新・眠らない医者の人生探求劇場・・・夢果たすまで

血液専門医・総合内科専門医の17年目医師が、日常生活や医療制度、趣味などに関して記載します。現在、コメント承認制です。

「ねじれ」と佐藤先生の講演から:医局改革の必要性

2008-06-08 23:30:43 | 医局制度改革・医学教育改革

さて、続けます。

 「ねじれ」や「佐藤先生」の講演を聞いたりして、今いろいろ考えています。

 

僕の考えている新しい「医局再生」論はもう少し発展させると、まったく新たな何かを生み出せるのではないか・・と言う事。

 

完全な横の連結を作ることが出来れば、もともとは医療全体のMix upのため、血を混ぜるため、井の中の蛙にならないため・・・と言う事があったのですが、更に深く考えれば「自浄作用の促進」に使えるのではないかと言う事に気がつきました。

 

更に深く掘り下げて考えて見たいと思います。

 

佐藤先生の講演の中で当時の(けして今のではないです)「女子医大」に関しては「特定機能病院」の看板を守るために、「人身御供」を作って、本人も知らないうちに・・・・・・・・・・というか、心臓外科関係者に見せる前に、不完全な・・・誤った内容の文書を患者家族に渡すと言う事をしたわけで・・・。

 

本当はですね、「ねじれ」のなかで出てくる脳外科部長のように「脳外科の中のシステムの中で起こった事故は、部長である自分の責任」と言うような状況が普通で、上が責任を持つ気概があれば・・・とは思う。そうすると、上が責任を持つためには調査しなくてはならないから、事件が起きた理由(システム上の問題)もはっきりしそうな気がする

 

「ねじれ」ででてくる・・・その他のN大とかK大とかの話については論外である。

 

さて、この2つの大学は「内部告発」を行った医師に対して、パワーハラスメントを駆使している。他の医師に関しても同様。 まぁ、医療界って狭いからね・・・。

 

ただ、これに関して「横断的医師教育組織」を作成してしまえば、まず大学は大学で魅力ある教育機関にならなくてはならないし、そのような事(パワハラ)をすれば「医局」としても魅力が落ちるのでやれない様な気がする。

また、パワーハラスメントをされても、受け入れ先はいくらでもあるかもしれない。

逆にそこからその医局は悪事が暴かれるかもしれない。

 

 

まぁ、いろいろ言っていますが・・・僕は医局の人間として大学で「臨床」「研究」「教育」に従事したい人間なので、大学をよりよいものにしたいだけです

 

新臨床研修制度で「大学が崩壊」したから「地域も崩壊している」とは言えると思っています。しかし、大学が崩壊した理由は「大学に魅力がないから」であって、魅力のある教育機関にする事ができれば・・・とは思う。

 

まぁ、自分が絡みたいところだから、いろいろ考えはあるのですけど。

 

医局改革に関しては、いずれ構想がまとまれば、何か行動するときが来るかもしれません。

 

新臨床研修制度・・・が悪いわけではなくて、医局崩壊は「研修制度を切欠に、魅力のないところから離れただけ」にすぎず・・魅力のある職場に出来れば人は再び集まるとも思います。

 

「医局の再生」を通して「日本の医療再生」につなげるとともに、「日本の研究システムの再生」、「医学教育、医療教育の再生」へつなげなくてはならない

更にあわよくば、村社会の体制をもう少し改善する必要性があるのではないかと思います。

 

医局の再生(改革)の必要性が様々な意味であると思われる方(元に戻るのでは決してなく)、応援をよろしくお願いいたします。

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なかのひと 

さて、明日は某高校(北海道で・・・東大進学率、No1かな)にリクルートに行ってきます。

大学の紹介をする前に「医者になりたいか。何故なりたいか?」と聴いてみたい様な気がしますw

そっちの準備もまだまだだったりしてw

では~また~。

 

 

 P.S:本日、4月12日のときのDVDをいただいたのでちょっと見てみました。レジメとか用意していなかったのですけど(いつも用意しない)、何かの合間に「まぁ」が多すぎる。人のことは何も言えないくらい、「まぁ」が多い。

自分の話しているDVDを見るのも・・・まぁ(w)良い勉強になるかもしれません。

明日は気をつけよう・・・。 (もしかすると、緊張しすぎで・・・「まぁ」が多かったのかもしれませんが)

コメント (3)
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全国医師連盟設立集会:すばらしい内容だったと思います

2008-06-08 22:56:46 | 全国医師連盟

こんばんは

今日は昨日も書きましたが全国医師連盟設立集会へ参加してきました。

東京についてまず一言・・・。

暑い!

札幌に比べると真夏のようだ・・・。

 

 さて、そんな事を思いながら会場に行くと、そこには見知った先生方が大勢いらっしゃいました。挨拶をしながら時間をつぶしていたら、ついに開場。

13時より会が始まりました。

 

黒川代表の挨拶のあと(たぶん、テレビ放送されるでしょうし・・・詳細は書きません)、上先生がスライドを用いながら祝辞を述べられていました。

 

上先生の話の中で「医学会のコンセンサス」「医療界のコンセンサス」「社会的コンセンサス」という話がありました。それぞれの考え方の違い、あり方の違いについて話されていたと思います。

 

祝電披露がそのあとありました。小松先生の祝電が代表で読み上げられておりましたが、他にも本田宏先生、自見参議院議員、鈴木寛参議院議員など多くの方の祝電があったようです

 

そして講演が始まりました

 

詳細については書きませんが、それぞれの講演の感想を書いていきたいと思います。

 

1番最初は佐藤先生の講演でした。

佐藤先生は「東京女子医大心臓手術事件」で業務上過失致死で起訴され、第1審で無罪が確定しています。検察の上告でまだ、継続しておりますが・・・この被告・・・と言う立場での話をされていました。

 

この中で心に残った事は二つあります。

一つ目は「警察・検察」が報告書を作成したときに、重要な事は100%納得できなかったらサインしない事・・と言う話。「概ねあっている」でサインをしてしまうと、「自白」ということで「罪人にされてしまう」

佐藤先生が用意してくださった資料(Blog上に掲載あり「紫色の顔の友達を助けたい」http://kazu-dai.cocolog-nifty.com/blog/)も、この当たりの話はいろいろ書かれています。

 2つ目は「医局」や「大学病院」が「自分たちの権益」を守るために、トカゲの尻尾きりを行う現実。これは、このあと書く記事にも絡みますが、官僚と同じで「権益を守る」事を重視するようになった組織は変えなくてはならない。日本の限界は官僚システムにあると今日どなたかが言っておられたと思うのですが、まったく同感です。

 

2人目は川嵜先生です。杏林大学割り箸事件の話でした。

川嵜先生の話で心に残っているのは、この事件がいかに難しい症例だったかという事と、事件の内容は正確に世の中には伝わらないものだ・・・と言う事。 他にも思ったことは多々あるのですが、詳細はまた別の機会に・・・(DVDができるはずなのでw)

 

3人目は中原のり子さん。1999年に亡くなられた「中原利郎先生」の奥さんです。 中原さんの話の中で改めて思ったのは

「昔は月に8回くらい当直をした」と言っていても、結局やれることが拡大したため、内容がまったく今と昔では違うと言う事

 

それを考えれば、この話は非常に大きな問題を抱えていると思いました。

すなわち、一部の人は 「仕事量が現代も昔も同じようなものだ」 と思っていると言う事。

それを言うのが中原先生よりも上の世代であれば、すなわち現実を見ていないだけ。今の厚労省と同じでしょう

仕事量が増えた。だから、医師は増えているが過重労働になりつつあるのだ

と言う事がわかっていない(まぁ、逃散している理由もわからないだろうな)。だから、中原先生の過労死認定に文句をつけるような医師がいるのだと思う。

 

 4人目は江原先生です。

江原先生は小児科の労働問題に関して中心的な働きをされている方ですが、非常に講演もうまくて・・・スマートな話でした。 江原先生の話は

 「24時間寝ないで勤務している医師(細切れの睡眠も含む)は自動車免許の免停になるアルコール濃度の3倍の状態で勤務しているようなものである。医師の労働時間を適正に設定する事は、医師のためだけではなく、患者の安全のためにも必要な事である

と言うような話だったと思います

間違っていたらすいません。

 

5人目は澤田石先生です。澤田石先生はリハビリ問題などで「弱者切捨て」「憲法違反」をしている厚労省・国を相手に行政訴訟を起こされました。

患者および医師の医療権を確立するための試み

と言う題でしたが、笑いをとりながらもすごく熱い講演をされていました。

澤田石先生の活動に関してはこちらをご覧ください http://homepage1.nifty.com/jsawa/medical/

 

最後に木田先生が講演されました。

 

木田先生の話は「医療倫理」に関しての話でした。あのお話を聞くと、一部の先生の中には反発する人が出ると思いますが、僕は概ね賛成です。

たぶん、木田先生は

医師の免責を言うためには、医師の自浄組織がきちんと確立していなくてはならない

と言う事をおっしゃっているのだと思います。

 

医局の話をこのあと書くつもりなのですが、過去にも一部の医局は「医局の対面」「医局の権益」を守るために時折、医師として・・・いや人としてやってはいけないことをする事もあります。

 

いや、人間だから・・・悪い事をしたら隠したいという気持ちは出てきても仕方がありません。しかし、そういうことはやってはいけませんし、まして個人どころか組織としてやるのはどうかな・・・とか、いろいろ思うところもあるのです。

 

General Medical Councilの処分行為の中の最も重い処分 「除名」 が下される3つの不正行為は「Sexual misconduct」「Dishonesty」「Failing to provide acceptable level of treatment」とあり、Dishonesty・・・診療録の書き換えだとかそういったことをさしているのだと思う。

 

と言う事で、すばらしい講演が6つもありました。上先生の話を含めれば7つ。

 

これだけでsame day returnでも来た価値があると思いました。

 

最後に航空機の1時間半前だったのでダッシュで羽田に向かったのですが、会場の前で「ねじれ」などの販売をしていました。

「ねじれ」という集英社から出版されている本です。他の本も販売していましたが・・。 「ねじれ」に関してはどこかで聴いた様な気がする・・・と思い、 「すいません、これください」といったら、サインをしてくださいました。

 

サインされるまで著者の志治さんだとは知りませんでした。

 

けど、サイン本いただいてちょっとうれしい。

そしてそれを読みながら札幌まで帰ってきました。札幌到着までに読み終わってしまいました。非常に良い内容で、是非ご一読ください。

 

 と、言う事で本日「全国医師連盟」が正式発足しました。

上先生がおっしゃっていましたが、「6月8日・・・日本の医療があの日から変わった」といわれるような組織になればよいと思います。

 

簡単ではありますが、これで報告に変えさせていただければと思います。

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