アフガン・イラク・北朝鮮と日本

黙って野垂れ死ぬな やられたらやり返せ 万国のプレカリアート団結せよ!

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 アフガン・イラク戦争も金正日もNO!!搾取・抑圧のない世界を目指して、万国のプレカリアート団結せよ!

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 詳しくは→こちらを参照の事。
 「プレカリアート」という言葉の意味は→こちらを参照。
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マイツイートでつづる2014年

2014年12月31日 16時59分39秒 | 貧乏人搾取の上に胡坐をかくな
★年間上位16ツイート
 今年1年間の中で比較的多くのリツイートがあったツイートを抜き書き。そこからまたトップ10に絞るつもりでしたが、どれも捨てるにはしのびなくなり結局全部載せる事に。最初はもっと簡単に終わると思っていたが、予想外に多くのツイートに、読み直すだけで思ったよりも時間がかかってしまいました。



 「軽減」税率と簡単に言いますが、いざ実施するとなると、「自炊でまかなう食料品は生活必需品だが外食は贅沢か?」「ジャンクフードのハンバーガーや牛丼にまで消費税をかけながら、専業主婦が自宅で作るホームメイドのケーキは非課税にするのか?」と、もう訳が分からない事に。それに、いくら食料品だけを非課税にしても、それにかかる原材料費や物件費・人件費には消費税がかかるのですから、その時点で「絵に描いた餅」にしか過ぎない事がバレバレに。









 これ、スコットランドやウイグル・チベットだけの問題ではないでしょう。この日本でも、普段は「地方の時代」だの「地方分権」だの言いながら、住民から土地を奪い無理やり造った米軍基地の返還を求めただけで、やれ「反日」だの「媚中」だのと、アホの一つ覚えの様に言う日本人が余りにも多すぎます。そのアホな日本人も、自分の家族や恋人が米兵にレイプされたら怒るくせに、他人の事となると途端に冷酷になる。要するに「自分さえ好ければそれで良い」のです。だから、これだけ格差社会が広がっても、まだアベノミクスのお零れにあやかろうとする。しかし、それでも時代は確実に変化しています。その一つの現れが、今年の沖縄県知事選での辺野古移設反対派知事の誕生であり、衆院選での共産党躍進や沖縄での自民候補全敗です。日本人もいつまでも奴隷根性に支配されたままではない。







 8月7日のツイートで原爆慰霊式での安倍のやる気の無さに怒りの投稿をした途端に、自民党やネトウヨ(ネット右翼)の工作員と思しき輩から当てこすりのリツイートが山のように。しかし、その後、安倍の式典弔辞が毎年ほとんど同じ文面の使い回しである事が発覚し、その後の内閣改造でも右翼で軍拡・核武装賛成の日本会議や靖国議連の政治家ばかり重用し、その一部はネオナチ団体幹部とツーショット写真に収まっていた事まで明らかになった途端に、これらの工作員は全員雲隠れ。















 この頃、ちょうど「すき家」バイトの大量退職が話題になっていました。深夜のワンオペ(一人勤務)で従業員がトイレにも行けない状態の中で、調理に時間がかかる鍋メニューが強引に導入され、折からの大雪で交替のバイトも店に出勤できなくなり、とうとうバイトの怒りが頂点に達し、自然発生的な「退職スト」の広がりで、全国で閉店に追い込まれる店が続出。たとえどんなブラック企業でも、労働者が本気で怒れば、もはや無傷ではありえない事が見事に証明されました。



★特別賞
 こちらは、リツイートの数こそ少ないものの、前述の「年間上位16ツイート」と同様に、今後の日本の将来を暗示すると思われるツイートを、個人的に選ばせてもらいました。例えば昨年の山梨の大雪に関するツイートも、今年も年明け早々に寒波到来が予想される中で、また同じ事が起こるのでは。それどころか、今年12月10日の秘密保護法施行で、更に政府による情報隠蔽の恐れも。









 それでは、今年も良いお年を。
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年末近況と有馬記念の報告

2014年12月29日 08時51分09秒 | 身辺雑記・ちょいまじ鉄ネタ


 また少しブログ更新の間が空いてしまいました。それと言うのも、実はこの間、風邪で体調を少しこじらせてしまっていたからです。
 この間の寒波で身体が冷えた為か、咳や鼻水が止まらなくなり、先週月曜日の仕事帰りに医者に診て貰い、やはり風邪という事で、ずっと薬を飲んでいたのですが、なかなか治らなくて。幸い熱は無かったので、この年末も仕事を休む事はありませんでしたが、帰宅後はもう夕飯・入浴を済ませた後は直ぐに床に就いていました。その間に一度あった折角の公休日も、年賀状を書いたりした後はもうずっと寝ていました。その甲斐あってか、今ようやく咳も鼻水も収まりつつあります。

 今日はまだ29日。てんてこ舞いだったクリスマスがやっと済んだと思ったら続いて年末大晦日と、まだまだ忙しい状態が続きます。今日はその中休みの公休日と言う事で、久しぶりにブログの記事を書いている所です。
 流通・サービス業はどこでもそうですが、他の業種の人が長期の休みに入るゴールデンウィークや盆・暮れのこの時期の方が、逆にいつも以上に忙しくなります。私の勤める某スーパーの物流センターでも、通常は昼12時と翌朝6時の1日2回だけだった配送便の出発時間が、この27日からは夕方16時も加わり、1日3便体制となります。その配送の出発時間に出荷を間に合わせる為に、いつもならきっちり1時間取れる昼休みも、前半と後半に30分ずつ分けて取らざるを得なくなりました。
 早朝7時から昼12時過ぎまでの商品出荷をようやく終えた後、30分で昼食を慌しく掻き込み、午後からも出荷作業にフル稼働です。この季節、蒲鉾やしめ飾り、祝鯛などのお正月惣菜の出荷がピークを迎えます。そして夕方16時の出荷が終わった後、ようやくいつもやっている午後からの作業準備に取り掛かり、夜勤メンバーに業務を引き継いで終了です。
 この様に、仕事の密度はいつも以上に濃くなりますが、年末だからと言って、それで逆に残業時間が長くなる事はありません。いつも定時で帰る事が出来た日も、年末は毎日1時間程度の残業が発生するだけです。夜勤と昼勤と交代で24時間体制で仕事を回している為に(実際は夜勤にも早出と遅出があるので実質3交代制に近い)、夜勤だけ、昼勤だけに負担がかかる事がないからです。それがまあ唯一の救いと言えば救いです。

 その為、折角のブログ更新も余り大した事は書けません。しかし、それでは余りにも芸が無いので、最後に今年の有馬記念の結果報告だけしておく事にします。(上記写真参照)
 最近はもう競馬はほとんどやらない私も、競馬ファンの端くれとして年末の有馬記念だけは何としても購入しようと、仕事の合間を縫って馬券を買ってきました。しかし、結果は外れ。1着から5着まで全部マークした馬が来たのに、2着にノーマークのトゥザワールドが入り、惜しくも外してしまいました。このトゥザワールドも、後々よく考えれば、皐月賞2着、ダービー5着の実力馬なので本来ならマークすべきだったのでしょうが、菊花賞16着敗退で人気を落としていた上に、元々3歳馬のレベルをそんなに高く評価していなかった事もあり、完全にノーマークに。後は△ジェンティルドンナ1着、▲ゴールドシップ3着、○ジャスタウェイ4着、◎エピファネイア5着(しかもこの3~5着は各々ハナ・クビ差)、前走の金鯱賞をレコード勝ちした事で前述人気馬への逆張りを狙った穴馬△ラストインパクトも7着と、そこそこ良い線は行っていたのに。
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根性論の押し付けに乗せられるな!

2014年12月21日 21時50分30秒 | 職場人権レポートVol.3


 8月に例のバカ社員・井下が私の事前の定休(公休)申請をガン無視してムチャクチャな勤務シフトを組んで以降(参考記事)、シフト編成の時期が来るたびに、私は年間の定休申請リストのコピーを財布にしのばせて持ち歩くようになりました。万一ムチャなシフトを組まれたら、その場で直ぐに対応できるようにする為に。普通の人間なら、こんな初歩的なミスを何度も繰り返したりしないので、私もそこまでする必要はないかと思いながら。

 私の定休申請の理由はその大半が腰痛治療の為で、受診日程があらかじめ決まっており、急な日程変更にもなかなか対応できないので、わざわざ1年分の定休希望日をリストにして、前年12月にまとめて提出してきたのです。そうして、治療日の休みについては他の人以上に配慮してもらっている分、他の日はなるべく有休も取らずに頑張ってきたつもりです。

 その中で、9月、10月、11月と何事もなかったので、さすがに同じミスはもう繰り返さないだろうと思っていたら、またやってくれました!定休申請リストにはその年の年末の分まで全て書かれていたにも関わらず、最後の12月21日の申請がまたしても無視されました。私は治療日の12月21日は出勤扱いとされ、翌22日が休みにされていました。
 私は早速、責任者の人と交渉して、その場で22日の休みを21日に振り替えてもらいました(上記シフト表の「バイト私」「12月21日」の項目参照)。そして20日の朝礼で、井下を思いっきりどやしつけてやりました。「お前、俺を舐めてんのか!前と同じミスをまた性懲りもなく繰り返して!それでよく社員でおれるな!」と。

 井下の今回のミスも、好意的に捉えれば、来年への年度替わりの上に、年末繁忙期の段取りも立てなければならない中で、来年の定休カレンダー作成ばかりに頭が行った為に、今年最後の定休申請についての確認がおろそかになってしまったのかも知れません。これが一度だけなら、私もここまで井下を追いつめたりはしませんでした。しかし、井下の定休申請確認漏れはもうこれで二度目です。しかも、この他にも同じようなミスを何度も繰り返しています。もうこれでは全然反省していないと思われても仕方ないでしょう。

 しかも、この12月21日から始まる来年1月度の勤務シフト表自体も、何と前日20日の朝になってようやく渡されました。年末年始をはさんだ年間で一番忙しい、一番失敗の許されないこの時期のシフト公表が、なぜ前日ギリギリまでずれ込むのか。迎春の準備に大わらわなのは会社だけでなく個人も同じです。逆に普段の月以上に早めに公表されて然るべきなのに。これも好意的に捉えれば、失敗が許されないからこそ、熟慮に時間がかかったとも取れなくはない。でも、初日からつまずいている所や、この会社の普段の行状から見ても、その可能性はまず無いでしょう。行き当たりばったりの末にシフト作成がギリギリまでもつれこんだと考える方が、むしろ自然ではないかと。

 そう考えて、この年末年始の繁忙期をはさんだ来年1月度の勤務シフト表を、自宅で改めて見直した所、他にもおかしな点がいくつか見つかりました。その中でも一番気になったのが、社員や一部バイトの年末連続勤務です。井下を含めた社員3名全員(井下と社員A・B)とバイト2名(C・D)の計5名が、いずれも7~11日休みなしの連続出勤になっています。(上記シフト表のピンク色の部分参照)

 それによると、
 井下は12月23日から30日まで連続8日勤務に。
 社員Aは12月26日から1月5日まで何と連続11日勤務に。
 社員Bは12月27日から1月2日まで連続7日勤務に。
 バイトCは12月22日から28日まで連続7日勤務に。
 バイトDは12月24日から1月2日まで何と連続10日勤務に。しかも最も忙しい農産部門ゆえに、そのうち8日連続で早朝6時から始業に。

 そう言えば、11月末の臨時昼礼でも、「年末繁忙期については、可能な人については普段週休2日の所を週休1日にしてもらうかも知れません。それでも良いという人は是非申し出て欲しい」旨の連絡があったのを思い出しました。でも、申し出が余り無かったので、このような結果になったのかも。
 しかし、最大で連続11日勤務ともなれば、労働基準法に違反しているのではないか。そう思って、労働基準法の条文に少し当ってみた所、意外な事に違反ではありませんでした。
 労働基準法第32条には1日8時間、週40時間労働の制限が定められていますが、これはあくまで原則であって、実際には例外規定の名目で、色々と抜け穴が用意されているのです。それがフレックスタイムや裁量労働制です。それらの中には、消防や医療関係など、仕事柄どうしても不規則勤務にならざるを得ないものもありますが、実際はそれだけでなく、残業規制などを免れるために、企業がこの制度を悪用している面もあるのです。

 その例外規定の中に、「変形労働時間制」というのがあり、労基法第32条の第4項・第5項に詳しく載っています。
 それによると、年末など特定の時期に業務が集中する業種については、最大1日10時間まで、連続12日間まで働かせる事ができるのだとか。もちろん、いつまでもという訳には行きません。そういう事ができる特定期間(業務繁忙期)は、最大でも年間280日までと決められています。しかも、事前に労使協定でちゃんと取り決めておかなくてはなりませんし、その場合でも、18歳未満の年少者(高校生バイトなど)や妊産婦にはこの例外規定は適用されません。(参考記事

 でも、これは裏返せば、それ以外の労働者には全部適用されるという事です。連続11日勤務と口で言うのは簡単ですが、実際にやってみると結構堪えます。今まで、とかく労働基準法と言えば、まるで「伝家の宝刀」みたいに捉えていた所が私にもありましたが、労働時間については今や「抜け穴」だらけとなってしまっていたのです。道理で、「基本的人権の尊重」を憲法で定めたはずのこの国で、長時間労働・サービス残業や過労死が後を絶たない訳です。

 しかも、この会社のズルい所は、バイトのD君を上手く盾に使っている事です。今年、正社員の登用試験を受験中のバイトで、筆記試験には首尾よく合格し、来年面接試験を受ける予定だとか。私も、人望もあり仕事もできるD君には是非採用試験に通ってもらいたいと思っていますが、その彼が、まだバイトであるにも関わらず、社員と同じように連続10日もの負担を課されるのは、何か会社がD君の足元を見透かしているようで、余り良い気がしません。逆に井下については、普段が普段なので、自業自得と思いこそすれ、全然同情する気にはなれませんが。

 しかし、労働基準法は本来、労働者を保護する為の法律です。「その条文を口実に労働条件切り下げに悪用するような事をしてはならない」と、労働基準法の第1条にもちゃんと書いてあります。仕事はちゃんとやらなければならないのは当然です。しかし、それとは別に、主張すべき権利もちゃんと主張する。その為には、労働者にはどんな権利があるかという事についても、普段からもっと知っておかなければなりません。「頑張れ頑張れ」と会社は言うが、果たして言えるだけの事を今までどれだけやってきたのか。その責任を問われずに、根性論だけを押し付けようとしても、そうは問屋が卸しません。
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希望と絶望が混ざり合った選挙結果

2014年12月17日 08時18分26秒 | 貧乏人搾取の上に胡坐をかくな


 今度の選挙。「自民党の圧勝」と言われているが本当にそうか?
 実際の議席数を、上記参考資料の表の赤枠で示した部分に沿って見て行きましょう。以下、公示前→選挙後の議席数とその増減です。

 自民党 295→291で▲4
 公明党 31→35で+4 
 これで与党は±0。何の事はない。単に現状を維持しただけではないですか。「自公で衆院の3分の2(317議席)以上制した」と言うのも、公示前から既にその状態にあった訳で、別に目新しい事でも何でもない。逆に自民党は議席を減らしている。公明党の増加分でどうにか収支トントンに収まっただけです。これでは単なる「横ばい」であって「圧勝」とまでは言えないのでは。

 対する野党はどうか?
 民主党  63→73で+10
 維新の党 42→41で▲1
 共産党   8→21で+13
 次世代の党19→2で▲17
 生活の党  5→2で▲ 3
 社民党   2→2で± 0
 無所属  17→8で▲ 9

 民主党は党首の海江田が落選してボロ負けしたように言われていますが、議席数ではむしろ巻き返しています。
 維新の党は、マスコミで「議席半減」と書かれた割には結構持ちこたえました。公示前からわずか1しか減らしていない。これは「予想外の健闘、善戦」と言って良いでしょう。
 共産党は8から21と13も増やしている。沖縄1区では選挙区でも自民党候補に競り勝ちました。これはマスコミの言う通り「躍進」です。

 後はもうボロボロですね。
 次世代の党は、平沼赳夫(ひらぬま・たけお)や石原慎太郎が中心になって作った党ですが、元々、自民党の中でもより右翼的な立場にいた人たちが、一旦「維新の党」に合流した後また分かれて出来た党です。その間に党名も何度か変わったりしています。それが今回17議席も減少。はっきり言って「惨敗」です。
 生活の党以下については、もう元から数が少ないのでここではコメントを省略します。

 実際はこれらの党以外にも、公示前に解党してしまったのでここには出て来ませんが、「みんなの党」というのがありました。渡辺喜美(わたなべ・よしみ)が最初の代表を務め、後に浅尾慶一郎に代わりました。前回の衆院選では18議席取っています。しかし、その後は他の党と引っ付いたり離れたりした末に、今回の選挙を待たずに解散してしまいました。その他にも、「太陽の党」「結いの党」「新党きづな」など、色んな新党があぶくの様に生まれてはまた直ぐ消えて行きましたね。

 「維新の党」「次世代の党」「みんなの党」などは、自民党でも民主党でもない「第三極」の政党として、「民主党には愛想が尽きたが、でも昔の自民党の政治も嫌だ」という人の受け皿として、一時マスコミから散々持ち上げられました。
 でも結局はどの党も、元をたどれば自民党から分かれた人たちが中心になって作った党で、基本的な主張も自民党と全く同じ。寧ろ自民党より更に右翼的で過激だったりする。自民党を批判する場合でも、「憲法改正もっと早くやれ」「消費税10%先送りなんかするな」「公務員もっと減らせ」「福祉ももっと減らせ」という「批判」しかしない。そんな「野党」がいくら伸びた所で、自民党にとっては痛くもかゆくもない。
 今回の選挙は、そんな「自民党にとっては痛くもかゆくもない」「隠れ自民」みたいな野党が激減して、代わりに共産党の様な「野党らしい野党」が伸びました。おまけに沖縄では自民党が全員落選。

 これでは決して「自民党圧勝」とは言えないでしょう。
 実際、自民党は得票率で見ても比例区で約33%、選挙区でも約48%しか取れていません(前述の表の青枠で示した部分参照)。しかも、投票率自体が約52%と戦後最低でしたから、有権者全体で見るともっと比率は下がります。比例区ではわずか17%、選挙区でも24%。最大でも4人に1人しか自民党を支持していないのです。
 では、そんな「4人に1人からしか支持されていない」党がなぜ「衆議院で291も議席を取れる」のか。それは選挙制度が元々不公平だからです。衆議院定数475議席のうち、その62%の295もの議席が小選挙区(選挙区)で選ばれます。小選挙区では基本的に1選挙区に1人しか当選できませんから、同じ選挙区に4人や5人も候補者が乱立したら、わずか2割や3割の得票でも当選できてしまいます。これでは、組織に支えられ知名度も資金もある大政党の候補者や世襲候補がどうしても有利となる。たとえ候補者が少々ボンクラであっても。だから、小渕優子や松島みどりみたいな問題のある候補者でも大した苦労もせずに次々当選できるし、政党の得票率では48%しかなくても75%もの議席を得る事が出来るのです。投票率が年々低下しているのも、それに嫌気が差してみんな投票に行かなくなるからです。

 そういう、元々、政権与党に圧倒的に有利に作られた選挙制度の中で、「自民党だけで衆議院の3分の2以上を制する」と言われていたのが、蓋を開ければ、自民党はわずかではあるが逆に議席減。野党も自民党と似たり寄ったりの野党が大幅に議席を減らし、逆に反自民色の鮮明な野党が躍進。「まだ前の選挙から2年しか経っていないのに、この忙しい年末になぜ解散するのか?」という疑問の声を押し切って、党利党略で「勝てる」と踏んで解散したら、逆にこのような結果になってしまったのですから。決して悲観すべき内容ではないと思いますけどね。

 もちろん楽観は禁物です。自民党単独では衆議院の3分の2は取れなかったものの、公明党と併せれば326議席と、3分の2の317議席を今でも優に超えています。おまけに、自民党より更に右寄りの「維新の党」が、議席半減の予想を裏切り、しぶとく生き残りました。だから、安倍はアベノミクスの宣伝で「給料上がる」と有権者を煙に巻きながら、裏ではかつてない強引さで、秘密保護法や集団的自衛権、原発再稼働をゴリ押しし、「公正中立な報道をしろ」とマスコミを露骨に恫喝(どうかつ)したり、もうやりたい放題できるのです。「公正中立」と言うのも単なる建前で、実際は街頭インタビューの仕方にまで政権与党がいちいち注文付けて来るのですから、日本も、もはや民主化運動が弾圧された中国の香港ともそう変わらないのではないでしょうか。

 そして油断も禁物です。このまま「自・共対決」に共産党が勝利できるほど、日本の政治は甘くはありません。共産党は、今の選挙制度に変わってからも、1996年に一度26議席まで躍進した事がありました。でも、その後は、小泉郵政解散や、自民党から民主党への政権交代劇に、すっかりお株を奪われ、長期低迷を余儀なくされました。
 1996年(橋本内閣)26→2000年(森内閣)20→2003年(第1次小泉内閣)9→2005年(郵政解散)9→2009年(民主党政権に交代)9→2012年(自民党が政権復帰)8議席、という具合に。
 この様に、共産党はこの18年間、民主党などのどっちつかずの政党や、「第三極」などの自民党補完勢力の陰に隠れ、今まで冷や飯食わされてきた訳ですが、また同じ事が繰り返されるとも限りません。何度自民党に痛めつけられても、また自民党に政権をゆだねるような国民がまだまだ多いのですから。

 しかし、国民もずっとやられっ放しではありません。沖縄では自民党が野党統一候補に全敗した事は既に書きましたが、同じような動きは実は本土でも広がっているのです。まず大阪がそうじゃないですか。最初は自民・公明推薦で大阪府知事に就任した橋下徹が、大阪市長に鞍替えして余りにも好き勝手な事ばかりやる為に、今では自民・公明も含め、すっかり橋下に愛想を尽かしてしまいました。橋下が鳴り物入りで宣伝していた大阪都構想も、区役所が遠くなり住民サービスも削減される事が次第に明らかになり、今や維新以外の全政党が反対に回るようになってしまいました。
 たとえ自民党と言えども、地元の市議や府議は、次の選挙の事を考えれば、地域住民を完全に敵に回す事は出来ません。東京で戦争ごっこにふけっていられる安倍首相や、大企業からいくらでも政治献金がもらえる国会議員とは、そこが決定的に違います。このままいけば、次の大阪市長選挙・府知事選挙でも、大阪でも沖縄の様な反維新の統一候補を擁立する事が出来るかも知れません。



 既にその兆しはこの選挙でも見られました。例えばこの大阪3区では、与党候補の佐藤茂樹(公明党を自民党が応援)8万4千票余に対して、共産党候補の渡部結(わたなべ・ゆい)が6万3千票余にまで詰め寄りました(得票率約42%、Wikipedia資料・左上のポスター写真参照)。今度の選挙では、他にも大阪5区や兵庫8区など、そんな選挙区が大都市部を中心にいくつか生まれました。私が前回記事の中で注目選挙区として上げた福岡8区も、元生協職員の共産党女性候補が、自民党副総理の麻生太郎にダブルスコアで負けたとはいえ、ここでも5万票余も取っています。
 他の野党が候補者擁立を見送る中で、自(公)・共対決となった選挙区では、共産票だけでなく無効票もかなり出たそうですが、その無効票も、「共産党には入れなかったが自民党にも入れなかった」という意味では、「少なくともアベノミクスの嘘には騙されなかった」とも言える訳で、共産党の働きかけ如何(いかん)によっては、充分支持票になり得るのではないでしょうか。但し、前述したように一過性のブームで終わらせてはなりませんが。いずれにしても、小選挙区でも決して勝てない数字ではないと思います。

 安倍の悪政はアベノミクスや消費税だけではありません。秘密保護法や集団的自衛権、原発再稼働だけでもありません。もちろん、それらも重大な問題ですが、他にも国民生活に密着した分野で、様々な悪法が通されようとしています。衆院解散で一旦廃案になった派遣法の改悪や残業代ゼロ法案などもその一つです。
 派遣法改悪と言うのは、今までは派遣も3年経てば正社員への道が開かれていたのが、改悪後は派遣社員は3年で雇止め、企業だけが人を入れ替えればいつまでも派遣で使い回しできるようにするという内容です。これでは、潤うのは企業だけで、労働者は正に踏んだり蹴ったりです(右上の説明図参照)。
 残業代ゼロ法案も、実際は今でもサービス残業が蔓延したりしていますが、一応建前上は労働時間に比例して支払われていた残業代が、今後は企業が「成果を出した」と認めた分にしか支払われなくなるという内容です。いくら働いても成果が認められなければタダ働きとなります。成果を認定するのはあくまで企業側です。今はまだ年収1千万以上の労働者が対象ですが、それ以外の労働者もやがて対象とされるようになるでしょう。

 それでも「選挙で投票しても変わらない」と言う人は、自分が強盗に襲われ殺されそうになっても「抵抗しても無駄だから」と言って、黙って殺されるのでしょうか?変わらないかどうか、無駄かどうかは、やってみないと分かりません。でも、抵抗しないと確実に殺される事だけはハッキリしています。それでもまだ「投票しても無駄」と言い張るのでしょうか?
 そういう意味では、今回の衆院選は、今度は単独でも議席の3分の2以上を占めると言われていた自民党の議席を現状維持に押しとどめ、逆に反自民色の強い野党の議席を増やす事が出来ました。党利党略で解散を強行した安倍の思惑通りには必ずしも行きませんでした。安倍の悪政に少しは歯止めをかける事が出来た。少なくとも、憲法改悪を阻止する為の、一定の時間稼ぎが出来たと言えるのではないでしょうか。希望と絶望が混ざり合った選挙結果に終わったと言えると思います。まだまだ希望を捨てる訳にはいきません。

(追記)
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期日前投票と私の注目選挙区

2014年12月10日 22時48分56秒 | 貧乏人搾取の上に胡坐をかくな


 早速、今日の公休日に期日前投票を済ませて来ました。投票日当日は仕事で投票できませんので。いや、別に定時に退勤すれば当日でも投票締切までには充分間に合うのですが、もし万が一投票できなかったら嫌なので。念には念を入れて、早めに投票を済ませて来ました。

 当日なら自宅のすぐ近くの小学校で投票できるのですが、期日前投票は少し離れた市役所まで、わざわざ自転車で行かなくてはなりません。それでも、「政治とカネ」の問題で大臣を辞任した小渕優子や松島みどりまで平気で公認して恥じない安倍を見ていると、ここまで国民が舐められているのに、まだ黙っている方が、よっぽど、どうにかしているのではないでしょうか。小沢一郎や兵庫の号泣県議の時にはあれだけ「政治とカネ」の問題で騒いだ国民が、相手が自民党となった途端にダンマリでは、もはや人間性を疑われても仕方がないでしょう。私はそんないい加減な人間は許せないし、そんな人間にはなりたくはない。これはもはや思想やイデオロギーではなく人間性の問題です。

 最近は期日前に投票する人が増えたのか、投票所の受付前には既に長蛇の列ができていました。私はそこで比例区と選挙区の両方とも共産党に入れました。もう以前のように、事情通ぶって選挙区は民主党に入れたりなぞしません。それ以前に、ウチの選挙区では今回は民主党自体が出馬を見送りました。自民と維新と共産党では、共産党しかもはや選択肢がありません。

 週刊朝日12月19日号に載った上記の選挙当落予測が、恐らく最終の予測記事になるでしょう。そこでもやはり「安倍6年政権実現へ、第三極壊滅、民主痛恨の2ケタ、維新半減、共産倍増」の文字が躍っています。しかし、今の私にとっては、もはや小沢一郎や渡辺喜美や海江田万里や菅直人がどうなろうが知った事ではありません。次の2点だけが重要です。

★自民党がどこまで議席を伸ばすか。与党が衆院の3分の2(317議席以上)を制するかどうか。実は今でも自公両党で324議席と、衆院の3分の2を上回っているのですが、これを自民党単独でも上回るとなると、もう公明党にも気兼ねせずに、好きな時に憲法改正を発議できるようになります。
 もしそんな事になれば、後は国民投票で決着をつけるしかなくなります。自民党は、ひょっとしたら最初は憲法9条には手を付けずに96条の改正手続きから手を付けるかも知れません。しかし、それもつかの間の一時しのぎでしかない。そうやって、国民を憲法改正に馴染ませてから、一気に9条改正に進むでしょう。もうその時には9条だけでなく、他の表現の自由や生活保護や労働基準法などの権利や法律も、政府や財界にとって都合の良いように変えられてしまう事でしょう。

★それに対して、国会内では最も抵抗している共産党がどこまで議席を伸ばすか。
 倍増と予測する以上は、おそらく8議席の今より減る事はないでしょうが(多分)、9議席やそこらではお話になりません。最低でも2ケタの大台に乗せ、出来るなら21議席以上を獲得して、党単独でも法案を出せるようにならないと。厚生労働省がブラック企業名の公開に踏み切ったのも、共産党が参院で11議席に伸び、ブラック企業規制法案を単独で提出できるようになったからです。

 これが、比例区・選挙区とも共通して、私が注目している点ですが、その上で選挙区では、私は次の各区の動向に注目しています。以下、前述の週刊朝日の予測に沿って書いていきます。各選挙区の候補者名の上の印は、◎=有利、○=やや有利、△=当落線上、▲=追い上げれば当選の可能性も、という意味です。そして、候補者名の下の数字が年齢、その下が所属党派の名前や前職・元職・新人の別です。



★沖縄の4選挙区

 ここでは、辺野古移設(米軍基地の県内たらい回し)に反対の翁長(おなが)知事を誕生させた確認団体の「ひやみかち うまんちゅの会」公認候補が、野党共闘の力で、県民を裏切った自民党を壊滅に追い込めるかどうか。
 公認4候補のうち、2区の照屋寛徳(社民党)と3区の玉城デニー(生活の党)はどうにか当選に手が届く所まで来ましたが、残りの1区・赤嶺政賢(共産党)と4区・仲里利信(元自民党幹部だか自民の裏切りに怒って離党し現在は無所属)が、自民党現職とつばぜり合いの接戦を演じています。
 その中でも特に1区では、野党分断の為に自民党が裏から手を回して維新の下地幹郎を引っ張り出してきました。下地は自民別働隊でありながら、表向きだけは赤嶺さんと同じ様に辺野古移設反対を口にしています。今まで何度も移設容認に転じた事があるくせに。この下地が赤嶺さんの票をかすめ取ってしまうか、逆に国場幸之助(自民党)と保守票を奪い合って赤嶺さんを助けるような事になるか。まったく予断を許しません。
 ちなみに、この確認団体名の「ひやみかち うまんちゅ」とは、沖縄方言で「頑張ろう、みんな」という意味だそうです。



★山口4区(下関市・長門市)

 ここでは「安倍批判票がどこまで出るか」、その1点に尽きます。ちなみに、前回2012年の衆院選では、民主と共産の新人を合わせても3万2千票足らずしか取れず、11万8千票の安倍に大差をつけられてしまいました。

★福岡8区(筑豊の旧炭鉱地帯)

 ここでは何と元総理の麻生太郎に共産党新人の34歳の女性候補が挑む形になっています。しかも、この女性候補、以前は「ふくし生協」という生協の職員だったそうです。但し、その「ふくし生協」は、私が以前いた「大阪いずみ市民生協」のような購買生協ではなく、高齢者相手の介護事業などを主に手掛ける生活協同組合なのだそうですが。とまれ、他の野党が恐れをなして不戦敗を決め込む中で、この元生協職員の女性候補がどこまで票を伸ばすか。

★群馬5区(県西部の農村部)

 「政治とカネ」の問題で大臣辞任にまで追い込まれながら、安倍に助けられて性懲りもなく出馬に踏み切った小渕優子に対して、批判票がどれだけ集まるか。与野党ともに前回と全く同じ候補者が今回また出るので、結果もおのずと分かると思いますが。ここで小渕が何の苦も無く再選されるようなら、もはや兵庫の号泣県議や小沢一郎をそしる資格は、今の有権者にはないと思います。

★東京14区(都内墨田区・荒川区の下町)

 前回記事でも取り上げましたが、松島みどりは自民党の現職閣僚でありながら、今まで当選と落選を繰り返して来ました。しかも性格も高慢ちきなので地元の評判は余り良くありません。前回の衆院選でもわずか9万票(得票全体の約42%)しか取れずに、維新候補や民主党候補(前回記事で取り上げた木村剛司)に、もう少しの所まで追い上げられました。こんな候補者を閣僚に任命して、汚職疑惑で大臣を辞任しなければならなくなっても公認するとは、安倍は一体どういう神経をしているのだか。それを何も問題にしない国民も、一体どうなっているんだか。
 相手が強い奴なら何も言えず、弱い者虐めでうっぷん晴らすしか能のない。そんな、まるでウチの会社の井下みたいな奴らが集まって、今の日本の政治や経済を牛耳っているのですから、こんな選挙になるのも、もはや当たり前なのかも。
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共産躍進でも素直には喜べない

2014年12月09日 20時21分31秒 | 貧乏人搾取の上に胡坐をかくな


 この際、正直に言います。いきなり決まった衆院解散・総選挙で、まず私の頭に浮かんだ事は、「またビラ撒きかあ、鬱陶しい」という、少々鬱屈した感情でした。
 私が生協に勤めていた時は職場の共産党支部で活動していました。生協を辞めた後もしばらく地元の支部に移って活動していましたが、仕事の関係で会議にも出られなくなり、数年前に党も辞めました。でも、今でも共産党員の人とは付き合いがあり、選挙ではいつも共産党に投票しています。
 但し、民主党政権の時だけ、選挙区は民主党に入れました。自民党に政権を取らせない為には、選挙区では共産党では勝目が無いので、比例区は共産党に入れるが、選挙区ではまだ当選の可能性のある民主党候補に入れようと。いわゆる「戦略的投票」というやつです。それ以外はずっと共産党に入れてきました。
 そして、近所の共産党員の人に頼まれて、選挙の時には自分の受け持ち地域で350世帯ほどビラ配布(ポスティング)も行ってきました。もう今は共産党員でもないのに、折角の休日を支持拡大の電話かけなどでつぶされるのは嫌です。しかし、350世帯ほどのビラ配布なら、たかだか1時間半ぐらいで終わりますし、良い運動にもなるので、頼まれた時は「それぐらいなら」と二つ返事でOKしました。
 でも、いくら「それぐらい」と言っても、公示から投票まで2週間しかない選挙期間中では、ビラ撒きの日も限られます。時間的に休日しかビラ配布は無理なので、その間は毎日、天気予報とにらめっこです。出来るだけ晴れた暖かい日に撒きたいですもの。でも、撒ける日は限られるので、最悪、どしゃぶりの雨や大雪の中でも撒かなければならないと、最初は少々憂鬱な気分でいました。

 しかし、その憂鬱な気分も、マスコミが報じる選挙の議席予想を見て、次第に奮い立ってきました。
 その頃はまだ、自民党が勝つか負けるか、新聞や週刊誌によって予想はまちまちでした。日刊ゲンダイや週刊ポスト、フライデーなどに自民大敗の見出しが躍る一方で、産経・読売などは自民大勝と書いていたように思います。
 同じように、維新など「第三極」政党の獲得予想議席数についても、半減から微増まで色々でした。その中で、共産党については、大体9~13議席というのが、選挙序盤戦での大方の予想でした。酷いのになると、次世代が13議席も取るのに共産党はわずか9議席しか取れないとか、そんな予想も少なくありませんでした。
 民主党や維新の党に負けるのはまだ仕方ないとしても、さすがに次世代の党なんかには負けたくありません。口を開けば拉致や尖閣と靖国しか言わず、後は自民党と一緒になってアベノミクスの宣伝や、未だに「非正規のバイトが貧しいのは本人の努力不足」とかいう、古くさい精神論・根性論を振り回すしか能のない、バカウヨ・ジジイどもの集まりに、なんで天下の共産党が負けなアカンねん!いくら、今の共産党に昔のような勢いはないと言っても、「そこまでコケにされて堪るか!いくら何でも、爺世代なんかに負ける訳にはいかない!」と、俄然、対抗心が湧いてきました。

 それが、投票まで後1週間に迫った途端に、どのマスコミも判で押したように「自民300議席超え、単独でも過半数突破」「民主は上乗せもせいぜい微増まで」「共産倍増、小選挙区でも議席獲得の可能性」と報じ始めたものだから、もう驚いています。確かに、共産党は昨年の東京都議選、参院選でも躍進しましたが、これはどちらも小選挙区制ではなかったから躍進できたのであって、衆院選はそこまで甘くないと思っていましたから。
 「かつて一番多い時で41議席もあった党が、いつまでも8議席や9議席では、もうやってられんわ。せめて二桁の大台には乗せたいなあ。いくら何でも、石原慎太郎の知名度だけでどうにか持っているような、右翼ジジイどもなんかには負けたくはない!」・・・そういう気持ちでいた中で、降って湧いたような躍進のうわさに私もびっくり。
 しかし、たとえ、そのように共産党が躍進したとしても、とても素直に喜ぶ気にはなれません。確かに「共産倍増」は嬉しいし、心情的にはもっと議席を取って欲しいくらいですが、その一方で「自民単独でも過半数突破」では、もう改憲発議されてしまうではないですか。
 アホなネトウヨは二言目には「中国・北朝鮮から国を守れ」と言うが、その国でなぜ安倍なんかが、アベノミクスやオリンピックやカジノやリニアにうつつを抜かしてられるのか?本当に中国や北朝鮮が攻めて来るなら、アベノミクスやオリンピックにうつつを抜かしている暇なんかないはずだ。本当は「国を守る」のではなく「自分達の利権を守りたい」だけなんだろう。そんな奴らの為に、若者は自衛隊に召集され海外の戦地へ送られ、中高年は福島原発での勤労奉仕に動員され、戦争や放射能なんかに殺されて堪るか!
 


 一体、本当に今度の選挙で自民党はボロ勝ちするのだろうか?そう思ってこの数日色々と調べてました。その中で見つけたのが「【総選挙予測】各党の議席はどうなる?2014年衆議院総選挙の結果予想・情勢調査まとめ」というサイトに載っていた上記の表です。今までの各識者やマスコミ媒体による予測獲得議席数を比較したものです。
 そこで面白い事に気付きました。マスコミが「自民党の300議席超え」を声高に叫び出し、ヤフーの12月5日の調査で「投票率50%で300議席」「60%では311議席」といった大化け数字が出る前までは、一部を除き「250~280議席台」と言うのが、識者やマスコミが予想した自民党の議席予測です。なぜそんな低めに予想していたかと言うと、不意打ち解散による野党の選挙準備・候補者擁立の遅れが逆に、選挙区レベルでの野党候補一本化を促す事になり、自民党との接戦に持ち込めたのだとか。実際、自民党関係者による「前回は余りにも勝ち過ぎたので、今回は野党がどうあれ自民党は20議席ほど減らす」という声も、報道の中で紹介されていました。
 そして、自民党の議席減予想の中では、自民党に取って代わる勢力として、維新や次世代などのいわゆる「第三極」政党に、比較的多めの議席を割り振っていました(維新30~40台、次世代4~15)。その中で共産党は9~15と、伸長するとは言っても次世代ともそう変わらない議席予測に終わっていました。
 それが、マスコミが自民300議席超と騒ぎ出した途端に、ヤフーの選挙予測も、民主党は70~100から60議席台に一気に伸び幅を縮小させ、次世代・生活・社民に至っては議席ゼロの可能性も指摘する一方で、共産党だけは序盤戦での10議席前後から20議席以上に躍進と、それまでとは明らかに違う予測を出し始めました。

 「自民党は意外と負けるかも」という当初予想が影を潜め、「解散前よりも更に大幅に上乗せ」に変わったのは一体なぜなのか。私が思うに、野党の選挙協力が、マスコミが思う程、有権者には評価されていなかったのではないでしょうか。反自民だ何だと言っても、対抗馬も元自民の保守系が大半で、議員体質も「自民と似たり寄ったり」では、白けるのも当然です。
 例えば東京14区。ここは元職の木村剛司(きむら・たけつか、民主→未来→生活→民主)が、他の野党の支援も受け、「うちわ」問題で大臣を辞職した松島みどり(自民党)を猛追している選挙区です。自民苦戦が伝えられる数少ない選挙区の一つで、私も「大臣を辞任した候補者を公認するような、国民を舐めきった自民党には絶対に勝たせたくない」と思っていたのですが・・・。
 松島がなぜ苦戦しているかというと、所詮「代打」候補だからです。元々この選挙区は、西川太一郎という保守系政治家(元・荒川区長)の地盤で、その西川が自民党と袂を分かち保守新党に行ったので、それに対抗する為に出てきたのが松島でした。だから、大臣経験者であってもまだ地盤が固まっていない。その上、人柄もイマイチで地元の人気も余り良くない。だから過去にも何度か落選の憂き目にあった。安倍もよくそんな「代打」を大臣にしたものです。
 だから、私も木村にはちょっぴり期待していたのですが、彼も元は西川太一郎の秘書だったとか。おまけに所属政党もコロコロ変わる「政界渡り鳥」では、地元の有権者にとっては、所詮は「どっちもどっち」でしかありません。この木村という人が、アベノミクスだけに限らず、秘密保護法や集団的自衛権行使についても、どういうスタンスでいるのか詳しくは分かりませんが、余り積極的には反対していなかったのではないでしょうか。集団的自衛権行使の「閣議決定には反対」する一方で、米軍の駆け付け警護もOKの「領海警備法案」を提唱したりしているし。
 いくら野党統一候補と言っても、こんな候補者ばかりでは、有権者は白けるばかりです。いくら「アベノミクスで潤うのは勝ち組だけだ」と感じていても、対抗馬も自分とは別世界の「勝ち組」では、果たしてどれだけの人が「投票しよう」という気になるか。

 今度の選挙で、野党では唯一、共産党が躍進すると言われていますが、果たしてどれだけ喜んで良いものやら。確かに、自分の支持政党が躍進するのは嬉しいですが、与党が衆院でも議席の3分の2以上を制するようになれば、参院で否決された法案の再可決はおろか、憲法改正の発議まで可能になってしまいます。その中で、たかだが20や30に議席数が伸びた所で、一体どれほどの効果があるか。
 それでも、負けるよりかは勝つ方が良いに決まっているし、民主も維新もダメでは、もう共産党しか入れる所はないので、今回も共産党に入れます。但し、12月14日の投票日は仕事なので、期日前投票にするか、定時退勤して帰ってから投票所に行くか、どっちにしようかまだ決めていませんが。でも、絶対に棄権だけはしないようにしようと思っています。
 その中で唯一希望が持てるのは、「第三極も自民と似たり寄ったり」というのが、ようやく有権者にも浸透してきた事です。今まで、自民党がたとえ選挙に負けても、代わりに民主党や第三極が伸びただけで、共産党にはなかなか票が入りませんでした。たとえ一時的に入っても、また別の第三極が登場して、そちらに流れたりしてきました。でも、その第三極も結局は自民党と似たり寄ったりなら、「やっぱり何だかんだ言っても自民党しかない」となってしまったのが、事の真相ではないでしょうか。一般の有権者にとっては、秘密保護法や集団的自衛権や沖縄の基地問題なんて、まだまだ他人事ですから。本当はそうじゃないのだけれど。
 今度の第三極衰退が、その悪循環から抜け出すきっかけになれば良いのですが。今頃そんな事言っても、もう手遅れかも知れませんが。これは、私も一時期、選挙区は民主党に入れた事があるので、自戒を込めて言うのですが。
 少なくとも沖縄の4選挙区については、野党統一候補が全勝して欲しい。翁長(おなが)新知事後援会「ひやみかち うまんちゅの会」の推薦を受けた沖縄の野党統一候補は、全員、辺野古移設にも集団的自衛権にも反対です。本土の「なんちゃって野党・第三極」とは違い、いずれも筋金入りの反自民です。自民・維新が野党分断の為に差し向けた1区の当て馬(下地幹郎)なんかに騙されずに、全員当選して欲しい。
 その上で更に欲を言うなら、安倍晋三の山口4区や小渕優子の群馬5区でも、極右の維新や次世代を除いたリベラル系の野党統一候補を擁立して欲しかったです。両方とも民主党も維新も出馬していないのですから。大臣辞任に追い込まれた小渕も平気で公認するような安倍晋三を、このまま勝たせるのは余りにも癪です。
 自民以外に、山口4区では共産と生活、群馬5区では共産と社民が出馬しています。共産・社民・生活の3党間では、まだ統一公約の策定も可能だったのでは。少なくとも「民主と維新」ほど酷い事にはならなかったと思います。もし、そこで出馬していたら、それでも多分当選は無理でしょうが、たとえ負けても、後の有権者に与えるインパクトはまた違ったものになっていたかも知れません。ヤクザ映画の中で菅原文太が言った「弾はまだ残っとるがよ」の台詞ではありませんが、万一、そこで安倍晋三を落選させる事が出来れば、安倍は比例重複候補ではありませんから、「それだけで安倍政権も直ぐ打倒できるのに」と思うと、もう残念でなりません。
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拡散:菅原文太さんからの遺言

2014年12月04日 22時33分21秒 | 沖縄の犠牲の上に胡坐をかくな
菅原文太氏のスペシャルゲストあいさつ


 遅くなりましたが、11月1日、沖縄県知事選挙「1万人うまんちゅ大集会」での故・菅原文太さんの応援演説を紹介しておきます。上がその時の映像で、下記はその演説文からの抜粋です。

―政治の役割は二つあります。一つは国民を飢えさせない事。安全な食べ物を食べさせる事。もう一つは、これは最も大事です。絶対に戦争をしない事。

―私は小学校の頃、戦国(軍国)少年でした。小学校、何でゲートルを撒いて、戦闘帽かぶって、竹槍持たされたのか。今ふり返ると本当に笑止千万です。もう二度とああいう経験は、子どもたちだけじゃない、大学生も、雨の中を、大勢の将来大事な大学生が、戦地へ運ばれて、半数が帰って来なかった。

―今の政府と、本土の政府ですよ、仲井真知事は、正に戦争が起きる事、戦争する事を前提に沖縄を考えていた。前知事は今、最も危険な政権と手を結んだ。沖縄の人々を裏切り、公約を反故にして、辺野古(へのこ)を売り渡した。

―古い映画だけど、「仁義なき戦い」。その流れに言うと、その「仁義なき戦い」の、裏切り者の山守(やまもり:菅原文太扮する主人公が属する暴力団の組長で、主人公を陥れようとする)。映画の最後で「山守さん、弾はまだ残っとるがよ、一発残っとるがよ」という台詞をぶつけた。その伝で行くと「仲井真さん、弾はまだ一発残っとるがよ」とぶつけてやりたい。

―沖縄の風土も、本土の風土も、海も山も、空気も風も、全て国家の物ではありません。そこに住んでいる人たちの物です。辺野古も然り。勝手に他国へ売り飛ばさないでくれ。

―まあ、そうは言っても、アメリカにも良心厚い人々はいます。中国にもいる。韓国にもいる。その良心ある人々は、国は違え、同じ人間だ。みな手を結び合おうよ。

―翁長(おなが)さんは、きっと、その事を実行してくれると信じている。今日来ているみなさんも、その事を肝に銘じて実行してください。それが出来ない人は、沖縄から、日本から、去って貰おう。

 この演説は、もはや沖縄での選挙応援だけに止まる内容ではなく、今度の衆院選での日本の全有権者に対する、菅原文太さんからの最期のメッセージではないでしょうか。






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大阪都構想の次はいよいよ安倍政治を葬る番だ

2014年12月01日 21時12分26秒 | 戦争法ではなく平和保障法を
安倍首相「あれはミクロの意見ですから(笑)」


衆院選:自民 テレビ局の選挙報道で細かく公平性要請
 自民党がNHKと在京民放テレビ局に対し、選挙報道の公平中立などを求める要望書を渡していたことが27日分かった。街頭インタビューの集め方など、番組の構成について細かに注意を求める内容は異例。編集権への介入に当たると懸念の声もあがっている。
 要望書は、解散前日の20日付。萩生田光一・自民党筆頭副幹事長、福井照・報道局長の両衆院議員の連名。それによると、出演者の発言回数や時間▽ゲスト出演者の選定▽テーマ選び▽街頭インタビューや資料映像の使い方−−の4項目について「公平中立、公正」を要望する内容になっている。街頭インタビューをめぐっては今月18日、TBSの報道番組に出演した安倍晋三首相が、アベノミクスへの市民の厳しい意見が相次いだ映像が流れた後、「これ全然、声が反映されてません。おかしいじゃありませんか」と不快感を示していた。
 また要望書では、「過去にはあるテレビ局が政権交代実現を画策して偏向報道を行い、大きな社会問題になった事例も現実にあった」とも記し、1993年の総選挙報道が国会の証人喚問に発展したテレビ朝日の「椿問題」とみられる事例をあげ、各局の報道姿勢をけん制している。
 この日の定例記者会見で、テレビ東京の高橋雄一社長は「これをもらったから改めて何かに気をつけろというものとは受け止めていない」と述べた。NHK以外の各民放は文書が届いたことを認め、公平中立な報道を心がけるとしている。
 こうした要望は、選挙のたびに各政党が行っているが、公示前は珍しい。ある民放幹部は「ここまで細かい指示を受けた記憶はない」と話し、また別の民放幹部は「朝日新聞バッシングなどメディア批判が高まる中、萎縮効果はある」と語った。
 毎日新聞の取材に対し自民党は「報道の自由を尊重するという点は何ら変わりない。当然ながら公正な報道を行っていただけるものと理解している」と文書でコメントした。(以上、毎日新聞)
http://mainichi.jp/select/news/20141128k0000m040069000c.html

 「選挙報道に際して不偏不党・公平中立の立場で扱って欲しい」と言う要望が、政党側からマスメディアに対して出される事は今までもありました。例えば、与党の自民党だけでなく野党の共産党なども、「大政党だけでなく中小政党の動きや主張も公平に扱って欲しい」と言う要望を今まで出したりしました。しかし、それらはあくまでも、「各党とも公平に扱って欲しい」と言う「お願い」にしか過ぎず、それをどう扱うかもマスメディアの裁量に任されていました。
 前述の新聞記事で報じられた自民党の要望は、それとは質的に全く異なるものだと言わざるを得ません。政府がテレビ放送の許認可権を持つ国の、巨大与党である自民党が、一般的な要望の枠を超えて、番組の時間配分、出演者、テーマの選定から映像編集の仕方まで、いちいち事細かに指示して来るのは、もはや単なる「お願い」ではなく、権力をカサに着て有形無形の圧力を加えようとしているのではないかと言わざるを得ません。

 前述の要望の中には、「特定政党だけが攻撃される事が無いように」と言う内容まであったそうですが、それこそ「ご都合主義」の極みではないですか。政権与党と野党とでは、与党の動静の方がはるかに国民生活に与える影響が大きいのですから、その分、国民からの監視の目や抗議の声も、野党よりも与党に集中するのは当たり前ではないですか。それが嫌だと言うなら、最初から政権なぞ取らなければ良い。
 その与党の暴走を監視し、中小野党にも発言の機会を保証する事で、言論の活性化や民主主義を促すのがマスメディアの役割です。
 ところが、今の日本ではその役回りが全く逆転してしまっています。巨大与党が国民やマスコミを脅しつけ、マスコミがそれに委縮・迎合してしまっているのが現状です。



 その委縮・迎合の例を、衆院選公示日を明日に控えた今日12月1日に、産経新聞が組んだ各政党の公約特集記事について見てみましょう。上記がその紙面です。6・7面の見開き2ページに各党の公約要旨が掲載されていますが、これのどこが一体「不偏不党・公平中立」なのでしょうか。
 7面(左ページ)上半分の一番目につく所を自民党が丸々独占してしまっているではないですか。そして6面(右ページ)の上半分を民主党と「維新の党」に均等に割り振って。これでは誰が見ても、いわば自民が「王将」、民主と維新が「飛車・角」にしか見えないではないですか。最初から印象操作でこの三党だけを優遇しているのが一目瞭然です。
 そして左下半分の「金将・銀将」に相当する位置に与党の公明党、極右の「次世代の党」を持ってきて、共産・生活・社民各党をまるで「桂馬・香車」扱いした上に、新党改革と併せてカルト宗教右翼の幸福実現党を、「歩」レベルながら他党と同様に「天下の公党」扱い。与野党の別や議席数に応じて割り振るならまだしも、これでは完全に産経や、その産経がヨイショする自民党の「好き嫌い」で選り好みしていると言われても仕方ないと思います。

 ここで敢えて逆説的な言い方をすると、私は別にそれでも構わないと思います。人間の書く記事である以上は、どんなに「不偏不党・公平中立」であろうと努めても、ある程度その人のカラーが出るのは仕方がないし、むしろその方が健全だと思います。無理に「不偏不党」を装って無味乾燥な記事を書かれる位なら、そんな新聞をわざわざ購読料払ってまで読む意味はありません。無料の選挙公報だけあれば充分です。
 そういう意味では、産経カラーというのもある程度までは許容範囲です。それと同じ様に、朝日カラーというのも認めるべきでしょう。そういう多様な言論が切磋琢磨し合ってこそ、健全な民主主義が育つのです。
 しかし、今の産経や自民党に、それだけの度量がはたしてあるでしょうか。「自民党ばかり批判するな、しかし自民党だけ特別扱いするのは構わない」では、もはや「自民党は一体何様?」と言う他ありません。反TPPも反原発も格差社会批判も全て「サヨク」の仕業。実際、安倍はフェイスブックで反TPP運動をその様に批判してましたよね。自分の気に入らない言論は全て「反日・サヨク」「親韓・媚中」と切り捨てる。まるで在特会のヘイトスピーチ、差別落書きみたいな社説ばかり書く今の産経に、他紙や他党を批判する資格は無い。

 しかし、その産経や自民党のヘイトスピーチ・言論抑圧も、彼らの強さの証では決してない。むしろ弱さの現れだと思います。
 だって、本当に強かったら、少しぐらい経済指標が下がった所で、何も慌てふためいて解散しなければならない理由なぞ何もないはずじゃないですか。衆院は議席の3分の2以上、参院も過半数を与党が握っているのだから。それに、消費税10%増税法案にも「景気が悪くなれば増税中止もあり得る」と付則で定め、法案推進の三党(自民・公明・民主)もその点については合意していた。他の野党も増税には反対こそすれ、増税見送りにはどこも反対していない。だったら、何も慌てて解散に走らなくても、悠然と構えて増税を先延ばしすれば良いだけなのに。
 それを、GDPが予想よりも悪かったからと言って、何故それだけの理由で、議席減も承知の上で、わざわざ自分で自分の首を絞めるような愚策に走るのか?この場合によく引き合いに出される「背水の陣」も、実際は勝算がある事も見込んだ上で、引き締めの為に取る策略でしょう。何も勝算がないのに、ヤケクソになって破れかぶれの愚策に走るのでは、昔の特攻・玉砕と何ら変わらない。



 よっぽどアベノミクスとやらに自信がないのでしょう。だから、「景気が良いのはごく一部の勝ち組だけと違うん?」と言った程度の、庶民レベルのごくありふれた政権批判にも、ここまで過剰反応するのでしょう。
 もっと言えば、いくら「自民党が強い、国会の絶対多数を握っている」と言っても、所詮は砂上の楼閣です。有権者全体では、そのわずか2割強からしか支持されていないのですから。比較第一党の与党が4割の得票でも8割の議席を得る事が出来る歪んだ選挙制度(小選挙区制)の下で、国民が政治を変える事を諦めて棄権に走った為に、その無関心の上に胡坐をかいているにしか過ぎません。実際、消費税増税や原発推進、集団的自衛権や秘密保護法の問題については、今でも世論の過半数以上が反対しているのですから。

 かつては橋下徹の「維新の会」、今の「維新の党」が絶対的な人気を誇っていましたが、今や見る影もありません。石原慎太郎一派や「みんなの党」との野合・分裂騒ぎを繰り返した末に、慰安婦発言ですっかり化けの皮がはがれ、その後の堺市長選挙や参院選にも負け、今や一枚看板の「大阪都構想」も風前の灯になろうとしています。
 今回の安倍の「破れかぶれ解散」も、ひょっとしたら、この橋下徹の慰安婦発言の様に、自民党体制崩壊の本格的開始を告げる時の鐘になるかも知れません。確かに、民主党右派や維新などの自民党補完勢力の力や、ヘイトスピーチや排外主義の風潮も依然として強いので、そういう点ではまだまだ気を抜けません。特に憲法改正の局面では、今後も一進一退のきわどい闘いが長く続くでしょう。しかし、大局的に観るならば、「一路反動化、右傾化」「ヒトラー・ナチス成立前夜と同じ」「もう手遅れだ」と諦めてしまうのは、まだまだ早いのではないでしょうか。我々の頑張り次第では、自民党にも維新と同じ凋落に追い込む事は充分可能ではないでしょうか。
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