雲は完璧な姿だと思う。。

いつの日か、愛する誰かが「アイツはこんな事考えて生きていたのか、、」と見つけてもらえたら。そんな思いで書き記してます。

愛のシャンパン

2015-03-30 20:16:26 | 美味い
シャンパンとはいわゆる「発泡ワイン」のことで、
炭酸発泡したブドウ酒さん。
写真は日本で初めて作られたという歴史を持つシャンパン
「キュベ・ヨシコ=Cuvee Yoshiko」。
後ろでボヤけたポーズをしてるのは、
以前「何処へ行こうか」という記事に登場していた「ポン吉」くん。
色んなとこで顔出してるエライっぽい人だから、
肖像権は無視しましたの( ̄+ー ̄)今回。ええ。



つーかチミ!
ヨシコの邪魔よっ!(=゜ω゜)ノ



このお酒はシャンパン製造に最も合うぶどう品種が、
その仕込みに適応できる品質で栽培出来た時にしか造りましぇーん!
としているお酒で。
「2007」とあるのは、
これでも市場に出ている中で最も近年に造られたものになります。
これ以降は未だこのお酒の品質に合う葡萄がとれていないようなのです。
コーヒー豆同様こんなところにも気象変化の影響が!?
出ているようにも思えますが......



とぉーーーーーーーーーーっても!
貴重なお酒さんなのでございます!
ありがたやーありがたやーー。。(>人<;)



こんなトンデモナイワインを持ってくるのは、ヤハリこの人。
このブログでは既にお馴染みの「グルメバカ一代」のK様!なのですが......
いやはや、よくもまぁ、
毎度毎度スゲーものを仕入れてくるでやんす。
なんか至極感心するでやんす。
ポン吉くんも見習うべきでやんすな( ̄  ̄)
ポーズはいいから。ぽーずわ。

そしてこのシャンパンを創り出すワイナリーは、
山形県
蔵王連峰にある「タケダ・ワイナリー」さん。
ワイン好きの間では最早言わずと知れたレジェンド・ワイナリーの一つ。
このワイナリーさんの物語はちょっと胸を熱くする様なものなのですが、
HPなどにも記されているそんな歴史をチロリと纏めれば————————



———————タケダワイナリーを経営する武田家では
明治時代初期の頃からブドウ栽培を手がけていましたが、
未来日本の商品作物としてのブドウの可能性に着目した
武田家三代目の重三郎さんは、大正時代に山形県、
蔵王連峰の麓で本格的な葡萄栽培とワイン造りを始めました。
この時社名を「武田食品工場」とします。
ワインなど未だ殆どの人が知らないような時代。
当然そんなワイン製造だけで生計が立つハズもなく、
しばらくは青果物商と兼業で営んでいました。

そんな中「第2次世界大戦」が勃発。
なんとか戦禍を免れた工場では重三郎さんの息子「重信」さんが
ワイン造りを更に発展させるべく東京農業大学醸造学科に入学し、
ワインの研鑽を積んでいました。
ある時、
担当指導官が重信さん達生徒に本場フランスのワインをご馳走してくれました。
銘柄はボルドーの一級ワイン「シャトー・マルゴー」

重信さんは
「世の中にこんなに美味いぶどう酒があるんだ」
と深く感銘を受けたそうです。
「自分もそれを目指したい」
と、そう思ったそうです。

山形に帰り工場を継いだ重信さんは、
早速ヨーロッパ系のぶどう品種の栽培に取りかかります。
しかし、植えても植えても栽培は成功しません。
そんな試行錯誤の最中、1974年、食品工場が火災に遭い全焼。

重信さんはこれを機に兼業の青果物業を一切やめて、
ワイン専業に切り替え、
自身は単身ヨーロッパに渡り、
本場フランスボルドーの一級シャトーで学ぶことにしました。
勉強は作り方は勿論、土壌研究にまで及びました。

その結果、
ヨーロッパ系のブドウが実らない原因は
日本の土壌特性に有るという事に気付き、
帰国後重信さんは農園の土壌改良に取り組みます。
改良方法も土の本質に根ざした有機的方法をとりました。

1979年には「蔵王スターワイン」を発売。
その後も研鑽を続け、
1990年には息子の伸一さんと共に数年をかけ粛々と準備を進めていた、
日本初となる「瓶内二次発酵」製法による
本格的なシャンパン製造を開始します。

そうして1992年9月。
工場を失い、ゼロからワイン業に専念してから18年の歳月を費やし、
やっと出来上がったシャンパンというのが
「ドメイヌ・タケダ=キュベ・ヨシコ」

夢にまで見た日本初の美味しいシャンパンが完成しました。

その数ヶ月後、
武田食品工場は「タケダワイナリー」へと社名を変えます。

重信さんのこんな仕事と情熱を、
ずっと影で支え続けて来たのが奥さんの良子さん。
天性の商業センスと経営、宣伝手腕は伝説的で、
火災で経営基盤であった工場や青果物商を失った時にも、
彼女のお陰でなんとかワイナリーを維持できたのだそうです。
この時、
従業員は誰一人辞めずに会社についてきてくれたそうなのですが、
彼女の口癖は「会社は人だ」だったそうです。
比較的女性が好むシャンパン。
タケダワイナリー初のシャンパンはそんな彼女を称えた名前
「ヨシコ」となったわけです———————————————



そりわウメエェェェェェェーーーっ!
に決まってるべよぉぉぉぉぉぉーーーーーっ♪( ´▽`)



いやいや、本当に美味しかったっす。
私メのような世紀のB級やろーには分不相応の
「気品ある味」でございました。



そんな日本初の本格シャンパン
「キュベ・ヨシコ」の誕生秘話をもう少しだけ記すと、
ワイナリーの創始者重信さんの後を継ぐべく、
熱い気持ちでフランスにワイン留学していた
長男「伸一さん」の力やノウハウもとても大きかったようなのです。
伸一さんはボルドーでシャンパンの製造法までもマスターして
帰国したのだそうです。

しかし.......伸一さんはその後間もなく、
不慮の事故で亡くなってしまうのです。

この時のタケダワイナリーの皆さんのショックは相当だったようで......
誰もがワイナリーの未来を不安に思ってしまったそうです。

そんな暗く沈んだワイナリーを救ったのが、
同じくフランスにワイン留学をしていた妹の典子さんでした。
彼女は帰国後、兄、伸一さんの元で醸造家として働いていたのですが、
師でもあった兄の死をキッカケにワイナリーを背負っていく覚悟を決めます。
そして今では彼女がワイナリーの経営トップでもあり、
ワイナリーの公式HPには彼女のこんなコメントが載っています。



「兄が生前よく言っていたんですよ。
“だまっていてもぶどうは毎年毎年実る、
ワイナリーは繋げて行くことが大切なのだ、
我々は歴史の礎にすぎない”
と」



この日の夜は、そんな物語を持つ「シャンパン」と、
お酒の持ち込みを快く許してくれた素敵なお店さんと、
ポン吉くんをはじめ多くのお仲間のおかげで、
とても贅沢で心地よい時間を過ごすことができました。
なんか、このお酒......
とてーも好きだなぁーーーん。。(* ´З`*)))。。



この時お世話になった東京、代々木の片隅にある素敵なお店
「晴れ間。」
グルメ王K様のお友達がやっています。
ニャンと!
テーブルセットが引き出しに入ってるのですよ!(=゜ω゜)ノ



「瓶内二次発酵」という手法を、
ソムリエの嫁さんがリビングのソファーでイビキをかいて寝ている、
元バーテンダーの見識で言うと、本場フランス、
シャンパーニュ地方の伝統的なシャンパン製法のことだと思います。
その製法は「シュール・リー」とも呼ばれ、
出来上がったワインに糖分と酵母を加え、ビン詰めにします。
するとビンの中でワインの二次発酵が始まり発泡ワインとなります。
「タケダワイナリー」では、
この瓶内二次醗酵=シュール・リーの期間は通常3年を見ているのだそうです。
瓶内発酵の過程で出てくる「澱=おり」と呼ばれる酵母は、
ビン口の側に集めて急速冷凍し、
ビン内の圧力で押し出して取り除きます。
その後コルクを打ち、ワイヤーをかけ、さらにまた1年!
ジックリと寝かせてからやっと出来上がるのです。

日本では稀有な存在とも言える本格的発泡ワイン。
この手法を確立させた「ドンペリ」さん!?もびっくり!
の逸品に思えました。
この「ドンペリ」というのも
シャンパンを世界で一番最初に作った人の名前で、
「ドン・ペリニヨン」さんというカトリック教会の修道士さん。
やっぱりシャンパンというのは、
さりげに愛の酒!?なのかな?!(・ω・)


※シャンパンの定義については、
コメント欄にあるように厳密には厳しく規定されています。
ココでは一般通称的に、
スパークリングワインをシャンパンとして書かせてもらいました。
詳しい方々には悪しからずです。


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2 コメント

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キュベヨシコはシャンパンに非ず (通りすがり人)
2015-03-31 17:21:26
通りすがりの者ですが、一言。
シャンパンとは、フランスのシャンパーニュ地方で生産されたシャルドネ、ピノノワール、ピノムニエなど、限られた品種のみを使用し、フランスワイン法に定められた製法でシャンパーニュ地方でのみ製造されるスパークリングワインを言います。従って、キュベヨシコは、シャンパンではありません。Wikipediaに詳しく書いてありますので、読んでみて下さい。
返信する
通りすがり人さんへ。 (amenouzmet)
2015-03-31 21:51:47
そうですね。正式にはその通りです。
ワインもウイスキーもコーヒーも全てそうです。産地や原料、製法でクレジットを厳密に分けられ、管理されブランディングされてます。
ココでは一般通称で書きました。
注意書きをいれときますね。ありがとうございます。
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