雨宮智彦のブログ 2 宇宙・人間・古代・日記 

浜松市の1市民として、宇宙・古代・哲学から人間までを調べ考えるブログです。2020年10月より第Ⅱ期を始めました。

本と映像の森 231 レイ・ブラッドベリ『華氏451度』ハヤカワ文庫

2012年10月30日 23時12分07秒 | 本と映像の森

本と映像の森 231 レイ・ブラッドベリ『華氏451度』ハヤカワ文庫、早川書房、1975年11月30日~2004年(平成16年)9月30日第28刷、288ページ、定価600円+消費税

 原著は1953年、アメリかです。「華氏451度」は紙が燃え始める温度(セ氏233度)で主人公のモンターグの職業が「ファイアマン」でヘルメットに「451」と刻印されています。

 職業はテレビが支配する社会で、禁止されている本を焼くことです。その本を焼く仕事で、妻あり、30才のモンターグガ隣に越してきた少女クラリスと出会うところから物語は始まります。

 クラリスはモンターグに聞く。「ずっと昔、火事をあつかうお役人の仕事は、火をつけることではなくて、火を消すことだったんですってね」

 そしてクラリスはこう言います。「たしかにあたし、あなたの知らないことを知っているわね。夜明けになると、そこら一面、草の葉に露がたまるのを知っていて?」

  本を焼くという行為に対置されるのは「記憶」です。疑問を持ち始める前半から始まって、ついに禁書を手にしてしまう主人公が前半です。

 そしてそれが発見されて逃げることになる後半はこの社会が一瞬の原子戦争に突入するのと平行して、モンターグが逃げ回り、ついに…。

 「書物の熱愛者」が描いた人間讃歌です。

  ☆

 ここまで来て、似たような「記憶」の物語が同じアメリカの、同じSF作家であるアシモフさんの「暗黒星雲のかなたに」にあるのを思い出しました。「暗黒星雲のかなたに」は原著「The Stars,Like Dust」で1951年ですからアイディアとして「華氏451度」より早いですね。

 


遠州の遺跡・寺社・地名 98 東区の三方原学園内「千人塚古墳」

2012年10月30日 05時41分08秒 | 遠州古代史

遠州の遺跡・寺社・地名 98 東区の三方原学園内「千人塚古墳(学園内5号墳)」

 10月13日に 「遠州の遺跡・寺社・地名 特報 三方原学園内の古墳群の見学をします 」をアップしましたが、10月15日(月)に、実際に見学した報告です。

 則子さんと車で学園の正門から入って、校舎(事務棟?)前の駐車場に止めて、事務室へ行きました。事務室で「古墳見学」の受付名簿に記入して、ガイドの小冊子をもらいました。

 まずいちばん重要と思われる「千人塚古墳」に行きました。「千人塚」というネーミングは、徳川と武田の三方原合戦の死者を葬ったお墓と誤解されての名称です。

 直径48m、高さ7.2mの円墳で、小さな造り出し(幅12m、長さ9m、高さ70cm)があります。古墳時代中期後葉、5世紀後葉と推定されています。(『静岡県の前方後円墳 ー資料編ー』p55)

 造り出しの方向は「北ー62度ー西」ですので、造り出しから古墳への方向は、東から南へ28度振れていることになります。東京では冬至の日の出の方角は「29度」ですので、この「28度」はもしかしたら、この位置で「実測」した可能性もありますね。

 頂上に登ると、三方原学園内古墳群では、いちばん眺望が良くて、東の平野が一望できます。

 頂上には2人葬られていて、「第1主体部」は木棺直葬で、頭の方位はほぼ東向きで、東から5度南に振れています。

 第2主体部は、割竹型木棺の直奏で、頭の方位は第1主体部とほぼ同じ東向きで、こちらは東から3度北へ振れています。

 周溝・円筒埴輪(Ⅴ式)・葺石がありました。

 文化遺産オンライン http://bunka.nii.ac.jp/SearchDetail.do?heritageId=163642 で「千人塚古墳出土鉄製革綴冑 せんにんづかこふんしゅつどてつせいかわとじかぶと」を見ることができます。

 他にも、そこから「千人塚古墳出土鉄製の鏃」「千人塚古墳出土鉄製の斧」、「千人塚古墳出土斧頭形石製模造品」、「千人塚古墳出土鉄製の鍬先」を見ることができます。