新・眠らない医者の人生探求劇場・・・夢果たすまで

血液専門医・総合内科専門医の17年目医師が、日常生活や医療制度、趣味などに関して記載します。現在、コメント承認制です。

現場の話を聞け・・日医会見:現場からのボトムアップの行政を!

2008-06-12 20:26:42 | 医療

さて、続けます。

 

先ほど、少し思い出したことがあります。

 

今日、通りすがりに・・・ある女医さん(だと思う。通りすがりだから・・・。知らない白衣の女性)が、こんな事をいっているのを聞きました。

「命を懸けてやりなさい」

・・・・・・・・・・・・・・。

いや、まじめなんだろうな・・。まじめすぎるから、そういう発言が出るのだろうけど・・・せめて「死ぬ気でやりなさい」くらいにして欲しいなぁw

「命を懸けてやりなさい・・」って言って、本当に死んでしまっては困るわけで・・・。いわれた人間の性格によっては、この一言は追い詰める事になると思いますよ(思わず、苦笑してしまいました)。

 

さて、現場の話・・・から、違う現場の話しに行きます。

CBの記事ですが、いい加減に現場の話を聞け~という日医会見があったようです。

 

現場の努力、国民の我慢は限界―日医会見  

 

日本医師会(唐澤祥人会長)は6月11日、定例の記者会見を開き、財政制度等審議会などに対する同会の見解を発表した。 財政制度等審議会などに対する同会の見解を発表した  

まず、厚生労働省の「安心と希望の医療確保ビジョン懇談会」について、内田健夫常任理事が発言。同懇談会は厚労相の私的諮問機関であり、設置やメンバーの選定に日医は一切かかわっていないと前置きした上で、次のように批判した。

「現在まで日医に対するヒアリングなども行われておらず、また、医療関連団体や厚労省の各種検討会や審議会との関連性や位置付けに関する議論もなされていない。経済財政諮問会議とか規制改革会議がトップダウンで国の方向性を決めるということがこれまでにもあったが、同懇談会の場で今後の厚生労働行政の方向性が規定されるようなことがあれば、これは由々しき事態だ」  

財政制度等審議会の「平成21年度予算編成の基本的な考え方について」に対しては、中川俊男常任理事が、建議の中で「病院勤務医の負担軽減や産科・小児救急等を重点的に評価する観点からプラス改定とされたが、一方で、国民負担の増ともなっている」と述べられていることに反論。

「確かに診療報酬本体は0.38%のプラスだが、全体では0.82%のマイナス。本体だけを取り上げて国民負担増を強調するのは、さらなる医療費の削減を狙っているからにほかならない。どうして医療従事者、そして患者の気持ちを逆なでするようなこんな表現ができるのか。年間2200億円の削減を撤回させない限り、現場の努力、国民の我慢は限界」と述べた。  

 

社会保障国民会議第二分科会中間取りまとめ骨子(案)については、病院が「装置産業」とされていることに中川常任理事が反論。「医療は人的資源の質、患者との信頼関係が極めて重要であり、設備投資コストのかかる医療機関であっても同じ。装置産業とは不適切であり、削除すべき」とした。また、▽効率化重視であり、国民の視点が欠落▽株式会社参入を企図▽レセプトオンライン化の前倒しが医療提供体制を縮小する─などの点で受け入れ難いとした。

更新:2008/06/11 21:30   キャリアブレイン

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ひとことだけ。

 

戦後の社会復興に関してはトップダウンの官僚制度って良かったのでしょうけど。 日本が発展してきて・・現場を知らない官僚が現場の事を決めると言う事が、現場にとってはありえない状況になってきているのだと思います。

 

もはや、各分野、各現場が発展してきて・・・上から口を挟むような状況ではなく・・・まずは現場の意見を聞き、それと実際の財源などを考慮して最良の案を作っていくべきで、既存の官僚制度では、もはや行政をやっていくのも難しいのではないでしょうか?

 

まとめます。

日医の会見で様々な問題点が指摘されました。 これは全て「現場を知らない官僚」がトップダウンで決めているから、おかしな事になっているだけです。しかし、医療現場の人間が政策を考えるほどの時間はありません。

 

しかし、現場の意見から物事を始めていくことはできると思うのです。

 

現場を知らない官僚のトップダウンの政策ではなく、現場の人間からボトムアップで政治・行政が動いていくような国にしなくてはならないと思います。

 

現場からのボトムアップの行政になったらよいなぁ・・・と思われる方は、応援をよろしくお願いいたします

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なかのひと 

さて、もう少しネットサーフィンをして見ます。

因みに明日は、外来をやった後、準看護学院で血液学の授業をする事になっています。僕が自分で得意だと思っているのは「見切り(一番楽な方法で一つ一つをこなし、いろんなことをやる)」なんですけど、見切りすぎで教える内容が不足していないか心配ですw

けど、だいたいみんな一杯一杯になるからちょうど良いか?

もしくは・・・少し減らすくらいが良いのだろうな・・・・。

 

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医師不足は新臨床研修制度のせい:ただ、魅力のある場所に人が集まっただけです!

2008-06-12 20:01:32 | 医局制度改革・医学教育改革

こんばんは

今日は朝から実験をしていたおかげで、2つの実験が終了しました。今の時点でできる全ての実験がほぼ終了したと言ってもよいでしょう。

Figure Legendも(手直しされまくりですけど)完成したし、あとは・・・・予定通りメインの職場での仕事を中心に行っていく事になるのでしょう。

 

蛍光顕微鏡の写真をもっときれいにとか、細かな実験はいくつかせざるを得ませんが・・・まぁ、大丈夫でしょう。

 

さて、今日はまず新臨床研修制度に関して医師不足と関係している・・・という日本医師会の会見です。

 

医師不足は新臨床研修制度が始まる前からあったわけで、ただ認識可能になった切欠が新臨床研修制度だっただけに過ぎません。

とりあえず、記事のほうをどうぞ。

キャリアブレインからです

 

新研修制度と医師不足の関連が明らかに―日医  

日本医師会は6月11日の定例の記者会見で、「新医師臨床研修制度と医師偏在・医師不足に関する緊急アンケート調査」の結果を公表した。  

同調査は、大学医学部の部長、医局の責任者(多くは主任教授)それぞれを対象に今年4月に実施された。  

 

大学医学部の部長へのアンケート調査では、研修医の受け入れ数の年次推移などを質問。「初期研修医と後期研修医の受け入れ数」については、初期研修医の受け入れ数は減少しているが、後期研修医は増加傾向にあるなど、即戦力となり得る後期研修医を確保する動きが見られた、としている。  

医局の責任者に対するアンケート調査では、医師派遣の中止・休止の有無や新医師臨床研修制度との関連などについて質問。「医局に入局した研修医数」については、同制度が導入された2004年度から2年間急激に落ち込み、3年目の06年度も01年度と比較して70%程度と回復していないことが明らかになった。 

また、04年4月以降、関連医療機関への医師派遣を中止・休止した医局は76.6%に上り、このうち77.7%がその理由について同制度が主因であるとした。 さらに、医局から医師派遣を中止・休止された関連医療機関3003か所のうち、44.6%で診療制限などの問題が起き、16.5%が診療科閉鎖となった。  

同制度導入後の診療科別の派遣医師数については、減少したと答えた割合が最も高かったのは産婦人科で、40.5%に上った。 

また、人口当たりの一般病院(大学病院を除く病院)での従事医師数が最も少ない都道府県のグループで、派遣医師数の減少度が最高だった。これにより、もともと一般病院で従事する医師が少なかった地域で、派遣医師の減少によってさらに医師が不足している実態が明らかになった、としている。

更新:2008/06/11 21:50   キャリアブレイン

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新臨床研修制度1年目の人間として、一つ突っ込みを入れます。

 

新臨床研修制度が発足しても、大学に魅力があれば研修医は大学に来ます。大学に魅力がないから、大学に人が集まらないだけです。

 

もちろん、地方の大学から都市の大病院へ移っているというのもありますが、そこの研修システムよりも良いものになれば・・・研修医・・・人は集まります

 

後期研修医は・・・この初めの年度だけに、大学へ戻る数が増えていますが・・・今のままでは「臨床と研究」を分けようとしているような動きの中、そして大学に戻っても研究などほとんどできないと言う状況を・・これから数年で判明してくれば・・・後期研修医も地域の病院に集まる可能性が高いです

 

僕の予想では、あと5年くらい。あと5年で・・・この新臨床研修制度で研修をした人間が10年目(10年分存在)になります。中堅です。 このとき、現在のまま医局の体質が変わらなければ、大学そのものが崩壊すると思います。

 

まとめます。

 

この記事に書かれている通り、大学の医局から見れば「新臨床研修制度」により、研修医は減り、さらに卒業直後からいた「大学院生」もいなくなりました。そして・・・・研究から臨床思考へ移りつつある今、大学が今の体制のままでは衰えていくのは仕方がないことだと思います。

 

医局の教授クラス、学部長クラスの先生が「医師不足・・・ひいては大学医局がおかしくなったのは、新臨床研修制度のためである」と責任をまったく丸投げにしているのであれば・・・・大学というものが改善していくことはないでしょう。

 

そうなれば、大学へ所属するメリットと言うものがほとんどなくなり、いよいよ持って大学医局というものが崩壊していくと思います。

 

確かに切欠は「新臨床研修制度」だったかもしれません。しかし、医師不足は現実として以前より存在しており、医局崩壊はそれだけ魅力がない場所が大学医局であると言うだけに過ぎません。

 

僕のように大学医局に戻りたいと考えている人間にとって、今の医局の体制(場所にも寄りますが)は魅力的ではなく改善すべき場所としか思えないのです。

 

将来のために医師を増やし、医師の教育に当たる・・・教育の総本山としての医局を作るために、今から活動して行くべきだと思われる方は応援をよろしくお願いいたします。

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なかのひと 

 さて、まだいろいろと記事があったようですので・・・どんどん紹介していきますね♪

コメント (4)
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