アフガン・イラク・北朝鮮と日本

黙って野垂れ死ぬな やられたらやり返せ 万国のプレカリアート団結せよ!

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 アフガン・イラク戦争も金正日もNO!!搾取・抑圧のない世界を目指して、万国のプレカリアート団結せよ!

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もう応援する気にもなれない

2023年04月29日 23時18分25秒 | 都構想・IRカジノ反対!

高石市長選 統一地方選挙2023 NHK選挙WEB

当選 畑中政昭 維新・新  42歳 当選1回 14,708 56.2%
   阪口伸六 無所属・現 66歳 当選6回 11,456 43.8%

私が数年前まで住んでいた高石も、とうとう維新の市長になってしまいました。今からちょうど20年前の2003年の市長選挙で、堺市との合併が争点になった時に、合併を市民の頭ごしで進めようとした当時の現職市長に対して、待ったをかけたのが、今回落選した阪口伸六氏でした。この時はダブルスコアで阪口氏が得票を集めました。

私もこの選挙結果は予想外でした。高石は、どちらかと言えば保守的な土地柄で、市長選挙では常に現職の市長が勝ってきましたから。その中で、合併反対を掲げた阪口氏が現職に圧勝。

しかし、その阪口氏も、当選を繰り返す中で、次第に独断専行が目立つようになり、それまで市長を応援していた人たちも、次第に市長から距離を置くようになりました。その後の市長選挙では、それらの「元市長派」と阪口氏が争うようになりましたが、いずれも阪口氏にはかないませんでした。

その中で、今回、維新の会から畑中政昭氏が出馬し、阪口氏と市長の座を争う事になりました。阪口氏は「畑中氏が勝てば高石市はまた堺市に吸収されてしまう」と訴えましたが、相手が言ってもいない事を言った為に、かえって逆効果となり、維新に市長の座を奪われる事になってしまいました。

確かに阪口市長の言う事も分かります。現に維新は大阪都構想を掲げて、大阪市廃止を公約に掲げていましたから。でも、阪口市長も、それまで大阪都構想については、賛否を明らかにしませんでした。それが市長選の直前になって急に反対を叫んでも、有権者からすれば「今頃何言ってんねん!」という事にしかなりません。

それよりも驚いたのが、市議選での共産党の退潮ぶりです。堺市との合併が市長選の争点になっていた頃は、共産党市議はまだ3人ほどいて、市議選でも4千票前後の票を集めていました。しかし、その後は得票を減らし続け、今回の市議選では、2人いる市議はいずれも千票を割り込むまでになってしまいました。以前の市議選では当選ラインを下回る票数ですが、今回は維新の市議が大量得票した為に、最下位当選ラインが下がり、そのおかげでギリギリセーフでどうにか当選できたようです。(上記資料参照)

維新の市議は、いずれも「市政の活性化」や「身を切る改革」と言った「威勢の良い」公約を掲げていました。よく言えば「大所高所」、悪く言えば「物価高に苦しむ庶民の生活実感とはかけ離れた」「強者目線」の、そういう公約を掲げていました。

それに対して、共産党の市議は「保育所民営化反対」や「国保料値上げ・生活保護切り捨て反対」と言った、「庶民の生活実感に寄り添うような」「弱者目線」の公約を掲げていました。でも、そんな公約を幾ら掲げた所で、勢いが全然感じられませんでした。議員紹介ページにも顔写真が載っておらず、ブログで自分の意見を発信する事もせず。フェイスブックには投稿していたようですが、私はフェイスブックをやらないので見る事は出来ません。

私は今も住民票は高石にあるので、選挙のたびに高石で投票して来ましたが、今回は府知事選のみ投票し、府議選・市長選・市議選については棄権しました。府議選を棄権した理由については、先の記事で既に述べました。市長選・市議選についても、上記の理由で棄権する事にしました。

私は現在、大阪市内の住之江区に住んでいますが、こちらも選挙事情は高石市と大差ありません。維新を批判している自民党や共産党に、選挙で勝とうという気概が全然感じられません。地下鉄の駅前で宣伝しているのは、ほとんどが維新の候補者でした。マンションの集合ポストに入るビラも、ほとんど維新のものばかり。

町に貼ってある選挙ポスターも、公設掲示板以外はほとんど維新のものばかり。それ以外では公明党のポスターが一部の地域で目立つ程度です。後は自民党のポスターが少し。共産党のポスターはほとんど見かけなくなりました。立憲民主党に至っては、立憲系の無所属市議候補のポスターがたまに目に付く程度で、政党ポスターは皆無。

しかも、府知事選では、負けると分かっているのに、反維新で候補者一本化できず、谷口真由美と辰巳孝太郎の両氏が立つ分裂選挙に。たとえ候補者一本化しても勝てるかどうか怪しいですが、分裂していて勝てる訳がない。候補者擁立して票の掘り起こしが図れるのは、その候補者に勢いのある場合だけです。勢いもないのに、分裂して勝てる訳がない。

それをツイッターで谷口・辰巳両氏に指摘し、なぜ候補者一本化できなかったのか質問しても、どちらからも返事はありませんでした。それでも府知事選挙では、私は辰巳氏に投票しましたが、こんな選挙ばかり続けているようでは、はっきり言って、もう応援する気にもなれません。

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シン京都競馬場に行って来た。

2023年04月26日 08時12分35秒 | 身辺雑記・ちょいまじ鉄ネタ

京都競馬場が2年半ぶりにリニューアルオープンしたので4月23日に早速行って来ました。京都競馬場に入場するには事前にネットで入場券を予約しなければなりません。私は前日の土曜日に予約しました。そして当日は大阪から地下鉄と京阪を乗り継ぎ、お昼前に最寄り駅の淀に着きました。

競馬場ではリニューアルオープンを記念してグルメフェアが開催されていました。ステーションサイド横の陽だまり広場で関西各地の有名レストランが出店し、キッチンカーの前には既に長蛇の列が出来ていました。しかし、どの店も総じて値段が高めです。大体1500円から2000円ぐらいします。私はその中で一番安そうなステーキ丼を注文しました。それでも1200円。さすがに名店のステーキなので肉厚ジューシーで美味しかったですが、味噌汁どころかお茶もないのに弁当に1200円も取られるのはやはり納得いきません。次からは建物内のフードコートで手軽に昼食を済ます事にします。武豊ビールは売り切れてTシャツのみ販売していました。

新しい京都競馬場には神社まで「創建w」されていました。モチノキ神社(左)と馬頭観音(右)です。ちゃっかり賽銭箱まで用意されていました。「ギャンブルも神頼み」という訳ですが、こんな商業主義丸出しの「神社」に「ご利益」を期待しても無駄です。余分にテラ銭を取られるだけです。

ステーションサイドからゴールサイドの方に向かうとパドックが見えて来ます。そのパドックを取り囲むように、コントレイルやシンザンの像が建立されています。その横の三冠メモリアルロードには、ジェンティルドンナやアパパネの像も建立されていました。

パドックもリニューアルされ、芝がきれいに生えそろっていました。パドックで馬を見た後、ゴールサイドの方に向かいましたが、入場券のみの客は立ち見しか許されていません。立ち見の場所もゴール前のわずかなエリアに限られています。ゴールサイドで座席に座って観戦するには、さらにネットで席を予約しなければなりません。勿論、有料です(400円~4000円)。これならまだウインズで観戦した方がマシです。

当日のメーンレースはGⅡレースのマイラーズカップ。GⅠレース安田記念の前哨戦です。本当は翌週のGⅠレース天皇賞(春)開催に合わせて京都競馬場に来たかったのですが、当日は午前中に予定があり、混雑も予想されるので今回来る事にしました。

本命◎はガイアフォース。当初は三連勝の勢いに乗る差し馬の〇ジャスティンスカイを本命にするつもりでしたが、中距離からマイルに転進した先行馬ガイアフォースの方が、コーナーの下り坂で加速できる利点があり、調教映像でも好調ぶりが目に付いたので、急遽こちらを本命に。昨年の勝ち馬▲ソウルラッシュと合わせて三頭から三連単のフォーメーションで流しました。

やはり予想通り◎▲が2・3着に来ましたが、1着は△シュネルマイスターが来て、頭の残り〇ジャスティンスカイは9着に沈んでしまいました。GⅡではまだ力及ばずです。シュネルは出走メンバーの中では唯一のGⅠホースなので、本来なら1着固定で流しても良いぐらいです。しかし近走成績も調教もイマイチだったので、私は▲から△に評価を下げてしまいました。それでも三連複なら△◎▲で的中していましたが、取りガミや元返しになるのを避けて、敢えて三連単と馬単で勝負したので外す羽目に。でも、予想そのものは見直し後の方がより的中に近づき、今後に向けて弾みとなったので悔いなしです。

2023年 マイラーズカップ(GⅡ) | 第54回 | JRA公式

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供託金制度を廃止せよ!

2023年04月23日 09時14分00秒 | 統一教会と安倍国葬の是非を問う

 

和歌山で岸田首相に爆弾投げた容疑者のツイッター・アカウントをフォローしました。「『被選挙権年齢・選挙供託金違憲訴訟』広報」というアカウントです(アドレスはhttps://twitter.com/hisenkyoken)。「選挙権は満18歳以上の成人全員に付与されるのに、被選挙権は満25歳以上にならないと付与されない。しかも、出馬するには高額の供託金を用意しなければならない。これらは全て参政権を保障した憲法に違反している」と言うのが、このアカウントの主張です。

勿論、私は容疑者のやった事は肯定しません。また、容疑者の主張の中の被選挙権年齢の制限についても賛同出来ません。「同じ成人なのに24歳以下は選挙に出馬出来ないのは憲法違反だ」との主張ですが、それは有権者の社会経験の有無を踏まえた上で課せられる制約であり、満25歳以上になれば誰でも出馬出来るようになるのですから、別に目くじら立てて騒ぐほどの事でもないと思います。

確かに、選挙の制約は出来るだけ無い方が好ましいですが、そんな事に目くじら立てて騒ぐよりも、他に先に改善しなければならない課題が山積しています。国政選挙における小選挙区の弊害や、選挙区ごとの1票の格差の問題、戸別訪問の禁止などの行動制限、政党助成金や次に述べる供託金制度の問題点、等々。それらの弊害を除去する方が優先です。その後で、被選挙権の年齢制限についても見直せば良いと思います。

但し、容疑者の主張するもう一つの論点である供託金の廃止については、私も常日頃からそう思っていたので、こちらは全面的に賛同します。供託金制度が設けられた表向きの理由は、当選を度外視した売名目的による出馬を制限し、候補者乱立を防ぐ為です。しかし、売名行為であるか否かを判断するのは、あくまでも行政ではなく有権者であるべきです。有権者が売名行為だと判断すれば、そんな候補者には投票しなければ良いだけの話です。もし、そんな理由で行政による介入を許してしまえば、売名行為取り締まりの名目で、幾らでも言論弾圧が出来てしまいます。

日本で供託金制度が創設されたのは1925年です。当時、大正デモクラシーの風潮の下で、普通選挙実施を求める運動が盛り上がりました。その中で、国が普通選挙実施と引き換えに、治安維持法とセットで、労働者の政治参加や無産政党の進出を抑える為に、導入されたのが供託金制度です。選挙出馬に際して高額の供託金を用意しなければならなくなった事で、労働者や一般庶民は簡単に出馬出来なくなり、政治が「一部の金持ちの道楽」と化してしまったのです。その結果、ブルジョアジー(資本家階級)や皇族・華族の利害を代弁する政党や政治家だけが幅を利かすようになり、それを暴力で打破しようとする軍部やファシストの台頭を招いてしまったのです。

だから、今でも日本だけが選挙出馬の際に高額の供託金を用意しなければならないのです。こんな国は先進国の中では日本だけです。ドイツやフランス、米国には、そもそも供託金の制度自体がありません。その他の供託金制度のある国でも、用意しなければならない供託金は精々数万円程度です。ところが日本では、国政選挙に出馬するには小選挙区で300万円、比例区になると600万円もの供託金を用意しなければならないのです。

その結果、政治が庶民から縁遠いものとなってしまい、一部の政治屋による道楽と化してしまいました。世襲候補やタレント候補が、企業や労働組合などの組織票や、宗教団体の動員票、実際は有権者の3割程度しかいないとされる岩盤支持層の票だけで、楽々と当選できるようになってしまいました。

その典型が先の参院東京選挙区における生稲晃子の当選です。元おニャン子クラブの知名度だけで、政治の事は何も知らない生稲晃子が、何故、参院東京選挙区で大量得票出来たのか?統一教会の支援があったからです。そして、本日投開票される衆院山口2区の補選でも、演説もまともに出来ない岸信千世が、安倍晋三の祖父である岸信介の孫で、安倍晋三からすれば甥に当たるという事で、それを家系図にして、わざわざ選挙ポスターに掲げて、安倍晋三の弔い合戦で逃げ切ろうと目論んでいるのです。

高額の供託金制度がある為に、一般庶民が政治から排除される一方で、世襲候補やタレント候補は、たとえ供託金制度があっても、金に物を言わせてバカでもチョンでも当選できてしまうのです。これでは選挙の投票率が年々低下するのも当然です。本当に投票率を上げたいのなら、有権者に投票を呼び掛けるより先に、政治参加を阻んでいる障害を除去すべきです。供託金制度は売名防止の為ではなく、一般庶民の政治参加を阻止する為にあるのです。こんな制度は百害あって一利なしです。だから、たとえ首相狙撃の容疑者でも、言っている事はその通りなのでフォローする事にしました。

しかし、これは容疑者の行動を肯定する事を意味しません。供託金廃止の主張を考慮しても、容疑者の行動には謎が多いです。例えば、供託金廃止の違憲訴訟を、弁護士も雇わずに本人訴訟で進めようとした点について、私は全く理解出来ません。素人が弁護士も雇わずに国家権力相手に裁判やって勝てる訳がないでしょう。そんな事するぐらいなら、既に供託金廃止を求めて違憲訴訟を進めている弁護士の方々もおられるのですから(例えばこちらの団体など)、その方の支援をする方がはるかに現実的です。

また、いきなり高額の供託金を用意しなければならない国政選挙に出馬するのではなく、少額の供託金(15万円)で済む市町村議選からスタートして、そこで政治家としての経験を積み、人脈を培いながら、やがて国政進出を目指した方が、はるかに現実的です。地方の中には、過疎化で議員の成り手がおらずに、無投票当選を繰り返している市町村も少なくないのですから。身近な地方の課題も解決出来ずに、国政の課題を解決出来る訳がない。

以上述べたように、容疑者の行動にはいまだに謎が多いです。容疑者の主張についても、賛同出来ない点は少なくありません。これらの疑問点については、容疑者が弁護士と接見を果たし、黙秘を解いて口を開き、裁判で真実が明らかになるに連れて、徐々に解明されていくでしょう。それでも、供託金廃止の主張については、私もその通りだと思います。その法律の不備を何も批判しなかった者に、容疑者を非難する資格はないと考えます。

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JRは一体誰の為に仕事をしているのか?

2023年04月11日 22時48分00秒 | 身辺雑記・ちょいまじ鉄ネタ

JR名松線の旅について、投稿字数の制約もあり、前回は割と硬派(政治的)な切り口での紹介となってしまいました。そこで、今回はもう少し旅先の風景やエピソードについても織り交ぜて書く事にします。

そもそも、私が名松線に乗ろうと思ったのは、大阪からも近く、一泊二日もあればあちこち回れると思ったからです。それに、旅館に泊まればお風呂にも入れてゆっくりくつろげると思ったからです。ワンルームのユニットバスではゆったり足も伸ばせませんから。

だから、最初はそんなに期待していませんでした。とりあえず近鉄難波から賢島行きの特急に乗り、松阪で降りたらもうお昼時だったので、「名物の松阪肉でも食べようか、でも一体どこの店がお勧めかもさっぱり分からない、一流のレストランは高そうだし、もう面倒なので駅弁で済ましちゃえ」と、駅の売店で「モー太郎弁当」を買って食べました。

「モー太郎弁当」は松阪牛の牛丼弁当です。松阪牛の肉なので吉野家の牛丼とは味が全然違いました。でも、たったこれだけの量で1700円はないでしょう。いくら松阪牛とは言え、所詮は牛丼でしかないのに、そんなものに何故2千円近くも出さなければならないのか?おまけに雨も降って来ました。「天気予報では曇りのち晴れと言っていたのに。もう今日は乗り鉄だけにして撮り鉄は明日に回そう」。そんな感じで名松線のディーゼルカーに飛び乗りました。

たった1両のディーゼルカーです。超赤字ローカル線と聞いていたので、人っ子一人いないガラガラな車内を想像していましたが、10人ほどの乗客が乗っていたので安心しました。でも、途中駅での乗り降りはほとんどなく、大半の人が撮影に興じていたので、鉄道ファンでどうにか持っている鉄道である事を思い知らされました。

 

ところが、終点の伊勢奥津駅に着いて、駅の隣にある「ひだまり」という観光施設に立ち寄った事で、私の名松線に対する認識はガラッと変わりました。この施設は小さな道の駅に喫茶店を引っ付けたようなお店で、観光案内所も兼ねています。土産物や鉄道グッズも売っていましたが、その価格が結構良心的なのです。地元産の食材を使った炊き込みご飯が何と400円!先程のモー太郎弁当とは大違いです。確かに弁当の中身は地味ですが、こんな値段で美味しい弁当がいただけるなら御の字です。(弁当自体はごくありふれた炊き込みご飯だったので写真は撮りませんでした。今となっては悔やまれます)

それ以外にも、2時間に1本しか列車が来ないダイヤの中で、次の列車に間に合わないからと、コーヒーを残して立ち去ろうとした私に対して、「蓋をすれば列車の中でも飲めるよ」と、わざわざ蓋をして私の所に持って来てくれたり。翌日も、無料で電動自転車を貸していただき、アップダウンのきつい坂や、場所によっては45度の傾斜のある急な坂道でも、比較的楽に絶景スポットにたどり着く事が出来たり。(レンタサイクル以外にコミュニティバスの便もあり)

翌日は天気も回復したので、伊勢奥津周辺の「のれん街」(宿場町の跡)や、そこから約2キロ先にあるミツマタ群生地、さらにその3キロ先にある三多気の桜を見に行きました。2時間おきにしか列車が来ない山間部でこれだけ回れたのも、「ひだまり」の電動自転車があればこそです。あいにくソメイヨシノの桜は散ってしまいましたが、遅咲きの山桜はまだ見頃の最中でした。ミツマタは枝の先が3つに分かれているからその名が付き、昔から和紙の原料として重宝されて来ました。これも名松線に乗りに来て初めて知った事です。

本当は名松線の車窓から撮影するだけでなく、絶景スポットを背に走る列車も撮りたかったです。でも、2時間おきにしか来ない列車をずっと待っていたら、もう他はどこも回る事が出来ません。秘境駅の伊勢鎌倉駅や、ミツマタの咲き誇る比津駅、白山高校のある家城の街並みも散策したかったのに。

でも、たった2時間に1本のダイヤでは、どこも回る事が出来ません。おまけに片道切符しか売ってくれない。私鉄なら大抵どこでも売っている1日フリー切符もない。これでは途中下車して周遊しようと思っても無理です。JRは「鉄道離れが進んだからダイヤを削減した」と言います。確かにそれも間違いではありません。しかし、逆に「ダイヤ削減が鉄道離れをさらに促進した」とも言えるのではないでしょうか。これがせめて1時間に1本のダイヤなら、もっと乗る人は増えると思います。

伊勢奥津の宿場町を再生して、松阪だけでなく伊勢奥津でも泊まれるようにすれば、もっと人は来るのではないでしょうか。一泊数万円もするバカ高い美杉リゾートには泊まれない人も、リーズナブルな民宿には泊まれるかも知れない。さらに、伊勢奥津から名張までバスで通えるようにすれば、赤目四十八滝にも立ち寄れるようになり、近鉄もJRも客が増えるのに、なぜそれをしようとしないのか?

それでも鉄道の赤字は解消しないかも知れません。でも、周囲にこれだけ絶景スポットが散在し、住民も行政も鉄道存続を願っているのに、JRが赤字を口実に、仕事を「手抜き」して良いのでしょうか?もう少しダイヤを増やせば、もっと乗る人が増えるのが分かっているのに、自分たちの都合だけで、不便な「手抜き」ダイヤで「渋々」列車を走らせている。心の中では「早く廃線になればよい」と願いながら。

そのくせラッシュアワーのない日曜日も2両編成のディーゼルカーを走らせたり。赤字解消を口実に、2時間おきにしか列車が走らない、不便なダイヤを沿線住民に押し付けておきながら、逆にこんなムダな事して。まともに仕事する気がないのでしょう。惰性で仕事をしているから、こんな事になるのです。

これ、商売人としてどうなんですかね?昔よりはだいぶ減ったとは言え、その商品を買いたいという人がまだいる。商品の味を改善して値段も下げれば、買いたいという人が増えるのも分かっている。でも、儲けにならないから本当は切り捨てたい。しかし、それを言っちゃうと叱られるので、渋々まずい商品を高い値段で売り続けている。これでは「プロとして失格」じゃないですか。

確かに商売ですから、採算が取れなければ話になりません。それは分かります。でも、商売ってそれだけではないでしょう。その商品を買ってくれる人がいる限り、何とか商品を作り続けようとするのが、「プロの意地」ではないでしょうか?その為の業務改善でありムダ削減であるはずなのに。

鉄道がないと困る人がいる。行政も鉄道存続を望み、支援策を講じている。その中で、JRだけが「儲けにならないから」と、「手抜き仕事」に甘んじている。そんな商売人なら、「最初から商売なんてやるなよ。客はただの金づるじゃないぞ」と言いたくなります。親方日の丸の上にあぐらをかいて、ブラック企業みたいな行いを今後も続けるなら、経営陣を総入れ替えして、やる気のある人に仕事を任せるしかない。それを行政も「上下分離方式」「公設民営方式」でバックアップすれば良いのではないでしょうか。今回も「政治的」な記事になってしまいました。私としてはごく当たり前な事を書いているつもりなんですが。

最後に、私が伊勢奥津駅の駅ノートに書いた文章を紹介して締めくくります。この文章は後でJR東海にも当社ホームページから要望として上げました。

JR名松線を愛し、存続を願うからこそ、敢えて苦言を申し上げます。
本当に存続を願うなら、
・1日フリー切符ぐらい発行して下さい。
・SLやお座敷列車の運行ぐらいやって下さい。
・前日に60人以上もの乗客を単行1両のディーゼルカーですし詰めにしながら、翌日の日曜に通学の高校生もいないガラガラの車内に、わずか12人ほどしか乗客がいないのに、2両で運行するようなアンバランスな事をしないで下さい。

これでは折角、高校生が頑張って廃線反対の署名を集め、行政も主要駅に観光ポスター張って鉄道存続に向けて頑張っているのに、肝心のJRが何もしないのでは、誰も乗りに来てくれなくなりますよ、

ダイヤ大削減の裏でイベント列車の運行にばかり力を入れる地方ローカル私鉄や第三セクターの今の姿が良いとは私も決して思っていません。

また、高速道路や新幹線にばかり予算をつぎ込み、少子高齢化や過疎化に有効な手を打てず、農林業切り捨てで地方衰退に拍車をかける今の政権の責任を免罪するものでもありません。

でも、肝心のJRに鉄道を守ろうという気が全く見られないのでは、やがてはこの名松線にも、誰も乗りに来なくなりますよ。今こそJRの奮起を望みます。

JRは一体誰の為に仕事をしているのでしょうか?

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JR名松線ダイヤから国鉄分割民営化のデタラメを読み解く

2023年04月10日 00時24分09秒 | 身辺雑記・ちょいまじ鉄ネタ
 
4月8日・9日の土日連休を利用してJR名松(めいしょう)線に乗って来ました。同路線は三重県松阪から伊勢奥津(いせおきつ)まで全15駅43キロ余りを約80分で結んでいます。当初は松阪から名張までを結ぶ予定だった事から路線名が付けられました。しかし私鉄の参宮急行(今の近鉄大阪線の前身)の方が先に開通した為に、伊勢奥津から先は工事が中止されてしまいました。
 
それ以降も沿線の美杉村や白山町、一志町(現在はいずれも市町村合併で津市の一部に)の住民の足として活躍して来ましたが、近年のモータリゼーションや過疎化、少子化による交通需要の減少の為に、存廃論議が浮上していました。そして2009年の台風18号による被害の為に、家城(いえき)から伊勢奥津まで長期に渡って運休し、代行バスによる輸送が行われて来ました。
 
しかし、沿線には県立の高校や病院もあり、今も通学生や通院患者の大事な足になっている事から、住民団体の「名松線を守る会」や高校生を中心とした「名松線勝手に応援団」などによる存続運動が展開されて来ました。その結果、線路復旧をJR、治水工事を三重県、周辺環境整備を津市がそれぞれ受け持つ事になり、2016年に全線復旧を遂げる事が出来ました。その為に「奇跡の名松線」と呼ばれ、地味なローカル線であるにも関わらず、最近では多くの観光客が押し寄せるようになりました。
 
 
JR名松線は全線単線の為、途中駅の家城で上下列車が行き違います。その際にタブレット交換が行われます。家城から先は閉塞区間となり、一つの列車しか進入出来ません。ここから先は、タブレットという輪っかのような通行手形を持った運転手の列車しか走る事が出来ません。そうする事で、他の列車の進入による衝突事故を防いでいるのです。このタブレット交換も、名松線以外には千葉県の小湊鉄道や青森県の津軽鉄道など、ごく限られた場所でしか見る事が出来ません。今や貴重な光景です。
 
名松線沿線には色とりどりの花が咲き誇っていました。終着駅の伊勢奥津にはSL時代の給水塔の遺構が残り、蔦の絡まる給水塔としだれ桜を列車と一緒に収めた写真の撮影スポットになっています。他にも比津駅のミツマタや伊勢鎌倉駅の桜が有名です。二日目には伊勢奥津からさらに奥にあるミツマタ群生地や三多気の桜も見て来ました。
 
また、名松線は雲出川の渓谷沿いに沿って走るので、家城ラインと呼ばれる渓谷美も堪能出来ます。更に沿線には宿場町の遺構や温泉付きのリゾートホテルも立地しています。リゾートホテルは一泊2万円以上もするので、私には手が届きませんでしたが、景色を見るだけならタダです。
 
 
名松線の存続運動には地元の高校生が大きな役割を果たしました。家城駅の近くにある三重県立白山高校では生徒の手による駅弁やポスターが作られました。駅弁は地元の店で、ポスターも主要駅で見る事が出来ます。
 
JR名松線は輸送密度(1日1キロ当たりの輸送人員)わずか195人の超赤字ローカル線です。活発な存続運動もさる事ながら、ドル箱の東海道新幹線を抱えるJR東海の傘下にあるからこそ、長期の災害運休から立ち直る事が出来ました。しかし、今後はどうなるか予断を許しません。
 
幸い私の乗った車両には後述の例外を除き、常に十数人の乗客が乗っていました。そのうち数人は練習帰りの高校野球部員でしたが、それ以外の方はほとんど鉄道ファンと思しき人たちでした。何故なら、それらの人たちはほとんど全て、松阪から終点の伊勢奥津まで乗車し、折り返しの列車で帰って来たからです。地元の客ならこんな乗り方はしません。
 
 
 
前述の例外が8日15時8分伊勢奥津発の上り松阪行き単行ディーゼルカーです。ここには60人以上もの人が乗っていました。多分、一つ前の列車に乗りそびれた団体観光客が、次のこの列車になだれ込んで来たのでしょう。そして、この列車に元々乗るはずだった団体客とかち合い、思わぬ休日のラッシュアワーを出現させてしまったのでしょう。他に、途中の家城から野球部のユニフォーム姿の高校生が6名乗って来ましたが、それ以外はほとんど全て鉄道ファンだと思われます。
 
その60人以上もの乗客のうち、約27人の中年男女が一志駅で一斉に下車しました。この駅周辺には大きな商業施設なぞありません。しかし、地図で見たら徒歩数分ほどの所に近鉄大阪線の川合高岡駅があります。互いに連絡こそしていないものの、乗客の方で時間調整さえすれば充分乗り換え可能です。多分、この約27人は近鉄経由でやって来た団体観光客でしょう。
 
こんなにも名松線を愛する人がいたと勇気づけられる反面、一過性の鉄道ブームにいつまでも頼っていてはいけないと痛感させられました。大阪でも外国人観光客やカジノ誘致に行政当局が躍起となっていますが、肝心の国民の暮らしを守らずに、ひたすら外需頼みでは、やがて限界が来るのではないでしょうか?
 
 
ところで、旅の途中で面白い事に気付きました。それは名松線の朝のダイヤが途中の家城駅で分断されている事です。
 
例えば上り始発の400C列車では、伊勢奥津を発車した列車は途中の家城までしか行きません。家城で後続の松阪行きに連絡しています。でも、その待ち時間は6時半から38分まで8分間しかないのです。だったら、家城でわざわざ次の列車に乗り換えなくて済むように、400C列車を終点の松阪まで走せたら良いじゃないですか?
 
同じ事は上り次発の404C列車にも言えます。この列車も途中の家城までしか行きません。家城で後続の松阪行きに連絡しています。でも、その待ち時間も8時5分から19分まで14分間しかないのです。だったら、家城でわざわざ次の列車に乗り換えなくて済むように、404C列車を終点の松阪まで走らせたら良いじゃないですか?
 
なのに何故こんな無駄な事をしているのか?私が思うに、多分、家城で単行列車を2両に増結して、朝のラッシュアワーに対応しているのではないでしょうか。車両が増結されるので、時刻表でも別の列車として扱われているのです。朝のラッシュアワーでは、松阪・家城間と家城・伊勢奥津間にダイヤが分断されるのです。この時間帯は松阪と家城の間を2両編成の列車が行き来し、通勤客や通学客をさばいているのです。402C→407C→406Cと列車番号を変えながら。
 
特に、白山高校に通学する生徒を輸送するには、同校は1学年3クラスまであるので全校では300名くらいの生徒数となり、2両編成にしないとさばききれません。その為に、朝のラッシュアワーだけ、こんな変則的なダイヤになっているのではないでしょうか?
 
 
やはり思った通りでした。7時32分松阪発の407C列車は2両編成でホームに停車していました。でも今日は日曜日なので通学の高校生はいません。だから今日は1両だけしか止まっていないのでは。しかしJRは分割民営化以降も国鉄時代の親方日の丸意識がさらに悪い形で残っているので、ひょっとしたら土日祝日でも平日と同じ様に運行するのではないかと思ったら・・・本当に日曜日でも2両編成で停車していました。
 
大体、平日と土日祝日では、大都市圏でも利用状況はガラリと変わるのに、通学生しか主な需要のない地方で、何故、平日も日祝もダイヤが変わらないのか?その理由はJRの体質にあるのではないでしょうか。この間、地方に旅に出るたびに薄々感じていた事ですが、同じ赤字ローカル線でも、私鉄や第三セクターとJRとでは、鉄道利用者に対する接し方が全然違います。
 
一言で言えばJRは官僚的なのです。私鉄や第三セクターが赤字解消や鉄道存続の為に、あの手この手で経営改善やサービス向上に努力しているのに、JRはいまだに1日フリー切符一つ発行しないじゃないですか。地方の第三セクターならどこでも考えつくイベント列車(SLやお座敷列車)の運行もやろうとしない。通常ダイヤそっちのけでイベント列車にばかり力を入れるのも考え物ですが、それでも何もしないよりははるかに良いです。
 
これでは折角、住民が廃線反対の署名を集め、行政も存続に向けて観光キャンペーンを張っても馬耳東風です。だから、昨日は60人以上もの乗客がいながら単行1両のディーゼルカーで乗客をすし詰めにしながら、今日は全部合わせても12人ぐらいしか乗客がいないのに、2両編成のディーゼルカーで運行したのです。
 
 
かつて国鉄分割民営化を強行したのも、そんな官僚的な体質を是正する為ではなかったのか?それとも単に労働組合潰しだけが目的だったのか?おそらく後者でしょう。だから、「カラ出勤」だの「勤務中に入浴」だのと難癖付けて、労働組合員をシロアリ扱いして、組合潰しを強行したのです。
 
保線区や整備工場の現場職員は油や汚れまみれで仕事しているのだから、勤務終了前には入浴してからでないと、まともな格好で途中に買い物にも寄れない。実際、炭鉱夫もそうやって、入浴で身体を綺麗にしてから退勤していた。それを当時の自民党・中曽根内閣や、その提灯持ちの産経新聞は、まるで仕事をサボっているかのように、偏向キャンペーンを煽って、分割民営化に反対する国労や全動労などを潰しにかかった。
 
その結果どうなったか?親方日の丸の官僚体質はそのまま温存され、その上さらに金儲け至上主義、競争至上主義の新自由主義が加わり、全国各地でローカル線廃止が強行され、安全運行よりも儲けが最優先された為に、福知山線事故や信楽高原鉄道事故のような大事故が繰り返されるようになったのです。
 
 
実際に旅行先の松阪の踏切で、近鉄とJRの格の違いをこの目ではっきりと見る事が出来ました。踏切から向かって右側が近鉄山田線、左側がJR紀勢本線です。
 
確かに近鉄も、ナローゲージの内部・八王子線の貧弱な装備を何十年も放置した挙句に、赤字だからと地元の四日市市に経営を押し付け、第三セクターの四日市あすなろう鉄道にしてしまった前科があるので、手放しでは礼賛できません。
 
しかし、その近鉄ですら、非電化単線のJR紀勢本線と比べたら、はるかにマシです。JRグループの中では優等生のJR東海ですら、この有様なのですから、もう後は推して知るべしです。これでは、いくら沿線住民が鉄道存続署名を集めても、砂地に水をやるようなものです。地元の津市や三重県がいくら観光キャンペーンで名松線を盛り上げようと、なしのつぶてです。肝心のJRに、鉄道を存続する気が全然ないのですから。
 
 
私に言わせれば「宝の持ち腐れ」に等しい暴挙です。せっかく高校生が鉄道存続署名を集め、地元の方が終点の伊勢奥津の観光施設で「名松線にまた乗りに来てなあ」と垂れ幕まで掲げて見送ってくれて、観光客もそれに応えてどんどん乗りに来てくれているのに、肝心のJRにお客様を歓迎する気が全然ないのですから。
 
私は別に「お客様を神様だと思え」と言ってる訳ではありません。せめて観光シーズンぐらいは2時間に1本しかないダイヤを1時間に1本のダイヤに増やすぐらいの事は出来ないのでしょうか?他社のローカル線ではどこでも大抵販売しているお徳用のフリー切符ぐらい販売してくれても良さそうなものを。
 
伊勢奥津駅の隣にある観光物産施設「ひだまり」では、私が列車に間に合わないからと、飲み残したコーヒーのカップにわざわざ蓋までして、急いでいる私の所にまで持って来てくれたのですよ。レンタサイクルも終日無料で借りる事が出来ました。他の所では千円ぐらい取られるのに。官僚的なJRとは雲泥の差です。もっと列車が増発されたら、「ひだまり」にもお客がもっと来るはずです。
 
JRも、いつまでも親方日の丸の官僚体質や、ブラック企業並みの新自由主義体質にあぐらをかいて、今のような殿様商売やボッタクリ商法をこの先もずっと続けていたら、やがて企業の存続自体が危ぶまれるようになりますよ。現にJR北海道がそうなりつつあるように。
 
※なお、今回の更新では、1記事当たりの投稿字数の制約もあるので、表題に掲げたテーマに絞って記事を書きました。その為、せっかく乗り鉄を満喫してきたにも関わらず、やや硬派(政治的)な記事の内容になってしまいました。それ以外の旅の風景や旅先でのエピソードについては、次回で改めて紹介する事にします。
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統一地方選 不毛の選択

2023年04月05日 20時49分27秒 | 都構想・IRカジノ反対!
 
 
統一地方選前半戦(大阪では府知事・府議・政令市の市長・市議選)投票日の4月9日(日)は旅行に出掛ける予定なので、今日、期日前投票に行って来ました。但し、行って来たのは実際住んでいる大阪市住之江区の区役所ではなく、実家のある府下高石市の市役所です。諸事情により、住民票はまだそちらに置いて来ていますので。
 
形の上では私はまだ高石市民なので、私が投票できるのは府知事選と府議選だけです。府知事選は住之江も高石も同じ候補者が出馬しているので投票しやすいのですが、問題は府議選です。高石を離れてもう数年になりますので、候補者の名前も分かりませんでした。そこでネットで一から調べました。
 
大阪府議会の定数削減で、高石市は隣の泉大津市と合区で定数一の選挙区となっています。出馬しているのは大橋一功(おおはし・かずのり)という維新の現職府議と、なかむらよしこ(中村与志子)という無所属新人候補の2人です。私はどちらも馴染みがありません。
 
私は夢洲へのIR・カジノ誘致に反対で、それまでの維新府政についても全く評価していないので、維新候補は論外です。そこで最初は消去法で対立候補の中村に入れようかと考えましたが、もし大橋と似たり寄ったりの候補者だったら意味がないので、中村候補についてもどんな人か一応調べました。
 
そうしたら、何と中村候補も3月まで泉大津で維新の市会議員をしていた事が分かりました。だからNHKの候補者アンケートでも、「吉村府政を一定評価」し「都構想にも賛成」しながら「カジノ誘致の是非は住民投票で決める」と、「どっちつかず」の回答に終始していたのです。
 
 
これが普通の有権者ならまだ分かりますよ。都構想の住民投票でも、維新支持だが大阪市廃止には反対の人は大勢いましたから。でも、市議とは言えイッパシの政治家が、府知事選の一大争点に浮上しているカジノ誘致問題で、こんな曖昧な回答をしていてはダメでしょう。
 
おそらく中村という人は、同じ維新の中で、高石と泉大津で大橋と地盤を分け合って来たのが、今回の選挙区合区でかち合う事になり、自分は降りなければならなくなった。しかし降りたくないので、意趣返しに無所属で出馬する事にした…おそらくそんな所ではないでしょうか。
 
ネットで調べても評判は余り良くないようです。「維新vs元維新」の不毛の選択では、消去法でも選びようがありません。こんな選択肢しか示せない政治への抗議の意味も込めて、府議選では白票を投じました。
 
 
一方で、府知事選では、谷口真由美とたつみコータロー(辰巳孝太郎)のどちらに入れようか最後まで迷いました。どちらも反維新でIR・カジノ誘致に反対しているから。当選の可能性で考えれば、大阪市長選では北野妙子で一本化出来たので、その北野候補と同じ「アップデート大阪」から出馬している谷口に入れる方が、死票になる確率は低いかも知れません。
 
 
でも、谷口はカジノ誘致反対しか言わない。それでは、私の様なガチガチの反維新票は組織出来ても、それ以外の票は組織出来ないのではないか。実際に、今まで反維新はここ数年、候補者を一本化して来たにも関わらず、府知事選でも大阪市長選でも、維新の現職にダブルスコアで負けて来ました。
 
それならまだ、「グリーン革命」で夢洲にソーラーパネルを設置すると公約している辰巳の方が、まだマシかも知れない。それに辰巳候補は、過去に共産党の参院議員として、コンビニ店主がフランチャイズに搾取される「コンビニ会計の闇」問題を国会で取り上げた実績もある。以上の理由で、府知事選には辰巳孝太郎に投票しました。
 
 
それにしても今回の選挙の低調な事。どうにか勝てそうなのは、相手の維新候補も新人の横山ひでゆき(英幸)が出て、反維新の北野たえこ(妙子)とガチンコ勝負に持ち込めた大阪市長選だけ。府知事選は、ただでさえ劣勢の反維新陣営が谷口と辰巳に割れて、もう維新の吉村知事の独走状態となっています。
 
なぜ反維新が統一して、大阪市長選の様なガチンコ対決の構図に持ち込めなかったのか?党派を前面に出すのではなく、カジノ反対の公約でまとまれば、都構想の時の様にカジノも阻止出来るのに。返す返すも悔やまれます。
 
それに対し、こういう意見もあるでしょう。候補者一本化しても勝てなかったのだから、今回は府知事選では反維新の各党が候補者を立てて、それぞれ党勢拡大を図りつつ、その余勢で大阪市長選での勝利を確実にするのだと。しかし、それは反維新の各党が宣伝戦で維新を圧倒出来て、初めて言える事。でも実際は、宣言カーの台数でもポスターの枚数でも、維新の宣伝に圧倒されてしまっているではないですか。
 
これでは先が思いやられます。私も、統一地方選の前半戦では府知事選挙は辰巳候補に投票しましたが、後半戦の高石の市長・市議選では、もう棄権しようと思います。実際に今住んでいるのは住之江区で、高石との繋がりはもうほとんどありませんから。誰が高石の市長や市議になろうとも、自分には直接関係はないので。でも、府知事選はそういう訳にはいきません。だから困っているのです。

そもそも何故、私がIR・カジノに反対するのか?詳しく書けば長くなるので端折ります。カジノで金儲けする事自体が人の道に反するからです。カジノはギャンブルです。しかも競馬やパチンコとは掛け金の額が比べ物にならないくらいデカい。それだけ依存症になる確率もなった時の損害もデカい。

つまり迷惑施設だと言う事です。幾ら儲かるからと言っても、公害企業を誘致するバカはいないでしょう。「IRは複合リゾート施設で、カジノだけでなくホテルや国際展示場もある」と言いますが、儲けの源はカジノです。それ以外のホテルなどはカジノ客しか利用出来ません。

そんな迷惑施設の為に、何故、それまであったコンテナ施設やゴミ処分場を潰して、有害物質の除去や軟弱地盤の改良にこの先どれだけ掛かるか分からないのに、土壌改良費に税金を何千億と注ぎ込まなければならないのですか?

確かに競馬もギャンブルですが、そこにはロマンもあります。臆病な馬や弱い騎手でもGIレースで勝てるようになろうと努力する。厩舎関係者もそれを応援する。毎日早朝から糞まみれになり、馬の餌やりや馬房の掃除に明け暮れながら。だからファンもそれを応援するのです。

カジノにはそんなロマンは一切ありません。そこにあるのは、ひたすら金儲けの損得勘定だけです。それで幾ら多重債務者や自殺者、ギャンブル依存症患者が増えようが、後は野となれ山となれ。

そんな物に大阪の未来を託して良いのか?良いはずありません。だったら何故、政党やイデオロギーの違いを乗り越えてカジノ誘致反対で団結出来ないのか?私が言いたい事はそれだけです。
コメント (3)
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