なく巻き込まれる形になってしまっている、国民こそいい迷惑です。
確かに予防は必要です。うがいをし、必要と在らばマスクもしましょう。しかし、それ以上の、心置きなく仕事を休め、お金の心配なぞせずに必要な治療が受けられ、充分な食事や睡眠が取れるようにする事や、どこの国の国民も、低賃金で不衛生な職場で働かなくても良い様に、貧困・格差の問題を解決していくのは、これは政治の責任です。それを抜きにして、やれ「危機管理が為って無い」だの何だのと、偉そうに言う資格が、今の麻生首相や桝添厚労相に在るとは、到底思えません。
・新型インフルエンザ発表、「大臣が“突っ走った”」と横浜市長が桝添批判!(情報流通促進計画 by ヤメ記者弁護士(ヤメ蚊))
http://blog.goo.ne.jp/tokyodo-2005/e/5e1b6453ec7ddddfa933e12f6fd95c15
・海外メディアがswine(豚)fluと言っているのに、新型インフルエンザと呼び名変更し不安を煽り政局に悪用する自公政権。(雑談日記(徒然なるままに、。))
http://soba.txt-nifty.com/zatudan/2009/05/swineflu-59c9.html
・舛添大臣に各方面から批判が集中(きっこのブログ)
http://kikko.cocolog-nifty.com/kikko/2009/05/post-6a32.html
・豚インフルエンザ 備えておくこと、忘れてはいけないこと(お玉おばさんでもわかる 政治のお話)
http://potthi.blog107.fc2.com/blog-entry-642.html
その時も確か、「うがいやマスクぐらいなら、まあ我々貧乏人でも用意できる、早期受診もなるべく心がけるとしよう、しかし、それ以上の備蓄やら何やらまで言われても、そんな事まで手が回らない」「病気にかかったからと言っても、簡単には休めない多くのサラリーマンや、保険料の支払いはおろか、日々の食費にすら汲々としている失業者・低所得者にとっては、こんな説教を幾らされても、何の意味も無い」「そもそも、派遣切りや入院・介護制限、生活保護切捨てで、国民をここまで食うや食わずの生活に追い込んでおきながら、何を今頃になって”いい子”ぶっているのか」と、愚痴をこぼしていましたっけ。
「インフルエンザ対策についても、政府やマスコミは、とかく防災・治安の観点でしか物を考えないが、食生活や労働環境の問題を解決しない限り、本当の予防なんて出来ないじゃないか」と、心の中で思っていましたから。
そうしたら、やっはり、こんなニュースが出てきました。
・【新型インフル】発生源は南部養豚場?メキシコ政府は否定(産経新聞)
http://sankei.jp.msn.com/world/america/090428/amr0904282315017-n1.htm
・〔豚インフルエンザ〕発生源?の養豚場は衛生状態が最悪 (低気温のエクスタシーbyはなゆー)
http://alcyone.seesaa.net/article/118329633.html
・豚インフルエンザ、メキシコの社会的危機を深める(マスコミに載らない海外記事)
http://eigokiji.justblog.jp/blog/2009/05/post-125b.html
・世界の流れは食糧主権と家族農業/日本・メキシコ自由貿易協定(農民連)
http://www.nouminren.ne.jp/dat/200310/2003101306.htm#01
・月刊「養豚情報」’08年2月号所収、米国スミスフィールド社と住商フーズの業務提携契約記事
http://www.keiran-niku.co.jp/youton-br08.html
・豚インフルエンザと、より貧しい国へ大規模な養鶏・養豚場が進出していったこと(とむ丸の夢)
http://pokoapokotom.blog79.fc2.com/blog-entry-1093.html
今回の豚インフルエンザ・ウイルスの、最初の発生源と目されている、メキシコ・ベラクルス州の山村ラグロリアにある、米系大手資本スミス・フィールドの子会社が経営する巨大養豚場の実態が、実は糞尿垂れ流し、不衛生な処理、抗生物質・遺伝子組み換え飼料使いまくりの公害企業で、次に病原菌変異による奇病が発生するのは此処ではないかと、現地では以前から問題視されていた、との話です。記事冒頭の写真は、地元メディアが撮影したものの一部ですが、糞尿が何の下水処理もされないまま、池に垂れ流しされているのがよく分かります。
米国の食肉加工業といえば、昔も今も、典型的な3K業種で、食い詰めて流れ込んできた不法移民の足元を見透かして、最低賃金以下の待遇で、「蟹工船」さながらの働かせ方をさせているのでしょう。働く環境も最悪で、糞尿も垂れ流しで。そういう実態が、後にやがて世論の指弾を浴びるようになり、今までの様な大っぴらな形では、本国で操業出来なくなった企業が、今や米国の事実上の経済植民地と化してしまったメキシコに進出し、労働・環境問題を拡大再生産してしまっているというのが、インフルエンザ発生の経済的背景としてあるのでしょう。
だから、本当は豚インフルエンザでもA型インフルエンザでもなく、北米インフルエンザ・NAFTA(注)インフルエンザと呼ぶべきだ、という意見もある位です。
(注)NAFTA:北米自由貿易協定(North American Free Trade Agreement)の略称。米国・カナダ・メキシコの3国で締結され、1994年に発効。域内貿易関税の99%撤廃(金額ベース)などが謳われている。
http://www.weblio.jp/content/NAFTA
しかも、そういう形で作られたミートを、スミス・フィールドと独占販売契約を結んだ住友商事の系列会社が、10年以上も前から米国から日本に輸入し、外食産業やスーパー・コンビニに卸し続けていたと、言うではありませんか。
業界紙では、それをさも画期的事業であるかの様に、自画自賛していますが、何をか況やです。幾らトレーサビリティ(流通履歴確認)やHACCP(ハサップ、重要管理点管理)の手法を導入した所で、当のチェックする側が雪印・不二家や三笠フーズみたいな企業だったら、ザルも同然です。ISO認証という形で、日々のチェックは企業任せになっているので、企業の自浄努力が働かない場合は、逆に、とことんまで暴走してしまう危険性があるのにも関わらず。
日本のマスコミは、こういう問題には一切触れる事無く、楽して視聴率稼ぎに走れる番記者報道に、のめり込んで行っているのです。だから、例えばアフリカのエイズ禍の問題なども、本当はインフルエンザ以上に深刻な問題であるにも関わらず、飛沫感染の心配が殆ど無い(直接関わり合いにならなくても済む=視聴率が稼げない)ので、取り上げようとはしないのでしょう。
エイズ禍の問題も、発端は確かにサル・エイズ・ウイルスの突然変異による感染問題ですが、その裏には、往年の植民地支配に伴う経済・社会構造の歪みや、それを背景に持つ部族紛争・内戦の頻発、それに介入する大国や、暗躍する死の商人、開発に伴う環境破壊の影響が、絶対にある筈です。その結果、当該国民の半数以上がエイズ保菌者となってしまい、地域社会や国家が崩壊の瀬戸際にまで追い詰められているというのに。
豚インフルエンザの脅威が「国家の危機である」と言う以上は、当然エイズ禍の問題も同程度に取り上げなければ、釣り合いが取れません。しかし、そこまで問題を掘り下げて行くと、当然自分たちの国や企業との、それまでの関わり合いも、取り上げざるを得なくなります。
しかし、それでは、下手をすれば「虎の尾を踏む」事にも為りかねません。だから、ひたすら無視するか、若し取り上げる事があっても、「あれはアフリカ・メキシコ・中国・・・の問題で、自分たちとは無関係なのだ」「自分たちは”先進国”の国民として、哀れな”後進国”の体たらくを批判しておれば、それで良いのだ」という報道になるのでしょう。
それで、外国の報道や政府の発表を、そのまま垂れ流すだけの報道が巷にあふれ、政府・与党による点数稼ぎや右往左往に、否応なく巻き込まれる形になってしまっている、国民こそいい迷惑です。
確かに予防は必要です。うがいをし、必要と在らばマスクもしましょう。しかし、それ以上の、心置きなく仕事を休め、お金の心配なぞせずに必要な治療が受けられ、充分な食事や睡眠が取れるようにする事や、どこの国の国民も、低賃金で不衛生な職場で働かなくても良い様に、貧困・格差の問題を解決していくのは、これは政治の責任です。それを抜きにして、やれ「危機管理が為って無い」だの何だのと、偉そうに言う資格が、今の麻生首相や桝添厚労相に在るとは、到底思えません。