古代史ニュース 2012年6月 最古の戸籍が福岡県太宰府市で出土
これまで古代日本で最古の戸籍は、西暦701年、つまり8世紀初頭の奈良・東大寺正倉院の文書「筑前国嶋郡川辺里戸籍」とされてきました。
つまり福岡県の戸籍が天皇家の本拠地・奈良の平城京から出土していたわけです。これは福岡県から出土したのではありません。
それが太宰府政庁跡の北西1.2kmの「国分松本遺跡」で戸籍木簡が出土しました。
今回の7世紀末の「最古の戸籍」というのは同じ「嶋」で「嶋評」「川辺里」です。
701年に「評」から「郡」に変更されたとされているので、701年以前です。そして「進大弐」という冠位名が出てくるので、685年以後、という解釈です。
木簡には「兵士」「戸主建部身麻呂」「丁女(成人の女性)」「老女」などが書かれています。非常に、興味深いです。
これについての解釈は、また別途書きたいと思います。
一案ですが、日本の古代国家では、各地方のたとえば現地の「郡衙」には木簡に書かれた「戸籍」を原本として保管して、中央(8世紀には奈良・平城京)では木簡の戸籍を書写した「紙」の戸籍で管理したのでは、ないでしょうか?
でないと、奈良の正倉院に、福岡の「嶋評」の戸籍があることが理解できません。
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